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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 【WEBセミナーレポート】JTBスポーツビジネス共創セミナー:HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE ~多様なパートナーと共につくる共同創造空間~

2023.04.03
ミーティング・イベント
売上拡大・販売促進
会議・イベント運営
従業員満足(ES)向上

2023年3月、北海道日本ハムファイターズが「世界がまだ見ぬボールパーク」として「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」を開業します。32ヘクタールもの広大なエリアには、新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」を始め、さまざまなパートナーとの共創により、ホテルや飲食店、ミュージアム、サウナなど多数の施設ができる予定です。開催したWEBセミナーでは、スタジアムを起点として、「スポーツを核とした持続可能なまちづくり」や「北海道とスポーツの価値の融合」にどのように取り組んできたのか、プロジェクトの推進者にお話を伺いました。本記事では、その内容をダイジェストでお届けします。

©H.N.F.

セミナー開催概要

開催日
2022年10月27日(木) 11:00~12:00
開催方式
オンライン開催

プログラム

  1. 主催者挨拶(JTB)
  2. 講演「スポーツとエンターテイメントを核としたまちづくり~地域と企業の共同創造空間~(株式会社ファイターズスポーツ&エンターテイメント)」
    • ボールパーク構想から建設に至る経緯
    • ボールパークの概要と現在の進捗状況
    • なぜ企業との共創が必要か、地場企業からグローバル企業までそれぞれの視点から
    • 地域にもたらす効果と自治体と一体となったまちづくりへ
  3. ボールパークとJTBの共創事業のご紹介(JTB)
  4. 質疑応答

講演者紹介

株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 事業統括本部 事業企画部 部長小林 兼(こばやし とも)氏

プロ野球球団・北海道日本ハムファイターズが2023年に開業する「北海道ボールパーク Fビレッジ」の事業企画を担当。スポーツと北海道の価値を融合した持続可能なまちづくりの実現や社会課題の解決、地方都市の価値形成に一石を投じる事を目指し中途入社。前職はメガバンクに所属、十数年間に及ぶ海外駐在を経験し東南アジア地域における事業基盤の拡大に従事。北海道旭川市出身の42歳。

「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」とは?

概要

「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」は、野球興行・新球場の保有運営などを担う株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントが主体となって、自治体やさまざまな企業と総工費600億円以上をかけて推進しているプロジェクトです。

場所は、北海道の札幌市と新千歳空港の中間地点に位置する北広島市。新千歳空港から電車で約20分、札幌市内からも車で30分程度と交通アクセスは良好で、自然豊かな場所でもあります。

小林氏曰く、人口200万人弱の札幌市ではなく、人口6万人弱の北広島市に建設を決めた理由としては「60分圏内のアクセス人口」がカギになったそうです。「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」を起点にした時の60分圏内のアクセス人口は、およそ220万人。この点から、北広島市には立地ポテンシャルがあると判断したそうです。現在は、北広島駅前の再開発もすでに着工しています。

コンセプト

ボールパークとは、「野球スタジアムを中心に、公園や商業施設などが複合的に併設されている空間」を指します。アメリカでは、このボールパークを中心としてまちづくりが行われる事例もあり、今回のプロジェクトでも参考にしたそうです。

また、自治体や地域住民、パートナー企業、ファンと共に新球場を核とした「共同創造空間」をつくり、スポーツの価値と北海道の価値を融合した新しい街づくりを目指しています。この「共同創造空間」という言葉を非常に大切にしています。野球興行の会社だけではなし得ない地域社会の活性化や社会課題の解決へ貢献できるようにパートナー企業、ファンの方々、地域の方々とともに取り組んでいくことを念頭に置いています。

HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE コンセプト

「共同創造空間」が目指す世界観とは?

小林氏曰く、目指す世界観としては大きく4つあるとのことです。

1つ目は、「スポーツと北海道を融合した新しい街づくり」です。なかなか野球人口が増えていかない中で、「スポーツの価値」だけではなく、北海道という世界に通用する価値を主軸に据えながら、プロジェクトを進めていこうということです。

2つ目は、「野球事業と非野球事業のMIX」です。野球はあくまでエンターテインメント。少子高齢化社会の中で、競技者人口を増やすということではなく、しっかり観戦者人口を増やしていくことを意識しており、野球以外に広がるさまざまな事業へ領域を拡大していこうと考えています。異業種から多くのパートナーが参画していますが、野球と異業種の方々を掛け合わせ新たな事業をつくっていくことで、野球に興味のない方々にも来場いただけるエリアを醸成していくとのことです。

3つ目は、「パートナーとの共創による多種多様な方々が集うエリア」です。本プロジェクトでは、官民学の多岐にわたるパートナーと共に街をつくっていくことを意識しています。例えば、農業用トラクター大手の株式会社クボタ様と北海道大学様の3社で連携協定を結び、地域の農業へ貢献する取り組みを進めているそうです。

4つ目は「球場を核としたプラットフォーム事業」です。プロジェクトの牽引者としてやっていきたい、ボールパークに来ていただいた方々と多様な商品・サービスを提供するパートナーを結び付ける基盤をつくりたいと考えています。パートナーとの間で共創連携し、イノベーションを起こしていき、社会課題を解決していこうとしています。

以上4つの世界観を実現することで、北海道の自然という資源をテコに野球への興味に関係なく、多種多様な方々が集えるエリアとして、77億人のグローバルなマーケットに切り込んでいきたいと考えているそうです。

