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自治体・行政機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 観光プロモーションを効果的に行うポイントとは?手順や事例についても解説

2023.03.23
地域マーケティング
戦略策定
誘客促進
認知拡大・流通促進

国内外からの観光客が戻りつつある中、地域への誘客を促進するために観光プロモーションに力を入れる自治体が増えています。この記事では、観光プロモーションの手順や効果的に行うポイント、事例などをご紹介します。自治体の担当者様は、ぜひご覧ください。

観光プロモーションの目的

観光プロモーションの目的には、観光客を呼び込むだけではなく、観光地自体の認知拡大も欠かせません。歴史的建造物や文化遺産、名物料理などをアピールして、観光地自体の魅力も広く認知させる工夫が必要です。

観光プロモーションを行う手順

観光プロモーションを行うには、基本的な手順を知っておく必要があります。ここでは、観光プロモーションの手順を「ターゲット選定」「ターゲットのリサーチ」「ターゲットと観光地のマッチング」「ターゲットへのアプローチ」の4つに分けて解説します。

STEP01ターゲット層を決める

観光プロモーションを行うためには、ターゲット層を明確に決めておくことが大事です。ファミリーやカップル、シニア、外国人、学生などターゲット層を細かく決めることで、プロモーションが計画しやすくなります。ターゲット層が定まらないと、次のリサーチやマッチングなどの施策も、あやふやでぼんやりしたものになります。

ぼんやりした観光プロモーションでは、観光客の心をつかんだり、心に響いたりしません。観光地の特性や強みを知り、親和性の高いターゲット層を明確に決めれば、観光プロモーションの企画だけではなく、発信方法も明確になります。

STEP02ターゲット層についてリサーチする

観光プロモーションを行う場合は、観光地の魅力だけを発信するのではなく、ターゲット層が興味を引く内容を発信しなければなりません。ターゲット層が興味を持つ内容とは何なのかを入念にリサーチすることで、発信する内容がより明確になります。リサーチには、定量調査と定性調査がありますが、観光プロモーションでは定量調査が効果的です。代表的な定量調査の方法は、次のようになります。

  • ネットリサーチ:Web 上でのアンケート調査
  • 会場調査:試飲や試食などで評価を調べる
  • 郵送調査:対象者を募集しアンケート用紙を郵送して調査する

STEP03ターゲット層の興味と観光地の強みをマッチングさせる

リサーチしたターゲット層の興味は、観光地の強みとマッチングさせることが大事です。観光地の観光名所や特産物などの強みが、ターゲット層の興味を引くものであることが理想ですが、合致していないケースも少なくありません。

その場合は、ターゲット層の興味と合致するものを調べます。観光地の強みを活かしながら、ターゲット層が興味を持つイベントを行う手段も有効です。ターゲット層が期待感を得られる企画を立案しましょう。観光地を訪れることを決めるだけで、楽しめる内容にすることが大切です。

STEP04ターゲット層に親和性の高いアプローチ方法を考える

ターゲット層と観光地のマッチング計画が整ったら、次にターゲット層に適したアプローチ方法を検討します。どのような媒体で発信するのかは、ターゲット層によって異なります。若年層はインターネットやSNSが主な情報収集の手段であるため、SNSによるプロモーションなどを計画しましょう。

ファミリー層は子どもを主体とした媒体が適しています。シニア層の場合は、新聞、雑誌、フリーペーパー、折り込みチラシなどのオフラインのプロモーションが有効といえます。大切なことはターゲット層に情報が届くことであり、魅力を最大限に伝えることができる媒体を選ぶことです。

観光プロモーションを効果的に行うポイント

観光プロモーションを効果的に行うには、口コミやSNSなどで情報を拡散してもらうことも必要です。また、顧客にファンになってもらうことで、リピーターになってくれる可能性もあります。ここでは、観光プロモーションを効果的に行うポイントをご紹介します。

TGTにあったキービジュアル+コピーライトを作成(媒体の準備も)

POINT01口コミしてもらえるような感動体験を提供する

口コミによる広告宣伝は、さまざまな効果が期待できます。同じターゲット層の新規顧客を獲得できたり、リピーターを獲得しやすかったりするなどです。人は、「感動体験」を得ると他の人に伝えたくなります。観光客が期待する以上の体験を提供すれば、口コミが広がる可能性があります。

観光客が旅先を選ぶポイントは、良い思い出がある観光地のリピートや知り合いの紹介などです。観光客の中でも、特にターゲット層が期待以上の体験を経験することで、ファンやアンバサダーになる可能性もあります。ファンやアンバサダーになれば、観光客を紹介してくれたり、口コミで観光地の良さをターゲット層に広げてくれたりします。

POINT02後ろにあるストーリーを伝えて共感を得る

観光客への感動体験と同じように大事なポイントが、後ろにあるストーリーを伝えて「共感」を得ることです。観光地の目に見える魅力や舌で味合う魅力の背景には、歴史やストーリーがあります。背景を観光客に伝えることは、観光客と観光地が共感できる要素になるのです。観光客に提供する情報の質や深さを重視しながら、観光地で待つ人々の想いを発信しましょう。

発信する媒体は、前述したように世代によって異なります。しかし、観光地の魅力を効率よく伝えられる媒体として、注目されているのがSNSプロモーションです。スマホを使う高齢者も増加しており、近年は動画によるプロモーションに人気が集まっています。動画は、SNSなどで簡単に見ることができて、イメージが伝わりやすいことが特徴です。

POINT03コラボをして新たな価値を創造する

大河ドラマや朝の連続テレビ小説、人気のアニメキャラクターなどとコラボレーションして、新たな価値を想像することも効果的です。近年では、人気アニメの舞台になった場所を「聖地巡礼」として、訪れる観光客も少なくありません。鉄道ファンが、地方のローカル線や新型車両に集まる現象も、増加傾向です。

ドラマやアニメや鉄道ファンなどは、大好きな人やキャラクター、車両などとコラボレーションした観光地に愛着を抱くことがあります。鳥取県境水戸市や宮城県登米市では、有名アニメの原作者の出身地であることをアピールして成功しています。著名人や認知度が高い人、キャラクターがコラボレーションすることで、新たな価値創造が可能となるのです。

観光プロモーションの取り組み事例

観光プロモーションの取り組みとして、熱海の事例をご紹介します。

観光プロモーションの取り組み事例【熱海】観光客の声…「意外とよかった」をプロモーションコンセプトに!「意外と熱海」

熱海市には、2013年から行われた3か年計画の観光プロモーション事業があります。ピーク時の半分以下の観光客に減ってしまった観光客を取り戻すために、明確にターゲット層を絞りました。ターゲット層に対して徹底したリサーチを行い、熱海の魅力を伝えるブランディング、PR活動を展開しています。「観光まちづくり」への意識改革にも成功し、観光客・事業者・地域行政がともにメリットを享受できる関係が構築できています。詳しい内容は、下記のテキストリンクから確認できます。

■詳しくはこちら

「意外と熱海」


まとめ

コロナ禍を踏まえて、国内および外国人観光客を地域に誘客するためには、改めて観光プロモーションの手順を踏まえた取り組みが欠かせません。またプロモーションだけではなく、観光マーケティングにおける推進プロセスを踏まえて、具体的実施事項のPDCAをまわしていくことで持続可能な観光地域づくりに繋がっていきます。今後、地域においても力を入れて取り組む必要があります。

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