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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 「SUWAーケーション」って?諏訪市の魅力とモニターツアーの実施内容をレポート

2022.06.08
HR(Human Resources)
生産性向上
従業員満足(ES)向上

コロナ禍で、自宅などオフィス以外の場所で仕事をするテレワークが注目され、実際に導入している企業がだんだんと増えてきています。このような中、働き方・休み方改革の一環として企業にオススメの取り組みが「ワーケーション」です。今回は、ワーケーションの誘致を積極的に行なっている長野県諏訪市の取り組みと諏訪市の魅力、実際に企業が参加した「SUWAーケーション」モニターツアーの詳細、参加企業の声などをお届けします。

諏訪の風景

ワーケーションとは?

そもそも「ワーケーション(Workcation)」は、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語で、「リゾート地や地方等の普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得等を行う仕組み」です。

ワーケーションの種類はさまざまで、観光庁は特性により、下図のように休暇型(福利厚生型)と業務型(地域課題解決型、合宿型、サテライトオフィス型、ブレジャー型)に分類しています。

ワーケーション分類
出典:「観光庁・新たな旅のスタイル検討委員会」資料を基にJTBにて加筆

ワーケーションは、「個人が主体的に選択する、日常的な仕事(ワーク)に、非日常的な休暇(バケーション)の感覚を埋め込んだ柔軟な働き方」であり、新たな働き方、ワークスタイルとして注目されています。

例えば、今までは企業に属する会社員が、どうしても出席しなければならない会議があるために、長期休暇や連続休暇を取りにくいという課題がありました。しかし、ワーケーション制度を取り入れることで、旅行先でも、会議にリモート参加し出勤扱いにすることができます。これにより長期休暇を取得しやすくなったり、ワークライフバランスの充実が期待できます。

また企業にとっては、「働きながらリフレッシュ(休暇取得率向上)」「豊かな自然環境や落ち着いた雰囲気で働くことによる社員の発想力、創造性、生産性の向上」「地域でのビジネスの足掛かりとなる」といったメリットが考えられます。

つまり、ワーケーションは企業にとっても社員にとっても、働き方・休み方の可能性を広げられる選択肢と言えます。

長野県諏訪市「SUWA―ケーション」の紹介

諏訪の風景

ここからは、具体的なワーケーション先の一つとして長野県諏訪市をご紹介します。

諏訪市「SUWA―ケーション」とは?

諏訪市は長野県のほぼ中央部、諏訪湖畔に位置する観光都市です。避暑地として有名な長野においては、夏の気温はやや高めですが、標高が760mを超えるため湿度は都市部に比べて非常に低く、快適な環境です。一方で冬は寒さが厳しいですが、晴天率は80%と言われ、良い天気の中で過ごすことができます。周囲を霧ヶ峰などの山々に囲まれている、自然豊かな環境が魅力です。

SUWAーケーション

諏訪市は、「信州リゾートテレワーク」モデル地域に指定されており、21年10月には、職場とは異なる観光地で働きながら休暇を取るワーケーションを「新たな旅のスタイル」と位置付け、観光庁が進める「企業と地域によるモデル事業」の採択を受けて、諏訪市ワーケーションモデル事業を開始。豊かな自然と特急あずさ・しなのを利用すれば、首都圏・中京圏から約2時間強という立地を活かし、「SUWA―ケーション」と銘打って取り組みに力を入れています。

「SUWA―ケーション」の詳細はこちら
https://www.suwakanko.jp/suwacation/

「SUWAーケーション」紹介動画

諏訪市のワークスペースと宿泊施設は?

