大学の周年事業は、これまでの歴史を振り返ることで大学に愛着を持ってもらったり、校外の人々との結びつきを強くしたりする目的で行われます。この記事では、大学の周年事業の内容や開催手順、周年事業を成功させるポイントなどを紹介します。あわせて、周年事業の事例も紹介します。ぜひご覧ください。
大学の周年事業の目的
大学の周年事業はどのような目的で開催されるのでしょうか。ここでは、周年事業の目的について紹介します。
在校生や卒業生など関係者に向けた目的
大学の周年事業の目的としては、在校生や卒業生などの関係者に対して感謝の気持ちを伝えることが挙げられます。また、大学の歴史やこれまでの歩みなどを知ってもらうことで、愛着を持ってもらうことも目的の1つです。
周年事業を開催することで卒業生が大学を訪れる機会が生まれるため、大学と卒業生との関係を維持できます。特別なイベントに参加することによって、在校生のモチベーションも向上します。
保護者や近隣住人など外部に向けた目的
校外の人々との関係を深めることも、周年事業の目的です。大学に関係する人は在校生や卒業生だけではなく、保護者や近隣住民なども含まれます。周年事業では、このような人々にこれまでの感謝の気持ちや関係の維持のお願いを伝えることが可能です。地域と大学との結びつきも強まります。
大学の周年事業の内容
大学の周年事業では、どのようなことを行うのでしょうか。ここでは、周年事業の内容について紹介します。
講演会の実施
周年事業の代表的な内容として知られているのが、講演会の実施です。さまざまな世界で活躍している著名人を呼んで講演会を実施します。たとえば、海外有名大学の名誉教授や大手企業の代表取締役、文化人やタレントなど、テーマに合わせて講師を選ぶこともおすすめです。
新しい校舎の整備や記念樹の植樹
新しく校舎を整備したり研究室や学食などの設備を増設したりすることも、周年事業としてよく実施される内容です。新しい校舎や設備などを増設することで学習環境の向上が期待できます。また、学生への経済的支援を目的として学生寮の新設を行う大学もあるようです。周年の記念館を新設したり記念樹を植樹したりといった事業もよく行われています。
近隣の住人やOB・OGも参加できるイベントの開催
音楽会やスポーツ大会などの、在校生だけでなく近隣住民やOB・OGなども参加できるイベントを実施するケースもあります。社会貢献イベントや地域と協力できるイベントを開催することで、近隣住民との結びつきを強くすることも可能です。また、大人も子どもも楽しめるイベントにすることで、OB・OGの家族も巻き込みやすくなります。
記念品制作
記念となる品を制作する、周年事業としてはよくある内容です。たとえば、学校のこれまでの歴史をまとめた記念動画や文集などを作成します。また、学生の作品を展示することもおすすめです。美術作品や研究発表などの展示、音楽やダンスなど学生によるパフォーマンスを行うことも大学の魅力をアピールする手段になります。
寄付募集
大学の周年事業を支援するため、寄付の募集を行います。大学の教育環境の向上や新しい校舎・設備の整備、さらには学生支援プログラムなど、多岐にわたるプロジェクトの資金に充てられます。OB・OGや地域住民の支援により、未来の学生たちがより良い学びの環境で成長できるようになります。
オンラインでの周年事業
実際に大学には訪問せずに参加できるケースもあります。ここでは、オンラインでの周年事業を紹介します。
オンライン式典
感染症対策としてオンラインでの式典を開催する大学もあります。Web会議ツールやZoomなどのツールとネット環境が整っていれば、遠方や海外からでも参加できるため、多くの参加者が見込めます。また、人が集まるための会場や設営などの必要がないため、開催にかかるコストを大幅に削減できることもメリットです。
記念品の配布
周年記念として記念品を作成して配布する大学も多いです。在学生などで手渡し可能な場合には手渡ししますが、手渡しできない場合は配送するケースが多くなっています。記念品としては、時計や筆記用具など実用的でありながら長く使えるものを選ぶケースが多いようです。使いやすい定番のグッズを選ぶことがおすすめです。
記念サイトやロゴの制作
創立記念事業特設サイトを開設したり、周年記念ロゴを作成したりするケースもあります。記念サイトでは、開校からこれまでの写真の公開や卒業生インタビューなどを掲載します。周年記念の特設サイトを開設することで、周年を祝うだけでなく大学のプロモーションにつながります。
