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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 社内インセンティブの価値の変化と営業メンバーの意欲を高める制度のポイント

2021.02.15
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従業員満足(ES)向上

2020年、コロナの影響で営業の形態も大きく変わりました。対面からオンラインにシフトする中、営業担当者は新規顧客の獲得と既存顧客のフォローに努めてきました。しかし、営業機会が減少する中、営業メンバーのモチベーションをどう維持したらよいかという新たな課題も生まれています。今後も続くと見られるビジネス形態の変化を受けて、評価制度の見直し、インセンティブの価値の変化、また新たな制度設計をする際のポイントについてお伝えします。

インセンティブ制度とは

インセンティブという言葉は、「やる気を起こさせるための外的刺激」を意味します。これは、手当や報酬、動機付け、見返りという言葉に言い換えることもできます。企業におけるインセンティブは、主に営業職などのモチベーションを高め、やる気や意欲を持続させて企業の利益につなげようとする制度で、企業と従業員の双方にとってメリットがあるものです。

多くの企業が採用しているのは、個人の年間目標値を設定し業績に応じて通常の賞与に上乗せする金銭的なインセンティブです。また年間以外のインセンティブとして、週間売上の目標達成や月間売上の目標達成など短いスパンで社員の意欲を刺激するものもあります。

ここではインセンティブの分類やボーナスとの違い、インセンティブ導入のメリットなどについて解説します。

5つのインセンティブ

01物質的インセンティブ(成果報酬型)

営業部、不動産、プロスポーツ選手など成果に対して報酬を上乗せしていく仕組みです。お金ではなく社長賞やMVPという称号の場合もありますし、報奨旅行の場合もあります。

02評価的インセンティブ(考課・昇進)

評価することでやる気を駆り立てて、心理的な満足度を高めます。これには、褒める・期待するという心理的なもので評価をする「心理的評価」と、役職を与える(昇進やポジションを与える)という「地位的評価」の2つがあります。

03人的インセンティブ(人間関係)

上司の人間性やチームの良い雰囲気は、従業員のやる気に好影響を与えます。異動希望を出しやすくする、人材配置の意見を聞くなどの工夫で従業員のモチベーションを高めます。

04理念的インセンティブ(価値観・企業理念)

企業理念によって従業員のモチベーションを持続させることができます。「共感」からモチベーションに働きかけるので、ボランティアやNPO法人に興味がある人、社会貢献を働きがいにしている人に向いています。

05自己実現的インセンティブ(夢・希望)

仕事を通して社員が望むことを実現していくことで、やる気を持続させることができます。夢や希望、やりがいのある仕事を与えることでモチベーションを高めることができ、特に若い社員に有効です。

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱する「欲求5段階説」では、人間の欲求を5つに分類する。それぞれの欲求を満たす「5段階のインセンティブ」が考えられる。

歩合とボーナスの違い

歩合制とは出来高や成果に応じて支払われる給料のこと。つまり、個人の成績によって報酬がアップする制度のことで、「インセンティブ」「業績給」と呼ぶこともあります。一方ボーナスは、企業業績と連動した賞与のことです。企業業績を反映して支払われるものなので、個人のインセンティブとは異なります。

インセンティブ導入の3つのメリット

メリット01短いスパンで従業員のやる気を引き出すきっかけになる

企業業績と連動するボーナスとは異なり、チームや従業員に最適なサイクルで評価を設定することができます。例えば、週の成約数や月間の営業成績の場合、週や月単位で報酬が変わることになるので、短期的に従業員のやる気を起こすよい起爆剤になります。

メリット02行動が明確になる

評価する行動や具体的な指標を決めることで、目標達成のための行動が明確になります。例えば、「なりたい自分」や「理想の働き方」に対して条件を示すことで、従業員が目標を達成するモチベーションがあがります。

