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自治体・行政機関向け 事例 “SDGs未来都市”を北九州市立大学生とめぐる研修プログラム「Rethink YAHATA」

世界遺産「八幡製鉄所」がある北九州市は、2018年6月、全国で初めて「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に、他の28自治体とともに選定されました。本事例は、地域の「交流人口の増加」「SDGs認知度の向上」に貢献するため、北九州市立大学地域創生学群とJTBが協業したものです。「SDGs未来都市」北九州を舞台にSDGsを織り込んだ教育旅行プログラムを開発。減少していた域外からの修学旅行生の増加、 次世代を担う若者にSDGsを自分事として考えるきっかけをつくりました。

背景

テーマパーク「スペースワールド」の閉園による域外からの修学旅行生減少を受け、 JTB北九州支店では、北九州市立大学 地域創生学群と協業し、中高生向け修学旅行プログラムの開発を行ってきました。日本有数の工業都市として日本の経済成長に貢献してきた一方で、深刻な公害問題に直面してきた北九州市。2018年6月には「SDGs未来都市」に選定されました。これを受けて、北九州市の「ものづくり」「公害克服」という歴史と日本でも機運が高まりつつあるSDGsを合わせた新たな教育旅行プログラムの開発に着手。地域貢献の新たなカタチを模索しました。

課題
  • 人口減少、少子高齢化
  • SDGsの認知度向上と理解の深化につながる取り組みの実施
  • 強力な誘客施設であったテーマパーク「スペースワールド」の閉園による域外からの修学旅行生の減少(交流人口の減少)
実施内容

プログラム開発の流れ

2019年4月から、北九州市立大学 地域創生学群 小林ゼミの学生とJTBが協業し、域外・域内からの教育旅行プログラムとして開発を開始しました。4月から2ヵ月に1回のペースでコンテンツ会議を開催。小林ゼミの学生とJTB社員がディスカッションをしながら、プログラムの内容を検討、このプログラムが、以下につながることを目指しました。

  • 未来に向けた人財育成としての教育旅行の提案
  • 旅行誘致による交流人口の増加
  • 北九州市=SDGs 先進都市ブランドの広域発信
  • 北九州市のSDGs への取り組みを再確認することによる大学生(若者)のシビックプライド醸成、定住促進

また地域住民や地域の企業にも参画を要請。2019年8月、11月、2020年2月にはトライアルも実施しました。参加いただく中高生に、よりストーリー性・インパクトを感じていただける演出・講演等を検討、また普段は、未公開としているエリアの条件付の解放・公開も交渉しました。

実際に企画したプログラム

■概要

世界遺産「官営八幡製鐵所関連施設」を有し、公害問題を乗り越え、未来への架け橋としてSDGsをキーワードに地域一丸となった活動に取り組むまち「八幡」。『時代』と『課題』の最先端をいくこのまちは今何に挑戦しているのか?かつて製鉄で栄えた「八幡」を、地方創生に取り組む大学生ガイドと共に巡りながら、地域の方の活動に直に触れ、SDGsを自分事として考え、SDGs浸透をサポートする研修プログラム。

■ポイント

  • 大学生とオンラインMTGによる意見交換を重ねて一から作り上げたオリジナルプログラム
  • 大学生ガイドと移動から一日中行動を共にし、交流を図りながら一緒にSDGsを学べる
  • 関係機関との連携により、独自性の強い、地元ならではの取り組み事例を視察できる

■実績

学校名
札幌静修高校高校(北海道)
実施場所
福岡県北九州市八幡東区
実施日時
2021年10月20日
所要時間
5時間
参加人数
80人
プログラムの流れ
アイスブレイク

北九州を代表する観光スポット「皿倉山」ケーブルカーで山頂展望台へ。
開放的な雰囲気の中で、大学生ガイドがレクチャー。
アイスブレイクを通じて大学生と交流。

 

各グループでの親睦を深めることで、コミュニケーション活性化を目指す。

フィールドワーク(情報収集)

大学生ガイドと八幡エリアを中心にまち歩き&地元講師によるSDGsの取り組み事例を紹介。
「ものづくり北九州マイスターによる講話」
「産業構造の変化及び地域の人口構造変化と共存するタクシー会社の取り組み」
「八幡の歴史が生んだ最高峰の浄水処理技術」など、
独自性の強い取り組み事例を実際にまち歩きをしながら視察。

