2050年CO₂排出量実質ゼロを目指し、2022年11月「脱炭素先行地域」に選定された京都市。京都の文化・暮らしの脱炭素で地域力を向上させるゼロカーボン古都モデル」をテーマに、訪れてよし、商ってよし、住んでよしのサステナブルな賑わいの創出に取り組んでいます。そんな中、2030年カーボンニュートラル・キャンパス実現を目指す立命館大学・京都市・JTBが連携しながら、京都ならではの脱炭素を体験できる修学旅行プログラム「脱炭素修学旅行 立命館大学キャンパスツアー」が誕生しました。

- 背景
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京都市は、2050年のCO₂排出量実質ゼロを目指し、全国に先駆けて脱炭素の取り組みを継続的に推進してきました。その挑戦をさらに加速させるため、2022年11月には環境省の「脱炭素先行地域」に選定され、翌2023年3月には「京都市脱炭素先行地域推進コンソーシアム」を設立しました。現在では41の事業者・団体が参画し、相互に連携を図りながら、着実に脱炭素への取り組みを進めています。
評価委員からの意見を踏まえ、京都市では観光地経営の領域において、サステナブル・ツーリズムのグローバル基準を上回る脱炭素の取り組みを推進するためのワーキンググループを設置しました。同ワーキンググループには発足当初からJTBが参画し、サステナブルMICEとしての展開の可能性や、「脱炭素修学旅行」のモデル化に向けた検討を進めてきました。
こうした検討と連携の積み重ねの中で、地域事業者と連携し脱炭素の企画に関わってきたJTBと、「2030年カーボンニュートラル・キャンパス実現」を掲げ、バイオ炭の活用、再生可能エネルギーの導入、キャンパスの省エネルギー化や設備改修などに取り組んできた立命館大学、そして京都市が連携し、京都ならではの脱炭素の取り組みを学べる修学旅行プログラム「脱炭素修学旅行 立命館大学キャンパスツアー」の企画・実施に至りました。
- 目的
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京都市
- 脱炭素社会の実現
- 市民一人ひとりが自分らしい脱炭素型の持続可能なライフスタイルへの転換
- 脱炭素修学旅行の拡大
- オーバーツーリズム対策
立命館大学
- グリーン人材※の育成
- 大学の認知拡大
- 脱炭素に取り組むサークル活動の領域拡大と認知度向上
- 地域連携活動、多様な学びの場の提供
脱炭素社会の実現に貢献する知識やスキルを持つ人材。
- 実施内容
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立命館大学キャンパスツアー~学生たちの取り組みから学ぶ「脱炭素」~
概要 カーボンニュートラルの取り組みを実際に見て・学び・体験できる特別なキャンパスツアー。 目的 楽しみながら「脱炭素」を学ぶ 開催場所 立命館大学衣笠キャンパス 所要時間 約80分 設定期間 2025年7月11日~2027年3月31日 対象者 小中学生 プログラムのポイント
- 太陽の力で電気をつくる仕組みを学ぶ
キャンパスに設置された太陽光パネルと、リアルタイムで発電量を見られるモニターで、再生可能エネルギーを体感! - 落ち葉が野菜を育てる!
キャンパス内の落ち葉や食材のくずから腐葉土や堆肥を作り、農園で野菜を育てる取り組みを見学。自然の循環を感じよう。 - 「もったいない」が未来を変える
大学の食堂から出た未使用食材を活用して堆肥化。食べ物の大切さと、ゴミを減らす工夫を学べる貴重な体験。 - 大学生とめぐる、サステナブルキャンパスツアー
各グループには立命館の大学生が案内役として付き添い。環境への関心を深めながら、大学の雰囲気も感じられるチャンス!
