サービス
閉じる ✕

学校・教育機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 教員の働き方改革が必要な背景・進まない原因は?進め方や取り組み事例も解説

2022.01.27
学校運営・総合
業務効率化支援
中学・高校向け

政府が働き方改革を推進していますが、教員の働き方改革はなかなか進んでいません。この記事では、教員の働き方改革を進めたいと考えている人に向けて、働き方改革の必要性や働き方改革が進まない理由などを解説します。働き方改革の進め方や小学校・中学校での取り組み事例も解説するため、ぜひ参考にしてください。

教員の働き方改革

INDEX

  • 教員の働き方改革が必要とされる背景
  • 教員の働き方改革が進まない理由
  • 教員の働き方改革の進め方
  • 教員の働き方改革の事例
  • まとめ

教員の働き方改革が必要とされる背景

教員にも働き方改革が必要です。ここでは、その背景について解説します。

教員の長時間労働が問題になっている

文部科学省が実施した教員勤務実態調査(平成28年度)によれば、小学校や中学校の教員の時間外労働はとても多い状況です。月80時間以上の時間外労働を行っている場合、過労死のリスクがあります。小学校の教員の約3割、中学校の教員の約6割は、月80時間以上の時間外労働をしています。

小学校や中学校の教員の長時間労働は慢性化しており、問題視されるようになりました。このような状況を改善するためには、教員の働き方改革を推進していく必要があります。

参考:教員勤務実態調査(平成28年度)集計【確定値】|文部科学省

教育の質の低下を防ぐ

長時間労働で教員の心身が疲弊している状態では、教育の質にも大きく影響すると考えられます。子どもたち対して十分な教育を施せない可能性も高くなるでしょう。子どもたちにとって必要な教育をきちんと行き渡らせ、教育の質を上げるためには、働き方改革により教員の心身の疲労を軽減しなければなりません。

教員志望者の減少に対応する

長時間労働が当たり前になっている状況では、これから教員を志望する人材も減少する可能性が高いです。優秀な人材を確保するためには、子育てや介護をしている人でも働きやすい環境を用意する必要があります。どのような状況の人でも無理なく働ける環境を整備し、必要な人材をしっかり確保しなければなりません。

新しい教育方法が求められている

インターネットやAIの普及により、教育方法も変化しつつあります。また、教育現場もグローバル化の影響を受けており、対応を迫られている状況です。必要な教育を施すためには、新しい教育方法にも対応していかなければなりません。そのような状況でも教員の負担を増やさないよう、ICTを有効活用して働き方改革を進める必要があります。

教員の働き方改革が進まない理由

教員の働き方改革が進まないのは、なぜでしょうか。ここでは、その理由について解説します。

授業以外の業務が多い

教員は授業だけでなく、さまざまな業務に対応しています。日常的な業務だけでも、授業前の準備、学習指導、保護者対応、部活動の顧問、委員会活動など幅広いです。また、学校行事や地域活動などにも対応する必要があります。教員はたくさんの業務をこなす必要があるため、働き方改革を進めようとしても実際にはなかなかうまくいかないケースが多いです。

勤務時間管理が適切に行われていない

国公立の教員は地方公務員であり、労働基準法第36条の対象外です。時間外労働について労使間の合意が必要ないことも、時間外労働が増える理由のひとつになっています。教員には時間外勤務手当(残業手当)や休日勤務手当がない代わりに、教員調整額が支給されています。

残業時間や休日出勤の日数を細かく計算して賃金を支払っているわけではないため、出退勤の管理が曖昧になっています。

教員の働き方改革の進め方

教員の働き方改革は、どのように進めればいいのでしょうか。ここでは、教員の働き方改革の進め方について解説します。

業務量を減らす・分担する

教員は、授業以外に対応している業務量がとても多いです。まずは業務内容そのものを改めて見直し、それぞれを分類する必要があります。

教員が対応している業務のなかには、そもそも学校以外で対応できる業務もあります。なかには、必ずしも教員が対応する必要がない業務もあるでしょう。また、教員による対応が必要であっても、工夫次第で負担を軽減できる業務も少なくないはずです。

学校以外で対応できる業務は、外部への委託を依頼する必要があります。具体的には、登下校の対応、放課後から夜間の見回り、児童生徒の補導時の対応、学校納入金等の徴収や管理などがあげられます。これらの業務は、地方公共団体、教育委員会、地域学校協働活動推進員、保護者、地域ボランティアなどへ依頼できる可能性が高いです。

教員が対応している部活動は外部の指導員に依頼したり、地域の人に指導を依頼する「部活動指導員」制度を活用したりする方法もあります。給食、休み時間、掃除などの業務は、地域のシニア層へボランティアを依頼してもいいでしょう。授業に使用するプリントの印刷は、サポートスタッフや民間企業への委託も可能です。

