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自治体・行政機関向け 事例 「まち」「ひと」「しかけ」づくりで、“二拠点生活” 実現への第一歩

山梨県 様

山梨県の恵まれた「立地」「自然環境」「観光資源」を活用した地方創生の取り組みを目指し、取りまとめられたのが「やまなし二拠点居住推進戦略」。その第一歩として、県を挙げて推進している「ワーケーション導入支援事業」をご紹介します。

背景

山岳、河川、湖沼など豊かな自然環境と、食文化、寺社仏閣、特産物など魅力ある地域資源を持つ山梨県。都心から約90分とアクセスも良く、時間的・費用的にもワーケーションの最適地としてあげられます。そんな山梨県の恵まれた「立地」「自然環境」「観光資源」を活用することで、交流人口、関係人口、定住人口の増加を図り、地方創生につなげられないか。昨今の東京一極集中からの分散化の流れや、テレワークの普及も踏まえ、「やまなし二拠点居住推進戦略」を取りまとめました。その中で、二拠点居住に向けた第一歩としてワーケーションを位置付け、県を挙げて積極的に推進することにしました。

課題

地域における課題

  • 交流人口、関係人口、定住人口の増加

ワーケーション誘致における課題

  • ワークスペースの充実
  • 多様な体験プログラム・アクティビティの造成
  • ワーケーション導入推進のための人材育成
  • ワークスタイルが想像できるような情報発信
実施内容

山梨県ワーケーションモデル事業

2020年10月~2022年2月に主要観光地4地域(河口湖周辺、八ヶ 岳南麓、石和温泉郷、下部温泉郷)において、モデル事業としてハードとソフト両面の体制整備を行い、実践に向けたモニターツアーを実施。

実施内容

01人材育成プログラム

各地域でのワーケーションの受け入れに必要な知識について、オンラインでのセミナーの他、モニターツアー開催に向けた実践プログラムを実施。

オンラインセミナープログラム例

  1. ワーケーション概論
  2. 多様なお客様をお迎えするために
  3. ハード整備の考え方
  4. 観光活性化について
  5. これからのワーケーションの方向性

02ハード面受入環境整備

施設:電源・通信環境、机と椅子

スペース:休憩スペース、個室などのプライベート空間

取り組み事例
古民家再生
小淵沢駅から徒歩約5分に位置する築約400年の古民家「料理の宿 泉園」。
母屋の裏手にある利用していない奥座敷をコワークスペースとして活用。
古民家の良さをそのまま活かすことで特徴的なコワークスペースに!
歴史的資源の活用、インバウンド誘致に!

03体験プログラム、コンテンツ作り

ターゲットを明確にした上で、地域に何を求めるかを考慮し、「ワーク」の時間もしっかり取りつつ、バケーションのコンテンツを考える。

取り組み事例
SDGsを意識した観光地でのワーケーション
「清里オーベルジュ 牧場通りの自然を味わうレストラン&ホテル」
地域の人と触れ合う時間が多く、SDGs、環境教育、食育といった学べるワーケーションが可能!
敷地内に宿泊施設と貸農園があり、宿泊して農業体験をしながらワーケーションが可能!
手作り味噌や地の物を活かしたオーナー手作りの食事を提供可能!
徒歩圏内に体験施設や自然派レストランなどもあり、観光コンテンツが充実。

04モニターツアーの実施

女性ワーカーをターゲットとした事例(河口湖 女子旅)

ポイント
ワーケーションを通して河口湖へのリピートを図ることを目的に、女性が好みそうな施設や食事、アクティビティをイメージして行程を作成。
富士河口湖町観光連盟のスタッフと意見交換の場も設定し地域との交流を図る。
河口湖DAY1
河口湖DAY2

05山梨県ワーケーションモデル事業の情報発信

動画

「ワーケーションをやってみたい」という個人客をターゲットとした、観光コンテンツを盛り込みモニターツアーを開催したコースごとに1本3分程度で視聴できるPR動画を6本作成。どのような場所で何ができか、各地の特徴あるコワークスペースの紹介。参加者同士、地元住民との意見交換の様子を伝える内容で、各観光協会や市町村の観光課のホームページでアップ。

