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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 震災後10年の特別なプログラム 未来につなぎ伝えるべきこと ~日本の旬 東北~

2021.03.02
旅行
ミーティング・イベント
人材・組織力強化
従業員満足(ES)向上
生産性向上
売上拡大・販売促進

2011年4月9日、石巻

2011年4月9日、東日本大震災から1か月が過ぎようとしていた頃、私たちは石巻にいた。

翌4月10日から、私たちがスポンサードし、日本の素晴らしさを伝えるラジオ番組が始まる予定だった。番組の構成が決まり、いよいよ収録をはじめようというその時、東北と東日本が大きな揺れに見舞われた。番組の予定はすべて変更となり、第1回は東北のみなさまへ復興へのエールを送りたいという思いで、急遽仙台からの放送となった。私たちはその前日に取材のために石巻に入ったのだった。

道の両側にはどこまでも被災物の山が続いていた。想像よりもはるかに厳しい光景に言葉が出なかった。「街が息をしなくなっています」と番組のパーソナリティが言った。復旧・復興と簡単にいうけれど、10年単位の時間が必要だと思った。

番組では東北出身のさとう宗幸さんが「復興に最も必要なのは、地域の方の気持ち」と言い、「青葉城恋唄」を披露してくれた。仙台のスタジオでそれを聞きながら、1日も早く「瀬音ゆかしき杜の都」が戻ることを祈っていた。

2015年9月、陸前高田/南三陸

北海道からの帰りに、三陸地方を通って陸路で東京に向かっていた。

被災地だったが、比較的早く復興した宮古・釜石といった都市を抜け、震災以来不通となっているJR大船渡線の代行バスに乗って陸前高田の町に入った途端、自分の目を疑った。きれいに整地されて何もない土地に、これからピラミッドでも作ろうとしているかのような、巨大な盛り土があった。必要なかさ上げの高さは14m。これが見渡す限りの広大な範囲に続いていた。ドバイかどこかの開発地区で海を埋め立てているのではなく、ここはまぎれもない日本だった。震災から4年半が過ぎても、まだこんな状況なんだ、と復興の厳しさを身をもって知った。

翌日通った南三陸町の志津川も、復興は遠い未来のように思えた。

被災した商店街はすでに「南三陸さんさん商店街」として仮設のプレハブで営業していたが、多くの職員が犠牲になった南三陸町の「防災対策庁舎跡」にはまだ多くの花や千羽鶴が供えられ、震災遺構として残すことの是非が激しく議論されている最中で、まだ結論が出ていなかった。

2016年11月、気仙沼

2015年から数年間、訳あって気仙沼へ何度か訪れることになった。

東日本大震災の津波による大打撃を受けた気仙沼の人々は、それでもなお「海と生きる」というメッセージとともに海の可能性を信じて再起を果たし、海と積極的に関わり合って暮らしていた。海と自然、産業や文化、そして人や食の魅力を十分に活かした観光コースが次々と開発され、気仙沼に何度も足を運ぶディープなファンも生まれていた。

寸前で津波を逃れたため「数少ない地元の産品を絶やすな」という地元の人々に守られて操業を続け、以来、会社のためのお酒ではなく「気仙沼のためのお酒」になったという酒蔵の社長。津波をかぶり泥まみれだった家の中に、のべ1000人ものボランティア学生を迎え入れ、寝泊まりスペースを貸しているうちに、民宿をやりながら町を元気づけることを決めたお母さん。氷屋や函(ハコ)屋など、気仙沼ならではの港町の仕事をちょとだけ体験できるプログラム。気仙沼の人々はみんなとても前向きで魅力的だったので、震災の経験が未来に向かって進みはじめているのを実感した。

2021年3月、つなぎ、伝えるべきこと ~日本の旬 東北~

2021年3月で東日本大震災から10年。まだ東北の復興が完全に終わったとは言えないのかもしれません。それでもさとう宗幸さんの言っていた「復興に最も必要な、地域の方の気持ち」は確実に前に進み、この経験を伝え、後世に活かそうという多くの取り組みが生まれています。

JTBグループでは「日本の魅力の再発見」をテーマに各地の旬の魅力を掘り起し、国内観光地域活性化を目指すキャンペーン「日本の旬」を展開しています。2021年4月から9月までは「日本の旬 東北」。震災後10年をきっかけとして、防災、減災の観点で再びあの震災を見直し「つなぐ・伝える」などのテーマを中心に、東北6県の魅力を広くお伝えします。

今回はその中から団体旅行向けに開発された代表的な震災復興プログラムをご案内します。

01 宮城県・石巻市 サイボーグ003がアテンドする!石ノ森萬画館満喫プラン

震災から復興した萬画館で「萬画(マンガ)」と「防災」を学ぶ

『サイボーグ009』や『仮面ライダー』をはじめ、数々のヒット作を生み出した石ノ森章太郎の作品世界を立体的に展示するマンガミュージアム。 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けるも、全国のたくさんの方々からの支援により再開した経緯や施設の見どころなどをサイボーグ003姿のアテンダントがご案内します。

02 宮城県・南三陸町 南三陸町 語り部による震災学習プログラム

震災直後の様子
南三陸町 語り部ガイド
ガイドサークル汐風 後藤 一磨さん

復興へ懸命に立ち上がるまちの姿を伝える

東日本大震災の津波により中心部の建物の約8割が流失。2011年8月より「被災地の現状を知ってもらいたい」との思いから他被災エリアよりもいち早く「語り部ガイド」が発足、全国各地から視察団体・ボランティア団体を受け入れてきました。現地で実際にプログラムを受講していただくことで、メディアでは伝えきれない被災当時の様子や被災地の現在、被害者の思いを生で感じることができます。

「震災語り部講話」のオンラインプログラムもあります

03 宮城県・気仙沼市 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館

震災の伝承と後世につなぐ架け橋として

震災の記憶と教訓を伝える”目に見える証”として2019年3月オープン。津波で4階まで被災した気仙沼向洋高校旧校舎を「震災遺構」とし、新設された「震災伝承館」では地震・津波の脅威を伝える大型スクリーンで震災前後の映像上映、そして今の気仙沼の様子を伝える展示コーナーを併せて公開しています。「語り部ガイド」「防災セミナー」「ふりかえりワークショップ」がセットとなり、防災・減災教育がワンストップで学べるプログラムとなっています。

04 福島県・浜通り 「福島のありのままの姿に触れる」ホープツーリズム®

震災と原発事故を経験した福島に「触れる」・「感じる」

東日本大震災及び原子力災害を経験した福島県で、復興に向け果敢にチャレンジする人々(ヒューマン)との対話やフィールドワーク等を通し、福島のありのままの姿(光と影)に触れる旅が『ホープツーリズム』です。福島の被災地を訪れながら「ヒューマンとの本音の対話」に焦点を当てた学びのプログラム。福島の現状を「見る」「聞く」だけではなく、「考える(感じる)」ことで“福島だけの問題”を“それぞれが考えるべき自分たちの問題”と捉え、学びを自分事化することによって『自分自身の成長へ』と繋がります。

「ホープツーリズム」は福島県観光物産交流協会の登録商標です。(承認番号 7j010)


ダウンロード資料「日本の旬 東北」
一度でいいから見てほしい。震災後10年の特別プログラム

東日本大震災から10年。この経験を伝え、後世に活かそうという多くの取り組みが生まれています。今回はそんな未来につなぎ、伝えたい特別なプログラムをご紹介します。

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