まずはワークスペースと宿泊施設の環境です。諏訪市には多数の施設がありますが、ここではその一部をご紹介します。

駅前交流テラスすわっチャオ

「すわっチャオ」はJR上諏訪駅前にある諏訪市が運営する公共施設で、館内にはフリースペースやイベントスペース、可動壁で収容人数を変えられる会議室があります。施設が充実しているので多用途で利用でき、10名以上の団体にも対応可能です。

また、館内にはフリーWi-Fiがあり、有料施設利用者向けに別回線で「Wi-Fiルーター貸出しサービス」も行っています。

「駅前交流テラスすわっチャオ」公式サイト

原田泰治美術館

諏訪湖畔に佇む美術館。湖を一望できるカフェスペースにてお仕事が可能です。諏訪市出身の画家・グラフィックデザイナーである原田泰治氏の美術作品の鑑賞や諏訪湖畔での散歩をしてリフレッシュ。

「原田泰治美術館」公式サイト

ホテル紅や

ホテル紅や
写真出典元:旅館公式サイト
ホテル紅や

「ホテル紅や」は上諏訪温泉が楽しめる施設の中で、諏訪湖畔の最も近くに建つホテル。最上階の14階にある温泉展望浴場「湖空の湯」から、諏訪湖を一望できるのが魅力です。他にもドライサウナや別館には露天風呂、岩盤浴室などもあり、お風呂を存分に楽しめます。

客室は和室と洋室の両方があり、全室無線LAN完備。コンベンションホール「ルビーホール」は10~100名の収容が可能で、ホワイトボード・プロジェクター・マイクもあるため、会議やセミナー、ワークショップ、展示会、ビジネス合宿などにも最適です。

「ホテル紅や」公式サイト

RAKO 華乃井ホテル

RAKO 華乃井ホテル
写真出典元:ホテル公式サイト
RAKO 華乃井ホテル
RAKO 華乃井ホテル

諏訪湖畔のスパリゾートホテル。豊富な温泉はもちろんの事、1周16kmの諏訪湖周はジョギング、サイクリング用に整備されており、高原の新鮮な空気を満喫しながらテレワークできる環境です。

首都圏、中京圏からのアクセス時間も魅力でもあり短時間で異環境でのワーキングができます。

「RAKO 華乃井ホテル」公式サイト

諏訪市の観光地とアクティビティは?

諏訪市には多数の観光地やアクティビティがあります。ここではその一部をご紹介します。

立石公園

立石公園
写真出典元:https://www.suwakanko.jp/spot/

「立石公園」は、標高938mの高台にあり、周囲約16kmの信州一大きな湖である「諏訪湖」が眼下に広がる美しい眺めの公園です。諏訪湖近くの湖畔公園ではレンタサイクルで走ったり散歩をしたり、湖を遊覧船で周遊したりとゆっくり過ごせます。

カヤック体験

諏訪湖では、春から秋にかけてカヤックツアーを開催しています。カヤックに乗って諏訪湖に浮かぶ孤島「初島」を見に行ったり、一定の周期で吹き出す温泉「間欠泉」を見に行ったりと、充実した2時間を過ごせます。

諏訪五蔵めぐり

諏訪五蔵めぐり
酒造の「真澄」  写真出典元:https://nomiaruki.com/

諏訪市には、甲州街道沿いに「諏訪五蔵」と呼ばれる5つの酒蔵があります。JR上諏訪駅から徒歩で約5分の距離に位置し、酒蔵同士も気軽に歩ける距離にあるため全ての酒蔵をめぐることができます。「舞姫」「麗人」「本金」「横笛」「真澄」の5つの酒蔵で飲み比べをして、お気に入りのお酒を見つけてみてはいかがでしょうか。

上諏訪温泉

上諏訪温泉
片倉館の千人風呂 写真出典元:https://www.suwakanko.jp/spot/

諏訪市は「上諏訪温泉」が湧き出る温泉地としても有名です。温泉施設は複数あり、中でも有名なのが「片倉館」です。大正から昭和初期に製糸業で栄えた片倉財閥が昭和3年に建設した建物で、一度に100人が入浴できる大浴場の「千人風呂」が特徴的。他にも、諏訪湖畔では足湯や間欠泉が楽しめて、旅館やホテルには源泉掛け流しのお風呂や露天風呂、サウナなどがあります。

4つのスポットやアクティビティをご紹介しましたが、諏訪市では他にも霧ヶ峰でトレッキングやハイキング、キャンプをしたり、美術館や博物館を訪れたりと有意義な時間の過ごし方が豊富にあります。

「諏訪市観光ガイド」公式サイト

「SUWAーケーション」モニターツアーの実施内容をレポート

ここまでで、諏訪市の魅力について知っていただけたと思います。ですが、まだ会社として実施するイメージまでは持てない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、ここからは「SUWAーケーション」として過去2回にわたって実施したモニターツアーの内容をご紹介していきます。

