各学校では探究に取り組みながらも様々な課題にぶつかっている先生方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のセミナーでは探究を現場で取り組んでいる3校の先生に、探究学習で直面した課題・外部プログラム活用の経緯や効果・今後の展望についてお話しいただきました。
本記事では三部構成のセミナーのうち、第二部「探究学習の実践事例」の一部を抜粋・編集してお届けいたします。

セミナー概要 ~アーカイブ配信中~
事例の詳細や各校の先生が語る生徒の変化の様子など、詳しくは動画本編からご覧いただけます。
- アーカイブ配信期間:2025年10月1日(水) ~ 10月31日(金) 23:59
- お申込締切:2025年10月30日(木) 23:59
- 形式:オンラインWEB配信
- 費用:無料
- 構成:
- 第一部 JTBが探究学習に取り組む理由
- 第二部 探究学習の実践事例
- 第三部 JTBが提供できるソリューションのご紹介
金城学院高等学校 柳瀬 公代先生、金城学院中学校 後藤 敬太先生 「自分ごとになる問い立てが難しい」

金城学院高等学校 柳瀬 公代先生
総探主任

金城学院中学校 後藤 敬太先生
dignity(探究)担当
金城学院では中学校、高等学校ともに、自分の内面にある価値観や課題意識を発見できる「探究スタートアップ ~発見!わたしのモノの見方・考え方~」を導入されています。
金城学院高等学校 柳瀬
当初の課題として、問い立てに難しさを感じていました。特に探究を深めるような問いや絞られた問いを出せていませんでした。また生徒の自分ごとになるような探究ができないかということを悩んでいました。
熊平美香先生の著書を読んでいたこともあり、熊平美香先生が監修しているということから「探究スタートアップ」に興味をもちました。そこではリフレクションを通し、自己認識を深める力の育成を目指す内容になっていますが、それが探究のテーマを決めるときに役立つのでは!と考え、導入に至りました。
金城学院中学校 後藤
中1~中3まで全学年で「探究スタートアップ」を導入しております。これまでは調べ学習の域をでないことや、客観的に物事をとらえることができないという問題がありました。「探究スタートアップ」では自己をリフレクションし、掘り下げ、客観的にとらえます。生徒たちはその時々で抱く感情や価値観を可視化できるようになってきました。

福島県立郡山高等学校 飯豊 利子先生 「学校としての探究の始め方は?」

福島県立郡山高等学校 飯豊 利子先生
探究学科長・企画情報探究部主任
学科改変で「探究科」が新設されることを機に、高校3年間の探究をつくりあげていくことになった飯豊先生。その時の課題や取り組み、その効果を伺いました。
福島県立郡山高等学校 飯豊先生
それまでは学校として探究への統一した取り組みはしておらず、学年に任されているという状況からのスタートでした。3年間の学びを検討していく中で、JTBから提案があったのがアクティビティラーニング型授業でのキャリア教育プログラムである「CASプログラム」です。
これまでキャリア教育には注目していなかったのですが、「キャリアを考える」ということが、探究をスタートする上で一番大事なのではという議論を学内でも行い、導入に至りました。 実際にこれまで3年連続で実施をしていく中で、探究だけではなく、生徒の意識にも大きな影響を与えています。未来のビジョンを描くタイミングが早くなってきているだけではなく、目的が明確になることで、自ら学習に向かっていく自走できる生徒が増えています。またその様子を見ている教員の意識も変わってきているように感じています。

西武台高等学校 池田 亜優奈先生 「次なる課題は問いの質向上と、学外とのつながり」

学校法人武陽学園 西武台高等学校 池田 亜優奈先生
STEAMコース担当
調べ学習と探究学習の違いが生徒に伝わらない、社会の課題と生徒の興味関心のつながりが見いだせないといった課題に、丁寧な段階を踏まえた設計で取り組んでいた西武台高等学校。一難去ってまた一難、次にぶつかった課題はどのようなものだったのでしょうか。
西武台高等学校 池田先生
生徒が自分の問いをもち、主体的に取り組めるようになったのは良かったのですが、問いの質の向上や他者とつながるアウトプット方法、探究の成果とその先の将来とつなげる難しさを感じるようになりました。 そこでデータを使った地域探究の授業パッケージである「未来探究ゼミナール」を導入することにしました。その発表の場として「未来探究祭」という全国規模のコンテストがあることが決め手でした。発表チームが全国から集うだけではなく、外部で発表し、評価がつくことが、生徒の大きな成長に寄与するのではという考えからでした。 実際の効果としては大きく3つを感じています。
- 探究の型が身についた
本校では高1も高2も「未来探究ゼミナール」に取り組んでいますが、高1では課題の解決策にたどり着けなかったり、解決策を掘り下げられなかった生徒が高2ではテーマが明確になり、自走できるようになっています。 - 幅が広がった
「未来探究祭」を通して、全国でも同じように探究に取り組んでいる同世代がいることを実感できたり、全国に連絡が取り合える同世代ができた生徒もいます。 - グループワークの力が身についた
2つの学年を縦割りでグルーピングし、取り組むことで、先輩後輩間のコミュニケーションや役割を意識した動きができるようになりました。


まとめ
今回ご登壇いただいた先生方が語る課題は、全国どこの学校でも聞かれるような内容だったのではないでしょうか。他校ではどのようにその課題と向き合っているのか、参考になる情報が多くあったかと思います。
本記事ではご紹介しきれなかったプログラムの活用に関する工夫や、生徒の変化、そして学内の先生方の変化など、詳細はアーカイブ配信にてご覧ください。
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