企業を支える『従業員のエンゲージメント向上』に注力することを決断した、東日本旅客鉄道株式会社様。特に部下指導や業務の中核を担う管理者層を対象に、単なる知識付与に留まらない“体験”と“対話”を通じたエンゲージメント向上研修が実施されました。東北エリアで勤務し、鉄道建設プロジェクトを担う社員に最適な場所として、東日本大震災の被災地での越境学習と、リーダーシップ・エンゲージメントを体系的に学ぶ2日間のワークショップが行われました。社員一人ひとりが『自分ごと』として組織の未来を考え、行動変容を促すマインドセットの効果をもたらした研修事例を紹介します。

- 背景
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技術革新が進むなか、組織の持続的な成長と活性化を、経営の重要課題と位置付けていた東日本旅客鉄道様。特に、東北建設プロジェクトマネジメントオフィスでは、管理者層が多忙を極め部下への指導や育成管理が手薄になる“プレイングマネージャー化”により、従業員一人ひとりが自身の成長や組織への貢献を実感しにくい状況にありました。
このような状況下で、同社は若年層を含む全従業員が業務内外での達成感を通じて成長を実感し、組織全体の力を向上させる必要性を強く認識。特に、個人の売上や他者からの感謝といった直接的でわかりやすい指標を得にくい建設プロジェクトの業務特性上、「自身が組織にどう貢献しているのか」を納得感をもって理解できる学びの機会が求められていました。
そこで、従業員が自律的に成長し、組織への貢献を実感できる環境を再構築するため、エンゲージメント向上に注力することを決断。その第一歩として中核となる管理者向けの研修を検討しました。
既存の研修プログラムでは得られない深い学びと効果を求め、様々な企業の従業員エンゲージメント向上に長年取り組んできたJTBの知見と、同社の事業エリアである東日本大震災の被災地を越境学習の場とする提案に魅力を感じ、研修造成をJTBに依頼するに至りました。
- 課題
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- 育成環境の未整備
- 若手社員の自律的な成長を促し、組織全体のパフォーマンスを高めるための効果的な育成環境が指摘されていた。
- コミュニケーションの希薄化
- 上司・部下間、部署間のコミュニケーション不足により、円滑な情報共有や連携の妨げとなり、業務効率に影響していた。
- 評価と納得感の乖離
- 納得感のあるフィードバックが得られず、貢献実感や成長実感の低下(従業員のモチベーション低下)につながっていた。
- 実施内容
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【1泊2日】2026年1月21日(水)~22日(木)
【参加者】管理者層(副長、チーフら)23名1日目
東北エリアの施設を訪れ、“過去”から“現在”までに、自社・自組織が創造してきた価値に目を向けます。そして、『避難所ワークショップ』を通して今後解決していくべき課題を体感することで、働くやりがいや意義などを再確認し、エンゲージメント向上に向けた管理者層としてのマインドセットを身につけます。
2日目
1日目のワークショップを職場に置き換え自分ごと化し、アートカードを使って自社・自組織の“未来”に目を向け、ありたい姿と実現のための求められるリーダーシップを学びます。そしてインナーコミュニケーションのメソッドを身につけます。


- 導入効果
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東日本旅客鉄道様が抱える固有の課題に対し、オーダーメイド型で研修造成したことによって、管理者層のリーダーシップ発揮と従業員エンゲージメントの向上に大きく貢献しました。特に、同社の事業背景に合わせた福島の被災地での越境学習は、参加者から「直接仕事に関係ないかと思いましたが、自分たちの仕事に通じる気付きや学びがあった」と高評価を得て、業務の社会的意義を再認識させ、組織への帰属意識と使命感を劇的に向上させました。
研修全体評価の中でも【気づき】に関する項目の評価が特に高く、参加者は『傾聴』『フィードバック』といった具体的な対話スキルや、部下とのコミュニケーションの重要性を深く理解し、今後の行動変容への意識を高めました。