「SUWAーケーション」モニターツアーの概要

日程
<1回目>2021年11月3日(水)~11月6日(土) 3泊4日
<2回目>2021年12月1日(水)~12月4日(土) 3泊4日
参加者
<1回目>6名(6社)
<2回目>8名(8社)
宿泊先
ホテル紅や
ワーケーションの型
地域課題解決型、合宿型

ツアーは2回とも3泊4日の旅程で、宿泊施設はいずれも先ほど紹介した「ホテル紅や」でした。今回は「SUWAーケーション」推進事業の一環として、首都圏のニーズ調査を目的としたモニターツアーだったため、多数の企業が参加しました。また、旅程の中で「SUWAーケーション」の未来を参加企業と考える「未来会議」も開催。

そして気になる3泊4日の過ごし方ですが、例えば1回目の旅程は以下の通り。

SUWAーケーション旅程

先ほど紹介した諏訪市の自然を体感できるアクティビティや観光スポットも楽しみつつ、参加者全員で会議をしたり、ホテルで仕事をしたり、現地の食事を味わったり……とワーケーションならではの行程となりました。またツアー中には、地元の事業者見学も実施。ワーケーションに、ビジネスマッチングの可能性もあることがわかりました。

「SUWAーケーション」モニターツアー参加者の声

モニターツアーに実際に参加した企業の方々からは、一例として以下のような声があがりました。

今回のワーケーション全体に関して

  • チームメンバーとのコミュニケーションの場としての活用ができそう。
  • 一社員として、生産性の向上、社員のリフレッシュ、他社交流に良いと思った。
  • 社内のコミュニケーション強化のための合宿などで使うのは大いに有効だと思いました。今の仕事が場所を変えて出来るのではなく、社内のコミュニケーションをとれる場を提供していただければ、今後も広まっていくと思いました。
  • 湖畔のベンチで2時間Web会議をしたら、東京からは「うらやましい」「楽しそう」などポジティブな意見をもらった。
  • 諏訪市が素晴らしいのは湖、山、空気、それに育まれた農産物やそれを作っている人、諏訪に根付いた産業や、歴史など今回のなかでは見切れなかったものが多種類ある点です。
  • 自然、温泉が良いに尽きる。
  • 観光資源が豊富であり、首都圏からも近いため、ワーケーション地としてのポテンシャルがあると思う。
  • 諏訪湖という観光資源を十分に活用できることが他の地域に比べて勝っていると存じます。首都圏からも中部圏からも2時間ちょっとで来られるのが素晴らしいです。

アクティビティに関して

  • 普段しないことができて楽しかったです。他のメンバーとのコミュニケーションなどもできました。
  • アクティビティは非常によかったです。
  • 30分ほどであったが朝の諏訪湖畔を堪能できた。
  • 映画『君の名は』が大好きだったので、モデルになったと言われている「立石公園」の夕景鑑賞は感動しました。

他社との交流に関して

  • 会議でいろんな方と話ができたのは嬉しい。
  • モニターツアーに関しては心から楽しめた。普段働いているひとではない方と働くのがすごく新鮮。
  • 新たな気づき、今後のモチベーションに繋がった。

「SUWAーケーション」を活用している企業の事例

ここからは、実際に「SUWAーケーション」を企業として導入している、イメージ情報システム株式会社の事例をご紹介します。

イメージ情報システム株式会社は、システム設計や開発のほか、商店街や店舗向けクレジットカード、電子マネー決済の精算代行などを行う東京都千代田区にある会社です。同社はもともとテレワークを実施しており、その中で「社員の心の病を誘発するのでは」という懸念を抱いていたことから、仕事の場所を変えられて社員同士でコミュニケーションもはかれるワーケーションを導入。

2021年の10~12月の間で合計3回にわたり、土日を含めて5泊6日の旅程で諏訪市でのワーケーションを実施しました。参加者は全社員のうち15人で、場所は3回とも変更し、ホテルやワーケーション利用を歓迎する仏法紹隆寺、美術館、駅前交流テラス「すわっチャオ」などを利用。

