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自治体・行政機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 地域資源活用事例に見る地方創生のヒント|地域資源を活用するメリットも解説

2022.12.06
地域マネジメント
認知拡大・流通促進
誘客促進
観光ICT
人材育成

地方再生や地域活性化のためには、地域資源の活用が欠かせません。しかし、その地域にいるがゆえに、地元の地域資源の魅力に気付いていない、見失うといった課題もあるかと思われます。地域資源の魅力を最大限に活かして、地方再生や地域活性化に繋げていく。この記事では、自治体の担当者に向けて、地域資源を活用するメリットや方法、事例を解説していきます。

地域資源とは

地域資源とはどのようなものを指すのか、まずはその定義などについて解説します。

地域資源とは

地域資源とは、特定の地域内に存在する資源を指し、有形・無形を問わず地域内の人々の生活に欠かせないもののことです。地域資源について明確な定義はなく、あらゆる物や事などを指す場合があります。

具体的には、地域の特産物やその製法、観光資源、地域特有の歴史や自然などがあります。地域資源は、地域で活動する人々の生活にさまざまな形で影響しています。

どの自治体にも地域資源はある

各都道府県のどの自治体にも、特産品や伝承されてきた技術、地域特有の自然など、さまざまな地域資源があります。

各自治体には活用できる地域資源は存在するものの、その活用状況は都道府県と市区町村で異なっています。

中小企業庁の調査によると、都道府県では地域資源の活用は9割進んでおり、その成果がでています。一方で、市区町村で有効活用ができているのは6割にも満たない状況であることがわかりました。

市区町村で地域資源を活用しきれていない要因の一端としては、マンパワー不足、ノウハウ不足が考えられます。

参考:第2節 地域活性化の切り札―「地域資源」の活用―|中小企業庁

地域資源の活用が注目される背景

これまでも地域資源の活用は各自治体で進められていましたが、さらに注目されているのには理由があります。ここからは、地域資源がさらに注目されている背景について解説します。

地方経済の弱体化

日本国内において、人口減少や高齢化社会の影響によって、地方経済は衰退の危機にあり、特に地方の自治体ほど若年層の流出などによって課題を抱えています。

また地域の規模によってその深刻度は異なっており、小規模の市区町村ほど深刻化しているため、地域活性化に向けた地域資源の活用を重要視する傾向にあります。

日本国内でも人口減少や少子高齢化の影響で地方の財政状況が悪化していることから、各自治体では地域資源を活かした交流人口や関係人口の創出により地域経済の活性化を目指し、持続可能な地域づくりを目指していく政策が推進されています。

先進国を中心にSDGsの考え方が広がっており、従来の成長型経済から、あらゆる段階で資源の効率化・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を図る、 循環型経済への変換が迫られていることも要因のひとつです。循環型の経済活動へと転換を図ることで、地球環境の保全に貢献しながら、日本の産業の中長期的な競争力の強化につながります。

日本国内でも人口減少や少子高齢化の影響で地方の財政状況が悪化していることから、各自治体では地域資源を活かした地域経済の循環や活性化を目指し、持続可能な社会へ発展していく必要があります。

地域資源を活用するメリット

地域資源を活用することで、地方再生や地域活性化に繋がるメリットがあります。以下では、地域資源の種類に分けて活用メリットについて解説します。

01地場産品の活用によるメリット

地域資源として活用されるものとして、地場産品があります。地場産品を新たな特産品として売り出すことで、地域産業の創出が可能です。

知名度の低い地場産品を活用・宣伝することで、地域資源のブランド化ができるのもメリットです。地元企業同士の結びつきによる新規事業の創出ができれば、地域企業の活性化にも繋がります。

02観光資源の活用によるメリット

観光資源の活用では、国内外からの観光客誘致による地域経済の活性化が期待できます。観光客の誘致によって交通整備などの受入環境整備が進んだり、環境保全活動が盛んになれば、地域住民へのサービス向上というメリットも得られます。

03人材活用によるメリット

地域の活性化に取り組むにあたって、地元の人材を活用することも欠かせません。地元人材を活用することで、希薄になっていた地域コミュニティが活性化するというメリットがあります。

また、地域外の人材を雇用することで、地域の新たな魅力発見につながった例もあります。具体的には、地域外の新たな視点や考え方を取り込める「地域おこし協力隊」の活用などが挙げられます。

地域資源活用に必要な視点

ここからは、地域資源の活用によって成果を出すため必要な、地域資源に関する視点について解説します。

オリジナル性の高さ

地域資源はどの自治体にもあるため、似通ったものを活用しても大きな効果は期待できません。その地域にしかないもの、独自性に着目し、付加価値の高いものを追求することが大事です。

地域資源の活用は、他地域には真似ができないような模倣困難性が重要なポイントです。他地域と差別化を図ることによって、特有の付加価値が生まれ、新しいお客様の獲得も期待できます。

地域の日常に価値がある

日常の生活風景や体験などその地域では当たり前になっているものが地域資源になり得る可能性にも目を向ける必要があります。

たとえば、美しい星空や、農家における農業体験、豪雪地帯なら雪を活用した天然の貯蔵庫である「雪室」の活用など、各地域において日常にあるものが、観光客にとって価値ある地域資源となる場合が多くあります。

地域資源を活用する方法

地域資源を活用するためには、具体的にどのようなことをするべきなのでしょうか。以下では、地域資源を活用する方法を3つ紹介します。

地域住民にも参画してもらい、地域資源を発掘する

地域資源の発掘方法として、地域住民参加型のワークショップ開催によるアイデア出しなどがあります。地域住民に参画、アイデアを出してもらうことで、多彩な案が寄せられるとともに、地域住民のシビックプライドの醸成にも繋がります。自治体によっては、地域を知るためのイベントを開催している事例もあります。

地域資源発掘の事例については、下記リンクで詳しく解説しています。

参考:JT“Rethink PROJECT”・JTB・イーストタイムズが協業 「地方創生ワークショップ」に自治体が参加するメリットとは?

地域資源の活用事例

ここからは、実際に地域資源の活用を行っている事例について紹介します。

地域ならではの風景を活用した事例

地域の住民にとっては、当たり前にある風景を地域資源として活用した事例があります。さまざまな業種の人材が参画したことによって実現し、異業種交流の促進と新たな雇用に繋がりました。また、実際に観光客が増加し、地域のブランド化にも成功しています。

上記のように、風景を地域資源として活用した事例について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

参考:阿智村を星の村へ!「天空の楽園」日本一の星空ナイトツアー

地域資源を活用した人材育成の事例

地方では、地域資源の魅力が伝わりにくくなっており、人材不足の深刻化という問題がありました。

2021年に高知県では、観光地域づくりを学ぶ場として「土佐の観光創生塾」を開催しました。興味があれば学生でも参加でき、地域資源活用のノウハウの習得や参加者同士の結びつきを作る場として活用されました。

さらに、旅館文化の継承を目的として説明会を実施した事例もあります。詳しくはこちらのページをご覧ください。

参考:若者に観光産業で働く魅力を伝え、旅館文化の継承をめざす!「人材確保研究会」・「観光人材確保・育成支援事業」


まとめ

人口減少や高齢化社会の影響によって、経営が悪化している地域を活性化させるためには、地域資源の活用が不可欠です。地域資源の活用に力を入れることで、新しい地域の魅力の発見や、地域人材の育成にも繋がります。

JTBでは全国各地で地域交流事業に取組んでおり、各地で様々な事例があります。各地域の方々と取り組んだ事例の一部を 7つのカテゴリーに分けて取り組みのポイントとともに紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


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