イベントは、新規顧客との接点創出や既存顧客との関係強化につながる有効な施策です。しかし、同時に企画書の作成が必要となるため、書き方が分からず悩んでしまうケースもあるのではないでしょうか。この記事では、イベント企画書の作成手順や記載項目、作成時のポイントも紹介します。企画書のサンプルもご用意しております。ぜひ、ご覧ください。

この記事から分かること
- イベント企画書は、実施したいイベントのアイデアについてまとめた書類。社内承認や関係者との認識共有を円滑に進めるために欠かせない資料
- イベント企画書を作成する手順は、企画立案→企画書作成→関係者との合意形成の3ステップ
- 目的・KPI・ターゲット・予算・スケジュールなど、企画書に必要な項目と書き方を押さえて作成を
- 企画書を作成するときは、6W2Hを意識し、参考資料で根拠を示しつつ、自社ならではの独自性を盛り込むことが大事
- イベント企画書は、用途に応じたツールやテンプレートを活用することで、効率よく質の高い資料に仕上げられる
イベント企画書とは
実施したいイベントのアイデアや目的、内容を整理し、関係者へ共有するための資料です。社内の承認取得や協力企業への提案など、さまざまな場面で活用されます。
イベント企画書を作成する目的と必要性

イベント企画書の目的はアイデアを整理する意味もありますが、提案相手に内容を伝え、理解・納得を得るという役割がより重要です。
そのため、誰が見てもイベントやプロジェクトの目的や内容が理解できるように、分かりやすく具体的にまとめることが大切です。
さらに、企画書は関係者間での認識の齟齬を防ぐ指針としての重要性も持っています。大規模なプロジェクトでは、多くの人員や協力会社が動くため、一貫した判断基準が必要です。言語化された明確な企画書があることで、予期せぬトラブルが発生した際も、本来の目的に立ち返った迅速な意思決定が可能になります。
イベント企画書を作成する手順(ステップ)とは
イベント企画書を作成する際の手順を把握しておきましょう。ここでは、時系列的に作成の手順を解説します。
STEP01企画を練る
まずは、イベントの企画を練ります。その際には、現状分析からスタートします。自社の課題によって、開催すべきイベントの種類や設定すべき目標などは変わってきますので、社内外の要因なども含めて、どのような背景があるのか、何のためにイベントを開催したいのか、また自社がどのような課題を抱えているのかなどを明確にします。自社の現状についてしっかりと把握した上で、イベントの種類や企画の目的などを検討していきます。
STEP02企画書を作成する
自社の現状分析を行い、企画の目的やアイデアなどを練ったら、イベント企画書を作成し、アイデアを分かりやすくまとめます。イベント企画書に記載すべき詳しい項目については後述しますが、主にイベントを開催する目的やイベント概要、ターゲットなどを記載します。
また、イベントの目標やゴールも重要ですがそれだけで終わるのではなく、イベントの目標が達成された場合、どのようなメリットや効果が自社にあるのかも明確に記しておきましょう。
STEP03関係者との合意形成
イベント企画書は、企画書を作成すること自体が目的ではなく、社内承認や関係者理解を得るために作成するものです。そのため、できるだけ専門用語は避けて、誰でも理解できるような一般的な用語を用いると良いでしょう。
また、表やスケジュール、予算一覧などを活用することで、企画の全体像を共有しやすくなります。一度で承認されるとは限らないため、関係者からの意見を反映しながらブラッシュアップを重ね、企画の完成度を高めていきましょう。
イベント企画書の基本構成要素を紹介
イベントの種類や規模によって企画書は異なりますが、基本的に押さえるべき項目は共通しています。代表的な項目は以下のとおりです。
- イベントのタイトル
- イベントを開催する目的
- イベントのゴール・KPI※
- ターゲットやペルソナ
- イベントの方針・概要
- 告知方法・宣伝方法
- 効果測定の方法
- 予算
- スケジュール
- 担当者・関係者の役割
