より広域的な観光振興に向けて東北地域では、官民、観光関係者、地域住民等が一体となって、外国人観光客誘致に積極的に取り組んできました。JTBが得意とするアウトバウンド商品のひとつウェディングツーリズムのノウハウを、日本を訪れる外国人旅行者向けに活かしていけないか。日本の中でも見たことがない東北の風景は、カップルのお二人だけではなく、挙式に来訪するみなさまにとっても憧れのロケ地になるのではないか、と思ったことが提案に至るきっかけでした。「フォトウェディングをしたいエリア1位」に日本をあげる香港の方々は、素敵なロケ地を生かした演出の中で、女性だけではなく男性も美しくウェディングフォトを撮影します。冬の東北ならではのウェディングスポットや自然景観、食等の周辺観光の情報発信を行うことで、ウェディングツーリズムの目的地としての東北の認知度を高めようと、香港で開催された「The 96th Hong Kong Wedding Fair」への出展、香港メディアの招請を通じ誘客促進を図りました。

• 「ウエディングツーリズムの目的地」としての東北の認知度を高める（香港では東北の旅に関する情報が少ない）
• 東北への誘客促進を図る
• 広域的な東北地域の観光振興

実施概要

01「The 96th Hong Kong wedding Fair」へのブース出展・装飾・運営

開催時期

2019年8月9日（金）～8月11日（日）

開催場所

香港会議展覧中心 ホール１

対象

香港在住の一般の旅行者、カップル等（婚約中の方、結婚されている方）

02「香港メディアの招請」

実施時期

2019年12月11日（水）～2019年12月16日（月）まで

被招請者

香港メディア 1社2名

目的

冬の東北ならではのウェディングスポットや自然景観、食等の周辺観光の情報発信を行うことで、　ウェディングツーリズムの目的地としての東北の認知度を高めるとともに、誘客促進を図る。

実施内容

01「The 96th Hong Kong wedding Fair」

パンフレット・動画制作

全体テーマである「Snow Bride,Snow Bridal ～ゆきのあかり～」をベースに、連携事業者が厳選した写真を掲載することで、冬の東北をウェディングツーリズムの目的地として認知度を高めるとともに、商談へつなげるツールとして活用。パンフレットやブース内の写真等、静止画では伝わらない魅力を動画で来場者へ伝える。

ブース運営

各県の代表的なフォトスポットを1枚ずつ大きく掲載。来場者にその前で写真を撮影してもらうことで、実際にその場所で写真を撮影した際のイメージを湧かせるデザインで作成。

相談コーナー設置

各県ごとの連携事業者と来場者で商談を行い、フォトウエディングの成約につなげる。

フォトコンテスト実施

各県のフォトスポットを連想させるような物をフォトプロップス的に利用できるように配置。ブースでの写真撮影を促し、ブースへの客引きツールとして活用。

アンケート実施

来場者の生の意見を収集する目的にて活用。
パンフレットとシールを活用したわかりやすく華やかなビジュアルのコーナーにすることで、アンケート回答へのハードルを下げ、パンフレットの写真を初めて見る人へのプロモーションとしても活用。

実施の流れ

1. ブースへ訪れた来場者へアンケートを実施している旨を伝える
2. パンフレットとシールを活用した「どの写真が印象的ですか？」という設問へ誘導
3. 紙ベースのアンケートへ回答
4. アンケートに回答した来場者にはノベルティとして「恋みくじ」をプレゼント

02「香港メディアの招請」

ロケーションフォト、エンゲージメントフォトの撮影

ウエディングフォトを実際に撮影しながら各地域を周遊。撮影しながら周遊したことで、実際に訪れた際の撮影スポット、その撮影地や撮影地の前後での旅の楽しみ方を被招請者に伝える。

被招請者による情報発信

ツアー実施後に被招請者の Instagramより情報発信。ツアー実施中にも Instagramのストーリーズ機能を使い世界に向けて情報発信。

JTBのサポート

「The 96th Hong Kong wedding Fair」へのブース出展

商談やアンケート調査の中で、日本の中でも東北で、しかも冬に撮影することは、香港のカップルにとっては全く馴染みのない新鮮なものだった、撮影したいという意見が多く聞かれました。

各出展者のブースは非常に華やかで、特に韓国からの出展ブースは写真を大きく写したり、装飾でキラキラしていたりと、来場者が足を止めていました。その中で、ブースのフォトスポット的なブースデザインは他ブースとの差別化が図られていました。実際に写真を撮影した人がInstagramに投稿していたケースもみられ、東北のフォトスポットの拡散につなげることができました。次年度以降は、ハッシュタグや拡散方法をあらかじめ決めておき、発信を促すことも検討したいです。

「香港メディアの招請」

行程を進める中で、実際の気温や場所、アクセス方法を気にしながら、被招請者が撮影をすることができたのが大きな収穫でした。行程設計においては撮影の時間を十分に確保することはもちろん、撮影前後の観光スポットを取り入れるように配慮し、実際に撮影をしながら巡ったことで、実際に訪れた際の「東北の旅の楽しみ方」を伝えることができました。 冬の東北ならではのロケーションフォト、エンゲージメントフォトの撮影ができることを被招請者に伝えたことで、美しい自然景観など、周辺観光の情報発信・拡散、ウェディングツーリズムの目的地としての東北の認知度を高め、誘客の促進につなげることができました。

地域の観光振興に向け、新たな取り組みに挑戦する自治体様が多いのではないでしょうか。今回は、東北の魅力を印象付け、より一層の誘客を図るための取り組みとして、“ウエディングツーリズム”をご紹介させていただきました。地域の認知度を高めるためには、ターゲットを絞ったテーマ性のある旅が必要不可欠です。各地域が持つ地域ならではの魅力を多くの人に発信し、誘客促進を目指していきませんか？ぜひ、参考にしていただければ幸いです。