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自治体・行政機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 地域活性化にSDGsが役立つ理由とは?地方創生SDGsの概要、取り組み事例を解説

2022.02.04
地域マネジメント
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SDGsとは、国連サミットで採択された世界共通の目標で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標を表しています。これからは、地域活性化を目指すうえでもSDGsは欠かせない要素です。SDGsは地球上のすべての人を取り残さないように、発展途上国や先進国を含むすべての国が取り組む目標となっていますが、行政でいえば、国だけではなく地方公共団体も例外ではありません。そこで今回は、地域活性化に関する施策の担当者に向けて、SDGsの重要性を事例を含めてご紹介します。SDGsを念頭に置いた施策を検討するにあたり、参考にしていただければと思います。

SDGs

INDEX

  1. SDGsとは
  2. 地方創生とは
  3. SDGsが地域活性化に役立つ理由
  4. 政府が地方創生SDGsを後押ししている
  5. 地方創生SDGsは行政・民間の連携が重要
  6. 地方創生SDGsの取り組み事例
  7. まとめ

SDGsとは

SDGsとは、そもそもどのような考え方なのでしょうか。ここでは、SDGsの概要を解説します。

概要

「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標を表しています。「Sustainable Development Goals」を略してSDGsと表現しています。SDGsが採択されたのは、2015年9月の国連サミットです。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において、SDGsの具体的な内容が示されました。SDGsは地球上のすべての人を取り残さないように、発展途上国や先進国を含むすべての国が取り組む目標となっています。

参考: SDGsとは?|外務省

SDGsの目標

SDGsでは、17の目標と169のターゲットが設定されています。設定されている目標のジャンルは幅広く、飢餓・貧困・環境問題など、地球上のあらゆる課題が網羅されています。SDGsを達成するためには、世界中の行政機関だけでなく、企業も独自の取り組みを展開する必要があります。自治体においては、地域活性化を目指すうえで、SDGsを意識することが重要です。

地方創生とは

地方創生は、少子高齢化に歯止めをかけ、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服し、将来にわたって成長力を確保することを目指しています。地方が将来にわたって成長力を確保するには、人々が安心して暮らせるような、持続可能なまちづくりと地域活性化が重要です。

地方創生とSDGsの両方に取り組めば、地域社会の活性化のために必要な課題をスムーズに解決できると考えられています。

参考: 地方創生SDGs|内閣府 地方創生推進事務局

参考: 地方創生に向けたSDGsの推進について|内閣府地方創生推進室

SDGsが地域活性化に役立つ理由

SDGsは、なぜ地域活性化に役立つのでしょうか。ここでは、その理由について解説します。

SDGsと地方創生の親和性が高い

SDGsの目標と地方創生の目標を比較すると、どちらもゴールが似ています。SDGsと地方創生においては、いずれも持続可能なまちづくりや地域活性化が重要なカギとなっています。

SDGsとして掲げられている目標を意識して地方創生に取り組めば、施策の最適化や課題解決の加速化も期待できます。SDGsと地方創生の相乗効果により、よりよい地域社会を築きやすくなります。

ステークホルダー間で連携しやすい

SDGsは世界共通の目標です。そのため、SDGsを基準にすれば、バックグラウンドが異なるさまざまな相手ともスムーズに目標を共有できるようになります。SDGsを共通認識とした場合、企業や行政などのステークホルダー間でのスムーズな連携を実現できるでしょう。

連携がスムーズになれば、次々にさまざまな関係者を巻き込んで取り組みを展開できます。地域活性化のスピードもアップできる可能性があります。

政府が地方創生SDGsを後押ししている

SDGsを原動力として地方創生に取り組むことを「地方創生SDGs」と表現します。政府も地方創生SDGsを後押ししており、さまざまな取り組みが展開されているところです。ここでは、地方創生SDGsの詳細を解説します。

SDGs未来都市とは

SDGs未来都市とは、日本のSDGsモデルとして選出された自治体のことです。SDGsの達成に向けて、特に経済・社会・環境において優れた取り組みを提案した都市・地域を選出しています。SDGs未来都市の取り組みは2018年から始まり、これまでに60の都市が選出されました。政府は2024年末までにSDGsに取り組む自治体を全国の60%まで引き上げようとしています。

参考: SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業 事例集

自治体SDGsモデル事業とは

自治体SDGsモデル事業とは、先述したSDGs未来都市として選出された都市の中から、特に優れている都市を厳選する取り組みです。日本の地方創生SDGsを牽引する先導的な20事業を選出しています。

政府は各自治体の取り組みを後押しし、成功事例を普及させていくことで、スムーズに地方創生SDGsが進むように支援しています。これにより、自治体SDGsモデル事業に応募する自治体も年々増えてきています。

