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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 リコー×富良野自然塾が試みるワーケーション。地域とつながる新しい働き方とは

2022.03.16
HR(Human Resources)
働き方改革
従業員満足

株式会社リコー(以下「リコー」)とNPO法人 富良野自然塾が共同で行った北海道富良野市でのワーケーションプログラムが注目を集めています。「働き方変革」の中でワーケーションを実践するリコーと、大自然の中で環境教育を行う富良野自然塾がタッグを組み、観光庁が公募した「新たな旅のスタイル促進事業」のモデル事業にも採択されたこの取り組みはどのようなものであったのか。富良野へ行って関係者にお話をうかがいました。
 

リコー×富良野自然塾

リコー×富良野自然塾のワーケーションプログラムとは

北海道富良野市で行われた3泊4日のワーケーションプログラム。リコーで入社2年目の社員が6名ずつ参加しました。環境教育やコミュニケーションワークショップなどの「研修」のパートのほか、全ての日に「業務」の時間が確保されています。

【実施日】

 第1班:2021年11月1日(月)~4日(木) / 第2班:11月8日(月)~11日(木) 4日間

【主なスケジュール】

・1日目:富良野到着、地域紹介、コミュニケーションワークショップ
・2日目:環境教育プログラム、富良野市民(高校生)との交流、焚火&星空観察
・3日目:空知川くだり体験、農業体験、地域住民との意見交換会、SDGsワークショップ
・4日目:植樹プログラム、ふりかえり、メンバーでのまとめ

 

また、森の中を歩いたりラフトボートで川下りを行ったりするプログラムも、単なるレクリエーションとしてではなく、富良野自然塾の環境教育として実施されます。

倉本聰 氏

富良野自然塾は、富良野を舞台とした「北の国から」や「優しい時間」、近年では「やすらぎの郷」などで知られる脚本家・倉本聰氏が主宰するNPO法人。環境問題解決における「地球は子孫から借りているもの」というメッセージを多くの人に届けたいと考えています。

富良野自然塾の教育プログラムは多岐にわたり、参加者の特性や研修の目的に合わせてアレンジしています。

46億年という地球の歴史を表現した460メートルの道を、インストラクターの解説を聞きながら辿る「地球の道」や、靴を脱いで裸足になり、目隠しをした状態で森の中の道を歩く「裸足の道」などをメインに、富良野の大自然の中で野営をして過ごすプログラムもあるといいます。

富良野の森で過ごす4日間のワーケーション

富良野の森

今回のリコー×富良野自然塾のワーケーションプログラムが、具体的にどのような4日間であったのか。お話をうかがうべく、富良野の森の中にある「富良野自然塾」を訪ねました。

富良野自然塾 中島吾郎(なかじま・ごろう)さん
富良野自然塾 中島吾郎(なかじま・ごろう)氏

中島氏:「今回はリコーで入社2年目の若手社員向けの教育プログラムということで、ふさわしい内容を考えました。研修とデスクワーク両方の時間を確保した4日間のワーケーションプログラムです。

私たちの核である環境教育を中心に、コミュニケーションについて考え、地域との関わりを持ってもらう構成にしました。

コロナ禍の中で入社した彼らは、社会人としての基礎を学び身につける環境がコロナ禍以前と比べて大きく異なります。先輩社員やお客様はもちろん、同期入社の仲間にすら、接したり話したりする機会が乏しい。

富良野演劇工場で身体表現を学び、声を出し、コミュニケーションについて考える。地元富良野の高校生たちにプレゼンテーションを行い、交流する。そして富良野の森を歩き、水とは何かを考えながらラフトボートで空知川を下り、夜には焚き火を囲んで仲間と語り合う。最終日にはゴルフ場を森にかえす事業の一環として、植樹を行う。

地元富良野の高校生たちにプレゼンテーション
植樹の様子

そんな4日間を過ごしていると、ワークの時間にいつものメールチェックを行う時でも、違った景色が見えることがあるかもしれません。今回は富良野の自然や風土に触れながら、ちょっとした気づきを与える、殻を破るきっかけになる、自分とは違う視点・違う世界があることを知る、そんな経験をしてもらうことを目指しました。これからの長い人生の中で、自ら思考し、選択しなければならないことは無数にあります。そんな時に、ここ富良野での経験は必ず生きてくると思います。」

中島氏の話にも登場した「富良野演劇工場」も、富良野自然塾と並んで富良野ならではの施設です。倉本聰氏が設計段階から関わり、観客席よりも舞台が広いという独特の構造を持つ劇場で、コミュニケーションワークショップが行われています。

富良野演劇工場 太田竜介(おおた・りょうすけ)工場長
富良野演劇工場 太田竜介(おおた・りょうすけ)工場長

太田工場長:「演劇というのは決まった正解のあるものではなく、関わる人の意見を聞きながら、全員で作り上げていくものです。俳優たちが基礎トレーニングとして行う『シアターゲーム』などをベースに、普段は演劇には関わらない人でも、抵抗なく恥ずかしがらずに参加できるようアレンジした内容にしています。

