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自治体・行政機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 インスタグラムで地域活性化?コロナ後のインバウンド需要にも備える運用事例

2021.04.09
地域マネジメント
地域マーケティング
認知拡大・流通促進

「インスタ映え」という言葉が流行語となってから、早いもので約3年半の月日が経過しました。Instagram(以下:インスタグラム)のユーザー数は世界中で10億人を超え、若い世代の間では最新トレンドを検索するツールとして日常的に使われています。

コロナ後に地域経済を活性化させるには、域外に住む若者や外国人旅行客に地域の魅力を伝え、旅先に選んでもらうことが重要です。本記事ではマーケティング手段としてのインスタグラムの可能性と、自治体のアカウントからニューノーマルにも対応した最新の運用例を紹介します。

自治体がインスタグラムを活用する3つのメリット

画像や動画を使って地域の情報をリアルタイムに発信できるインスタグラム。自治体がインスタグラムを活用するメリットには、大きく以下の3つがあります。

0110億人を超える世界中のユーザーと双方向のコミュニケーションが取れる

02言語や国の壁を越えて、効果的に地域の魅力を伝えられる

03テレビや新聞を見ない人にも、地域の最新情報を届けられる

Instagramが2019年に実施した調査では、定期的に旅行する人のうち46%が「休暇の計画を立てる際にInstagramを使う」と回答していることが明らかになっています。コロナ後の訪日外国人へのアピールや国内旅行者の再訪喚起のために、インスタグラムの具体的な活用を検討してみてはいかがでしょうか?

写真を載せるだけじゃない!インスタグラムの注目機能

フィード投稿(通常投稿)は画像や動画をベースに作成します。インスタグラムの主要ユーザーである若者や外国人にとって魅力的な写真を揃えることが最も重要ですが、画像という検索しにくい情報をターゲットとするユーザーに届けるためには、映っているものや撮影場所などを文字に起こして投稿に添える「#(ハッシュタグ)」が役に立ちます。外国人旅行客向けの投稿には「#japan」「#trip」「#地名のローマ字表記」などを添えて発信するのがポイントです。

自治体の情報発信では、「ストーリー機能」もよく使われています。ストーリーに投稿する写真や動画は縦長の長方形が基本で、イベントなどのライブ配信も可能です。投稿は24時間後、ライブ配信の場合は配信終了後に自動で消滅するのが特徴ですが、過去に投稿し、残しておきたいストーリーは、「ハイライト」としてプロフィールに保存しておくことができます。

JTB公式Instagramアカウント(2021年3月25日時点)

忙しいユーザーにも見てもらう工夫としては、24時間だけ有効なプロモーションコードを配信する、動画の冒頭部分のみを配信して外部コンテンツに誘導するなど様々なテクニックがあります。

宣伝や分析には「ビジネスアカウント」が便利

個人アカウントを作成してからビジネスアカウントに切り替えを行うと、より使える機能が増えます。プロモーションでよく使われているのは、以下の3つです。

01ビジネスプロフィール

「名前」「ウェブサイト」「自己紹介」に加えて「企業への連絡先(電話、メール、店舗などへの道順)」「店舗などの位置情報」のボタンの設置が可能となります。これにより、アカウントを訪れたユーザーが、電話やメール、店舗などの情報へワンクリックで飛ぶことができるようになっています。

ハッシュタグ検索などで偶然アカウントを知ったユーザーが「もっと知りたい」と考えた時に見るのが、アカウントのプロフィールです。そのため、インスタグラム運用ではプロフィール内の情報を充実させることがとても重要になります。2020年にリリースされた「まとめ(ガイド)機能」では、おすすめの商品やスポットなどをブログ記事やカタログのようにコンテンツ化して、自分のプロフィール上に表示しておくことが可能になりました。

02インスタグラムインサイト

フォロワーの性別や年齢、位置情報などを確認することができます。また投稿ごとのサマリーや詳細データを見ることもできます。

03投稿の宣伝

自社アカウントの過去の投稿から広告にしたいものを選び、インスタグラムのタイムライン上へ出稿することができます。地域・年齢・性別・言語など、ターゲットとするユーザーを絞って情報を発信してみてはいかがでしょうか?


