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自治体・行政機関向け WEBマガジン「#Think Trunk」 インバウンド集客の方法とは?メリットやデメリット・効果的に行うポイントも解説

2023.04.07
インバウンド
ICT活用
誘客促進
認知拡大・流通促進

2022年10月11日より日本でも本格的な入国規制緩和が実施され、インバウンド集客が地域(地方の)活性化に効果が期待できるものとして、再び注目を集めています。インバウンド集客を効果的に行う方法にはいくつかの共通点があります。この記事では、インバウンド集客とは何なのか、インバウンド集客が注目される理由やメリット・デメリットなどを解説します。インバウンド集客を行うポイントや事例も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

インバウンドとは

インバウンドとは英語の「inbound」のことで、本来は「到着する、入ってくる」などの意味があります。しかし、多くの場合は外国人が日本へ来る意味合いで使われています。インバウンドが使われ始めたのは2010年ごろからといわれており、2015年前後には広く浸透し一般的に使われる言葉となりました。

インバウンド集客が注目されている2つの理由

インバウンドはさまざまな地方や業界から注目を集めています。ここでは、インバウンド集客が熱い注目を集めてきた2つの理由について解説します。

01政府が外国人の受け入れをしているから

インバウンド集客が注目されてきた理由の一つ目は、政府によって国策として外国人の受け入れ促進が行われているからです。日本は観光立国を宣言しており、外国からの観光客を積極的に受け入れようと政策を実行しています。

実際に、政府は2020年には4,000万人、2030年には6,000万人の外国人観光客受け入れを目標としています。今後も多くの外国人観光客が訪れると予測されるため、地域活性化や経済効果などにおいてインバウンド集客の重要性が高まっています。

02国内の消費市場が縮小傾向にあるから

日本では少子高齢化が加速しています。さまざまな消費市場が軒並み縮小しており、企業の経営や地方経済の縮小に影響を与えています。そのなかで、インバウンドは数少ない拡大する市場です。

特に定住人口の減少により消費市場の縮小が進む地方においては、インバウンド集客は重要な意味を持ちます。外国人観光客の拡大によって地域経済が盛り上がることが期待されており、インバウンド集客に熱い注目が集まっています。

インバウンド集客に取り組むメリット

インバウンド集客に取り組むメリットとしてまず挙げられるのが、外国人観光客の客単価の高さや消費額の多さです。(外国人観光客の消費額は増加傾向にあります。客単価はもちろん、複数人や団体で来店するケースも多いため、一つの店舗での消費量が増えることもメリットです。)

また、地域活性化につながることもメリットです。外国人観光客は個人旅行をする人やリピーターも多く、地方への旅行意欲が高いとされています。外国人目線で考えたり、施策を練ったりすることで、地域の新たな魅力発見につながり、外国人観光客の集客が効果的に行えるようになります。

インバウンド集客に取り組む際の課題

インバウンド集客にはメリットもありますが、課題もあります。まず、新型コロナウイルスによるインバウンド激減など、外部環境に影響を受けやすい点です。ただし、新型コロナウイルスで激減したインバウンドですが、本格的な入国規制緩和により徐々に回復傾向にあります。今後、外国人観光客が再び増加する可能性は高くなっています。

外国語でのコミュニケーションも課題の一つです。英語などの習得やスキルを持った人財の確保が難しい場合は、翻訳ツールなどでの対応も行います。

インバウンド集客を成功させるポイント

インバウンド集客を成功させるには、しっかりと成功のポイントを押さえることが重要です。インバウンド集客成功のカギは、「ファンを作る」ことと「外国人向けのプロモーションを行う」ことの2つです。以下では、それぞれのポイントについて解説します。

POINT01外国人観光客のファンを作る

外国人観光客とコミュニケーションを取り良好な関係を徐々に築いていくことで、日本(観光)のファンになってもらうことを意識します。訪日旅行は特別なイベントとして一回切りで終わってしまうと安定・継続した収益は見込めません。そのためには、リピーターになってもらうことが大切です。

ファンを作る近道はないため、地道な情報発信や質の高い体験などを提供します。大規模なインバウンド集客への投資が難しい自治体などでは、自治体のみで取り組むのではなく複数のDMOや企業などと連携して、チームでインバウンド集客の施策に取り組むこともよい方法です。

外国人観光客の特徴として、初回の訪日旅行では都市部が選ばれやすい傾向にありますが、リピーターは地方を好む傾向があります。そのため、地方にしかない強みを押し出すことで、インバウンド集客の成功を導きやすくなります。

継続的なインバウンド集客につなげるには、外国人観光客が帰国した後もコミュニケーションが取れる場や情報提供できる場を設けることが大切です。たとえば、自治体などでオフィシャルSNSを開設する、プロモーションキャンペーンを通年にわたって行うなどさまざまな方法があります。外国人観光客のニーズを押さえたセールス活動を行うことで、安定したプロモーションにつながりやすくなります。

POINT02外国人観光客に向けた各種プロモーション施策を行う

外国人観光客に向けたプロモーション施策を積極的に行います。たとえば、多言語化したWebサイトやパンフレットの作成、店内の英語表記やフリーWi-Fiの整備などです。また、メディアに取り上げてもらえるように営業活動を行います。

インバウンド集客を行う際に必要な4つの準備

インバウンド集客を行う際にはやみくもに施策を打つのではなく、しっかりと準備を行います。インバウンド集客に必要な準備は大きく分けて4つあります。以下では、インバウンド集客の準備について詳しく解説します。