参考: 地方創生SDGs|内閣府 地方創生推進事務局

参考: 地方創生に向けたSDGsの推進について|内閣府地方創生推進室

地方創生SDGsは行政・民間の連携が重要

地方創生SDGsを進めるうえでは、行政と民間の連携が必要不可欠です。以下で具体的に解説します。

地方創生SDGs官民連携プラットフォームとは

地方創生SDGs官民連携プラットフォームとは、地方創生SDGsのための取り組みを展開している自治体と、それに関心を持っている企業をマッチングさせるプラットフォームです。事務局は内閣府に設置されており、自治体と企業がスムーズに協力するための環境を提供しています。

もともと自治体と企業は連携する機会が少なく、地方創生SDGsのために関係を構築するのは簡単ではありません。そのような背景を考慮し、地方創生SDGs官民連携プラットフォームが作られました。

参考: 地方創生SDGs官民連携プラットフォームについて|内閣府 地方創生推進事務局

活用するメリット

地方創生SDGs官民連携プラットフォームには3つのメリットがあります。1つ目は普及促進です。都道府県・市区町村、関係省庁、民間団体などから構成されている会員同士で、さまざまな取り組みやアイデアを共有できます。会員主催のイベント情報をメールマガジンなどで発信・受信できるため、情報交換が活発になり、有益な情報を得やすくなります。

2つ目はマッチングサポートです。課題を解決したい会員と解決につながるノウハウを持っている会員がマッチングできるようにサポートしてくれます。地方創生SDGs官民連携プラットフォーム主催のマッチングイベントも定期的に行われています。

3つ目は分科会です。会員の要望に応じてさまざまなテーマの分科会が設置されており、特に注力したい分野の課題の解決を目指しやすくしています。会員は興味のある分科会への参加はもちろんのこと、自らテーマを提案して分科会を設置することも可能です。

参考: 地方創生SDGs官民連携プラットフォームについて|内閣府 地方創生推進事務局

地方創生SDGsの取り組み事例

地方創生SDGsとしてさまざまな取り組みが実施されています。ここでは、具体的な事例を紹介します。

01 地方創生SDGsの取り組み事例 高齢者の雇用を創出し地域活性化につなげた事例

ある地域では、高齢者の社会参加の促進に取り組む公益法人と、農業技術を開発している企業が連携して地域活性化を実現しました。企業は農業の経験がない高齢者でも取り組みやすい農法を生み出しており、それを活用して高齢者の雇用につなげています。

日本では高齢化が加速しているため、高齢者の雇用創出は大きな課題のひとつです。この事例では技術の活用により高齢者の雇用を作り出しています。さまざまな自治体で参考にできるでしょう。

02 地方創生SDGsの取り組み事例 地域との連携でバイオマスを活用した事例

バイオマスとは、動植物から生み出された再利用可能な資源のことです。ある自治体では、街全体との協力によりバイオマス事業に取り組み始めました。その結果、新しい雇用の創出、林業や木材産業の振興、エネルギー自給率の向上など、さまざまな効果がもたらされています。

また、バイオマス事業の取り組みが話題になり、多くの観光客が街を訪れるようになりました。観光振興にもつながり、地域活性化がさらに進んでいます。

03 地方創生SDGsの取り組み事例 滋賀県 世界から選ばれる「三方よし・未来よし」の滋賀の実現

滋賀県では、地域の特性を活かして地方創生SDGsに取り組んでいます。琵琶湖の魅力を改めて再認識し、保全再生と活用に取り組みました。生態系を守り、水産資源の回復にも務めています。

ほかにはない琵琶湖の特徴を発信し、観光産業にも力を入れるようになりました。特に、体験型の観光に力を入れており、国内外からの来訪や宿泊につなげています。


まとめ

今回は、地域活性化にSDGsが役立つ理由についてお届けしました。SDGsの目標と地方創生の目標を比較すると、どちらもゴールが似ていることをご紹介しました。SDGsと地方創生においては、いずれも持続可能なまちづくりや地域活性化が重要なカギとなっています。

国も、SDGsの達成に向けて、特に経済・社会・環境において優れた取り組みを提案した都市・地域をSDGs未来都市として選出しています。SDGs未来都市の取り組みは2018年から始まり、これまでに124の都市が選出されました。政府は2024年末までにSDGsに取り組む自治体を全国の60%まで引き上げようとしています。また地方創生SDGsのための取り組みを展開している自治体と、それに関心を持っている企業をマッチングさせる地方創生SDGs官民連携プラットフォームという仕組みもつくっています。

今後、地方創生においてSDGsは重要なキーワードとなってきます。SDGsの目標を意識して地域活性化のための取り組みを推進すれば、地域の活力を向上させられます。そのためには、現状を考慮したうえで最適な施策を検討する必要があります。前述の地方創生SDGs官民連携プラットフォームの活用を検討するなど、持続可能な取り組みによる地域活性化を検討してみてはいかがでしょうか。

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