ピエトロ様はSDGsに力を入れており、食育イベントや地元スポーツチームへの協賛活動など、様々な取り組みをしています。その活動を多くの人に知って欲しいという課題がありました。また、就職を考える高校生に直接自社の魅力を伝えられる場を探していました。一方、福岡県立糸島農業高校様は、海外農業の視察を兼ねた台湾への修学旅行実施を前に、SDGsと農業を関連付けて学び、将来のキャリアを考えるきっかけを得るために、民間企業との連携による学習の機会を求めていました。そこで、糸島農業高校の卒業生がたくさん活躍しているピエトロ様にご協力いただき、「修学旅行の事前学習」を実施することになりました。

株式会社ピエトロ様側

• SDGsの取り組みを多くの人に知って欲しい
• 本社を置く福岡に支えられている感謝を形にしたい
• 地域の高校生に自社のビジョンや魅力をPRしたい

福岡県立糸島農業高校様側

• 修学旅行の前に、民間企業と連携した学習の機会を得たい
• 農業高校で学ぶことの意義を認識し、自己肯定感を高めて欲しい
• 卒業後のキャリアを意識させたい

修学旅行前に、学校が目指している「農業・食で地域に貢献する」、そして 「農業高校の生徒としての自己肯定感を高める」を具現化するため、テーマや内容をピエトロ様とJTBで共同企画。地元企業であるピエトロ様で働く卒業生によるSDGs講話と座談会を実施することで、学びと将来のキャリアをつなぐ事前学習を実現しました。当日は、卒業生を含む入社1～3年目の若手社員数名が参加し、生徒たちに語りかけました。

修学旅行前の「事前学習」授業

日程

2022年10月13日（木）

場所

福岡県立糸島農業高校　体育館

参加者

高校2年生　4クラス

内容

台湾への修学旅行の事前学習授業の実施

具体的なプログラム

01「新・SDGs ワークショップ “Decade of Action”」

SDGsの基礎知識を得られるJTBのオリジナルコンテンツです。SDGsの本質を理解するワークショップとグループワークで準備することで、SDGs講話の理解を深めました。

02SDGs講話～企業紹介・CSRに関して～

ピエトロ様のSDGsや地域貢献活動の取り組みを実際にピエトロ様で働く卒業生が伝える事で、生徒が今後のキャリアや地域貢献について考える機会としました。「生徒に自己肯定感を持たせたい」という校長の熱い思いに応え、「農業は今後も必要不可欠なもの。だからこそ、農業を学ぶのは大切。」というメッセージを取り入れました。

講話内容（一部紹介）

1. 「貧困をなくす」「飢餓をゼロに」「つくる責任つかう責任」
   • フードロスについての取り組み、フードロスを出さない工夫、
     生ごみや食べ残しの活用方法
   • 環境に配慮した農法による農作物や食材の利用方法
2. 「産業と技術革新の基盤づくり」
   • ダイバーシティ、バリアフリーに関する取組内容や今後の展望について
3. 「地域貢献活動」「住み続けられるまちづくり」
   • コロナ禍での「地域への支援の在り方

03座談会

就職後をイメージすることを目的とした座談会を実施しました。卒業生や食に関わる社会人と交流する事により、農業高校で学んでいることの自己肯定感を高め、就職先や進路を検討する生徒のキャリア意識の醸成を図ると共に、就職後のミスマッチを防止する狙いもありました。

座談会テーマ（一部紹介）

• 自己紹介と簡単に担務紹介
• 学生時代に取り組んだこと（勉強、部活、将来の夢、悩み）
• 高校卒業後の進路選択（就職、進学）の理由
• 働いていて楽しいこと、大変なこと
• 糸島農業高校で学んでいる事で、ピエトロの仕事に活かせること

終了後、生徒からは「年齢が近い先輩から、食品の話が聞けて興味深かった」「進路を考えるきっかけになった」「今日の学びを将来に活かしたい」という感想が寄せられ、大好評でした。ピエトロの認知度向上、イメージアップ、ファン拡大といった効果も得られたようです。
また、ピエトロ様の若手社員のモチベーションアップにもつながりました。後輩に自社の商品やSDGsの取り組みなどを伝えることで、自身の振り返りになると共に、新鮮な気付きがあり、自社への理解や愛着が深まりました。

今回の事例では、JTBがもつ地元の高校とのつながりを活用していただくことで、株式会社ピエトロ様と県立農業高校との新たなつながりが生まれました。修学旅行の事前学習は、学校側だけでなく、企業側にも認知度向上、イメージアップ、ファン拡大などのメリットがあります。また、参加した社員のモチベーションアップやエンゲージメント向上といった副次的効果もあります。
学校との新たなつながりを求めている企業の方は、ぜひ、ご相談下さい！