STEP01外国語メニューを作成する

外国人観光客がスムーズに理解できるように、外国語に対応したメニューや看板などを用意します。特に、地方の飲食店では多言語表示されていないケースも多く、観光中に困った点として日本語のみしか表示されていないことが指摘される場合も多いようです。

そのため、多言語表示の対応を進めます。日本語と英語は基本として押さえておき、できれば国語や韓国語、欧州各国主要な言語なども用意しておくと親切です。字だけではなく、視覚的にも分かりやすいようにメニューごとに写真や画像を取り入れるなどするとよいです。

STEP02外国語の対応方法を準備する

外国人観光客に対して料理や商品、観光地についての説明といった接客をする際には、基本的に外国語でコミュニケーションを取るケースが多いです。そのため、どのスタッフでも簡単な外国語での対応はできるように準備を整えておきます。

外国語が話せるスタッフを雇う方法もありますが、スキルを持ったスタッフがなかなか見つからない場合も少なくありません。その場合、自動翻訳機などを使う方法もあります。誰でも簡単に扱える翻訳ツールを導入することで、スタッフ・外国人観光客双方にとってストレスの少ないコミュニケーションが取れます。

STEP03Wi-Fi環境を整える

Wi-Fi環境を整えておくことも重要です。外国では、無料Wi-Fiが駅などの施設だけでなく街なかでも整備されているケースが多いようです。無料Wi-Fiが整備されていないことで、地図や情報の検索などがスムーズに進まず、不満を感じる外国人観光客も少なくありません。Wi-Fi環境を整備することで満足度が上がり、インバウンド集客が成功しやすくなります。

STEP04キャッシュレスに対応する

支払い方法についても整備しておくことが重要です、外国ではキャッシュレス化が進んでおり、クレジットカードやスマホ決済、デビットカードなどを利用するケースがほとんどです。インバウンド集客を行う際には、キャッシュレス決済への対応を進めます。国でもインバウンド集客推進にあたり、キャッシュレス決済の普及促進を行っています。

インバウンド集客の成功事例

インバウンド集客を行いたいと思っても、実際にどのような施策が必要なのか分からないケースも多いです。ここでは、インバウンド集客の成功事例を3つ紹介します。ぜひ、参考にしてください。

事例01 群馬県みなかみ市

群馬県みなかみ市では、国内外のインターナショナルスクールへのアプローチを行っています。夏季にはキャニオニングやラフティングなど、冬季にはスキーや雪遊びといったアクティビティプログラムのニーズが高いことに着目してアピールすることで、口コミによる誘客にもつながっています。

また、隣接スキー場と積極的に連携して、インバウンド集客を行っていることも特徴です。スノースポーツスクール事業を実施し、冬季のアクティビティ需要に対応することでインバウンド集客の成功につなげています。

インバウンドプロモーション | 情報発信(プロモーション) | インバウンド | サービス | 自治体・行政機関向け | JTB 法人サービス (jtbbwt.com)

事例02 広島県尾道市、愛媛県今治市、越智郡上島町

尾道と今治、2つの地域の行政(県・市)を中心として連携体制を構築することで、インバウンド集客を行っている事例です。尾道市と今治市では、自転車の管理をデポジット制(1,000円)で実施しており、自転車の管理費やレンタサイクルの改修費にあてています。

また、多言語対応の案内板や、サイクリングルートの色分けなどといった視覚的にも分かりやすいルート整備を段階的に実施し、外国人観光客が利用しやすい環境を構築していることも特徴です。さらに、台湾の有名自動車メーカーが出店するなど、台湾を中心とした海外PRも実施し、成果を上げています。

事例03 沖縄県

沖縄県では、インバウンドに対応するために、観光領域の多言語情報発信と多言語対応したコールセンターの整備を行っています。また、外国人観光客を受け入れるためのツールとして、マナーブックや安心・安全ガイド、接遇マニュアルなどを事業者向けに配布し受け入れ環境の整備を進めているようです。

外国人観光客の消費を喚起する方策として、商店街で外国人観光客向けの販促ツール作成や企画を実施していることも特徴です。また、翻訳ツールやフリーWi-Fiをインバウンドで利用される飲食店や宿泊施設、観光施設などへ整備するなど、受け入れる事業者・外国人観光客双方が安心できる体制や仕組みの構築を積極的に行うことで、インバウンド集客につなげています。

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まとめ

インバウンド集客とは、外国から日本へと訪れる観光客を集客することです。政府は観光立国を目指しており、再び積極的な外国人観光客の受け入れを推進していきます。インバウンド集客を成功させるには、メニューや看板の多言語化、外国語でのコミュニケーションなども重要です。これにより観光客の満足度を高めて、ファンの獲得につながります。

JTBでは、インバウンド課題に関する様々なサービスを提供しています。インバウンド集客を行う際に発生するさまざまな課題に対して、戦略策定やマーケティング、国内外でのプロモーション支援なども行っています。また、多言語対応や受け入れ環境整備など、多様なソリューションの提供も可能です。インバウンド集客の実施を検討の際には、ぜひご相談ください。


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台湾・香港・ASEANを中心に、日本好き外国人をコミュニティ化しているFUN!JAPANでは、海外現地ユーザーの「日本を楽しみたい」を叶えるために、「インバウンド」や「アウトバウンド」の様々なシーンで彼らとの“つながり”を広げ続けています。FUN!JAPANは、日本好き外国人と地域や企業の架け橋となることをスローガンに、日本好き外国人コミュニティを活用した価値あるマーケティング活動をサポートします。本資料は、FUN!JAPANの特徴や強み、活用事例をまとめました。ぜひご覧ください。

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