メリット03評価基準が明確になる

企業が評価する人材や行動を明確にすると、企業の方針を従業員に浸透させたり、採用時に「手本となる人材」として示すことができます。

アフターコロナ時代のインセンティブの価値

オンラインでの営業は今後も継続することが想定されます。対面営業では、営業成績トップだった営業メンバーも、テレワークに移行したとたん、これまでのセールス手法が通用せず契約が受注できないケースも。従来のインセンティブ体系では、目標達成できないメンバーの給料が減ってしまい仕事へのモチベーションが下がるといったことも起きかねません。金銭的な評価は一時的なものでしかありません。営業部門の評価制度とともにインセンティブ制度の見直しが早急に必要になるでしょう。それでは、次に見直しのポイントについて考えていきます。

営業に関わる多くの人にスポットライトを

インセンティブ制度は昔からあり、その多くは営業歩合として売上実現に連動するものでした。代表的なものが、社内表彰制度です。これまでは、業績に貢献した営業個人を表彰するインセンティブが主流でした。しかし現在、テレワーク中心の働き方では個人だけでは営業成績を達成できないケースが増えています。チームの連携や上司や部下からのアシスト無しでは達成が難しくなっているのです。

売上を達成した営業個人の表彰だけでは、アシストしたほか上司や部下、部門の担当者にはスポットライトが当たらないため表彰基準に納得感がなく、組織全体の士気が下がりかねません。これからは、サポートに回った人も含めたグループ受賞や貢献度が高い間接部門も対象にするなど平等に表彰するインセンティブ制度が必要です。

 

社員の気持ちに寄り添うインセンティブがカギ

2020年新入社員140名に実施した意識調査「仕事を通じて得たいもの」の質問に対して、9割以上が「成長・スキル」を望んでおり、4割近くが「充実した福利厚生」と回答しました(※)。今の若手は、「お金」よりも、自分のライフスタイルの充実、スキルアップや人間的成長に関心があることがこの調査からわかります。ワークライフバランスを重視したいという若手社員の働き方は、日本の働き方改革にも通じる部分があり、個人成績のみに重きを置いたインセンティブ制度は時代に逆行する形となるでしょう。

Q現在所属する会社や仕事に求めているもの、今後会社や仕事を通じて得たいものはなんですか?(複数回答可)

約4割の新入社員が「充実した福利厚生」を求めており、「福利厚生が充実している企業=働きやすい」と捉える人が多いことがわかった。

インセンティブは若手社員の育成、組織力強化にも効果が望めます。先述した意識調査でも、「仕事もプライベートもバランスよくやりたい」という回答が約8割でした。企業としても“ワークライフバランス”や“働き方改革”の本来の意味を理解したうえで、こうした社員のニーズを考慮することが重要です。今後、一人ひとりの価値観や仕事のスタンスとリンクしてやる気を引き出すインセンティブは必須です。そのようなインセンティブなら社員の成長を促し、会社やチームの結束力を高める効果が期待できるでしょう。

引用元:リアルでたくさん褒めて欲しい! 2020年新入社員意識調査 - オフィスのミカタ


まとめ

自社のインセンティブの課題をしっかり捉え、再構築の検討を

営業の目標達成に効果的な役割を果たしてきたインセンティブ。テレワークが主流となった現在、営業個人の力だけでは当面の目標を達成することは難しくなり、チームの連携や上司のサポートが必要となってきているとお伝えしました。このような状況の中、企業や組織の課題を可視化し、営業個人など一部の限られた人だけではなく「営業に関わる全メンバーの底上げ」につながるインセンティブを構築することが、これからの企業成長のカギだと言えます。またコロナ禍で変化する一人ひとりの価値観や仕事のスタンスを考慮したインセンティブとすることも大切です。

営業メンバーの意欲と士気を高めるインセンティブの条件は、企業により異なります。「何を見直せばいいのかわからない」「どのようなインセンティブ制度にすればよいのかわからない」ということでしたら、まずは社内アンケート調査を実施し、インセンティブ制度の課題を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか?

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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