重要達成度指標/重要業績評価指標
イベント企画書を作成する際には、少なくとも上記の記載は必須となるため、これらの内容を含めて作成します。
イベント企画書の書き方・記載すべき項目と例文
イベント企画書を作成する際には、書き方や記載項目を把握することが重要です。以下では、イベント企画書の書き方や記載すべき項目と例文を解説します。
項目01イベントの目的
イベント企画書では、まず開催目的を明確にしましょう。目的が曖昧なままでは、ターゲットや企画内容、効果測定の基準も定まりません。
認知度向上や新規顧客の獲得、既存顧客との関係強化など、イベントを通じて実現したいことを具体的に整理することが重要です。
例文:「若年層の自社ブランド認知度が低いため、20代女性を対象とした体験型イベントを実施する。商品のSNS拡散を促し、オンラインストアへの新規流入数を前年比150%に引き上げることを目的とする」
項目02イベントのゴール・KPI設定
イベントの目的を明確にしたら、イベントのゴール・KPI設定を行います。ゴールや達成指標等が設定されていないと、イベントが成功したかどうかが分かりません。また、イベントの目的にあったゴールを設定することで、適切なターゲットや内容設定ができるようになります。ゴールの例としては、集客数や購入者数、問合せ数や再訪問者数などが挙げられます。
例文:「総来場者数300名、イベント限定クーポン配布数200件、イベント終了後の公式オンラインストア新規会員登録数50名、SNS上での指定ハッシュタグ投稿数150件」
項目03ターゲット・ペルソナ
イベント企画では、ターゲットとペルソナを明確にすることが重要です。ターゲットは集客したい顧客層を示すものであるのに対し、ペルソナはその顧客層を具体的な人物像として描いたものです。ターゲットやペルソナを設定することで、企画内容や訴求メッセージ、集客施策を検討しやすくなります。例えば、ターゲットを「20代女性」と設定した場合、ペルソナは、「都内勤務の入社2年目の会社員で、休日は自宅でゲームを楽しむことが多い」など、より具体的に設定します。
例文:「ターゲット:都内在住の20代女性。ペルソナ:入社2年目の事務員。平日は仕事で忙しく、休日は自宅でゲームやSNSを楽しんでいる。自分へのご褒美として、手軽に贅沢感を感じられる新しいスイーツや雑貨の情報を常にスマートフォンで探している人物」
項目04イベントの方針・概要
イベント企画書には、イベントの方向性や概要を記載します。企画書の段階では、詳細な内容よりも「どのようなイベントを実施したいのか」を関係者に分かりやすく伝えることが重要です。そのため、イベントのコンセプトや目的、実施イメージが伝わるよう、内容を具体的に整理して記載しましょう。
例文:「『日常を彩るご褒美体験』をテーマに、20代女性が好むパステルカラーを基調としたフォトジェニックな空間を設営する。新商品の試食・体験ブースをメインに、SNS映えするフォトスポットを複数設置し、来場者が自然に発信したくなる仕掛けを作る」
項目05効果測定の方法
イベントは開催して終わりではありません。イベントの効果測定を適切に行うことで、次回のイベントに活かしやすくなります。そのため、効果測定の方法について、あらかじめイベント企画書に記載しておきます。これにより、イベント終了後の作業がスムーズに進みます。
効果測定の方法としては、売上数や来場者数などの数値で測れる定量指標で確認する方法と、ブランド力や評価といった数値で測りにくい定性指標をチェックする方法があります。
例文:「定量指数として、受付での来場者カウントおよびSNS投稿数の集計を行う。定性指数としては、出口付近でのQRアンケートを実施し、『商品の購入意欲が向上したか』『ブランドへの好感度が上がったか』を5段階評価で集計する」
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項目06予算・内訳
イベントの運営には費用が発生します。ここでは、イベント運営に必要な費用を検討し、具体化していきます。イベントを行う会場の費用はもちろん、運営スタッフの人件費や機材費なども含まれます。必要な項目をすべて洗い出し、費用総額や内訳を明確に記載します。
