社員旅行にはさまざまなメリットや期待できる効果があります。目的やメリット、効果などを理解した上で、社員旅行を実施する企業も増えているようです。この記事では、社員旅行のメリットや効果、社員旅行を実施する際の注意点や終了後にやるべきことなどについて解説します。社員旅行の実施を検討している方は、ぜひご覧ください。
社員旅行にはメリットがある
1980年代以降、社員旅行を実施する企業は減少傾向にあります。個人の多様性やプライベートを重視する風潮が強くなった結果、実施を控える企業が増えていました。しかし、社員旅行にはメリットもあるため実施している企業もあります。一度社員旅行を実施した企業の多くが、内容を充実させ継続したいと考えているようです。このことから、社員旅行には一定の効果があると言えます。最近では、コロナ禍による社員間コミュニケーションの希薄化などの問題から、社員旅行を実施する企業が増えています。
社員旅行を行うことで期待できる5つの効果
社員旅行にはさまざまな効果が期待できます。社員に対してメリットがあるだけではなく、企業にとってもメリットがあります。ここでは、社員旅行で期待できる5つの効果をご紹介します。
効果01社員同士のコミュニケーションが取れる
社員旅行では、社員同士のコミュニケーションの活発化が期待できます。普段の仕事では、同じ部署の仲間や連携する部署の社員以外とは、コミュニケーションを取る機会が少ないのではないでしょうか。しかし、社員旅行の場合にはさまざまな社員が参加しているため、仕事では交流のない社員とも交流を図るチャンスがあります。社員旅行で生まれた関係性やポジティブなコミュニケーションは業務に戻っても活かされやすく、以後の円滑な連携に繋がります。
効果02チームや組織に一体感が生まれる
社員旅行という業務とは全く異なる環境で交流を持つことにより、業務内では見られない仲間の一面を見ることができます。部署や年代など垣根を超えて意気投合することもよくあります。また、旅行中は団体行動の時間が多くあります。アクティビティや施設見学などの共通の行動の中で交わす会話は、お互いの考えや感想を交換する機会となります。このような時間が、共感や一体感を生み出し、チームワークの向上に繋がります。従来の社員旅行は労いの意味が強くありましたが、最近では生産性向上やチームワーク醸成などの目的で行われることも多くあります。
効果03新たな気づきや学びに繋がる
社員旅行を単なる労いとしてではなく、研修要素を盛り込む企業も増えています。たとえば、研修プログラムの活用や地域の視察、グループワークの実施などが挙げられます。社員旅行の中で与えられた課題に取り組み、新たな気づきや学びを得るのが狙いです。すべての時間を研修に充てるのではなく、観光やアクティビティと組み合わせ、楽しく学ぶことがポイントです。
効果04リフレッシュできる
仕事や日常の家事、生活などから解放されることで、社員がリフレッシュできるという効果もあります。普段とは違う場所に身を置き、楽しむことは気分転換に繋がります。仕事の緊張感や日常のストレスなどから解放されることにより、何らかのひらめきや新しいアイデアが生まれることもあります。さまざまな体験や普段は見ない景色を見ることは、「また明日からがんばろう」という明日への活力となり、モチベーション向上も期待できます。
効果05人材確保に繋がる
社員旅行は、人材確保に繋がる可能性もあります。話題性のある社員旅行やオリジナリティのある変わった社員旅行は、企業のアピールポイントにもなります。社員旅行に注目が集まることにより、自社の求人が求職者の目に留まるケースもあるでしょう。また、満足度の高い社員旅行は、社員の愛社精神、エンゲージメントを高め、モチベーションアップに繋がります。結果として人材の定着にも繋がるのです。
効果的な社員旅行を行うポイント
社員旅行を行う際には、実施のポイントを押さえる必要があります。より社員旅行の効果を高めるためには、4つのポイントを意識することが重要です。以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
POINT01行きたくない社員がいることを理解する
社員旅行は、すべての社員が行きたいと思っているとは限りません。社員旅行に関するアンケートによると、社員旅行を実施している企業では参加者は社員の89%となっており、11%の人は社員旅行に行ったことがないと回答しています。
「上司や先輩に気を遣って旅行したくない」「団体行動が苦手」「そもそも旅行をしたくない」「休日を潰されたくない」など、社員旅行に参加したくない理由はさまざまです。このように実際に社員旅行に消極的な人は存在します。任意参加にするか強制参加にするかは、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で検討します。
