訪日インバウンド市場は、コロナ禍からの回復を経て高水準で推移しており、2026年は市場の成熟を前提とした戦略設計が求められるフェーズに入っています。2026年は訪日外国人旅行者数は堅調に推移する一方で、滞在期間の長期化や消費単価の上昇、訪問地の広域化などが進み、旅行者の価値観や消費行動はより多様化・高度化しています。こうした中で重要となるのは、単なる訪日人数の増加を目的とした施策ではなく、国・地域ごとの違いや、旅マエ・旅ナカ・旅アトにおける行動特性を踏まえたプロモーション設計です。
本記事では、JTBが独自で実施した7か国・地域の訪日旅行経験者を対象に実施した独自調査をもとに、2026年の訪日インバウンドトレンド予測と、施策検討に役立つプロモーションのヒントをご紹介します。 さらに詳しく解説したお役立ち資料「訪日インバウンド市場の最前線」を2026年4月版として刷新しました。インバウンド施策の検討・見直しに向けて、ぜひダウンロードしてご活用ください。

7か国・地域 独自調査から読み取るポイント
訪日旅行経験者を対象とした「旅ナカ」における消費行動や情報収集方法の調査データから得られたインサイトをまとめました。
今後は国別の行動特性を理解し、最適なチャネルとメッセージを選択することが、消費拡大と体験価値向上に直結する重要なポイントです。
特に、マーケティング部門や販売促進部門で、自社商品の認知拡大・購買促進・ファン化を推進したい方々に役立つ内容となっています。
国別の特徴と“らしさ”の捉え方

JTBが実施した7か国・地域(韓国/中国/台湾/タイ/アメリカ/オーストラリア/イギリス)の調査から、旅ナカでの情報収集や体験志向に明確な違いが見えてきました。以下に主な傾向をダイジェストでご紹介します。
韓国:飲食とショッピング志向の高いリピーター市場。訪日旅行検討の直前化が一層進行し、情報収集はYouTubeとSNSが中心。
中国:調査対象国の中で最も消費意欲が高い市場。ショッピングとプレミアム体験への関心が高く、口コミを重視する傾向。
台湾:調査対象国の中で最もリピーターが多い市場。交通・免税・品質など実用情報への関心が高い。
タイ:SNS利用率が非常に高く、滞在中も継続的に活用。「食」「四季」「自然」に関する情報収集が活発。
アメリカ:訪日旅行出発の半年以上前から検討する長期滞在型が中心。文化体験を重視する傾向。
オーストラリア:長期滞在を前提に、自然・文化体験への関心が高い。体験スポットと移動情報を併せて収集。
イギリス:初訪日層の割合が高い市場。口コミサイトを中心に、地図・交通・見所情報を収集。
※本記事は、JTBが独自に実施した訪日旅行経験者への調査をもとに整理しています。
さらに詳しい内容は、資料をダウンロードしてご覧ください
顧客接点の最適化:旅マエ・旅ナカ・旅アト

旅マエ:情報との接点・期待を“設計”する
訪日旅行の検討フェーズでは、国・地域や旅行スタイルによって、情報収集のタイミングや利用する媒体が大きく異なる傾向が見られます。
こうした違いを踏まえずに一律の情報発信を行うと、検討のタイミングと情報が噛み合わず、十分に価値が伝わりにくくなるケースも少なくありません。
だからこそ、国・地域ごとの検討タイミングに応じた旅マエ設計が重要になります。
どの段階で、どのような情報に触れているのかを捉えたうえで、期待形成につながる接点を設計していく視点が求められます。
旅ナカ:意思決定を“後押し”する
旅ナカでは、訪日外国人旅行客はスマートフォンを中心に、複数の情報源を行き来しながら判断を重ねています。
最新の調査からは、旅ナカにおける情報接触の在り方が、体験や購買行動に影響しやすいことが改めて示唆されました。
一方で、情報量が多くなるほど選択が難しくなる側面もあり、どの接点で、どのように情報を届けるかという設計が重要なフェーズです。
旅アト:再購入意欲を高め、次の旅マエを“生む”
旅アトは、旅が終わった後のフェーズでありながら、次の行動につながる重要な接点のひとつです。調査では、旅ナカで印象に残った体験ほど、帰国後の想起や共有につながりやすい傾向が見られました。
旅アトを「終点」ではなく、次の旅マエにつながるプロセスの一部として捉えることが、継続的な関係構築の観点からもポイントとなります。
JTBならではのタッチポイント活用
JTBでは、訪日外国人との接点を「旅マエ・旅ナカ・旅アト」の各フェーズでタッチポイントを有しています。具体的には、現地プロモーションや日本好きが集まるコミュニティ・SNSによる旅マエの情報発信、全国の空港・観光案内所・宿泊施設とのネットワークを活かした旅ナカでのリアル接点、そしてSNSや越境EC支援を通じた旅アトでの継続的な関係構築が可能です。
これらのタッチポイントを活用することで、単なる広告ではなく、体験価値を軸にしたブランド接触を実現し、認知・購買・ファン化までを一貫して支援します。
企業が今すぐ取り組むべき3つのアクション

1.国籍ではなく「行動特性」で捉える
最新の調査からは、国・地域の違いだけでは捉えきれない行動特性の差がより鮮明になっています。旅行の目的や情報収集の仕方、意思決定のタイミングなど、「どのように行動するか」に目を向けることで、訴求の方向性や接点設計を見直すヒントが得られます。従来の国・地域軸に加え、行動特性という視点を重ねて捉えることが重要です。
2.タッチポイントを分断せず「線」で設計する
旅マエ・旅ナカ・旅アトは、それぞれ独立したフェーズではなく、相互に影響し合う一連のプロセスです。各フェーズでの施策を点として捉えるのではなく、同じ価値観や文脈で一貫して設計できているかが、体験全体の印象を左右します。タッチポイント同士のつながりを意識することで、体験価値の深まりが期待できます。
3.旅アトを「次の旅マエ」につなげる
旅アトは、旅の終わりではなく、次の行動を生む可能性を持つフェーズです。旅ナカでの体験がどのように記憶され、共有されるかによって、再訪意欲や関係性の継続に影響が出てきます。旅アトを“次の旅マエ”につなげる視点で捉えることが、長期的な価値創出につながります。
まとめ
訪日外客数が過去最多を記録した今こそ、量的拡大に依存しない勝ち筋を見つけることが求められます。
国別の“らしさ”と行動セグメントを掛け合わせ、旅マエから旅アトまで一気通貫で体験価値を設計できるかが鍵です。
データとストーリーを掛け合わせ、「選ばれる存在」になることが重要です。
何をすべきか迷われている企業の皆様は、ぜひお問い合わせください。独自調査をまとめた資料も公開していますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。
