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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 製薬業界における社会課題の解決に向けた異業種連携(アライアンス)

2022.06.17
メディカル(製薬・医療関係)
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製薬各社が、ヘルスケア領域における社会課題の解決に向けて、異業種との連携を加速しています。社会から求められる領域が未病・予防まで拡張する中、多様な企業との共創によって様々な医療課題を解決していく取り組みが加速すると思われます。本コラム記事では、これまでのビジネスモデルの振り返りから、外資系、内資系企業の経営計画の変化、新たな取り組み事例を紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

医療用医薬品のみのビジネスモデルの限界

製薬各社がヘルスケア領域における社会課題の解決に向けて異業種との連携を加速しています。医療用医薬品のみのビジネスモデルでは大きな成長は見込みづらくなっており、新たな事業機会を創出することが喫緊の課題となっています。そこで着目したのは、患者様中心のソリューションです。

患者様中心の新たなソリューションの創出

患者様だけではなく、病気になる前の一般市民をもターゲットに含めたビジネスに転換しています。単に薬を届けるのではなく、患者様や一般市民主体の未病・予防を含めたトータルヘルスケアソリューションプロバイダーになるため、多産業が参画するヘルスケアエコシステムに属して新たな価値創造を図る動きが活発化してきました。

ヘルスケアを意識した製薬各社の経営計画

各社が2030年に向けた経営計画にも大きな変化が見られています。

  • 「デジタル技術によってビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになる」(外資系企業)
  • 「ヘルスケア産業のトップイノベーター」(内資系企業)
  • 「The Peopleの“生ききる”を支える」(内資系企業)
  • 「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」(内資系企業)
  • 「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」(内資系企業)

革新的医薬品を継続的に創出するという従来の役割に加え“ヘルスケア”を強く意識した言葉が目立っています。製薬企業のイノベーションがモノ(医薬品)からコト(医薬品を含めた医療サービス)へと進展し、対象となる顧客についても治療から予防にシフトすることで、より患者様のQOL全体に対する貢献に目が向けられるようになり、様々な産業と連携する必要性が生じていると言えます。

 

従来の製薬企業のビジネスモデルは、治療満足度が低い疾患をターゲットとして医薬品を開発し、患者様に届けることでした。新薬開発には多額な研究開発費と長期の研究開発期間を必要とするために、非重点事業のヘルスケア事業などを他社譲渡し、得意とする疾患領域に絞り込んで革新的な新薬の創出に経営資源を投入してきました。

しかし、保険財政が圧迫し持続的な社会保障制度が危ぶまれる中、革新的新薬を創出するだけではなく、リアルワールドデータ(実臨床データ)やAI(人工知能)、デジタル技術を活用して医薬品開発における効率化を目指すなど経営視点が変化してきました。業界団体である日本製薬工業協会も「新薬創出だけではなく予知・予防領域等の公的保険の枠外も含めてソリューションを提供するビジネスモデルへの転換も視野に入れる必要がある」との見解を表明しています。

 

患者様や消費者のニーズ理解のために

デジタル化の進展によって、「治療中心から未病・ケア」「画一的治療から個別化」「医療関係者中心から個人の主体的管理」へと領域が拡大し、予測・予防・診断・治療・予後のケアまで患者様・一般市民目線でサービスを開発、提供していく姿が製薬業界の目指すべき将来像となりそうです。

そのような中で、製薬企業各社も患者様へのアプローチを検討していますが、取り組み内容は各社異なってきています。治療分野で事業展開してきた製薬企業からは、医療従事者のニーズは聞くことはできても、患者・消費者目線に近づけたサービスを開発するために患者様や一般市民がどこに悩みを抱えているのか分からないといった声も聞かれています。医薬品の価値も有効性・安全性の評価だけではなく、患者や消費者の視点に立った有用性を検討していくことが求められるよう、患者や消費者のニーズを理解することがヘルスケアプロバイダーになるために重要な要素となるでしょう。

医療を変革するプラットフォームとは

現状、製薬企業の取り組みの多くは、異なる強みを持つ他社や他産業が集まって形成されたヘルスケアエコシステムへの参加です。中には自らが核となってエコシステム構築を目指す企業もあります。

認知症で事業展開する内資系製薬企業は、保険産業や食品産業、金融産業など幅広い企業と業務提携契約を締結しました。具体的には、金融産業とは認知機能に応じた金融商品、自動車産業とは高齢者運転防止プログラム、フィットネス産業とは疾患予防に関する新たな運動プログラム、通信産業とは高齢者・患者の見守りサービスの開発を進めています。医薬品以外のアプローチで各課題に対応することで、認知症にならないためのソリューションや、認知症になっても安心して生活を送ることができるソリューションを開発し、社会課題の解決に挑んでいます。

外資系製薬は2020年11月にグローバルで展開しているヘルスケア分野のオープンイノベーション活動を推進するための「オープンイノベーションハブ」を国内でも立ち上げました。製薬企業や薬局、オンライン診療・健康アプリのスタートアップ、アカデミア、地方自治体などが参画し、発足から1年半程度でパートナー数は200を突破しました。

大きなポイントは、プラットフォームを立ち上げた製薬企業が自社のソリューションを推進するのではなく、医療を変革するプラットフォームを目指している点です。自社の得意な疾患領域に限定せず、技術領域として診断技術やデバイス、デジタル、創薬の四つに着目し、大きな視点から患者や医療従事者のソリューションやサービスを創出することに注力しています。

製薬企業におけるアライアンスの重要性

今後、製薬企業の事業は患者さんの治療から予防・健康へとフォーカスが移り、多様な企業の共創によって様々な医療課題を解決していく取り組みが主流になってくると思われます。個々の連携だけではなく、ヘルスケアエコシステムを土台に、高齢化社会やパンデミック、自然災害といった課題や危機をも乗り越えられる医療システムなどといった社会課題への取り組みも求められ、これまで以上に多様な企業・組織とのアライアンスが必要となってくると考えられます。

まとめ

今回は、製薬業界における異業種提携(アライアンス)についてお届けしました。製薬業界の役割は、患者様に薬をお届けするという従来のビジネスモデルから、患者様だけでなく、病気になる前の一般市民も含めたターゲットへの未病・予防といったトータルヘルスケアプロバイダーへと進化しており、それに伴って様々な産業と連携する必要性が生じています。この流れは今後さらに加速すると思われます。これまで以上に多様な企業・組織とのアライアンスに、ぜひご注目ください。


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