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JTB大阪第三事業部 事業創造室

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越境EC宝くじのようなもの!?

アパレルブランドを越境ECで海外展開させたい。
日本人と欧米人とでは骨格が違うためサイズ感や着こなしに課題があったりしますし、素材や質感を見ながら購入することが基本となるアパレルはスマホ上でしか判断できない越境ECには向かない。
一方で海外に駐在する日本人が増えており、越境ECのターゲットは決して海外消費者だけではない。大手ブランドが海外進出を拡大することで日本のアパレルのブランド価値そのものをあげてくれるというプラス要素も持っている。
着物や浴衣は海外消費者に人気だそうだ。
だが海外で着物や浴衣を着る機会があるのだろうか?日本に旅行へ来たら着物を着て京都の街並みでも歩きたいというニーズはあります。だが海外で着物をとなると誰が着付けをしてくるのかという課題もあります。
そう考えると着物は海外では売れないかなと思いますが、欧米では着物を部屋のインテリアとして飾るというようなトレンドもあります。また、アジア向けには自分で簡単に着付けができる着物が売れている。着付け紹介動画をあわせることで購入ハードルを下げている。
ご相談いただいた事業者様との商談の一コマです。
商工会や商工会議所のような地域事業者の支援組織や信用金庫などの金融機関からのご依頼を受け、セミナーや講演に登壇させていただくことがあります。
越境ECというテーマは事業者様にとっては興味関心があるテーマなのか、いつも多くの事業者様が参加してくださり、質問も多くいただきます。
セミナー終了後に、事業者様から「もっと詳しく個別に相談したい」をいうご連絡をいただき、冒頭のようなやり取りも含めオンライン面談をさせていただいています。セミナー登壇が重なると、多い月では一か月に20件近くご相談いただく時もあります。
コロナ禍では世界的な巣ごもり需要も要因となり、2021年はホットケーキミックスや唐揚げ粉のような料理の材料が売れたり、自宅でも楽しめるホビーグッズが多く売れたようです。また釣り具関連の商材もよく売れました。これはレジャーの中でも比較的ソーシャルディスタンスが保てるフィッシングが好まれたということが起因しているようです。
ある事業者様が「カレンダーが売れた」というお話をされていました。曜日の表記や祝祭日など、海外消費者にとって決して使いやすいはずのない日本のカレンダーがどうして売れるのであろう?と思いましたが、カレンダーのイラストを描いていらっしゃるデザイナーさんの絵が火付けになったとのことでした。
近い将来、インバウンドが復活し多くの訪日外国人観光客が来訪します。また2025年には大阪万博も開催されます。社会はよりグローバルになり、商取引もグローバル化していきます。
一人の訪日外国人観光客があなたの商品を手に取り、自国に帰り得意気にそれを紹介する。そんなことがきっかけで商品が売れるかもしれない。宝くじのような話かもしれませんが、夢を持って取り組んでみることもありだと思っています。

筆者松野 友哉