チラシ

モニターツアーで訴求できる4つのポイント

  • 都心部から2 時間程度で行ける立地
  • リフレッシュできる自然環境
  • 多彩なコワークスペース
  • 自然環境と魅力的なコンテンツ
山梨県ではじめる新たなワークスタイルのご案内
山梨県ではじめる新たなワークスタイルのご案内
今後の展望

山梨県におけるワーケーションの可能性

山梨県は都内在住者から見ると、「立地」「観光資源」「農産物」という高い認知度を持っている一方で、これらは限定的であり、「ワーク」をイメージできるものが少ないことが課題であると考えられます。 今後、ワークをしたい時にワークできるスペースがあること、「仕事が終わって特急に乗り温泉旅館でワーケーション。翌日はフルーツ狩りを楽しんで、収穫したフルーツを食べながら農園にあるカフェでワー ケーション。」などワークスタイルが想像できるような情報発信が望まれます。観光需要が復活し、主要観光地への観光客の増加が見込まれる今、ワーケーションの受入環境を整えることで更なるリピートにつながることが期待できます。

二拠点居住、移住・定住の可能性

モニターツアーのアンケートから、二拠点居住には興味があるものの、現状は移住・定住の動機はなく、動機付けに至るまでは、もっと通ってもらう、地域に興味を示してもらう仕掛け作りが必要であると考えられます。 そのためには、県内で周遊し、長期滞在できるような施設や生活情報についての情報発信や、地域住民による受入体制の整備が大切であることがわかりました。

おすすめポイント

地域を訪れたことのない人に興味を持ってもらえるだけでなく、継続的にその地域を訪れる新たなファンを創出できる大きな可能性を秘めたワーケーション。 観光需要が復活し、主要観光地への観光客の増加が見込まれる今、ワークスタイルがイメージできるような情報発信や、ワーケーションの受入環境の整備を進める自治体が増えています。拠点居住実現に向けた第一歩として、ワーケーションの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください。

関連情報

ホワイトペーパー(お役立ち資料)ワーケーションへの旅立ち ~企業・従業員・地域を豊かにするワーケーションの魅力と型がわかる!~

「新しい働き方」が少しずつ社会で定着しはじめています。そんな中、注目されているのが「ワーケーション」です。仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」という働き方が注目を集める中、ワーケーションの受け入れに取り組み、地域活性を図りたいと考える自治体が増えています。この地域活性の手段としても注目の「ワーケーション」をわかりやすく漫画にしました。ぜひ、ご覧ください。

担当者コメント
「まち」「ひと」「しかけ」づくりで、“二拠点生活” 実現への第一歩
甲府支店  若杉 遼
甲府支店  若杉 遼

JTB甲府支店では、山梨県庁からの受託事業として2020年末より約2年にわたり“ワ―ケーション導入支援事業”を行いました。山梨県は都内在住者から見ると、「立地」「観光資源」「農産物」という高い認知度持っておりますが、これらは限定的で、ここから“ワーケーション”をイメージできるものが少ないということが課題でした。今後、これらの魅力とワークできる環境を並べ、横串を刺していくことが必要であると考えました。例えば、立地に関しては、「仕事が終わって特急に乗り温泉旅館でワーケーション。翌日はフルーツ狩りを楽しんで、収穫したフルーツを食べながら農園にあるカフェでワーケーション。」などワークスタイルが想像できるような情報発信が必要であると感じました。これから観光需要が復活すると、河口湖周辺や清里周辺といった主要観光地は黙っていても観光客は増えますが、これからは、スマホはもちろんのことPCを持って旅行するということも当たり前になると考えられるため、ワーケーションの受入環境が整っていれば更なるリピートに繋げられるであろうと考えています。新しい旅のスタイルとして国内外からのお客様に来訪をいただき山梨らしいワ―ケーションの確立を、ソフト面・ハード面の両面から推進していきたいです。

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JTBでは、様々なソリューションを組み合わせることで、それぞれのお客さまにあった課題解決⽅法をご提案いたします。