POINT02行き先を決めるためにアンケートを実施する
社員旅行の行き先については、社員にアンケートを取るのも一つの手法です。役員や社員旅行の担当者が勝手に決めるのではなく、社員の希望をヒアリングして決定することも重要です。行き先を会社の一存で決めてしまうと、自由がない、社員旅行を押し付けられているといった声が挙がることもあります。社員の声を聞き、その内容を反映させることで、社員の意向や希望を重視しているという会社の姿勢を示すことができます。
POINT03配慮した部屋割りにする
部屋割りを決める際には、社員同士の関係性に配慮します。例えば、上司と部下などの組み合わせにしてしまうと、部下が気を遣ってしまい、リフレッシュに繋がらない可能性があります。そのため、それぞれの関係性や役職などを考慮することが重要です。また、喫煙者と非喫煙者の部屋を分けることも重要で、そのためには、あらかじめ喫煙者・非喫煙者を把握することが必要になります。コロナ禍においては、感染対策の観点から複数名で1室にするのではなく、1名1室がおすすめです。
POINT04旅行先の行動を選択制にする
旅行先での行動は、団体行動だけではなく自由に選べる選択制のプランを組み入れるのもおすすめです。例えば、ショッピングや散策、アクティビティなどいくつかのプランを用意して、社員それぞれが好きなものを選べるようにするとよいでしょう。プランについても社員にアンケートを取り、社員の希望を考慮して決定します。これにより、社員旅行に対する満足度が上がりやすくなり、人材の定着率向上などに繋がります。
社員旅行を行う際に注意すること
社員旅行を実施する際には、注意しておきたいポイントが2つあります。1つ目は、「旅程を周知しておく」こと、2つ目は「緊急事態を想定しておく」ことです。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
参加者に旅程を周知しておく
旅行のスケジュールは、参加者全員にしっかりと周知しておきましょう。旅程を把握していない参加者がいると、スムーズな旅行実施に支障をきたします。周知すべき内容としては、集合時間や場所、社員旅行の行き先、スケジュール、持ち物などです。できるだけ細かく案内しておくと安心です。
緊急事態を想定しておく
社員旅行を実施する際は、何らかの緊急事態が起こることを想定し、しっかりと備えておきます。旅行先での発病やケガはよくあるケースです。滞在先の近くにある医療機関などを事前に確認しておき、万が一の事態になってもすぐに対応できるようにしておきましょう。また、団体旅行対応の保険に加入することをおすすめします。社員旅行でのトラブルは企業の責任となるため、事前準備や万が一への備えは欠かせません。
社員旅行終了後はレポートを作成する
社員旅行終了後には、実施レポートを作成します。次回の社員旅行の担当者にノウハウを伝えるため、データとして残すことが重要です。レポートには、日程や参加人数、スケジュール、費用、現地での様子、発生した問題、次回へ向けての課題などをまとめます。この際、参加者からの声を拾うため、参加者アンケートを実施するのがおすすめです。参加者アンケートを実施することで、次回の社員旅行の内容の充実や前回からの改善などを図りやすくなります。
関連情報
JTBの「社員旅行効果測定アンケート」
ここ数年、従業員エンゲージメントを高めるために社員旅行を実施する企業が増えています。「参加者が何かを得るツアー」にするのはもちろん、「リアルなコミュニケーションの場の創出」、「モチベーションアップ」など、組織課題を解決する手段の一つとして社員旅行を活用していくスタイルが、この先、主流になっていくのではないでしょうか?「社員旅行効果測定アンケート」は参加者の思いや声を可視化し、社員旅行の効果の最大化を図ります。詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
社員旅行を実施することは、コミュニケーションの活性化やチームワークの醸成、人材確保などに繋がります。また、最近の社員旅行では、従来のように労いだけではなく、目的にあった効果を求めるようになってきており、研修などと組み合わせるケースも多くなっています。
社員旅行を実施する際には、まずは目的を明確にすることが大切です。そのうえで、行き先や旅行内容の検討になりますが、「どのように情報を収集すればよいのか...」「どのように進めればいいのか...」お悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。
そのお悩みを解決するために、「社員旅行幹事マニュアル(動画付)」をご用意しました。初めて社員旅行を企画する方向けに、わかりやすく解説しています。社員旅行の実施を検討している方は、ぜひご覧ください。