川越市立川越高等学校は、川越市立唯一の高校として、単なるイベント参加や、小中高連携による地域連携だけでなく、行政や地元企業との共創による地域の活性化に貢献したいという課題を抱えていました。
そこで、すでに産官学共創から地域活性事業を展開していたJTB川越支店と連携し、生徒の学びの充実と地域の活性化を実現するため、総合的な探究の時間の中で、地域課題解決を推進していくこととなりました。
本事例では、地域における産官学連携による探究活動を通じ、得られた成果について詳しくご紹介します。

- 事業実施内容
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対象生徒
高校1年生~3年生
連携パートナー
川越市・川越開運堂㈱、COEDO KAWAGOE F.C、川越東武ホテル、飯能信用金庫南大塚支店、川木建設㈱、公社)小江戸川越観光協会、(一社)DMO川越、里神楽梅鉢会・ARIYAコーポレーション・㈱アットファーム・東洋大学
プログラム概要・学年毎のテーマ
川越市が抱える近年の観光客への課題を取り上げ、学校と地域企業や観光協会、川越市が一緒になって考え、地域課題に向き合う3年間を地域全体で創り上げていくプログラムをスタートしました。
学年毎のテーマ
- 1年生 地域の魅力を知る
- 2年生 他地域と比較して地域課題を知る
- 3年生 集大成として川越のために学生ができることを考える

- アンケート結果
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実施後の生徒の感想
各学年でプログラム実施後に、講義全体の満足度や、各学年のテーマにおける講義を実施した効果についてアンケートを実施しました。満足度については、「非常に勉強になった・勉強になった」が98%以上という結果になりました。



また、生徒からの感想からも地元企業や組織の方から話を聞くことで、地域について深く知り、課題を改善していくための学びを深めることが出来たことが窺えます。

- 抱えていた課題と得られた価値
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今回の実施に際して、学校・企業・地域が抱える課題について
① 川越市立川越高等学校
- 抱える課題
- 生徒の目的意識の低下、「市立高校」としての地域貢献活動をしたい
- 得られた価値
- 学校だけでは繋がれない地域・企業との連携による探究学習の機会
② 地域企業・組織
- 抱える課題
- 人材確保・CSR社会貢献活動
- 得られた価値
- 生徒に直に企業を知ってもらう機会の提供。社員のモチベーションの向上
③ 地域(観光協会・DMO)
- 抱える課題
- オーバーツーリズム・観光課題への対応
- 得られた価値
- 高校生らしい大人にはない発想の提案内容に刺激を受けた

- おすすめポイント
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学校・企業・地域が連携した探究学習プログラムで、生徒の学びはもちろん、企業や地域の課題解決に繋がるプログラムの紹介をさせていただきました。今後もJTBでは、産官学の連携により、価値を最大化させ、持続可能な共創モデルの構築を目指して取り組んでいます。
- 導入効果・先生の感想
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川越市立川越高等学校 3学年 丹羽 俊亮先生
総合的な探究の時間の取り組みでは、川越市立で唯一の高校である本校でしか作ることのできない授業づくりをしたいとJTBに相談したところから始まりました。
生徒の要望に対し、市内の企業や大学、各団体と繋いでいただいたおかげで、生徒たちへの自走した学びの提供が実現できました。また、本校の取り組みを関係団体へ周知していただいたおかげで、実施以前より地域に開かれた学校となってきていることを実感しています。
地域に根強いJTBだからこそのネットワークと機動力のおかげで、本校のこの素晴らしい取り組みを運営することができています。
- 産官学事例集のダウンロード
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普段から修学旅行でお世話になっている先生方が抱える課題に対し、社内で法人担当の吉田と連携して取り組みました。学校単体では簡単ではない地元企業を巻き込んだ探究学習を通じ、生徒の将来を考えるきっかけを提供し、学校の地域との連携という課題解決にも繋がったと感じています。今後もこのような提案をしていきたいと思います。
普段は学校にお伺いすることが少ない法人担当ですが、先生方の要望をお伺いする中で、法人担当としての繋がりを活かした企画・提案へと取り組みました。はじめての事も多く、苦労した面も多かったですが、企業や地域と学校を繋ぐ橋渡し役としての役割を果たせて嬉しいです。
今後も、社内における法人と教育の垣根を超えた「探究学習」の提供を通じ、1人でも多くの生徒の将来に良いきっかけに繋がればと考えています。