不必要な業務や負担が軽減できそうな業務を洗い出し、対応方法を変える必要があります。

参考: 新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について (中間まとめ)|中央教育審議会

勤務時間の管理を徹底する

教員の勤務時間をきちんと管理することも重要です。タイムカードや勤務管理システムなどを導入し、それぞれの教員がいつ出退勤しているか正確に把握する必要があります。出退勤の時間を把握していれば、働きすぎている教員もすぐにチェックできます。どのような部分が負担になっているかについても洗い出しやすくなるでしょう。

組織体制を見直す

教員の働き方改革を進めるうえでは、学校全体の体制も根本から見直さなければなりません。教員の適性を考慮して配置したり、適切な役割分担を行ったりすることも大切です。また、無駄な会議を極力減らすことも重要です。組織体制が変われば、教員個人の働き方も大きく改善できる可能性が高いです。

教員の働き方改革の事例

教員の働き方改革は、さまざまな学校で始まっています。ここでは、具体的な事例を紹介します。

群馬県の小学校の事例

群馬県のある小学校では、教員の最終退勤時間の平均が遅く、改善が必要だと考えられていました。最終退勤時間の平均は22時16分となっており、多くの教員が夜間まで仕事をしている状況でした。

そこで、登校時刻を後ろ倒しにし、朝の時間に教員が業務を進められるようにしています。下校時刻の前倒しも実施し、教員が自分の業務に取り組める時間を増やしました。また、教科担当制を導入し、効率的に授業を行える体制を整えています。

その結果、退勤時間は約2時間半も早くなっています。時間の使い方を改善したため、教員が無理なく業務をこなせるようになりました。

参考:学校における働き方改革~取組事例集~|文部科学省

千葉県の中学校の事例

千葉県のある中学校でも、教員の長時間労働が問題視され、改善のための取り組みが実施されました。教員の勤務時間の削減だけでなく、生徒の帰宅時間を早めることも目的のひとつとしてあげられました。

教員の負担を軽減するため、部活動の指導について大きな改善を加えています。教員が部活動の指導に費やす時間を見直し、少ない負担で指導できるようにしています。具体的には、地域との連携に力を入れ、保護者の協力も得ながら部活動を進められるようにしました。

以前は勤務時間外に職員研修を行っていましたが、現在では勤務時間内に職員研修を実施できるようになっています。在校時間の削減にもつながり、教員の負担を大幅に軽減できました。

参考:学校における働き方改革~取組事例集~|文部科学省

横浜市の特別支援学校の事例

横浜市のある特別支援学校では、教員にかかっている業務の負担が大きいことが問題になっていました。教員が対応している業務が多く、それぞれに大きな手間がかかっていたことが原因です。

教員の業務負担を軽減するため、この特別支援学校ではICTを導入しています。学校と保護者の連絡に使用できるシステムを導入し、欠席や遅刻などの連絡を自動で受け付けられるようにしました。また、教員同士の情報共有に使用できるシステムも導入して打ち合わせを効率化しています。

その結果、電話対応の手間が大幅に減り、教員同士の打ち合わせの回数も減少しています。ペーパーレス化にもつながりました。

参考:学校における働き方改革~取組事例集~|文部科学省

群馬県の小学校の事例

群馬県のある小学校では、教員の長時間労働を解消したいという課題がありました。そのため、時間をかけてさまざまな取り組みを実行しています。

平成29年には教員だよりを発行し、教員自身に働き方改革の重要性を周知しました。また、定時で退校する日をそれぞれの教員に設定させ、申告させる制度も開始しています。平成30年には、より具体的に働き方改革を推進し始めました。働き方推進委員会が中心となり、打ち合わせの簡略化や学校行事のあり方の見直しが進められています。

このような取り組みにより、教員の労働時間を削減することができました。

参考:学校における働き方改革~取組事例集~|文部科学省


まとめ

学校においても、働き方改革の推進は重要な課題のひとつです。時間外労働を削減して教員の負担を軽減するためには、さまざまな部分を根本から見直さなければなりません。時間や手間もかかりますが、働き方改革を実現すればよりよい教育も目指せるでしょう。

JTBには100年の歴史で培ったノウハウやネットワークがあり、旅行手配だけでなく事前事後学習やカリキュラム支援など、学校の働き方改革につながる幅広いソリューションを提供しています。ぜひご相談ください。

JTBへのお問い合わせはこちら

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

#Think Trunk

WEBマガジン「#Think Trunk」とは

人と人、人と組織、人と社会とのコミュニケーションのヒントをお届けする
WEBマガジンです。

人間・組織の悩みは、コミュニケーション・関係性の場づくりで解決できる。
〜JTBは、新しい形の交流のあり方を創造し、社会に貢献していきたいと考えています〜

JTB法人事業のお客様へお役立ち情報や課題解決のきっかけとなる知見、経験、アイデアを紹介するWebマガジンです。また産・官・学の皆さまとの接点があるJTBならではの垣根を越えた共創のヒントをお届けしたいと考えています。