総合的な探究の時間が定着する中で、個人を起点としてテーマや課題を設定する「個人探究」に取り組む学校が増えています。一方で、テーマの多様化に伴い、教員だけで生徒一人ひとりの探究に伴走することの難しさを感じている先生方も少なくありません。
JTBとENN(一般社団法人次世代教育ネットワーキング機構)が共催した第10回次世代教育フォーラム「探究の質を高める外部連携の最適解」では、大学生・大学院生による伴走支援に焦点を当て、探究の質を高める外部連携のあり方についてお届けしています。
本記事では、その内容をダイジェストでご紹介します。

現在配信中 【第10回 次世代教育フォーラム】探究の質を高める外部連携の最適解
~多様化するテーマに伴走する、大学生・大学院生との協働~
- 配信期間
- 2026年7月31日(金)23:59まで
- 申込締切
- 2026年7月30日(木)23:59
東京大学先端科学技術研究センター 准教授 / 東京外国語大学 特任准教授 森 晶子 先生
先端教育共創分野 / 先端教育アウトリーチラボ(AEO)を主宰。
20年間東京都庁に勤務し、知事本局、財務局、(株)日本政策投資銀行等を歴任後、都教育委員会でグローバル人材育成に従事。東京都英語村TOKYO GLOBAL GATEWAY の開設等に尽力。2021年に東大先端研でAEOを立ち上げ、高校・自治体等と連携した探究・STEAM 教育の実践を推進。2026年4月から研究室を設立し、公教育改革や博士人材の育成に取り組む。博士(学術、東京大学)。(一社)共創マネジメント推進機構代表理事。
一般社団法人 Glocal Academy 代表理事 / 一般社団法人 次世代教育ネットワーキング機構 理事 /
東京大学 先端科学技術研究センター 客員上級研究員、鹿児島市教育委員 岡本 尚也 氏
慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了後、ケンブリッジ大学にて物理学博士号、オックスフォード大学にて日本学修士号を取得。著書「課題研究メソッド」「ゼロから始める探究活動」(新興出版社啓林館)が探究教材として多くの学校で採用され、学校での講義・講演も多数。中央教育審議会 高等学校教育の在り方ワーキンググループ委員。
「マイ探究」で多様化するテーマと、先生方の悩み
文部科学省の中央教育審議会のワーキンググループでは、課題設定に関わる「学習者の裁量」に着目した探究の形態として、以下2種類が提案されています。
- 教師を起点として学年・学級等で共通のテーマや課題を設定する場合を「テーマ探究」
- 個人を起点としてテーマや課題を設定する場合を「マイ探究」
「文部科学省 教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ(第6回)【資料1】生活科の指導と評価の改善・充実等の在り方等について」より
近年は、生徒の主体性や個別最適な学びを重視する観点から、マイ探究に力を入れる学校も増えています。その一方で、生徒ごとにテーマやアプローチが異なるため、教員にはこれまで以上に個別最適な伴走が求められるようになりました。このような状況で以下のようなお悩みを聞くことが増えてきました。
例えば、
- 生徒によってテーマが多様化し、専門的な助言が難しい
- 個別面談や壁打ちの時間が十分に確保できない
- 問いが深まらず、調べ学習で終わってしまう
- 外部連携をしたくても調整負担が大きい
といった悩みです。
こうした課題を解決するアプローチとして、今、探究学習における外部連携が注目されています。
探究の外部連携、その種類と特徴
一口に外部連携と言っても、様々な形があります。セミナーに登壇された探究支援の第一人者である岡本尚也先生は、外部連携を以下の4つに類型化できると解説します。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、学校の方針や生徒の実態に合わせて最適な形を模索することが重要です。今回のセミナーでは、特に「大学生・大学院生による伴走型」に焦点を当ててクロストークが進められました。
なぜ「大学生・大学院生」なのか?成功の鍵は「仕組み」にあり
東京大学先端科学技術研究センターの森晶子先生は、大学院生が高校生の探究に伴走する教育実践を長年推進してきました。
森先生は、大学生・大学院生が伴走する価値を「単なる専門知識の提供以上にある」と語ります。
大学生・大学院生が伴走する3つの利点
01 等身大のロールモデルになる
著名な研究者は憧れの存在ではあっても、高校生にとっては遠い存在になりがちです。
その点、大学生や大学院生は「数年後の自分」をイメージしやすい身近な存在です。
高校生が進路や学びについて考える上で、自然なロールモデルになり得ます。
02 心理的安全性の高い対話が生まれる
大学生・大学院生は評価者ではありません。
だからこそ、
- テーマ選びに迷っている
- 問いがうまく立てられない
- 研究の進め方が分からない
といった悩みも率直に相談しやすくなります。
03 高校の探究と大学の研究をつなぐ
研究経験を持つ大学生・大学院生は、問いの深掘りや研究の進め方を実践的に理解しています。
高校生にとっては、単なる知識提供ではなく、「研究するとはどういうことか」を学ぶ機会にもなります。
ただし、この連携を成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。
- コーディネーター役が肝心
- 学校と大学、生徒と学生の間には、文化や目的意識にギャップがあります。その間に立ち、両者の意図を汲み取り、円滑にプロジェクトを推進する「コーディネーター」の存在が不可欠です。
- 生徒の自主性を守る線引き
- 大学生・大学院生は、答えを教えるのではなく、あくまで生徒の思考を整理し、問いを深めるための壁打ち相手です。コーディネーターが「どこまで関わるか」の線引きをすることも、生徒の主体性を守る上で重要になります。
- 先生も「楽しむ」姿勢を
- 先生方が「やらされ感」を持っていては、その空気は生徒に伝わってしまいます。先生自身が外部との連携を楽しみ、生徒の成長を一緒に喜ぶ姿勢が、探究活動を学校全体のポジティブな文化へと昇華させます。
探究の質を高めるために─ JTBが提供する、大学生・大学院生との伴走を支える仕組み
「大学生との連携に可能性を感じるが、どうやって接点を持てばいいのか…」 「コーディネートまで手が回らない…」 そうした声にお応えするのが、JTBとENNが提供する「探究チュータリングサポート」です。 本サービスは、国内外の探究コンテストで実績を持つ質の高い大学生・大学院生が、オンラインで生徒の伴走者となるプログラムです。
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質の高いチューター陣: 国内外の探究コンテストで実績を持つ学生を選抜。
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オンラインでの伴走支援:テーマ設定や問いの深掘りを対話を通してサポート。
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導入しやすい設計: 「導入動画」「オンラインチュータリング」「添削支援」の3ステップで効果的に支援。
先生方の個別指導の負担を軽減しつつ、生徒の探究の質をもう一段階引き上げる仕組みをご提供します。
まとめ
「マイ探究」の質を高める鍵は、生徒の自主性を尊重しつつ、適切なタイミングで質の高い壁打ち相手と出会える「仕組み」づくりにあります。その有力な選択肢が、大学生・大学院生という「ナナメの関係」の伴走者です。 今回ご紹介した内容は、セミナーのほんの一部です。 「もっと詳しく話を聞きたい」「他の先生の悩みも知りたい」と感じた先生は、ぜひセミナー本編の動画をご覧ください。
セミナー本編「探究の質を高める外部連携の最適解」の動画視聴はこちら
また、「探究チュータリングサポート」について、具体的な活用事例や導入方法を詳しくご紹介する教職員向けオンライン説明会も開催いたします。ご多忙の折とは存じますが、ぜひこの機会にご参加ください。
「探究チュータリングサポート」オンライン説明会