齋藤元秀代表取締役社長曰く、実施を経て次のようなメリットを感じたそうです。

  • 社員のモチベーションが上がった。
  • 社員に対する福利厚生を考えるとメリットが大きい。
  • 温泉をはじめ、諏訪大社や諏訪湖など観光資源が豊富でオフ時間の充実も特徴。カヤックなどのアクティビティを体験した社員もいた。

また、参加した社員からは以下のような声が寄せられました。

  • ワーケーションで利用した施設がきれいでリフレッシュした形で仕事ができた。
  • 地元の企業や住民と交流をした中でビジネスを創出するところも、目的の1つと考えている。
  • 今回は、プログラムの一環でワカサギ釣りとそば打ちを体験できるので、楽しみにしている。

同社がワーケーションをする目的は、社員の福利厚生を充実させるためだけではなく、諏訪市にある精密工業の中小企業などと交流会を重ねることでビジネスチャンスを広げることも兼ねているそうです。そして、同社では来年度以降も諏訪市でのワーケーションを実施する予定とのことです。

ワーケーションの導入推進にあたって大事なことは?

最後に、34社の人事総務担当者に向けて実施したワーケーションに関するアンケート結果をもとに、実際に導入している企業の傾向と導入のヒントをまとめました。

企業の傾向と導入のヒント

  • 有給休暇の取得促進はもちろん、テレワークや出張先でのブレジャーなど、もともと柔軟な働き方に取り組んでいる企業が多く、これまでの取り組みにワーケーションがオントップされているケースが多い。
  • ワーケーションをワークの延長線上ではなく、バケーション重視で「休み方改革」の一環であると捉えている。そのため、ワーケーションの導入により、休暇取得の促進、さらなる柔軟な働き方の実現につながると考えている。
  • 業務開始時に電話やメールで会社に報告を入れたり、勤怠システムへの入力が主な管理方法となっている。また、パソコンの起動時間を労働時間とするなど、客観的な指標を導入している企業もあり、労務管理を工夫している。
  • フレックスタイム制や裁量労働制を導入するなど、休み方・働き方に柔軟性を持たせている。
  • 約8割の企業担当者が、「トップをはじめとした経営陣の意識改革」、「会社や組織で働く従業員の働き方・休み方に対する意識改革」 が長期休暇の実現に最も必要な要素と回答している。

実際のところ、ワーケーションの導入には様々なハードルがあると思いますが、導入を考えるきっかけとして、これらの傾向とヒントをぜひ参考にしてみてください。詳しい調査レポートは、こちらからダウンロードいただけます。ぜひ、ご覧ください。


まとめ

今回は、コロナ禍で注目されるようになったワーケーションについてお届けしました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、従来のようなオフィスに出社する働き方を見直す動きが強まり、オフィス以外を就業場所にできるテレワークの導入が進みました。その1つとしてワーケーションに注目が集まっています。ワーケーションという言葉は浸透してきていますが、まだまだ導入に至っている企業は少ないのが実態です。多様性がより重要視されるようになった今、「EVP(Employee Value Proposition)=従業員への価値提案」という言葉もよく聞かれるようになりました。これからは従業員が企業を選ぶ時代です。ワーケーションはEVPの観点でも有益な取り組みです。

先ほどご紹介した、ワーケーションに関するアンケート結果をまとめた資料をダウンロードいただけます。こちらを参考にまずは、社内で議論するところから始めてみてはいかがでしょうか。


ホワイトペーパー(お役立ち資料)ワーケーション やってる企業、やってない企業に違いはあるのか!? ~ワーケーション調査レポート~

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、従来のようなオフィスに出社する働き方を見直す動きが強まり、オフィス以外を就業場所にできるテレワークの導入が進みました。その1つとしてワーケーションに注目が集まっています。JTBでは、2021年10月~2022年1月に企業の人事総務担当者、従業員等に対して、ワーケーションに関する調査を実施しました。本レポートでは、調査結果から、ワーケーション導入企業と未導入企業の違いに焦点を当て、ワーケーション導入のヒントを探ってみました。後段では、参考として弊社JTBのワーケーション制度についても紹介しています。従業員の働き方改革を考える皆さまの参考になれば幸いです。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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