立命館大学キャンパスツアー行程(一例)
11:40 大学紹介
11:55 脱炭素の取り組み紹介
12:05 太陽光パネル紹介
12:10 Uni-Com活動紹介~キャンパス内の堆肥づくりと腐葉土の現場を訪問~
12:35 Kreis活動紹介~地域とつくる農園見学~
12:40 大学食堂の食物循環システム紹介
12:45 その他、キャンパスの見どころ見学(図書館・陪審法廷)JTBならではのサポート
- 学生と触れ合いながら脱炭素を楽しく学び、キャンパスを身近に知っていただくことで、地域、大学、修学旅行生の皆様にとってWin-Winなツアー企画を実現
- 修学旅行の取り扱いシェア率が高く、専門性の高いJTBならではの知見を活かし、修学旅行のマーケットに合わせた商品設計
モニターツアーの実施
実施日:2025年5月30日(金)
対象者:京都市内中学校2年生7名、引率教員1名
実施時間:13:00~13:45
※プログラム全体から脱炭素学習パートを抜粋して実施。
ガイド担当:立命館大学学生2名内容
- 中央広場集合、学生紹介
- 脱炭素レクチャー(スライド資料使用)
- フィールド視察(コンポストハウス、腐葉土置場、きぬがさ農園)


販売基盤の構築
- パンフレット、プロモーション動画の制作
- 問い合わせに対応する窓口(事務局)の設置
- 多角的なプロモーション活動
①プレスリリース:『京都市プレス』
②Webメディア・プラットフォーム掲載:『PRTIMES』『Q都スタディトリップ』
- 太陽の力で電気をつくる仕組みを学ぶ
- 導入効果・今後の展望
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モニターツアー参加者からは、「学生の話がおもしろかった」「クイズ形式が良かった」「知らなかったことをたくさん知れた」といった声が寄せられました。大学生が語りかけるスタイルや、クイズを交えたインタラクティブな進行が、中学生の知的好奇心を効果的に刺激することができ、満足度の高い結果につながりました。
ツアーをきっかけに、「食べ物を残さないようにしたい」「ごみ問題に関心を持った」といった、日常生活における環境問題への意識が向上したことが示唆される具体的な意見が多数見られ、プログラムが単なる知識の提供だけでなく、行動変容を促すきっかけにもなりました。
ガイドの大学生にとっても、参加者にわかりやすく自身の言葉で伝えることで、環境問題に対する意識が高まり、脱炭素の知識習得にもつながりました。
脱炭素を軸に産官学が連携し、新しいプログラムの創出につながりました。京都は、修学旅行の目的地として選ばれやすい一方で、オーバーツーリズムなどのさまざまな課題を抱えています。この新しいプログラムが、新たな京都の魅力として定着し、オーバーツーリズム解消にもつながるコンテンツになることが期待できます。また、プログラムに参加した学生が、脱炭素への興味を深め、自ら行動してくれることで、脱炭素の取り組みを京都市から全国へ波及させていきたいです。
- おすすめポイント
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脱炭素社会の実現は、喫緊の課題であり、多くの地域で取り組みが進められています。この実現には、行政、企業、大学が一体となった「産官学連携」が不可欠です。本記事では、未来を担う子どもたちが楽しく脱炭素を学び、環境問題への意識を高める機会を提供する京都ならではの「脱炭素修学旅行プログラム」をご紹介しました。これは、単なる教育プログラムに留まらず、地域と大学の連携を深め、新たな交流を生み出すきっかけにもなります。
JTBは、全国各地の地域と深く関わり、修学旅行をはじめとする教育現場と正対することで培ってきたネットワークと知見を活かし、自治体の皆さまと共に脱炭素化への取り組みをサポートいたします。ぜひ、地域から脱炭素社会の実現に向けて、一歩を踏み出しませんか?“脱炭素”を楽しくジブンゴト化!『脱炭素まちづくりカレッジ』
脱炭素社会の実現は、単に知識を学ぶだけでなく、「自分ごと」として体感し、行動につなげていくことが重要だと考えています。本プログラムでは、立命館大学のキャンパスをフィールドに、学生たち自身が取り組んできた脱炭素の実践を、修学旅行生にわかりやすく、楽しく伝えることを大切にしました。
大学生が案内役となり、同じ目線で対話しながら学ぶスタイルは、参加した生徒の関心や理解を自然に引き出し、高い満足度につながっています。
本取り組みは、京都市・立命館大学・JTBがそれぞれの強みを持ち寄ることで実現した、まさに産官学連携による新しい教育旅行のモデルです。JTBとしては、修学旅行という教育現場と正対してきた知見を活かし、学びの価値と事業性の両立を意識したプログラム設計や、販売・運営体制の構築を担ってきました。
今後は、こうした脱炭素をテーマとした学びの場を、修学旅行にとどまらず、地域全体の取り組みや人材育成へと広げていくことが可能だと考えています。JTBは引き続き、自治体や教育機関、大学の皆さまと伴走しながら、地域から脱炭素社会の実現に向けた一歩を共に創り出していきたいと思います。