市場が縮小している日本国内に対し、海外における日本産農林水産物・食品市場は拡大を続けています。
「これから本格的に海外の販路を開拓・拡大するところだった」「ようやく海外のバイヤーとつながりができてきた」というタイミングで、今回のコロナ禍に遭い、「渡航ができない」「先方の訪日予定がストップした」ということに対し、危機感を覚える担当者も多いのではないでしょうか。
とはいえ、このままコロナが終息するのを手をこまねいて待っていては、来年までの商談はおそらくストップします。今年、来年と2年連続で交流が途絶えれば、せっかく動き始めていた商談がゼロベースにリセットされる可能性も十分にあるでしょう。
そのため、「いまだからこそ手を打っておく」ことが、コロナ終息後の販売活動を一気に加速させることにつながります。
では具体的に担当者が、現在のコロナ禍で「いまできること・やるべきこと」とは一体何でしょうか?
コロナ禍にあっても、「いまできること・やるべきこと」とは何か?
まずは海外販路創出や拡大の仕組みを考えてみましょう。
海外に商品を広め、消費者から継続的に購入してもらうためには、以下のようなプロセスを経ることが非常に重要になります。
- 海外マーケットに合った商品を発掘・開発する
- 海外の展示会やフードショーで、実際に商品を見てもらう・食べてもらう
- 現地の小売店で売ってもらったり、現地のレストランで使ってもらったりすることで認知度を拡大する
- 日本に来て生産地を訪れてもらったり、生産者と触れ合ってもらったりというリアルな体験を共有する
- ECサイトや現地の小売店などで、継続的に購入してもらうことで消費を拡大していく
例えば、いきなり海外向けのECサイトに商品を並べたり、現地の小売店で販売したりする⑤の戦略をとっても、売れることは期待できません。異国の地の食品を購入してもらうには、実際に「舌で味わってもらう」「自分の目で商品を確認する」などの実体験が大きく影響するからです。したがって、②③④のプロセスこそが重要になります。
ところが、コロナ禍の影響で②③④の実行が難しくなりました。「実際に体験して、商品のよさを知ってもらう」「実際に会って、商品のこだわりやストーリーを知ってもらう」ことができなくなったのです。
しかし、そんな状況下においても「オンライン」という手段を使えば、リアルな臨場感を補えるさまざまな企画を打ち出せるようになります。
以下では、今後の海外への販路開拓・拡大を止めないための、「オンライン」を活用した2つの方法をご紹介します。
オンライン商談会で海外のバイヤーにアプローチ
「海外に行けないから、今年の商談は諦めるしかない……」、そう思い込んではいませんか?
ところがこのコロナ禍の中、2020年に開催する海外販路創出・拡大を目的としたフェアが好評を得て、すでに追加開催を決定したものがあります。
なぜそのフェアは好評を博したのか、それは「オンライン商談」に対応していたからです。
それにより海外に渡航する必要がなくなり、社長や地元を離れられない立場の人が参加しやすくなりました。
さらに以下では、コロナ禍の「いま」だからこそ注目したい、「J's Agli(ジェイズアグリ)」の一環である2つのイベントをご紹介します。
※J’s Agliとは、世界的に注目されている日本食・産品の「輸出支援」や「販売と訪日向けの着地型商品の企画販売」を一体に取り組み、外国との交流を通じて地域活性化に貢献する、「食・農」×「観光」の取り組みです。
オンライン商談が可能はフェア「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(商談会)とは?
