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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 JTB調査に見る「ビジネスイベント」開催のカギ~エンゲージメント向上へ効果を最大化するには~

2023.11.13
ミーティング・イベント
HR(Human Resources)
人材・組織力強化
会議・イベント運営

年間1万件超。これは、JTBが手がける「ビジネスイベント」の数です。(2019年実績)JTBは旅行会社のイメージが強いかもしれませんが、実は法人顧客に対するビジネスイベントの開催支援にも力を注いでいます。「旅行と同様に、通常とは異なる非日常的な“交流”が生まれることから、コミュニケーションの活性化や関係性の強化、エンゲージメント向上につながる」と捉えているからです。コロナ禍を経て、企業とステークホルダーの関係性やイベントに対する考え方も変化している今、どのようなビジネスイベントをつくっていくのか。2023年7月に実施した市場調査で判明したビジネスイベントの最新トレンドを基に、ミーティング&イベント事業の担当者が未来像を語りました。

出典:2023年9月1日 『東洋経済オンライン』に掲載された記事広告を一部修正したもの(制作:東洋経済ブランドスタジオ)

多くの企業が「ビジネスイベント」を重視する傾向に

ビジネスイベント(社内外向けのセミナー、カンファレンス、周年イベントなど)を取り巻くトレンドの把握を目的に、JTBが2021年から年に数回行っている「ビジネスイベントに関するインターネット調査報告レポート」。 ビジネスイベント担当者400人※を対象に23年7月に実施した調査では、イベントに費やす予算が想定以上に高い傾向を示しました。

従業員数500人以上もしくは売り上げ100億円以上の企業に勤める社外向けイベント担当者200人と社内向けイベント担当者200人(重複担当者も可)

ビジネスイベントの予算動向
ビジネスイベントの予算動向
株式会社JTB
ビジネスソリューション事業本部
マーケティングチーム
マーケティング担当マネージャー
前澤 美保

「イベント予算がマーケティングや社内教育など全体の予算に占める割合について、該当予算の40%以上を占めるとする回答が計4割もあったのです。イベント予算は例年どおりというのが一般的ですが、今後さらに予算を増やしたいという回答も多く、驚きました。開催頻度についてもコロナ禍前と比較して『例年通り』や『増えた』という回答が大半でしたので、ビジネスイベントをしっかり投資すべき重要な施策と捉えていることが読み取れます」

そう語るのは、ビジネスソリューション事業本部マーケティングチームマーケティング担当マネージャーの前澤美保。将来の予算に関する意向についての項目では、3年後のイベントの予算規模を増やそうという意向の回答も3割を超え、開催の成果に手応えを感じていることがうかがえます。

事前の期待も、開催後の手応えも大きいわけですが、そもそもどのような目的でイベントを開催しているのでしょうか。「社外向け、社内向けを問わず重視されているのはコミュニケーションです」と前澤は説明しています。

「必ずしもリアルで集わなくてもイベントが開催できるという認識がコロナ禍で定着したと思いますが、オンラインでもオフラインでも、コミュニケーションの活性化は非常に重視されています。特徴的だったのが、『イベントに参加する際に重視する目的は何ですか』という設問の結果です。参加者目線でも、コミュニケーションへの期待が大きいことがわかりました」

ビジネスイベントの参加目的
ビジネスイベントの参加目的

イベントを“点”とせず、“面”で効果を生み出す

実際、参加目的の設問では「通常では得られないコミュニケーションが図れる」が最も多いという結果に。続いて回答割合の多い項目を見ても、単なる情報収集ややり取りにとどまらず、非日常の交流によるエンゲージメントの醸成を期待していることは明らかです。

とりわけ社内向けイベントについては、コロナ禍でイベントができなかった反動だけでなく、人的資本経営に対する関心の高まりも影響しているとみられています。

「今回の調査で人的資本経営に『関心あり』と回答した人は6割を超え、その課題を解決する手法として最も多く選ばれたのは、社員向けセミナーや表彰式の開催など『社内コミュニケーションを活性化させる取り組み』です。そうした点からも、モチベーションやエンゲージメントを高めるための打ち手としてイベントが有効とみられていると思います。

