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JTB大阪第三事業部 事業創造室

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ハーレーダビッドソンの文化を未来へ継承していく!

「彼らは自由を見つける旅に出た」
一世を風靡した往年のアメリカ映画「イージー・ライダー」のキャッチコピーです。
映画イージー・ライダーは60年代アメリカの若者文化を描いた映画で、古き良きアメリカのハイウェイをバイクで大陸横断するロードムービーの先駆けと言われる名作です。
そんな映画の中で、自由を求める主人公が跨るバイクが「ハーレーダビッドソン」です。
ハーレーダビッドソン(HARLEY-DAVIDSON)を略したハーレー(HARLEY)という言葉はバイクに乗らない方でも一度は耳にしたことがあると思います。
「街中で見るとつい目にしてしまう格好いい 無骨な大型バイク」という印象で、憧れた経験がある人もいるのではないでしょうか?
バイクに乗られる方からは「最後のバイクは…やっぱりハーレー!」と言われるなど、ハーレーはバイク好きを熱狂させる魅力があります。
100年以上の歴史があるハーレーは世界中にファンを獲得していますが、その大きな魅力が「豊富なカスタム性」です。
ハーレーにはカスタムパーツが非常に多く、ハンドル1つとっても無数のバリエーションがあります。乗り心地、性能、ビジュアル等を自分好みにしていくことがハーレーの大きな楽しみ方の1つと言われており「世界で1台の自分だけのバイク」を仕上げられる豊富なカスタム性が魅力です。バイクを依頼主の希望に合わせてカスタムする人のことを「カスタムビルダー」と呼びますが、カスタム愛好家が多いことで知られるハーレーにおいて、世界一のハーレーカスタムビルダーが大阪にいることを皆さんはご存知でしょうか?
井上正雄さん。大阪府大東市でハーレーダビッドソンのカスタム・修理等を請負うリボルトカスタムサイクルズを経営、アメリカのハーレーカスタムの世界大会で優勝し世界一のカスタムビルダーになる等、国内外で輝かしい実績を残しているトップカスタムビルダーです。
井上さんより当初ご相談頂いたのは「オリジナルカスタムパーツのEC販売サポート」についてでした。ただ何度も話をお伺いさせて頂くうちに現在のハーレーカスタムの業界で起こっている問題点や井上さんの想いを話して頂くようになりました。
「現在ハーレーのカスタムでは派手さや奇抜さを求める傾向が強く、実際に乗ることが出来ない・耐久性が低く事故を起こすなど、本来のカスタムの在り方から外れた形で広がりをみせている側面がある。ハーレーのカスタムに対して正しい文化が継承されていないと感じる機会が増え、自分が正しい文化を継承し、未来へハーレーのカッコよさ・カスタムの素晴らしさを伝えたい」
井上さん自身がカスタムビルダーになる為に、溶接・板金の技術を一から学び、安全性を担保した上でカスタムを最大限楽しむということを体現してきた中で、現在のシーンに対して想うことがあったのだと思います。
更に話をお伺いすると、井上さんは国内・海外のハーレーショー・大会に審査員としてゲスト出演されるなどハーレー愛好家との接点がありながら自身の考えや想いを十分に発信することが出来ていないことも分かりました。
井上さんの想いである「ハーレーの正しい文化を未来へ継承していく」ということを発信する機会がありながら有効活用されていない状況は勿体ないということをお伝えする中で、ご自身の想いや作業風景を動画で発信していきたいとの希望を頂き、今回YouTubeチャンネルの運営・動画制作のお手伝いをさせて頂くこととなりました。
具体的には井上さんが自身の想いを伝えたいペルソナを設定した上で、ペルソナが興味関心を持ちそうな「カスタム作品」「自身のキャリア」「カスタム作業風景」等をテーマとした動画制作をおこない「ハーレーの正しい文化を未来へ継承していく」という想いを国内・海外へ発信していくという内容です。
今回海外に向けて商品・サービス・地域の魅力を発信することに対してのノウハウを評価頂き依頼を頂きましたが、既に業界内で知名度を得ている井上さんのYouTubeチャンネルの運営という仕事でプレッシャーも感じています。
…がそれ以上に井上さんの想いを発信することや、井上さんが描いている世界を体現するための一助を担っているということにやりがいを持って連携させて頂いています。
他にも打合では井上さんからハーレーについて色々なことを教えて頂きました。
「本場アメリカで根付くハーレー文化、それに携わるプレイヤーの濃度にカルチャーショックを受けた。100年を超えるハーレーの歴史を継承した上で日本では見られないような独創的なアイデアを表現している世界をもっと日本人にも見てもらうことでハーレーをより好きになってもらえる」そんな想いを持たれていました。
何か一緒に連携させて頂ける部分は無いか考える中で「井上さんと行く世界大会ツアー」を企画することとなりました。
具体的には井上さんが挑戦するハーレーカスタムの世界大会(アメリカ)に一緒に同行し、世界大会の様子や本場のハーレー文化、世界のトップカスタムビルダーとの交流が体験できる旅行ツアーの造成です。井上さんの見た景色を少しでも多くの日本人に体感して頂き、今まで以上にハーレーの世界に没入してもらうキッカケになれば嬉しい、そんな気持ちで私たちも連携させて頂いています。
冒頭で紹介した映画イージー・ライダーのキャッチコピーは次のような続きがあります。
「彼らは自由を見つける旅に出た… しかしそんなものはどこにも無かった」
主人公は自由を求めて旅をし、結局自由を見つけることが出来ず物語は終わります。
程度の差こそあれ私達も「こういう仕事がしたい」「こういう働き方がしたい」等、日常の中で制限・制約からの解放を願い、自分の求める環境(=自由)を得たいという気持ちを誰しも持っているかと思います(私は沖縄で働きたい…)
ただ…自分の求める環境について、考えること、行動すること、継続することは難しくないですか…?
ハーレーに対する熱量や自分の描く理想のイメージを強く持たれている姿、ハーレーという武器を携え世界を舞台に旅をされようとしている姿、そんな井上さんの姿を近くでみていると、自分の求める環境(=自由)は待っていても誰も与えてはくれない、熱量を持ち・考え・行動し続けることが大切で、掴み取るものなのだと身に沁みて痛感させられます。そして同時に「ハーレーの正しい文化を未来へ継承していく」という井上さんの旅路に伴走させて頂くことにやりがいを感じます。

私たちは井上さんのような熱量を持った方と一緒に働けることを喜びとし、その熱量に答える仕事がしたい、そう思っています。
そしてそんな素敵な出会いを楽しみにしています。

筆者末永 努