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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 臨床開発分野のDX ~ハイブリッドDCT(分散型臨床試験)に求められる事とは?~

2022.03.24
メディカル(製薬・医療関係)
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製薬企業でも加速している「デジタル・トランスフォーメーション」(DX)。中でも注目したいのが、治験をはじめとする臨床開発分野のDXです。デジタル技術の進展を背景に、IoTやICTなどさまざまな手法や技術を活用することで、患者が医療機関にわざわざ来院しなくても自宅から治験に参加できるよう環境整備が始まりつつあります。そこで今回は、注目の「分散型臨床試験」(DCT)の仕組みについてお届けします。

製薬企業でも加速しているDX、注目は臨床開発分野

デジタル技術の進展を背景に製薬企業で加速している「デジタル・トランスフォーメーション」(DX)。中でも注目したいのが、治験をはじめとする臨床開発分野のDXです。臨床試験に参加する患者が抱える課題を解決するための“患者参画型の臨床試験”に向けた環境整備がようやくスタートしました。その代表的なものが、IoTやICTなどさまざまな手法や技術を活用することで、患者が医療機関にわざわざ来院しなくても自宅から治験に参加できる「分散型臨床試験」(DCT)の仕組みです。

「分散型臨床試験」(DCT)とは?

患者はインターネット上から能動的に臨床試験情報を収集し、治験に参加したい場合は自らアクセスでき、医師は遠隔から患者に対し、電子的な手法で臨床試験の説明や同意取得が行えるようになります。治験薬は被験者宅に直送され、治験薬服用後のデータ観察は被験者が身に付けたウェアラブルデバイスや、スマートフォンアプリの電子患者日誌から継続的なデータ収集を行うことができ、診察も対面ではなくオンライン、採血や検査が必要な場合は被験者宅近くの医療機関で実施するという、臨床試験の未来像を実現させようとしています。

国内と海外の導入状況

新型コロナウイルスの感染拡大を追い風に、グローバル大手企業の多数はDCTの手法を臨床試験に取り入れるようになり、世界的にDCTの実施件数が爆発的に増加しています。一方、国内では、臨床試験でのDCT導入実績が少なく、治験プロセスの全工程をDCTで行う“フルバーチャル”に移行するまでには、しばらく時間を要する見込みです。
こうした状況から当面は、フルDCTへの移行期として、「医療機関での臨床試験」、「来院に依存しないDCT」、訪問診療や訪問看護の活用による「訪問型臨床試験」の三種類の手法を、薬や疾患の特性、臨床評価方法、患者のニーズなどに応じて適切に組み合わせたハイブリッドDCT形式で、臨床試験が実施されていくことが見込まれます。

ハイブリッドDCT(分散型臨床試験)に求められる3つの事

01プロセスの最適化

プロセスの最適化に向けては、従来の臨床試験には求められなかった機能を考える必要があります。例えば、臨床試験へのアクセスをどうサポートするのか。臨床試験の実施場所が医療機関で完結せずに、治験実施医療機関や被験者の自宅、サテライト医療機関に点在することとなるため、患者が遠方の治験実施医療機関に来院する場合や、医師や看護師が患者宅に訪問する場合の交通手段や宿泊場所の確保が課題となってきます。

02意思疎通を図るための体制づくり

治験依頼者と医療機関が意思疎通を図るための体制作りも重要な要素です。ハイブリッドDCTとなると、治験依頼者によって治験実施計画(プロトコル)に差異があり、同時期に複数の臨床試験を受け入れる医療機関は各試験の対応に悩まされることになります。

さらに、ハイブリッドDCTのプロトコルは従来の臨床試験に比べ複雑であるため、医療機関に説明と同意を得る頻度が増加し、1回の説明内容が難解なものになる可能性があります。臨床試験準備段階で行っていたミーティングのあり方を見直し、各医療機関に必要な情報が確実に伝達されているか、提供した情報に一貫性・統一性が担保されているかなどを管理していく仕組みを検討する必要があるでしょう。治験依頼者と医療機関の臨床試験業務を補完し、複雑化・多様化する臨床試験をコーディネートする機能の立ち上げも重要な取り組みです。

03グローバル化への対応

グローバル化への対応も重要なテーマです。DCTをめぐってはICH-E6(R3)ガイドラインの改訂作業が進められ、臨床試験デザインの多様化に対応した規制の見直しも進められています。厚生労働省もDCTの環境整備を進めており、治験に関する説明や同意取得を非対面・遠隔で実施するためのGCP省令ガイダンスを来年度中に策定するほか、被験者宅で採血や検査など訪問看護の活用機会拡大に向け、来年度上期までに必要な措置を講じる方針を示しています。

DCTは国際共同治験の枠組みで行われるため、このまま日本がDCT化の波に乗り遅れてしまうと、国際共同治験の参入障壁になる可能性が指摘されています。“患者参加型の臨床試験”を推進していくことは、日本での臨床試験を活性化させる上で重要な意味を持つでしょう。
DCTが定着すれば、グローバルで決めたプロトコルに日本の臨床試験環境や規制に合わせた調整が発生するため、日本の開発拠点と海外の開発拠点のやり取りがこれまで以上に増えるものと思われます。医薬品開発に携わる人たちには、英語力を武器としていくためのスキル強化が求められそうです。


まとめ

今回は、注目の「分散型臨床試験」(DCT)の仕組みについてお届けしました。製薬企業でも加速している「デジタル・トランスフォーメーション」(DX)。中でも注目なのが、治験をはじめとする臨床開発分野のDXです。

IoTやICTなどさまざまな手法や技術を活用することで、患者はインターネット上から能動的に臨床試験情報を収集。治験に参加したい場合は自らアクセスでき、医師は遠隔から患者に対し、電子的な手法で臨床試験の説明や同意取得が行えるようになります。治験薬は被験者宅に直送され、治験薬服用後のデータ観察は被験者が身に付けたウェアラブルデバイスや、スマートフォンアプリの電子患者日誌から継続的なデータ収集を行うことができるようになります。

世界的にDCTの実施件数が爆発的に増加していますが、国内では、臨床試験でのDCT導入実績が少ない状況です。国内での導入を進めるには、「プロセスの最適化」「意思疎通を図るための体制づくり」「グローバル化への対応」という3つが課題になります。

DCTは国際共同治験の枠組みで行われるため、波に乗り遅れてしまうと、国際共同治験の参入が難しくなることが指摘されています。“患者参加型の臨床試験”を推進していくことは、日本での臨床試験を活性化させる上で重要な意味を持つと言えます。


ホワイトペーパー(お役立ち資料) JTBの考えるハイブリッドDCT(分散型臨床試験)実現に向けたサポート ~治験依頼者と医療機関をつなぐ治験環境構築~

製薬企業でも加速している「デジタル・トランスフォーメーション」(DX)。中でも注目したいのが、治験をはじめとする臨床開発分野のDXです。デジタル技術の進展を背景に、IoTやICTなどさまざまな手法や技術を活用することで、患者が医療機関にわざわざ来院しなくても自宅から治験に参加できるよう環境整備が始まりつつあります。本資料は、注目の「分散型臨床試験」(DCT)の仕組みについてまとめました。またJTBのサポートプログラムについても紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

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