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学校・教育機関向け 事例 「脱炭素」を楽しく学ぶカードゲームを実施し、ジブンゴト化!公立中学校が修学旅行の事前学習を通じて進める新たな取り組み

武蔵村山市立第三中学校 様

武蔵村山市立第三中学校様で、修学旅行の事前学習として「脱炭素」を学ぶプログラムを実施した事例をご紹介します。カードゲームを活用した楽しい学びを通じ、修学旅行という枠にとらわれず、“脱炭素”へ向けた取り組みをジブンゴト化として考える様子が見られました。振り返りの時間では、「自分は今日からこんなことを意識して過ごす!」というたくさんの前向きな意見が出されました。

背景

2022年9月に武蔵村山市がゼロカーボンシティ宣言を行ったことに関連し、武蔵村山市立第三中学校では「ゼロカーボンシティチャレンジ校」として、ゼロカーボンシティの実現に向けた学習や取り組みを実施しています。ゼロカーボン教育担当を中心として、学校全体で取り組んでいる先進的な中学校です。

中学3年生が行く修学旅行においても、「CO₂ゼロ旅行Ⓡ」を導入し、旅行中に排出してしまうCO₂をカーボンオフセットする予定でした。そんな中で第3学年主任である石原先生よりJTBの担当者へ、「“脱炭素”の理解促進につながるプログラムを実施できないか?」というご相談をいただきました。

そこで今回、「脱炭素まちづくりカレッジ」というカードゲーム型のプログラムをご提案させていただき、修学旅行の事前学習として実施しました。

実施内容

実施概要

日時
2023年10月5日(木)
所要時間
180分(授業3.5コマ分で実施)
人数
3年生3クラス 103名

プログラム内容

01イントロダクション(約20分)

まずは、レクチャーを通じて気候危機や脱炭素の基本的な考えを知るパートです。

  • 日本は世界で何番目に排出量が多い国?
  • 世界の平均気温はどれくらい上がっている?

といった説明ののち、このまま気温上昇が続いた先にはどんな影響が予測されるのか、6つの想定シナリオをご紹介。
今の状況は他人事ではなく、自分たちの未来に関わることなのだということを学びました。

スライドは一例です

02カードゲーム体験(約90分)

カードゲームでは、各クラスを1つの街に見立てて、生徒それぞれが「電力会社」「ゴミ処理所」「行政職員」など、その街のプレイヤーになり切って進めていきます。
ゲームの全体ゴールは、ゲーム終了時までにその街の温室効果ガス排出量を50%以上削減すること。そしてその他に、プレイヤーごとの個人目標も定められているので、この両方の達成を目指していきます。
各プレイヤーは両方の達成のために、さまざまなプロジェクトを実施していきます。
ゲームクリアにはプレイヤー同士の協力が必要不可欠なのですが、子どもたちはゲームをやっていくうちにその本質に気付き、クラスの仲間とたくさん話し合う姿が見られました。

03振り返り(約40分)

ゲームを終えて、感じたことをクラスごとに共有する時間を取りました。ただ「楽しかった」で終わらせず、今日からできる具体的なアクションへと繋げていくための大切なパートです。
この時間はファシリテーターからのインプットの時間ではなく、グループワークの時間を長くとり、ディスカッションを行うなど、子どもたちからの意見を引き出すことを中心に進めました。
最後に、「武蔵村山市の脱炭素化を進めて、持続可能な地域を作るために、自分たちに何ができるか?」という問いについて考えてもらいました。子どもたちは、「今日から給食の残飯は無くそう!」「宿題も部屋でやらずにみんながいるリビングで行い、電気代を節約しようかな」など、早速できることをたくさん考えて発言していました。

先生コメント

武蔵村山市立第三中学校 主幹教諭石原 春彦先生

今年度、武蔵村山市の研究指定を受け、修学旅行の学習の1つとしてJTBから提案していただき、とても有意義な取り組みができました。ねらいを定期的に確認しながらプログラムを進め、主体的に活動し、振り返り、今後の自分の行動を一人一人見つめ直すことができました。

武蔵村山市立第三中学校 ゼロカーボン教育担当須崎 亮先生

3年生は、ゼロカーボンとは何かを学習し、自分にできることを考え始めたところでした。ゲームの中で、日常生活では経験できない企業や行政の立場になり、町全体をどうすれば脱炭素な町にできるか考えていました。生徒たちが楽しみながら学んでいたのが印象的です。「脱炭素」について武蔵村山市の一人の市民として、ジブンゴトにすることができました。

担当者コメント
「脱炭素」を楽しく学ぶカードゲームを実施し、ジブンゴト化!公立中学校が修学旅行の事前学習を通じて進める新たな取り組み
東京多摩支店  西島 潤
東京多摩支店  西島 潤

今回、JTBとして修学旅行の事前学習という枠組みだけではなく、自身の住んでいる自治体の課題や今後目指すべき指標に向けて(今回の場合はゼロカーボンシティ宣言)、中学生のうちからジブンゴトとして取り組む、良い機会をご提供できたのではと感じております。
中学生にとって、ゲーム感覚で学びを得られる非常に良いプログラムですので、今後も本プログラムを通じて学校様へ学びの機会をご提供できればと思います。

本事例のメインソリューション