筑紫女学園中学校・高等学校は、伝統的な女子教育と最先端の教育環境を融合させ、「社会を変革する女性」の育成を目指しています。この理念のもと、2025年度より、アメリカの高校卒業資格を同時取得できるデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)を導入しました。九州初の「DDP加盟校」※として、グローバル教育の新たな可能性を切り拓く同校の先生にお話を聞きました。
正式名称は、「PCDグローバルキャンパス・ジャパン アライアンス加盟校」

- 背景
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筑紫女学園では、2025年度より通信制課程を新設し、生徒が自分のペースで学べる環境を提供しています。そうした中、JTBから「デュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)」の提案を受けました。DDPは、日本の高校に在籍しながら、アメリカの名門高校の卒業資格を同時に取得できるオンラインプログラムです。
画期的なプログラムに大きな可能性を感じた学校は、加盟校への登録を決定。2025年2月には九州初の加盟校として正式登録され、主催団体から加盟校の盾を授与されました。同月に開催された説明会には約700名の保護者や生徒が参加し、多くの質問が寄せられるなど、大きな反響がありました。その後、参加生徒の募集を開始し、準備コースを経て本コースに進む生徒が増加。さらに、地域の中学生や保護者からも問い合わせが相次ぎ、グローバル教育を牽引する学校としての注目度が一層高まっています。デュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)について詳しくはこちら
- DDPの第一印象
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―――DDPの話をはじめて聞いたときの印象を教えてください。
DDPの説明を最初に受けたとき、「これからの教育に必要な要素が詰まったプログラム」というのが率直な印象でした。
世界が急速に変化する中で、英語は単なるツールではなく「自分の考えを発信するための言語」となっています。本校の教育理念「社会を変革する女性を育成する」という目標と、DDPが育む主体性・多様性への理解・グローバルマインドは一致すると感じました。
同時に、「英語でオンライン授業を受ける」という点で生徒の学習負担が大きいのではないかという懸念もありましたが、詳細を伺う中でサポート体制が整っていることが分かり、期待が大きくなりました。筑女に在籍をしながら、アメリカの名門高校の卒業資格を同時取得できるオンラインプログラム(DDP)は生徒にとっても新たな可能性を実現してくれるプログラムだと思います。またオンラインによるセルフスタディー、ライブ授業、補習授業と3つの学習スタイルとサポート体制が充実していることは学習者にとって非常に効果的なシステムだと思います。
- DDPの魅力
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―――DDPのどのような点に魅力を感じましたか?
以下のような点に魅力を感じました。
生徒にとって
- 世界で通用する英語力の習得
- 母国語で思考しながら、英語で発信するスキルを自然に身につけられる。
- 主体的な学びの習慣
- 課題や授業の進め方が自律的で、計画的に学習を進める習慣が養われる。
- 進路の多様化
- 海外大学進学を現実的な選択肢として考える生徒が増える。
全米の大学への推薦入学や国内難関大学への総合型選抜での進学の機会が増える。
学校にとって
- 教育の幅の拡大
- グローバル教育をさらに推進できる。
- 学校ブランドの強化
- 九州初の加盟校として、地域の中高生や教育関係者から注目を集められる。
- ICT活用の促進
- 授業のデジタル化やオンライン学習のノウハウが全校的に広がる。
先生にとって
- 授業力・指導力の向上
- DDPを通して最新の教育手法やICT活用に触れることで、指導スキルの参考になる。
英語や探究学習に関する国際的な教材や指導法を取り入れることで、授業の幅が広がる。
その他
- 社会的な波及効果
- 女性教育と国際教育を融合させることで、「世界で活躍する女性リーダー」を輩出する可能性が高まる。また、多様性や国際協働の重要性を理解する人材を育成することで、将来的に社会全体のグローバル化に貢献できる。
- 説明会の反応
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―――説明会でDDPを紹介したときの反応はいかがでしたか?
2月に行った説明会では、約700名の生徒・保護者(中学生と高校生)が参加しました。
終了後には、「世界とつながる機会を持てるのは素晴らしい」との声をいただきました。
保護者だけでなく、生徒自身からも積極的な質問がありました。―――特に印象に残ったご意見があれば教えてください。
「学力や家庭環境に関わらず挑戦できる柔軟なプログラムで安心した」
「将来の進路選択肢を広げてくれる点に強く魅力を感じた」
「通学しながらオンラインで学べるのは、親としても安心できる」
- 生徒の申し込み
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―――生徒からすぐに申し込みがありました。
4月には7名の生徒から受講申し込みがありました。
「次年度は挑戦したい」という生徒もいました。中には「自分の英語力でやっていけるか不安」という声もありましたが、体験授業やサポート体制の案内を通して「まずは挑戦してみたい」という意欲に変わる生徒が多かったです。生徒たちは、単なる語学学習ではなく、「世界中の同世代とつながる経験」と「未来に大きくつながる自分の可能性」に大きな魅力を感じていました。実際の生徒の声
- 「DDPでは筑女+アメリカにある名門高校の卒業資格を同時取得できることによる、大学進学時に得られるアドバンテージがとても大きいと思います。また、ネイティブ講師の先生と会話することができ、実践的なコミュニケーション能力を身につけることができます。」
- 「DDPを受講して、受講する前より英語に対する嫌悪感が少なくなりました。加えて、リスニングが本当に苦手なのですが、先生が話している雰囲気でなんとなく理解したりすることができるようになりました。」
- 「私は将来、人種に関係なく、多くの人々を救うことができる医者になりたいです。そして、アメリカに留学して最先端の医療技術を学べたらと思っています。」
- 生徒への影響
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―――受講した生徒に何か変化が見られましたか?
- 学校への影響
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―――DDPの導入は学校にどのような影響を与えましたか?
DDP導入後、学校全体にも変化が見られました。特に学校説明会・オープンスクールでの注目度が向上し、グローバル教育を求める中学生や保護者からの問い合わせが増えました。
- 当初の課題
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―――DDP導入当初の課題があれば教えてください
英語力の個人差
初期段階では授業についていくのが難しい生徒もいましたが、サポート講座やオンラインチュータリングで徐々に改善されました。特に、アメリカの高校教員資格を有した教師とバイリンガルのラーニングコーチによるマンツーマン課題指導などのサポート体制が充実しているのは生徒にとっても安心です。
時間管理
当初は、部活動や課題と並行して学習を進める難しさを感じる生徒もいましたが、学習計画を一緒に立てるサポート体制のおかげで克服できるようになりました。定期的な課題の進捗状況を確認してくれる個別指導やカウンセリングが充実していることは生徒にとっても大きなプラスになっています。
- 今後の展望
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―――今後DDPをどのように活用していきたいですか?
今後は以下の取り組みを進めていく予定です。
- 卒業生ネットワークの構築
- DDP修了生が後輩に体験談を共有できる機会を設け、学習モチベーションを高める機会を増やす。
- 海外大学や企業との連携強化
- 夏季研修やオンライン交流を拡充し、世界を身近に感じられる環境を整えていく方向を増やす。
- 探究学習との連携
- DDPで学んだ知識を活かし、社会課題をテーマとしたプロジェクト型学習などを推進する。
- 「世界に羽ばたく筑女生」の育成
- 海外進学だけでなく、国内外で活躍できる女性を育てるため、リーダーシップ教育の充実も目指していく。
筑紫女学園中学校・高等学校 校長 丸内 毅先生
- 関連資料
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