「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(商談会)とは、「日本の農林水産物等の海外販路創出と拡大」「訪日観光客の土産物消費の拡大」を目的に、海外バイヤーとのオンライン商談を可能にしたBtoBの商談会です。農林水産省・日本貿易振興機構(ジェトロ)が後援しています。
開催国・地域は、「中国(上海)」「香港」「マレーシア(クアラルンプール)」「台湾(台北)」の4つ、追加で「タイ(バンコク)」「シンガポール」「香港」での開催も決まり、広がりをみせています。
対象は日本産農林水産物・食品を商談商品とする生産者・生産者団体・メーカー・地域商社機能があるDMO(Destination Management Organization「観光地域づくり法人」)など。
上記に該当される方は、ぜひ注目してください。
「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(商談会)の5つの特長
続いて、「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(商談会)の5つの特長を見ていきましょう。
特長 01オフライン商談とオンライン商談のどちらかが選べる
実際に現地(海外)に足を運び交渉する「オフライン商談」と、インターネット環境を利用して進める「オンライン商談」のどちらか好きなほうを選べます。
オンライン商談の場合、海外の開催地に渡航せず、国内の都合のよい場所(自社や自治体の集会場など)にて商談が可能です。
また、現地の人とのコミュニケーションに不安を覚える方向けに、商談通訳や、パンフレット配布などを行うプロモーターの手配(別途費用)も受け付けています。日本に居ながらにして、現地へ渡航した場合と近いクオリティを担保してくれるでしょう。
さらに渡航費や滞在費などの費用がかからないことも、オンライン商談のメリットのひとつです。
特長 022日間、バイヤーとサプライヤーで完全個別の商談が行える
完全個別型の商談会で、事前にバイヤーとサプライヤー双方の商談希望によるマッチングを行ったうえで当日に臨みます。そのため、時間を有効活用することが可能です。
過去には18社に対して4倍のバイヤー数が集まり、各社10~15商談を時間がある限り実施しました。
現地では休憩時間も使ったり、立ちながら夢中で商談したりする人もいるなど、非常に活気ある商談会となっています。
特長 03事前・事後のフォローが充実している
イベント当日に参加するだけでは、海外販路創出・拡大の成果は出しにくいものです。
「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(商談会)では、事前・事後のフォローが準備されているのも大きな特長です。
事前に輸出診断や研修会を実施することによって、バイヤーの希望にマッチした商材や、バイヤーの購買意欲を高めるトークスプリクトの準備が可能です。
また、商談会後のフォローアップによって、「そのとき限りの話」ではなく、しっかりと契約までつなげられるようサポートしています。
この事前・事後のフォローは参加料金に含まれるため、別途費用はかかりません。
気になる事前研修会の内容に関しては、資料の一部を参考資料としてご用意しました。(本記事の最後)ぜひフローの手厚さをご自身の目で確認してみてください。
特長 04成約率が高い
上記で紹介した「完全個別型の商談」と「事前事後フォローの充実」により、商談会後の成約率が非常に高くなっています。
実際に過去の商談会では、「成約6%」「成約見込みあり37%」「継続交渉40%」と、合計で80%を超える実績を残しました。
特長 05BtoCイベントへの参加も可能
2日間に渡って開催される「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(商談会)の2日目の夜には、BtoC向けのフードショーが開催されます。
BtoB向けの商談会からBtoC向けのイベントに続けて参加できるため、効率的に時間を使うことが可能です。(別途費用あり)
フードショーへのオンライン参加で、海外の消費者にアプローチ!
海外に販路を広げるためには、海外の消費者に日本の農水産物を実際に見て感じてもらい、体験を通じてファンになってもらうことも重要です。
「でも、今年は渡航できないから……」と、海外でのフードショーへの出展を諦めてはいませんか?
しかし、先述の商談会と同じくオンラインで参加できるフードショーであれば渡航の必要はありません。
こちらもコロナ禍の「いま」だからこそ、ぜひ注目すべきイベントといえます。
では以下より、概要を見ていきましょう。
オンライン参加が可能なフェア「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(フードショー)とは?
