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学校・教育機関向け 事例 故・中村哲氏のアフガニスタンでの用水路建設と朝倉市・山田堰(やまだぜき)の関連性を学ぶ

福岡県立福岡高等学校 様

2019年、アフガニスタンで命を落とした中村哲医師。医療分野のみならず、用水路開発による農業支援を通して貧困問題の解決と平和の実現にその半生を捧げました。中村哲氏が現地での灌漑事業の参考にした福岡県朝倉市の「山田堰(やまだぜき)」を、福岡県の高校生が訪れ、中村哲氏の足跡を辿りながら人道支援や地域貢献について学びました。

プログラムのねらい

江戸時代に築かれた山田堰は、斜めに石を敷き詰めることで筑後川の水圧と激流に耐える精巧かつ堅牢な構造を持ち、「世界かんがい施設遺産」にも登録されています。中村哲氏は何度も山田堰を視察して研究を重ね、その技術を応用してアフガニスタンに用水路を完成させました。用水路の完成による農業用水の確保はアフガニスタンの人々に健康衛生、食料、働き甲斐をもたらし、最終的に平和の実現にも繋がりました。
JTB福岡支店は、こうした中村哲氏の足跡を学びながら、水の確保とSDGsの関連性、持続的な活動支援の在り方、真のグローバル人財などについて考えるきっかけをつかんでほしいという思いでこのプログラムを開発しました。(企画代金の一部はアフガニスタンで支援を行うペシャワール会に寄付されます)

山田堰
アフガニスタン政府職員との山田堰視察風景
背景・導入経緯

今回、中村哲氏の母校でもある福岡県立福岡高等学校の3年生が東北修学旅行からの振替として山田堰を訪れました。福岡高等学校は県内でも屈指の進学校です。修学旅行は例年、海外と国内に分かれて実施していましたが、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大により実施時期を延期し、行き先も九州内の近隣の県に変更しました。1年次より「総合的な探究の時間」でSDGsについて深く学んでいた学年だったことや、福岡支店からの積極的な提案があったことなどから、修学旅行のプログラムの一つとして「故・中村哲氏の活動と山田堰」を採用することを決定しました。

実施内容
実施日
2022年6月6日(月)・7日(火)
実施内容
ペシャワール会徳永理事による講話(サンライズ杷木にて)

郷土料理の昼食(パーレンス小野屋にて)

山田堰フィールドワーク(ボランティアガイドによる案内)
参加者
2日間合計 生徒373名(10クラス)
事前学習
  • DVD「アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和」視聴
  • 西日本新聞社制作の専用ガイドブックを活用
実施後の感想

プログラム終了後、生徒の皆さんからは次のような声が寄せられました。

  • 激しい流れを目の当たりにして、取水することの難しさと、それを可能にする山田堰の技術のすばらしさを感じました。
  • 故・中村哲先輩が目指された『アフガニスタンの人々の命を救うこと』やそのための活動に思いを馳せました。
  • 『一隅を照らす』という故・中村哲氏の生き方について考えさせられました。
導入の効果

これまで全く知らなかった郷土の土木技術や、一人の先輩の生き方について学べるチャンスと事前学習にも力が入ったようです。人道支援や社会貢献のために懸命に生き抜く一人の人間の姿からのインプットと、それを自分の在り方生き方にどう結び付けていくのかを考えるアウトプットが、生徒の皆さんに多くの学び・気づきをもたらしたようです。

担当者コメント
故・中村哲氏のアフガニスタンでの用水路建設と朝倉市・山田堰(やまだぜき)の関連性を学ぶ
福岡支店  山口 貴大
福岡支店  山口 貴大

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、地元九州内実施への変更を余儀なくされましたが、九州内だから出来る「深い学び」を実現するべく先生と協議を進めました。中村哲氏が福岡高校OBという事もあり、当プログラムの実施を通じて偉大な先輩が残した功績を学ぶ最高に機会になったと感じています。今後も学校と寄り添い、JTBならではの価値を提供できるよう努めます。