インスタグラムを活用した国内向け観光マーケティングの事例

ここからは、インスタグラムの強みを活かして情報発信を行っている自治体や観光案内所の事例を紹介します。

事例01和歌山県

インスタグラムでフォロワー数をキープするには、コンテンツの統一性が重要です。和歌山県は美しい景色の紹介に特化した和歌山県公式アカウント「和みわかやま」のほか、「広報課」と「食品流通課」がそれぞれ異なるアカウントを運営し、コンセプトの一貫性を保っています。

SNSでのマーケティングでは、タイムリーな情報発信が求められています。観光地の特産品のPRもアカウントを細かく分けて運用することで、承認までのフローを減らし情報発信の効率を上げられます。

和歌山県公式アカウント【和みわかやま】

和歌山県広報課&きいちゃん

「おいしい!健康わかやま」和歌山県食品流通課

事例02川越駅/本川越駅観光案内所staff

2021年1月17日に開設されたばかりのアカウントですが、緊急事態宣言終了後に「川越に行ってみたい」と思ってもらえるようにと、さまざまな提案を行っています。注目の投稿は「テイクアウトサラメシ」と題したシリーズ企画で、案内所スタッフが地域の飲食店の商品を毎日紹介しています。

コロナ後の観光振興の参考にしたいのは、ストーリー機能を利用した定点写真の配信です。地域内の混雑しがちなスポットの定点写真でユーザーに混雑度の推移を伝え、行き先選びや訪問タイミングの参考にしてもらおうという意図があります。

川越駅/本川越駅観光案内所staff

インスタグラムを活用したインバウンドマーケティングの事例

海外のインスタグラムユーザーを意識して、地域の魅力を発信している自治体アカウントもあります。

事例01Shirakawa go 白川郷

世界遺産の合掌造りで有名な白川郷は、季節や時間、天候によって変わる白川郷の風景を定期的に投稿しています。日本らしい自然と建築物が共存した風景は、多くの訪日旅行客の関心を集め、インバウンドの誘客に貢献しています。

プロフィールでは、地域住民や観光客に向けて、ハッシュタグ「#shirakawagood」の使用を促し、ハッシュタグをつけて投稿された風景や日常の写真をリポストする取り組みを続けています。

Shirakawa go 白川郷

リポストとは

ほかのインスタグラムユーザーの投稿を引用し、自分のフォロワー向けに再投稿する行為で、Twitterの「リツート」やFacebookの「シェア」にあたります。ハッシュタグを活用すれば、リポストメインでアカウントを運用することも可能なので、工数や予算に限りがある自治体も比較的取り組みやすいのではないでしょうか。

事例02Find Your Yokohama

「Find Your Yokohama」は、海外での横浜の認知度やブランドイメージ向上を目的に運営されている神奈川県横浜市の公式アカウントです。フィード投稿には、英語と日本語の二か国語を掲載し、ハッシュタグ「#explorejapan」「#beautifuldestinations」など多数のタグをつけて、情報発信を行っています。

過去のストーリー投稿をまとめた「ハイライト」には、営業時間や入場料、イベントの様子など観光地の情報が英語でまとめられており、外国人旅行客のタビナカでの情報収集にも役立ちそうです。2021年3月に開催された横浜市公式 Instagram 企画展 「“Find Your YOKOHAMA”2021」では、IGTVを活用したオンラインイベントも組み込まれました。

Find Your Yokohama

IGTV(アイジーティヴィ)とは

インスタグラムの動画共有機能の一つで、スマホ全画面表示の動画を最大60分まで共有できます。投稿動画にはURLリンクを設置できるので、フォロワー獲得後のプロモーションで活用が増えています。

まとめ

国内外への情報発信で「行ってみたい!」を創る

自治体のインスタグラムは、観光情報を探している人にヒットしやすいハッシュタグを設定したり、ストーリー機能やまとめ機能などを活用したりと、さまざまな工夫のもとで運用されています。自分で撮影した画像や動画を投稿すること以外にも多様な使い方があるので、ターゲットや目的を明確にしたうえで、地域の魅力が伝わる活用法を検討してみてはいかがでしょうか。

個人の趣向が多様化している今、観光マーケティングでは一人ひとりに合わせた情報発信が重要です。アフターコロナの観光の軸となる「One To Oneマーケティング」について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。

【WEBマガジン「#Think Trunk」】地域活性化にDXを!ICTの活用で緻密な観光マーケティングが可能に

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