結果として、組織全体のエンゲージメント向上に向けた管理者層の当事者意識を醸成。『自分たちが未来を創る』という意識が芽生え、持続的な成長を支える強固な人材基盤の構築に繋がっています。
- お客様の声
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研修企画者
今回の研修は、単なる座学に留まらない、深い学びと気づきを得られるものでした。
特に印象的だったのは、被災地での越境学習が自分ごと化しやすいテーマであり、非常に効果的な導入教育となったことです。鉄道事業を営む私たちにとって、福島での研修は、被災企業として復興を共に歩んできた経験があるからこそ、意味のある越境の場所として心に響いたと感じています。現場を直接見てワークショップを体験できたことで、メディアや紙資料を遠くから眺めるだけでは得られない多くの情報に触れ、講師が強調する『解像度を高く』『言語化する』という教えは、アウトプットが苦手な社員にも良い刺激となりました。
また、2日間を通して研修全体が一貫したストーリーで構成されており、被災地の現場での経験が翌日の学びへと有機的に繋がっていた点も高く評価できます。『過去から現在、そして将来、未来』という研修目的に沿って、未来のビジョンを言語化し、共有する機会は、参加者のマインドセットに良い影響を与え、普段の業務ではなかなか考えることのない目先の仕事以外のことを考える場となりました。アートカードを使った『将来の組織をどうしたいか』というテーマでの表現では、参加者が的を外さずに意見を述べていたのが印象的で、私自身も良い経験になりました。
エンゲージメント向上には特効薬がなく、日々の丁寧な観察と傾聴の積み重ねが重要であると認識しました。今回の研修をきっかけとして管理者に限らず、一般社員にとってもエンゲージメントについて考えるきっかけとなる研修は継続的に必要だと感じています。
- おすすめポイント
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JTBグループの実績と独自メソッドが融合した、唯一無二の越境学習プログラム
110年以上の歴史を持つJTBグループの旅行事業で培った知見と、講師の実体験に基づく『避難所ワークショップ』をプログラム内に組み合わせることで、他社にはない深い学びと“自分ごと化”を促進。さらに、JTB独自の『インナーコミュニケーションメソッド』を活用し、部下との信頼関係構築やコミュニケーション改善に直結する実践的なスキル習得を実現します。
過去・現在・未来を一貫したストーリーで繋ぐ、行動変容を促す構成
被災地の現状を肌で感じる越境学習から、リーダーシップとエンゲージメントの体系的学習、そして未来のビジョン言語化まで、一貫したストーリーで構成。単なる知識習得に留まらず、参加者のマインドセットと行動変容を強力に後押しします。
お客様の課題に合わせた柔軟なカスタマイズと伴走支援
プログラムを把握し現地事情にも精通するJTB福島支店が、お客様の具体的な課題やニーズを深く理解し、研修内容を柔軟にカスタマイズ。研修実施後の振り返りや追加施策の検討まで、継続的なエンゲージメント向上に向けて伴走します。
東日本旅客鉄道様が中間層社員の皆様へ寄せる「社員を大切にしたい」という強い思いを、今回の企画を通じて深く感じました。東北で働く者として東日本大震災の現状を五感で感じ、それをワークショップへと繋げる一貫したストーリーは、非常に意義深いものだったと確信しております。この研修が皆様の今後の業務に活かされることを願っております。
『避難所ワークショップ』は、講師の実体験を基に、JTBが培ってきた研修実績を融合させた唯一無二のプログラムです。「お客様が求めること」を捉え、多様なテーマと掛け合わせ、カスタマイズすることで、参加企業・学校・自治体のニーズに応えます。防災・減災だけでなく、福島県浜通りの復興プロセスから課題解決のヒントを得ていただくことを狙いとしています。世界に類を見ない複合災害からの再生・回復・創造が進むこの地は、参加者にプレミアムな価値を提供し、研修後も地域との交流・共創が生まれることもあります。JTBは、福島県浜通りと訪れる参加者をつなぐ存在であり続けたいと考えています。