演劇プログラム

リコーの研修でも、基本的なプログラムを行いました。殻を破るきっかけ、コミュニケーション力を高める手がかりになればと思います。身体表現とは何か、伝えるとはどういうことか、『伝える』と『伝わる』の違いは何なのか。そういったことを、声を出し、体を動かしながら感じてもらう。プログラムは、若手社員向けだけでなく管理職向けや学生向けなど、段階や年代に合わせてふさわしい内容に変更します。『富良野グループコミュニケーションプログラム』として、学校教育の場でも多く採用していただいています。」

プログラムを漢字一文字で振り返る

漢字一文字で振り返る

今回のワーケーションプログラムの最後に、漢字一文字での振り返りをしてもらったといいます。12名の参加者が書いた文字は、

「流」「伝」「積」「気」「聴」「想」「次」「再」「繋」「勇」「感」「伝」

でした。

期間中のさまざまな学びや気づきを、最後に自分自身の言葉で表現する。そんな体験で4日間の現地プログラムはしめくくられました。同じ場所で同じ研修を受けても、メンバーごとに得たものや感じたことが異なるというのも、このプログラムの奥深さを象徴しているのかもしれません。

終了後の参加者のコメントは次のようなものでした。

  • 大自然に触れ合い、五感を使って植物・動物の命や地球の時の流れなどを感じられた。
  • 現地でたくさんの方と出会い、交流を深めることでより濃い経験ができ、地域のよさを改めて感じた。
  • 相手の視点に立って想像力を働かせて何かを感じようとすることで、今まで見過ごしていた問題を自分ごととして捉えることができた。
  • さまざまなプログラムを通して同期とたくさんの交流ができ、とても良い思い出になった。今後もこのつながりを大切にしていきたい。

短いワーケーションプログラムの中でも参加者が得たものは多く、日常業務とは異なる体験ができたことをうかがわせるコメントが並びました。

受け入れる地域側として、富良野市は

富良野市では、ワーケーション誘致に関して行政と民間企業との連携がうまくいっているという声も聞かれます。市内には、誰でも無料で電源やWi-Fiを利用できるコワーキングスペースも整備されてきました。受け入れる地域の立場として、富良野市ではどのように考えているのでしょうか。今回のプログラムでもリコーからの参加者に実際に会って話をするなど、ワーケーション誘致にも意欲的に取り組む北猛俊(きた・たけとし)市長にお話をうかがうことができました。

富良野市 北猛俊(きた・たけとし)市長
富良野市 北猛俊(きた・たけとし)市長

北市長:「社会を取り巻く環境の変化に加えて通信環境の整備も進み、どこでも仕事ができる時代になってきました。選ばれる自治体になるために何が必要かを考えています。景観の美しさや人々のあたたかさなど、富良野の財産として誇れるものは色々とありますが、何よりも富良野市は『クリエイティビティを刺激する土地』なのではないかと感じています。倉本先生も、この土地で自然や人と触れ合い、たくさんの作品を創られました。あらゆる人にとって創造性は大切なものですから、ぜひ富良野でワーケーションを体験して感性を、創造性を豊かにしていただきたい。通信環境やワークスペースの整備など、行政として必要な取り組みには引き続き注力していきます。」


まとめ ~取材を終えて~

富良野の大自然の中で行われた、リコー×富良野自然塾のワーケーションプログラム。入社2年目の若手社員を対象に、環境教育やコミュニケーションワークショップ、農業体験や地元の高校生・社会人との交流をも組み込むものでした。SDGsへの理解促進や仲間意識の醸成といった効果に加え、地域との交流の機会としても有意義なものであったことが分かります。研修のみにせず業務の時間を1日ごとに設定することで、4日間という滞在期間も確保しやすくする工夫がなされていた点も印象的でした。教育プログラムやワークショップの内容をアレンジすることで、管理職向けの研修やチーム単位でのワーケーションなどにも活用できそうです。さまざまなインスピレーションを与えてくれる富良野でのワーケーションは、新しい働き方を模索する企業やビジネスマンにとって、大きなヒントとなる事例ではないでしょうか。

<取材協力>

株式会社リコー
富良野市
NPO法人富良野演劇工房
NPO法人C・C・C富良野自然塾


関連情報

■富良野ワーケーション紹介動画

■北海道ワーケーションポータルサイト

北海道で楽しく休暇を取りながら、テレワークをしてみませんか?社員やそのご家族が北海道でさまざまな働き方を始められるように、北海道ならではのプランをご用意したポータルサイトです。

北海道ワーケーションサイトはこちら


ダウンロード資料 【企業版】富良野ワーケーションのすすめ

北海道のほぼ中央に位置する富良野市。雄大な十勝岳の眺めや、一面に広がるラベンダー畑、脚本家・倉本聰氏が手がけたテレビドラマ「北の国から」などに描かれた豊かな大自然で知られています。そんな富良野市は、官民が一体となってワーケーションの誘致を積極的に行い、北海道内外から注目を集めています。企業のご担当者様向けに富良野ワーケーションの魅力をまとめました。ぜひ、ご覧ください。

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