こちらのフードショーは、海外の日本食材ヘビーユーザーを100人以上集めて開催するイベントです。
開催目的ならびに開催国・地域・後援などは、先述のBtoB向け商談会と同じになります。
オンライン参加が可能な「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(フードショー)の4つの特長
続いて、「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」(フードショー)の4つの特長を見ていきましょう。
特長 01オフライン参加とオンライン参加のどちらかが選べる
こちらも商談会と同じく、オフライン参加とオンライン参加のどちらでも選べます。
・直接訪問したい人、Web会議の方が都合のよい人のどちらのニーズも満たす
・現地での商談通訳やパンフレット配布などを行うプロモーターも別途費用で手配可能
・オンラインだと渡航費や滞在費がかからない(オフラインでも出展費用はリーズナブル)
オンラインでもリアルに近いクオリティが期待できるため、状況に合わせたプランを選ぶことをおすすめします。
特長 02ターゲットが明確
過去のフードショーの参加者には、主に以下のような特徴が見られました。
・訪日経験あり(日本旅行のリピーターが80%)
・日本食材のヘビーユーザー
・20~50代の女性が90%
・SNSを利用した情報収集・発信能力が高い
・富裕層(リテラシーが高い層)
このようにターゲット層が明確であるため、特定のターゲットに絞った、エッジの立ったマーケティングが可能です。
特長 03目的に応じて出展ブースをカスタマイズすることができる
フードショーでは、以下のような出展者の目的に応じて、ブースをカスタマイズできます。
・地域魅力のPR
・販売促進
・市場調査
・SNSのフォロワー獲得
日本の食材を使った調理・試食イベントも設置可能なので、参加した人がSNSで感想や現地の様子を拡散すれば、さらなる宣伝効果が見込めます。参加する「100人以上のインフルエンサー」に美味しさやストーリーを伝えられれば、大きな波及効果を得られるでしょう。
特長 04現地メディアへのアプローチができる
フードショーには現地メディアやOTA(Online Travel Agent「インターネットのみで取引を行う旅行会社」)も招聘するので、広い範囲で商材を知ってもらうことが可能です。
先述のインフルエンサーによるSNSへの拡散と合わされば、テレビ層・インターネット層のどちらにも日本の食材の魅力を伝えられるでしょう。
「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」商談会・フードショー開催日程
最後に、「Japanese Foods Premium Trade Fair 2020-2021」の商談会ならびにフードショーの開催日程をまとめました。
こちらは2020年4月1日から出展企業の募集を始めており、定員になり次第締め切られるので、興味のある方は早めに問い合わせされることをおすすめします。
さらに詳細を知りたい方、実際に申し込みをしたい方は、以下の公式Webサイトをチェックしてください。
Japanese Foods Premium Trade Fair 詳細
まとめ
海外に販路を創出・拡大していくためには、「実際に見たり食べたりして、商品のよさを知ってもらう」「実際に会って、商品のこだわりやストーリーを知ってもらう」という、購買者の「臨場感のある体験」が非常に重要になります。
ところが昨今、コロナの影響で海外に渡航することができなくなり、海外から日本に来てもらうことも難しくなった自治体や生産者も多いでしょう。
今回はそんな「どうすればいいんだろう」と頭を抱えている自治体や生産者に向けて、海外への販路開拓・拡大を止めないための「オンライン」を活用した2つの方法を紹介しました。
本記事で紹介した「Japanese Foods Premium Trade Fair」に出展すれば、BtoBとBtoCのどちらにもアプローチ可能です。
海外に渡航すれば費用がかかるし、新型コロナウイルスの感染リスクが高くなってしまうのが現状です。ぜひ来年以降の海外販路開拓・拡大の手を緩めないために、「オンラインで海外のバイヤー・消費者にアプローチ」という方法を検討してみてはいかがでしょうか。
またすでに説明したとおり、「Japanese Foods Premium Trade Fair」は、事前事後のフォローが手厚いことも、おすすめする理由のひとつです。
参考資料として、事前フォローの一環である事前研修会の一部を無料公開しました。本来は出展者しか見ることのできない情報なので、ぜひダウンロードして、申し込みの検討材料のひとつにしてください。