共創のしかけ ~オール北海道ボールパーク連携協議会~

行政との連携も特徴的です。北広島市とファイターズが事務局機能を担う「オール北海道ボールパーク連携協議会」を2019年7月に設立しています。メンバーは、周辺市町村、交通事業者、ご参画いただく企業の方々です。この連携協議会のもと、さまざまな分科会を立ち上げ、諸課題の解決、北海道の価値向上、互恵関係の構築を進めています。

共創のしかけ オール北海道ボールパーク連携協議会

「共同創造空間」での具体的な取り組み事例

「共同創造空間」での具体的な取り組み事例

事例01 SDGsの取り組み

「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」ではSDGsに取り組んでおり、17の目標のうち、特に「4:質の高い教育をみんなに」「11:住み続けられるまちづくりを」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」の3つを重視しています。

「4:質の高い教育をみんなに」については、小学生以下の「ES CON FIELD HOKKAIDO」への入場無料化をいち早く打ち出しました。「11:住み続けられるまちづくりを」に関しては、中国の大手企業と連携協定を結び、EVバスを活用した拠点間輸送の整備を進めています。「17:パートナーシップで目標を達成しよう」に繋がるところでは、産官学隔たりなく連携していくことを重要視しています。

事例02 既成概念を打破した観戦スタイルを提案する「TOWER11」

「TOWER11」は、球団のレジェンドであるダルビッシュ有選手と大谷翔平選手の背番号「11」から名付けられたボールパークの象徴的な複合施設です。既成概念を打破した観戦スタイルを提案していきたいと考えているそうです。4階・5階にはホテルが入っており、客室のテラスから球場を一望でき、ここから野球観戦を楽しんでいただけるかたちになっています。またこのTOWER11の中には温泉・サウナが入ります。「温泉に入りながら」「サウナに入りながら」という観戦スタイルは、世界初の取り組みであり、既成概念を打破した取り組みです。サウナプロデュース事業を手掛けるTTNE株式会社様が施設プロデュースを、ホテル経営のデジタル化・DXを推進する株式会社SQUEEZE様とともに運営を行っていきます。また東京の乗馬クラブ銀座様との取り組みで乗馬の本格的なシミュレーション施設も設けるとのこと。北海道はサラブレッドの産地ということで、ここで体験していただいた後に、実際に北海道の牧場に出かけていただくような連携をしたいと考え、今回参画いただいたそうです。

TOWER11

事例03 世界初!球場内にビールの醸造所「そらとしば by よなよなエール」

「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」には、よなよなエールで有名な株式会社ヤッホーブルーイング様との連携で世界初の球場内ビール醸造レストランをつくります。「そらとしば」というブランドで新しいビールを提供していくとのことです。1階にはクラフトビールの醸造設備があり、美味しいビールを飲みながら野球観戦が可能。また、2階にはルーフトップエリアがあり、開放的な空間で球場を一望しながら過ごすことができます。

ビール醸造所「そらとしば by よなよなエール」

事例04 子どもたちの学びに「農園エリア・認定こども園」

外構エリアには、株式会社クボタ様と連携し、農業学習施設をつくります。北海道の基幹産業である農業の課題解決を意識。スマート農業に触れていただく施設やミュージアムとして食・農業の大切さについて触れていただける施設になるそうです。

また認可保育園、企業主導型保育所を運営する株式会社キッズラボ様との連携で認定こども園をつくります。ボールパークの中に認定こども園をつくることで、ここにお子様たちが通い、ボールパーク内を散策するといった風景をつくっていきたいとのことです。

農園エリア・認定こども園

事例05 企業イベントの誘致による来訪者促進

株式会社JTBも本プロジェクトに参画し、ボールパークを軸とした交流人口の拡大と地域への波及効果を最大化すべく取り組みを進めています。例えば、ならではの観戦プランの提供による企業のインセンティブツアーでの活用や、非試合日においてもユニークべニューとして企業イベントに活用いただくことを検討しています。

またスタジアムツアーと講義を組み合わせた企業向けの研修プログラムの開発も検討しており、球団が考える地域活性化や元プロ野球選手の講話など、社員研修として活用いただけるプログラムも検討しています。

また、ボールパークを訪れた人々が地域経済に還元をさせる仕組みづくりとして、デジタルツールを活用した観光マーケティングプラットフォームの構築や、ふるさと納税返礼品としてボールパーク観戦ツアーの実施や観戦ツアーパッケージと連動したカーボンオフセットなども検討しております


まとめ

今回は、セミナーのダイジェストとして「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」のさまざまな企業との共創による取り組みを中心にご紹介しました。ご紹介した通り、ボールパーク内ではさまざまな企業と連携して価値提供をすることで地域の活性化、経済の循環を目指しています。試合がない日に関しても、事業者へ場所を貸したり、事業者と共同でイベントを開催するなど四季を通してエリアを有効活用していく予定とのことです。また、ボールパーク内で経済的な循環を完結させるのではなく、地域に対してもさまざまな取り組みで経済的価値を波及させていくことを意識しているそうです。

セミナー実施後のアンケートでは、「地域にもたらす効果」や「企業との共創」の話が参考になったとの回答が多数ありました。産官学の共創は今後、社会課題・地域課題・企業課題を解決するキーポイントだと言えます。貴社でもスポーツの力や各地域で進むスタジアム・アリーナ改革を基軸とした地域や教育機関、他企業との共創を模索してみてはいかがでしょうか。

本記事でご紹介したような産官学連携のプロジェクトにご関心のある方は、こちらの資料も合わせてご覧ください。


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