大学の周年事業を実施する手順
大学の周年事業を実施するには、手順をしっかりと把握しておくことが大切です。ここでは、周年事業の実施手順を紹介します。
STEP01企画を立案する
一般的に、周年の2~3年ほど前から企画を検討し始めます。企画の立案の具体的な内容としては、周年事業を動かす実行委員の決定、予算の見積もり、企画内容の決定などが含まれます。企画を立案する際には、周年事業を実施する目的や対象者などを明確にすることが大切です。
STEP02テーマやコンセプトを決める
周年事業の1年前を目安にテーマとコンセプトを設定します。周年事業の方向性を明確にするために、テーマとコンセプトをしっかりと決めておくことが重要です。テーマやコンセプトを言葉に変えて、スローガンなどを設定します。スローガンとしてわかりやすく示すことで、実施する目的が浸透しやすくなります。あわせて、会場や来賓者の手配も行います。
STEP03リハーサルを実施する
イベントやプログラムの内容や流れなどを詳細に計画したうえで、リハーサルを実施します。当日スムーズに周年事業が進行できるようにするためには、実施の流れをスタッフに理解させる必要があります。リハーサルは、開催の1週間~2か月前に実施します。また、参加者への配布物の確認も行っておくことが必要です。
大学の周年事業を成功させるコツ
大学の周年事業を成功させるには2つのコツを押さえることが重要です。ここでは、それぞれのコツについて紹介します。
POINT01目的と目標を明確にする
周年事業を成功させるには、周年事業を実施する目的と目標を明確にすることが大切です。たとえば、大学のイメージ向上、在学生や関係者への感謝を伝えるなど目的を明確にします。あわせて、対象者も明確化することが大切です。メインターゲットによって、適した周年事業の内容は変わってくるため対象者を決めることも重要です。
POINT02コミュニケーションを重視する
周年事業を成功させるには、大学と関係者のコミュニケーションが欠かせません。地域住民や企業、自治体などと協力することで周囲の関心や支援を得やすくなります。また、一部の人だけが楽しんだり周年事業への参加を強制させたりしないように注意が必要です。参加を強制すると逆に愛着やモチベーションが低下する可能性があります。
実施事例
大学の周年事業では実際にどのような催しを行っているのでしょうか。ここでは、周年事業の実施事例をご紹介します。
C大学創立70周年事業
C大学では、創立70周年記念式典をライブ配信しました。「今までのC大学、これからのC大学」をテーマとして映像を作成して上映、千葉市長をはじめとした4名が登壇してパネルディスカッションを行っています。最後に、創立70周年を記念して作成した楽曲の作成秘話のトークショーと、300名の学生・大学職員が歌うスペシャルムービーを上映しました。
また、70周年記念キャラクターを作成して公開しています。記念式典をライブ配信したことで多くの人が視聴でき、大学のアピールにもつながっています。
周年の冊子として大学オリジナルるるぶを作成
大学のブランドや理念、魅力やブランド力などを掛け合わせて、大学オリジナルのるるぶを作成した事例もあります。るるぶは美しく楽しい紙面展開が特徴で、読み手を惹きつけることができます。また、るるぶは知名度も高いため大学独自のるるぶを作成することで話題性が高くなり、メディアでも取り上げられやすくなります。
返礼品付き寄付の募集
OB・OGを中心とする寄付支援は、大学経営上非常に有益な要素であり、最も重要なプロジェクトとしてとらえています。
「寄付支援」を単なる募金活動にとどまらず、寄付いただく方(支援者拡大)を一番の目的としたマーケティングとプロモーションを展開し、寄付の裾野拡大につなげていくことが可能です。
JTBでは、十数年にわたり「ギフトトラベル事業」と「ふるさと納税事業」を提供してきました。このノウハウを活かし、「寄付支援の拡大」と「大学職員様の業務軽減」を最大のミッションとして貴学をサポートいたします。
まとめ
大学の周年事業では、学校の歴史を振り返ることで愛着を持ってもらったり、近隣住民や関係者などとの結びつきを強くしたりする目的があります。周年事業の内容はさまざまで、周年事業を行う目的や目標、メインターゲットなどに合わせて内容を検討することがおすすめです。
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