留学業務の効率化は、新たなるチャレンジの布石
ー明治学院大学の国際化推進の取り組みー

社会の急速なグローバル化に伴い、日本の大学教育においても、国際化の推進とグローバルな競争力の強化が求められています。各大学では学生を積極的に留学へと送り出す取り組みに力を注いでいますが、そこには「大学教職員の業務の効率化」や「海外における学生の危機管理」など、さまざまな課題に直面する現実があります。JTBではこうした現状を踏まえ、大学の国際化をサポートする取り組みの一つとして、留学業務総合サポートシステム「RyuGO」を提供しています。

※「RyuGO」……JTBが提供する、留学業務を総合的にサポートするクラウド型WEBサービス。システム上に情報を一元管理することで、留学準備から帰国までの各種業務の効率化、危機管理、マーケティングデータの集約まで総合的なサポートを行います。

創立当初より国際化教育に積極的に取り組み、グローバル人材の育成に力を注いできた明治学院大学は、2018年秋より「RyuGO」を導入されています。まずは、明治学院大学の国際交流部門を担当する竹尾茂樹副学長に、大学での国際化推進への取り組みとその課題についてお話を伺いました。

学生のニーズに応える多様なプログラムで、留学の意欲を掘り起こす

学生のニーズに応える多様なプログラムで、留学の意欲を掘り起こす

明治学院大学 副学長 竹尾茂樹様

―まず、明治学院大学が目指されている国際教育の在り方についてお聞かせいただけますか。

本学では、「グローバル マインド」、「ボランティア スピリッツ」、「キャリア デザイン」の3つの重点的取り組みを掲げ、それぞれがコラボレーションし、教育理念である"Do for Others(他者への貢献)"の実現を目指しています。その一翼を担っているのがグローバル人材の育成です。昨今は日本にも多くの観光客が訪れるなど、人や物資、お金が、地球規模で動いています。学生もそうした社会に出ていくわけですから、時代に対応する能力の育成を教育のなかでも実現しなければなりません。 具体的に申しますと、本学は西洋をはじめとし、外国に対して開かれた教育理念、環境を持ってきた学校ですので、それをさらに推し進め、英語のみならず、日本語以外の言語に触れる機会を増やそうと考えています。それだけでなく、言語が支える多文化的な環境にも当然理解がなければ、外国の人とチームを組んで仕事をしたり、海外に出て交渉をすることもかなわないでしょう。多文化理解、さまざまなバックグラウンドを持つ人と共生するということも教育に落とし込み、それぞれの専門科目において学習してもらいたいと考えています。

―多文化を理解するという上でも、学生時代の留学は、とても貴重な経験になりますよね。

―多文化を理解するという上でも、学生時代の留学は、とても貴重な経験になりますよね。

そのとおりです。今の学生たちはSNSやインターネットを通じて現地の情報もリアルタイムで手に入ります。高校時代からホームスティなどいろいろな形で海外を体験している学生も多いのですが、大学ではそれを教養、専門性と結びつける形で勉強して統合してほしいのです。現在、本学では海外に協定校が80校あります。留学の形態も、1年間の長期留学から、1ヶ月程度の短期留学、また学科によっては2年次に全員の留学を義務付けるなど、さまざまな形で学生が、多文化、異文化、異なる社会に接する機会が得られるようにしたいと考えています。

―学生たちが積極的に留学できるように、工夫されていることはありますか?

―学生たちが積極的に留学できるように、工夫されていることはありますか?

実は、学生たちに留学をしたいかとたずねると、入学当初ですと8割くらいの学生は「したい」と答えるのですが、2年、3年と進学していくうちに留学希望者がだんだん減っていくんですね。大学での勉強が忙しい、就職活動もある、行きたいけれど1年、半年も留学はできない、という学生もいます。どうしたらもっと学生が積極的に留学したくなるかと考え、学生たちのニーズを拾い上げて、マッチングできる留学形態を探しています。たとえば教職を目指す学生には、ハワイ大学と提携して、春休みの短期で英語教員に利するようなプログラムを提供しています。最近ではインターンシップのニーズも高まっていまして、実社会と接点を持つことは、社会を知る上でも効果的だということで、オーストラリアの小中学校でティーチングアシストとして日本語を教えたり、留学中にボランティア活動ができるプログラムもあります。さらに国連など国際機関で実務体験をする国際貢献プログラムなども今後は力を入れていきたい分野です。

―学生にとっては留学の選択肢が広がることは大きなメリットですが、プログラムの多様化は、大学の業務の負担増という問題も生じます。こうした課題については、どのようにお考えでしょうか。

学生を留学させるための業務は膨大です。やはり外部との協力体制をしっかりと整えていく必要があります。基本的な考え方としては、コアな部分のロジスティックスや、プログラムのコーディネーションや組み立て、協定校との相談などのアカデミックなところは我々大学が責任を持って取り組みます。 しかしそれ以外の、手配のための事務作業や海外での危機管理などは、分業したほうが合理的です。外部との連携を取ることで業務の効率化を図り、それによって得られた教職員の時間やゆとりを、新たにプログラムの開発や、提携校、学生、保護者とのコミュニケーションなどにあてて、大学としてより進化した国際化ビジョンを成し遂げる道筋にしていきたいですね。