一方で興味深いのは、イベントだけで解決しようとするのではなく、オフィス環境の整備や社内アンケートの実施、1on1ミーティングといった日常の施策と組み合わせたい意向の高さです。イベントを“点”にせず、日常の施策と掛け合わせて“面”で効果を生み出そうとしていると考えられます」(前澤)

社内向けビジネスイベントと組み合わせたい施策
社内向けビジネスイベントと組み合わせたい施策

単発のビジネスイベントでコミュニケーションを途切れさせるのではなく、日常の施策とシームレスにつなげることで、人的資本経営で重要視されるエンゲージメントを醸成していこうというわけです。

ただし、イベントと日常施策をしっかりとつなぐのは決して容易ではありません。ビジネスソリューション事業本部事業推進チーム グループリーダーの北島は、「目的を達成したと判断する要素」の設問の回答を分析し、その難しさを次のように説明しています。

「社内向け、社外向けともにイベントの開催目的の達成率は高かったのですが、その判断要素として『参加者数』や『参加者満足度』を挙げる人が少なくありませんでした。コミュニケーションの活性化やエンゲージメントの向上が目的であるはずですが、若干異なった回答です。イベントの担当者と人事やマーケティング、セールスの担当者が異なることで、的確な指標を設定できていない、またはその指標を測ることが難しいという可能性があります」

株式会社JTB
ビジネスソリューション事業本部
事業推進チーム グループリーダー
北島 淳孝

エンゲージメントを高めるキーワード「FUN」

せっかく課題に合わせたビジネスイベントを実施しても、成果を判断する指標がミスマッチでは効果も長続きしません。アンケートや1on1ミーティングといった日常の施策とのシナジーも生まれにくいでしょう。

そうした事態に陥るのを防ぐためには、「イベントの開催だけでなく、前後および全体を俯瞰して目標達成のためのストーリーを示す必要がある」と北島。JTBでは顧客の目的やニーズに応じてイベントを設計するとともに、開催前から開催後までの一連をサポートしています。

そのためには、テクノロジーやデータ活用も重要です。同社では、世界2万社超が利用するイベント管理プラットフォーム「Cvent(シーベント)」を活用したソリューションを提供し、イベント参加者のタッチポイントの把握や、そのデータの管理運用による、イベント単発ではない連続性を担保した施策の実施を支援しています。

加えて、海外の最新トレンドを取り入れるなど、イベントのあり方自体も随時アップデート。イベント関係者が注目する米Cventの主催イベント「Cvent CONNECT 2023」(2023年7月、ラスベガス開催)に参加した前澤は、「リアルイベントの価値を実感した」と話しています。

「あらゆる部分で、エンターテインメント性のある工夫を凝らしていることが印象的でした。エントランスでの温かい出迎えに始まり、ゲームや体験ブース、ボウリング場やプールサイドバー貸し切りでのナイトイベントなど、楽しさを感じさせる体験を至る所で提供していました」

「Cvent CONNECT 2023」では、ライトを使った演出や参加型コーナー、専用アプリなどで参加者のエンゲージメントを高める仕掛けが多数用意されました

前澤は、こうした体験に共通するキーワードは「FUN」だと言います。参加者に楽しさを感じさせることで、イベント自体だけでなく、出展企業やゲームコーナーなどで景品を用意する協賛企業に対しても“好感”が残るのです。

「参加者と出展社間、そして参加者間をつなぐ仕掛けも充実していました。専用アプリで自由にコメントが書き込めて情報交換できるほか、他の参加者との個別チャットも可能だったり、受付時に配られる名札の2次元バーコードを読み取ることで参加者同士が気軽にネットワーキングできたりと、コミュニケーションを促す仕組みが多数用意されているのも驚きました」(前澤)

