コロナ禍の終息の兆しは今だ見えず、引き続き全国で感染防止対策が必要な状況です。国内で最初の緊急事態宣言が発出された2020年4月には、感染対策から多くの企業で職場旅行が中止になりました。これまで社内イベントとして実施されてきた職場旅行は、社員同士のコミュニケーション活性化やリフレッシュを目的とし、福利厚生の一環として行ってきた企業が多いと思います。コロナが落ち着いた際、皆さまに感染対策を万全にした安心安全な旅行を提案できるよう、株式会社JTB福岡支店では、2020年の夏に職場旅行を実施しました。今回は、ニューノーマル時代に職場旅行を楽しむにはどんな工夫が必要なのか、企画立案者であるJTB福岡支店の社員を取材しました。
コロナ禍においてニーズが高まるマイクロツーリズム
Withコロナ時代の新しい旅のあり方として「マイクロツーリズム」が注目されています。「マイクロツーリズム」とは、遠方や海外ではなく、3密を避けながら近場を訪れる旅のスタイル。移動距離の少ない地域内で観光することで感染拡大のリスクを抑えながら、地元の観光需要につながるというメリットがあります。また、それまで地元の人でも知らなかった穴場スポットとの出会いや地域の方々との交流など、新たな旅の楽しみを発見できるのも魅力の一つです。
やってみたら「地域の魅力」と「リアルでの交流の良さ」を再発見する旅だった
2020年の緊急事態宣言下、地元企業から旅行に行けないかというお問い合わせを多数いただいたそうです。ニーズがあることを認識したJTB福岡支店では、新入社員数名を抜擢し、マイクロツーリズムを軸にした職場旅行を企画しました。ニューノーマル時代における旅行で重要な感染対策等の事前準備、現場の実態を学び、お客様へ万全な旅プランを提供できるようにするためです。
どんなことを行った?気になる感染症対策
感染症対策を徹底し、旅を楽しんでもらうため、どんな工夫をしたのでしょうか?
営業推進課 山田さん
マイクロツーリズムだからこそ発見できた地元の観光スポット
マイクロツーリズムでの職場旅行の魅力は、地元福岡の観光スポットや地産地消にこだわった食事、日々の疲れを癒してくれる温泉といった「地域の魅力」を体験し、社員同士の交流を楽しむことにあります。
地域の魅力を堪能できる3つのコースから、特に好評だったスポットを企画立案者の山田さん、二宮さんに紹介してもらいます。
社員に好評だった地元スポット 01 西鉄電車 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」
教育旅行課 二宮さん
「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、西鉄福岡駅と大牟田駅を結ぶ観光列車です。季節ごとの食材を使った手料理と地酒が楽しめるレストランが併設された、西鉄初となるレストラン付き観光列車なんです!2019年3月に運行開始してから話題になっているこの列車を、2両貸し切りにして会社の仲間とブランチを楽しんできました!通常、30名定員のところ15名で利用し、席の間隔を約1メートル取って着席しました。
社員に好評だった地元スポット 02 福岡県柳川市 「料亭旅館 御花」
営業推進課 山田さん
江戸時代から400年の歴史を誇る「料亭旅館 御花」は、地元でも大変有名なお宿です。情緒溢れる庭園など、趣のあるロケーションで和婚の結婚式が挙げられる式場としても知られています。全国から宿泊客が絶えない歴史あるお宿ですが、感染対策から貸し切りに!宴会場ではソーシャルディスタンスを心がけ、フェイスシールドの着用、お酌禁止など感染対策をして料理長こだわりの会席をみんなで堪能しました。
社員に好評だった地元スポット 03 福岡県宗像市 「宗像大社」
教育旅行課 二宮さん
福岡では知らない人はいないと言われる神社が「宗像大社」です。2017年に世界文化遺産として指定された「神宿る島」の中心に位置していて、県内屈指のパワースポットとして人気があります。JTBならではのサプライズとして、非公開の儀式殿を特別公開いただきました。参加者にとって、会社の仲間みんなで社運隆昌と業務安全を祈願したことは忘れられない旅の思い出になったのではないでしょうか。
「安心安全な職場旅行を提供したい!」JTBの想いとは?
社員のモチベーションおよびロイヤリティの向上、社員同士の親睦を目的とした今回の職場旅行。フェイスシールドを着用しての宴会や浴場時の入場制限など徹底した感染対策を行いました。実際に体験してみないとわからない気づきや発見があり、参加したJTB福岡支店のメンバーも「非常に実りのある旅行だった」と、口を揃えているのが印象的でした。
最後に、企画担当の山田さん、二宮さんからコメントをいただきました。
営業推進課 山田さん
感染対策を第一にした旅行がお客様に受け入れていただけるのか、まずは企画する私たちが体験しなくては旅の良さをお伝えすることができません。今回の職場旅行は、感染対策が社員同士のコミュニケーションを妨げるような影響はなく、むしろこれまでの職場旅行よりもコミュニケーションの時間を大切にしていました。結果、親睦を目的とした旅行として、しっかりと成立していました。また、地元の我々でも近すぎて見えていなかった魅力的な観光箇所がまだまだあるんだということを発見できました。
教育旅行課 二宮さん
感染対策を徹底する段取りの大変さはありますが、新入社員である私には会社の皆さんとコミュニケーションを取る機会が少なかったので、話す機会のなかった先輩との交流や、オフィスでは見ることのできない上司や同僚の意外な一面を発見できたことで職場旅行の価値を認識しました。この旅の価値を、多くのお客様にお伝えしていきたいです!
まとめ
「コロナ禍で旅行してもいいのだろうか...」「これから先、職場旅行を実施できるのだろうか...」と不安に思うご担当者様も多いのではないでしょうか。今回ご紹介したマイクロツーリズムは、遠出ではなく近場を楽しむ旅行スタイル。感染のリスクを抑えながら、旅を楽しめ、これまで知らなかった地域の新たな魅力も見つけられるというメリットがあります。また参加者間の交流もできるため職場旅行におすすめです。今回の福岡支店の職場旅行からも、「対策次第で安心安全に旅を楽しめる」「職場の仲間と心の距離を縮め、絆を深められる」ことがわかりました。コロナが落ち着きを見せた折、「職場の仲間たちと何かリフレッシュできるイベントがしたい」「こんな時だからこそ、社員同士でコミュニケーションを取る機会を創りたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。