続いて、明治学院大学国際センターの三上耕一次長に、「RyuGO」の成果とこれからの展望についてお話を伺いました。

留学の行程をスムーズに、学生一人ひとりのきめ細やかな対応も実現

留学の行程をスムーズに、学生一人ひとりのきめ細やかな対応も実現

明治学院大学 国際センター次長 三上耕一様

―明治学院大学の留学に関するさまざまな業務を担う国際センターで、2018年秋より、JTBの留学業務総合サポートシステム「RyuGO」を導入されたと伺っています。まずその経緯からお教えいただけますか。

本学では2014年に国際化のビジョンを掲げ、国際教育にさらなる力を注いできました。その成果もあり、2010年度には約200人だった留学者数が、2018度年には約500人と大きく伸びています。また、国際経営学科とグローバル法学科の2学科では、2年次の留学が必修になるなど、学内の環境も大きく変わりました。さらに大学として、2025年度までに年間800人の学生を留学させるという数値目標があります。留学者数の増大に伴い、業務も当然増加します。このため国際センターでもこれまでの業務形態からの質的転換を迫られ、2015年より短期認定留学の学生送り出し業務をJTBへアウトソースし、あわせて2、3年前からシステム化の推進を図ってきました。その流れの中でパッケージソフトの必要性を検討していたところに、「RyuGO」のご提案をいただき、導入をしたという経緯があります。

―「RyuGO」を導入されて、実際の業務はどのように変化しましたか?

留学の業務には、いくつもの行程があります。留学を川の流れに例えるとすると、学生が留学に行きたいと思って出願をするのが上流で、その後に学内選考、派遣先の認定などという流れがあり、その行程を辿ることでようやく留学のスタートをきることができます。その流れをいかにきれいにしていくかが我々の一つの大きな課題であったわけですが、先ず短期留学に「RyuGO」を導入したことで、さまざまな部分での効果を実感しています。 たとえば、これまで保険の申請書類など、何枚も同様の内容を手作業で記入していましたが、今は学生の情報を一度登録しておけば、一括して、保険のシステムにアップロードすることができます。その他にも留学手配に関する申請書類の処理や、渡航に必要な各種手続きに関する業務についてなどの作業負担が減少し、効率化を図ることができました。 また、学生の個々に異なる留学の状況を一元的に管理できるため、未提出の書類などがある場合にも、以前なら個別に学生に連絡していましたが、「RyuGO」なら対象となる学生を自動的に抽出してメッセージを届けてくれます。単に業務負担が軽くなるだけでなく、「RyuGO」を使うことによる安心感があります。 学生にとっても、一度「RyuGO」に登録すれば、その状況に応じたメッセージによって、自分が今の段階で何をしなければいけないかが明確にわかり、自身で留学までの流れを把握することができるのは大きなメリットではないでしょうか。

―近年、危機管理の重要性が増していますが、「RyuGO」はリスク管理体制にも万全のソリューションを構築しています。

―近年、危機管理の重要性が増していますが、「RyuGO」はリスク管理体制にも万全のソリューションを構築しています。

はい。大学としても喫緊の課題として、危機管理の強化を挙げています。海外留学に際しては、保護者の方たちの不安やご心配も当然ありますので、大学としても万全の体制を取ることが不可欠です。「RyuGO」は、海外にいる学生の情報も一元管理でき、リスク発生時には迅速な対応を可能としているのも心強いですね。学生が一度登録をすれば、外務省の「たびレジ」とのデータ連携ができるなど、外部機関サイトと連携が取れるのも良いシステムだと感じています。

―貴学では、「RyuGO」を導入されて1年を経過しました。その成果をどのようにつなげていきたいと考えられていますか。

留学業務をシステム化することは、我々にとって大きなステップとなりました。竹尾副学長の話にもありましたが、多様性を持つ学生たちの要望に応える多彩な留学プログラムを提供し、一人でも多くの学生に留学をする機会を提供していくことが我々の使命です。今後はさらに学生の支援や新たなプログラムの開発などに力を注いでいきたいと考えています。

―JTBに対してのご要望はありますか。

学生の留学を支援していくためには、留学業務を支援しているいろいろな企業様との連携が不可欠です。ひとえに業務委託というのではなく、手を携えて共に業務を担当していかなければなりません。特に危機管理では、最初の対応がその後のプロセスを大きく左右します。世界中に多くの拠点を持つJTBには、そのネットワークを活かして、各拠点の人材力をさらに高めていただきたいというのが要望です。 大学としては、さらに業務のシステム化を推進させていきたいと考えています。「RyuGO」はパッケージソフトなので標準性もを維持しつつ、そのなかで私たちが円滑に運用できるように、システム運用のコンサルティングを期待しています。

最後に、株式会社JTB 国際交流センター 中野 憲に今後の「RyuGO」また大学サポートについてお話を伺いました。

明治学院大学様を始め、様々な大学様が学生達の未来像実現のためのサポートに力を入れておられます。社会が求めるグローバル人材へと学生達を成長させることは、まさにその中核的な取り組みとなりますが、そこにはまた多くの課題が存在することもお聞かせ頂きました。 それらの課題に対応するソリューションの一つとして、「RyuGO」システムの存在があります。今後も継続的にご意見ご要望を伺ってゆくことで、大学様にも学生にとっても有用かつ価値ある商品に成長させてゆきたいと考えております。また、国際化への取組みの過程で生じるその他諸々の課題につきましても、その解決のためのサポートを続けて参る所存です。

※役職名は記事掲載2019年7月当時

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