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自治体・行政機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 地方自治体の課題解決へ「万博+観光ポータルサイト」で実現する持続的な観光とは

2023.12.13
地域マネジメント
戦略策定
誘客促進
認知拡大・流通促進

2023年も中盤を過ぎ、本格的なインバウンドの回復が見られています。2023年9月の訪日外客数推計値は約218万人、2019年同月比で96%と、回復率では前月を大幅に上回り、新型コロナウイルス拡大前の実績に迫る勢いを見せました。

JNTO(日本政府観光局)のデータより

今後、訪日外国人観光客の更なる増加が予想される中、地方自治体は“我が街”にお越しいただく機会として、「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」を、契機として期待する地方自治体も多いのではないでしょうか。

本記事では、大阪・関西万博を通じた、観光需要の回復・拡大のポイントを紹介。万博活用に向けた具体的な動き方やおすすめのプラットフォームなどをお届けします。

提供:2025年日本国際博覧会協会

2,820万人が集う、大阪・関西万博

名称 2025年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博)
開催期間 2025年4月13日~10月13日
開催場所 大阪 夢洲(大阪府大阪市此花区)
参加表明国・地域 153か国・地域※
参加表明国際機関 8国際機関※
想定来場者数 約2820万人

※2023年3月24日時点

想定来場者数は2,820万人とされており、内訳は関西在住者が1560万人、関西以外の国内在住者910万人、インバウンドが350万人と予想されています。 2005年に開催された愛・地球博の来場者が2,205万人だったことから、大阪・関西万博は更なる拡大が見込まれています。なかでも、欧米豪からの来場者割合が、過去の年間訪日客の比率に比べて多くなることが予想されており、先進諸国へのアピールにもつながる可能性が期待されています。※

JNTO(日本政府観光局)のデータより

また、153の国と地域・8国際機関が参加することから、世界とつながる絶好の機会となっています。大阪・関西万博の経済波及効果は2兆円を超えるとされており、さまざまなビジネスチャンスも期待されています。

万博によって生まれる世界との交流

大阪・関西万博では、会場内だけでなく、会場外における日本全体の交流人口の拡大が期待されています。実際に国の取り組みとして、さまざまな交流機会の創出が予定されています。

提供:2025年日本国際博覧会協会

自治体交流

子どもや若年層を中心とした地域住民と万博参加国の関係者が、地方自治体の事業を通じて、継続的に国際交流していく「万博国際交流プログラム」が展開されます。具体的には、万博前後にリアルな相互交流などを実施し、お互いの地域の歴史や文化を理解する学習機会を設けるなど、セミナーや交流イベントを開催することができます。万博期間中のナショナルデーにて、イベントを共同開催すること等も有効と思われます。

文化・スポーツ交流

2020年東京オリンピック・パラリンピックのタイミングで、縄文時代から現代まで続く我が国の文化芸術を「日本の美と心」のテーマで国内外へ発信していく文化庁の取り組み「日本博」がスタートしました。大阪・関西万博では、合わせて、インバウンド需要の回復と国内観光需要の一層の喚起を目指して、万博会場や全国各地で「日本博2.0」が展開されていきます。

伝統芸能・舞台芸術・音楽・メディア芸術・アートなどの国内外への発信、観光への誘導や地域のファン作りに加えて、メタバースやNFTなど最先端技術を活用した新しい体験も提供されていく予定です。

そのほかにも、スポーツと連携したイベントや障害者スポーツの振興に寄与する取り組みなども行われる予定です。

教育やビジネスなど多様な交流のかたち

教育分野との関わりも見逃せません。全国各地で万博関連テーマへの理解を深める教育プログラムの実施や、修学旅行と連動した教育交流も活発に行われるでしょう。ほかにも、ビジネス交流や学術交流など、交流人口拡大に向けた取り組みが、各地で行われていきます。

観光交流を地方の活性化へ

ここまで、万博期間中のさまざまな交流機会を紹介してきましたが、地方自治体にとって最も期待を寄せるのは観光交流ではないでしょうか。

(画像はイメージです)

大阪・関西万博はコロナ後の世界最大規模イベントであり、インバウンド需要の回復、全国への誘客が期待されています。自治体単体での動きだけでなく、周辺地域や多様な主体と連携し、観光資源の磨き上げやコンテンツの充実を図ることによる地域のブランド化がポイントになってきます。結果、周遊ルートの構築から全国への誘客へつながります。

そのほかにも、会場内外では、食文化の体験や国立公園などの自然環境を体験するプロジェクト、被災地との連携プロモーションなどが実施され、日本各地の交流を促進していきます。※

引用:2025年⼤阪・関⻄万博 アクションプラン Ver.4P3

観光誘客のアクションポイント

  • コンテンツの磨き上げ
  • プロセスの構築

観光交流の促進のためには、まず、コンテンツの磨き上げや造成が重要になります。具体的には、万博のテーマと親和性が高く、ストーリー性を持った付加価値の高い体験型コンテンツや利便性の高い商品をつくること。そして、旅行者が万博へ来訪を検討するタイミングで、商品の提案から購入までができる、一連のプロセスを構築することがポイントになります。