ビジネスイベントといえば、主催者と参加者の「1対1」の関係がイメージされやすいでしょう。しかし「Cvent CONNECT」では、主催者の開催目的や、出展企業や協賛企業を含むすべてのステークホルダーのゴールを想定したうえで、それぞれのエンゲージメントの最大化を目指した取り組みを行い、「Win-Win-Win」の関係が構築されています。「さまざまな企業がいろいろな形でつながり、全員で『FUN』を醸成することで新たなビジネスが生まれていく可能性を感じました」と前澤は振り返ります。

イベントで顧客や従業員との「つながり」強化へ

JTBも同様に「FUN」の醸成を狙ったビジネスイベントを展開しています。7月に開催した企業向けイベント「JTB Engagement Camp 2023」がその1つです。

そこでとくに力を入れたのが、エンゲージメントを高める「空間」の演出です。イベントというと、会場そのものの空間に左右されるところも大きいですが、「JTB Engagement Camp 2023」では配置するアイテムを工夫。たき火台やローチェア、テントなどを配置して「キャンプ」をイメージした空間を会場に再現しました。無機質になりがちな会場で非日常を演出し、セッションにはアクティビティや寸劇を取り入れました。

講演会場では、芝生の上にローチェア、たき火台をセッティングし、キャンプ空間を演出

注目したいのは、平日の午後から6時間という長丁場のイベントで、来場者の平均滞在時間が4時間を超えたことです。「終了後のアンケートでは『こういうイベントのやり方があるのか』という参加したお客様の声や、『お客様と普段は話せなかったようなことを長い時間話せた』といったJTB社員の声も聞かれました。非日常な空間での体験は心に残りやすく、コミュニケーションを活性化しエンゲージメントを高める効果があると実感しました」(北島)。

ビジネスイベントと一口に言っても、目的はさまざま。社内向けと社外向けで、やるべきことも違うでしょう。しかし、どんなビジネスイベントであっても、コミュニケーションを活性化し、エンゲージメントを醸成させることが重要なのは間違いありません。「JTB Engagement Camp 2023」のように「キャンプ」をイメージさせることが最適解とは限りませんが、空間演出がもたらす効果が大きいことは証明されたといえるのではないでしょうか。

「ビジネスイベントの課題を解決するためには、適切な空間演出を含めて、イベントの『マエ・ナカ・アト』に伴走するのが重要です。JTBが110年以上にわたって培ってきた『旅マエ・旅ナカ・旅アト』をワンストップでサポートし続けてきたノウハウを生かして、お客様の課題を理解し、綿密に設計したビジネスイベントをご提案していきたいと思います」と前澤は力を込めます。

旅行を軸とした感動や共感の創出を生業とするJTB。その事業ドメイン「交流創造事業」のベースとなる価値創造の源泉には、「つなぐ・つなげる」という考え方があります。豊富な知見と実績を持つビジネスイベントにおいても、顧客・従業員とのエンゲージメントを高め「つながり」を強化するパートナーとして、企業に寄り添います。

JTBでミーティング&イベント事業を推進する、左からビジネスソリューション事業本部 マーケティングチーム グループリーダーの太田悠輝、担当マネージャーの前澤美保、同事業本部事業推進チーム グループリーダーの北島淳孝、担当部長の斉藤友輔、担当マネージャーの塩谷貴行

ホワイトペーパー(お役立ち資料)(2023年7月)企業の「セミナー・展示会イベント・研修」担当者に聞いたビジネスイベントの現在とこれから~アフターコロナのイベントトレンドとは?~

JTBでは2020年度以降、複数回にわたり企業のビジネスイベント担当者へのインターネット調査を実施、企業側の開催意向や参加者のニーズ変化等を把握してきました。

今回はコロナ感染症が5類感染症に移行した後の7月に実施。営業・組織強化やブランディングを目的としたビジネスイベント活用にむけて、コロナ禍を経て変化した世間のイベント開催手法やニーズの変化から考察しています。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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