旅行会社としてスタートしたJTBは、現在、法人の顧客に対するビジネスソリューションの提供にも力を入れています。中でも数多く手がけているのが「ミーティング&イベント(以下、M&E)」事業です。2019年度に手がけたビジネスイベントは1万件超。コロナ禍の影響を受けて20年度は激減したものの、21年度には約6000件と回復基調にあり、ご利用企業様からも「課題解決につながる」と高い評価をいただいております。数多くイベント会社がある中でJTBを選んでいただいている理由について、そしてJTBがミーティングやイベントを手がけている理由について、JTBのM&E事業担当者が東洋経済オンラインの取材を受け、お話します。
出典:2022年10月20日 『東洋経済オンライン』に掲載された記事広告を一部修正したもの

INDEX

斉藤 友輔
JTB ビジネスソリューション事業本部
事業推進チーム 事業推進担当部長

北島 淳孝
JTB ビジネスソリューション事業本部
事業推進チーム グループリーダー
企画から演出、ロジ手配までワンストップで提供
古くから多様な形で開催されてきたミーティングやイベント。通常とは異なる非日常的な“交流”が生まれることから、コミュニケーションの活性化や関係性の強化、エンゲージメントの醸成といった効果が期待できます。
JTBでは企業を対象に、ミーティングやイベントの開催を支援する「M&E事業」を展開しています。企業の課題は社内向けと社外向けの2つにあると捉え、社内向けには周年イベントやアワードイベント、キックオフイベントなどを軸とした「組織・人財コンサルティングサービス」を、社外向けには新製品発表会やネットワーキングイベント、コミュニティーイベントなどの「マーケティング支援サービス」を提供しています。
JTBが強みとするのは、旅行会社として培ってきた会場や宿泊、交通の手配といった「ロジスティクス」と、イベントの企画や演出、集客、運営、結果の分析・報告までを含め、イベントの開催前から開催後までをワンストップでカバーするサービス提供能力です。
JTBにおけるM&E事業の規模は大きく、2019年度は1万件超のミーティング・イベント開催を支援しました。20年度はコロナ禍の影響で大きな打撃を受けたものの、21年度は約6000件の開催を手がけています。
JTBのイベント事業が拡大していった理由

JTBといえば“旅行”のイメージを持つ方がまだまだ多く、「JTBがなぜ“イベント”なのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。その背景には、顧客ニーズの変化による提案スタイルの転換がありました。
- 斉藤
- 「企業に対する提案内容として、1990年代は社員旅行が中心でした。いわば旅行というプロダクトを提案していたわけですが、次第にそれではビジネスが通用しなくなってきたのです。そこで2000年代に入ってからは、お客様の課題を起点に解決法を提案するソリューション営業に転換しました。
当社は全国の拠点で、営業担当者がお客様企業の課題に向き合っていて、おかげさまで当社をパートナーと位置づけてくださる企業も多くいます。旅行にとどまらないお悩み事も相談いただく中で、お客様が持つコミュニケーション課題を解決する方法の一手段として、ミーティングやイベントも手がけるようになっていったのです」
提案の質を磨く機会をいただき、JTBのもともとの強みである会場や宿泊、交通の手配といったロジスティクス領域だけでなく、企画や演出といった部分からイベントをワンストップでプロデュースするようになっていったのです。すなわちプロダクトとしての提供だけではなく、顧客課題を起点として「価値」を実感してもらうソリューションビジネスへと昇華してきました。
コロナ禍では、リアルでのコミュニケーションが制限される中で、オンライン形式でのイベント開催にも対応してきました。そして最近では「リアル+オンライン」のハイブリッド形式への需要も増す中で、どのような実施形態でも対応できるよう、提案の柔軟度が一層高まりました。このように顧客の要望や課題に寄り添ってきた経験の積み重ねが、JTBの提案力の向上につながっています。
解決を支援する課題の幅を広げ、提案力の強化へ
JTBが近年重視しているのは、ミーティング・イベントの終了後、次への改善に向けた提案力を強化することです。
イベント参加者へのサーベイなどを通じて、データを基に確証を持って次への改善につながる提案力を磨くなど、より付加価値の高いサービスの提供を目指しています。
その一環として、JTBは2021年5月に次世代MICE事業における協業契約をSaaSpresto株式会社と締結しました。これにより米国発のイベントマネジメントシステム「Cvent(シーベント)」を活用したMICEソリューションの提供を開始しました。イベント当日の受付・配信はもちろん、実施前の集客・登録管理、実施後のデータ分析・レポート提供まで、イベントに関するあらゆる業務プロセスを一元管理できるシステムです。
- 北島
- 「参加者の方々のタッチポイントを捕捉し、そのデータを管理運用できるため、そのイベント単発ではなく連続性を担保した施策を打つことに活用できます」

- 北島
- 「Cventは世界100カ国以上、3万社以上の企業が利用しているプラットフォームで、つねに先端のベストプラクティスを活用することができます」
またミーティングやイベントを通じて、企業の課題解決を中長期的にサポートしていくサービスとして「CO₂ゼロMICE®」があります。JTBグループ会社のJTBコミュニケーションデザインがオリジナルで開発・提供するサービスです。ミーティングやイベントで使われる電気を再生可能エネルギーに置き換えることで、排出するCO₂を実質ゼロにするサービスで、主催企業は「CO₂ゼロでイベントを開催している」と発信することが可能です。

- 斉藤
- 「SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)の重視は世界的な潮流となり、経営課題とする企業が増えています。当社としてもミーティングやイベントを通じてSDGsに貢献できるものをと考え、生まれたのがこのサービスです。『グリーン電力証書』も発行しますので、IRや広報活動にもご活用いただけます」
まとめ ~M&Eの基盤にある「つなぐ・つなげる」の思想~

JTBグループの価値創造の源泉には、「つなぐ・つなげる」の思想があります。その思想を事業に置き換えた言葉として「交流創造事業」を事業ドメインに位置づけ、あらゆる交流を創造して感動・共感を呼び起こすことを志向してきました。
その中でもミーティング・イベントは、リアルとオンラインという空間を問わず「企業と従業員をつなぐ」「企業と顧客・消費者をつなぐ」を体現できるコミュニケーション手段として、旅行などと並び社会的有用性が高いソリューションです。今後もM&Eの事業展開に注力し、企業が持つコミュニケーション課題の解決につなげていきたいと考えています。
- 斎藤
- 「旅行もイベントも、まったく同じものというのはありません。一つひとつのイベントを丁寧に設計していくことが、複雑なコミュニケーションの課題を解決に導くと確信しています。長年培ってきた現場対応力とホスピタリティー、そして積み重ねてきたノウハウを基にした仕入れ・調達力やコストマネジメント力をより生かすため、デジタルツールも活用しながら、『コミュニケーションカンパニー』として社会に貢献していきたいと思います」