観光客と地域をつなげる「万博+全国観光ポータルサイト」

磨き上げた体験コンテンツ・旅行商品を発信する手段として、万博協会公式の「観光ポータルサイト」の活用が期待できます。地域で造成したコンテンツや商品を国内外へ発信する「万博+観光ポータルサイト」※です。

万博のテーマに関連した日本全国各地での体験や過ごし方を提案するポータルサイト「Expo 2025 Official Experiential Travel Guides」を2024年4月に開設することが発表されました。全国各地への周遊を促すことを目的として、各地域の旅行商品の検索に加えて予約から決済までできるサイトです。

今後、本年12月頃からポータルサイトへの旅行商品掲載を希望する観光事業者等からの登録申請を開始し、2024年4月より登録商品の購入が可能となる予定です。

ポータルサイト概要

サイト開設期間
2024年4月から2025年10月31日まで(予定)
搭載機能
  • 地域の魅力紹介ページ(スペシャルストーリー・動画)
  • 万博のテーマに関連した体験旅行商品販売ページ
  • 地域イベント紹介ページ
対応言語
日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語
旅行商品の掲載基準
について
  • 万博のテーマと親和性のある商品
  • 体験の内容が深堀され、お客様に高い満足度を提供できる高付加価値商品
  • SDGsに関連した、工夫が行われた商品

㈱JTBは大阪・関西万博 運営参加(万博+観光ポータルサイト)にブロンズパートナーとして協賛しています。

今年10月に公開されたティザーサイトでは、地域の魅力紹介ページや地域イベントの紹介ページなど、コンテンツの一部が掲載されています。ぜひご覧ください。

01万博のテーマと親和性がある

大阪・関西万博では、以下のテーマ・コンセプトが掲げられています。

テーマ
いのち輝く未来社会のデザイン
サブテーマ
いのちを救う、いのちに力を与える、いのちをつなぐ
コンセプト
未来社会の実験場

実際に、会場内外で、未来社会の提案として、モビリティ、エネルギー・環境、デジタル、健康・医療、観光・食・文化・教育・スポーツ、最先端の科学技術といった分野でプロジェクトが展開されていきます。

テーマウィーク※では、「地球の未来と生物の多様性」「健康とウェルビーイング」「平和と人権」「食と暮らしの未来」「学びと遊び」「未来への文化共創」「未来のコミュニティとモビリティ」「SDGs+Beyond いのち輝く未来社会」といったテーマのもとに対話が繰り広げられます。(それぞれのテーマの詳細はこちらのページをご覧ください。)

世界中の国々が半年間にわたり同じ場所に集う万博の特性を活かし、地球的規模の課題の解決に向けて英知を持ち寄り、対話による解決策を探り、いのち輝く未来社会を世界と共に創造することを⽬的として行う取り組み

万博期間中は、テーマやコンセプトを体現したさまざまな取り組みが実施されます。それぞれの内容を参考にすることで、商品づくりのヒントが見つかるでしょう。

02満足度の高い高付加価値商品である

具体的には、世界中でそこでしか体験できないオリジナリティーや、限定公開のような希少性の高さがポイントです。

石川県七尾市で、地元の漁師や農家から世界農業遺産の伝統的な農林漁業の保全活動を学べるツアーを実施。豊かな自然を活かした体験型アクティビティ・プログラムを多数提供しています。

03SDGsに関連した工夫が行われている

持続可能な取り組みが行われ、エコラベル認識などサステナブルに関する認証を取得していることがポイントです。

山梨県北杜市で行われているツアーでは、旅行者が宿泊施設にチェックインする際、サステナブルトラベル誓約書へ同意し、料金の一部を持続可能な観光に役立てるために寄付する仕組みを取り入れています。責任ある旅行者としての意識醸成を行うとともに、サステナブルツアーの特別アクティビティーを提供しています。

受け入れ体制を整え、スムーズな体験を提供

地域における受け入れ体制の整備も重要なポイントです。異なる文化を持つ外国人旅行者に対して、日本の文化や産業を理解してもらい、スムーズな体験を提供するためには、多言語対応やガイドの存在が欠かせません。キャッシュレス決済などの支払いに対するグローバルな対応も重要です。

受け入れ体制を整備することで商品の価値が伝わり、旅行者の満足度向上へつながるでしょう。

交流拡大が生まれる「万博+観光」

商品の造成から「万博+観光ポータルサイト」の活用、そして、受け入れ体制の整備まで、一連の流れを計画的に実行していくことが重要です。

高い付加価値・魅力を提供することで旅行者の満足度は向上し、滞在時間が拡大し、地域における消費額も伸びていくでしょう。結果、地域の新たなファンが生まれ、将来的にはリピーターにもつながり、周囲の家族や友人を通じて世界へ広がっていくのです。


まとめ

万博の新たな取り組みは、地方自治体のみなさまにとって、さまざまな知見を蓄積し、今後の観光事業拡大につなげるチャンスでもあります。そんな大きな可能性を秘めた万博を契機に、持続的な観光の実現を目指してみませんか?

持続的な観光は、地方自治体が抱える、さまざまな課題解決にもつながっていきます。「万博+観光」への取り組みにより、「地域の未来をつくる」きっかけにしてみてはいかがでしょうか。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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