班に2名の大学生がコースを案内

 

SDGsへの様々な取り組みを地元の方から直に学ぶことが出来る。また、大学生ガイドが工夫を凝らしながらSDGsについて分かりやすく案内することでSDGsへの興味関心及び理解度を高めてワークショップに臨むことができる。

ワークショップ(SDGsの視点でアイディア会議)

見聞きした取り組みをSDGsの各項目に落とし込み、
各々の取り組みがもたらす成果と改善点、
より良い解決策等について班ごとで議論。
最後に班ごとにブレスト結果を発表。

 

ワークショップを通じて、参加者が“我がまち”の課題におきかえ、「自分事」として地域の課題や街の未来について考えるきっかけとする。

班に2名の大学生がファシリテーターとなり、テーブルで議事進行をサポート
(インプットした情報を発展させ、アウトプットに繋げます)

導入効果

地域にとっての導入効果

本プログラムの開発により、未来に向けた人財育成につながる教育旅行プログラムの開発ノウハウを蓄積することができました。また修学旅行誘致による交流人口の増加、「北九州市=SDGs先進都市」というブランドの広域発信にもつながったのではないかと考えます。北九州市の大学生(若者)自身が、北九州のSDGsの取り組みを再確認することで、シビックプライドの醸成につながったことも大きな収穫でした。

プログラムを導入した学校・生徒にとっての導入効果

大学生ガイドとフィールドワークやワークショップを通じた交流を図り、知らない地域を知るという体験を通じて、SDGsに関する新しい発見や学びを得る機会となりました。参加した学生からは、「見ず知らずの場所であったが、半日で北九州、八幡について理解を深めることが出来ました。」「八幡に住みたくなりました。」「自分たちが住んでいる街でもどのようなSDGsの取り組みがされているのか興味が湧きました。」「大学生ガイドの皆さんとも直ぐに仲良くなれて、別れ際が寂しかったです。また大人になったら北九州市を訪れたいです。」といった満足の声をいただき、教員からは「今後も修学旅行で訪れる際には実施していただきたいプログラムでした。」等の満足のお声をいただきました。また、SDGsの取り組みを紹介いただいた八幡エリアの講師の方からは、「身近な場所でSDGsに関する学びができ、子供たちだけでなく、大人も考えさせられるプログラムでした。今後定期的に開催していただきたいです。」といった感想をいただきました。

おすすめポイント

授業で学んできたSDGsを「自分事として考える」をテーマに、生徒に「地域を知る」体験をしてもらい、SDGs浸透をサポートするプログラム「Rethink YAHATA」の事例をご紹介しました。本件のような地域の人々による観光プログラム開発には、交流人口の増加だけではなく、魅力の再発見や、SDGsの認知度向上や理解浸透など、さまざまなメリットがあります。SDGsの目線で、地域ごとの課題や目的にあわせて一から作り上げることで、将来を担う若い世代に地域の魅力を伝え、一緒に未来のまちづくりを考えていきませんか?大学生と地域の人のリアルな声を頼りに、企画から運営までお手伝いさせていただきます。お気軽にご相談ください。

担当者コメント
“SDGs未来都市”を北九州市立大学生とめぐる研修プログラム「Rethink YAHATA」
北九州支店  中村 巧陽
北九州支店  中村 巧陽

「SDGsなんてどこで学んでも同じ内容なんでしょう?」そう思われる方も少なくないはずです。しかしながら、北九州市は現代日本の課題を凝縮した、まるで近い将来の日本を映しているような都市です。重工業で戦後日本を支え、公害に直面し、それを克服してきた20世紀。政令指定都市最大の人口減、少子高齢化に直面する21世紀。そんな北九州市は今、何に挑戦しているのか?地域課題を自分事として捉え、地域との共生に取り組む大学生、そして地域の人の声に耳を傾けながら、SDGsを「自分事」として考えるきっかけを創ってみませんか?日本経済史の光と影を併せ持つ街「北九州」でしか見聞きできない「ならではの価値」がここにはあります。皆さまのご参加をお待ちしております。