費用が過剰になっていないか、また無駄な費用が生じていないかを確認し、適正な予算を策定します。その上で細かな予算を記載し、理解を得やすいようにします。
例文:「総予算:100万円。内訳として、会場レンタル費30万円、サンプル配布・什器費20万円、当日運営スタッフ人件費20万円。」
項目07スケジュール
イベント企画書では、スケジュールの記載も欠かせません。スケジュールは、イベント当日のタイムスケジュールだけではなく、準備期間を含めた長期間のスケジュールも併用します。たとえば、イベントが企画として動き出すキックオフの日程や、ゲストの確定、告知や宣伝の開始日、会場設営というように、イベントを行う上で重要度の高い項目の期日について明記しておく必要があります。
また、スケジュールを決める際には、余裕を持たせて組む必要があります。イベント準備の際に予期せぬトラブルやイレギュラーが起こるケースもあるため、スケジュールは詰め込みすぎないことが重要です。
例文:「10月1日:キックオフ・企画詳細確定、10月15日:会場予約完了、11月1日:SNS告知・インフルエンサー依頼開始、11月20日:備品・サンプル手配完了、12月1日:イベント前日搬入、12月2日:イベント当日・撤収、12月15日:効果測定レポート提出」
項目08担当者・関係者の役割
イベントでは、イベント当日はもちろんのことイベント準備段階から多くの人が関わります。そのため、担当者や関係者の役割や配置なども記載しておきましょう。この際、組織図があると分かりやすくなります。組織図に指揮系統を明記しておくと、誰に指示を仰ぐべきかすぐに分かるため安心です。協力企業を募る際には、社内だけでなく社外の人員も組織図に含めましょう。また、各部門に責任者を設けると運営がスムーズになるためおすすめです。
例文:「全体統括:マーケティング部リーダー。制作・設営:●●株式会社。広報・SNS運用:SNS担当チーム。当日運営:協力スタッフ。トラブル発生時の最終判断は全体統括が担当する」
イベント企画書を作成するときのコツとポイント
企画書を作成する際には、以下で紹介する5つのポイントを意識します。
早めに取りかかる
イベント企画書の作成は、できるだけ早い段階から着手することをおすすめします。イベントは企画書の作成だけでなく、会場手配や登壇者・出演者との調整、協力会社との連携、集客準備など、多くの工程を伴います。
また、企画書は一度の提出で承認されるとは限らず、関係者からの意見を踏まえて修正や改善を重ねるケースも少なくありません。スケジュールに余裕を持って準備を進めることで、企画の完成度を高めやすくなります。
分かりやすさを重視する
イベント企画書は、企画担当者だけでなく、決裁者や関係部署、協力会社などさまざまな立場の人が確認します。そのため、専門用語を多用するのではなく、誰が読んでも内容を理解できるようにまとめることが重要です。
また、イベントの目的やターゲット、期待効果、予算、スケジュールなどの関係性が一目で分かるよう、図表やイラストを活用することも有効です。企画の全体像を分かりやすく伝えることで、関係者との認識のずれを防ぎやすくなります。
6W2Hをうまく活用する
6W2Hとは、以下のとおりです。
- why(なぜ):開催目的や背景
- who(誰が):主催者、運営責任者、関係者
- whom(誰に):ターゲット・ペルソナ
- what(何を):イベント内容、プログラム、コンテンツ
- when(いつ):開催日時、実施時期
- where(どこで):開催場所、会場
- how(どのように):実施方法、運営方法
- how much(どれだけ):予算、費用
6W2Hを活用して企画内容を整理することで、関係者への説明がしやすくなり、企画書の完成度向上にもつながります。
参考資料を用意する
イベント企画書の説得力を高めるためには、客観的な根拠となる資料を添付することが重要です。例えば、スケジュール表や収支表に加え、過去の開催実績、市場調査データ、参加者アンケート結果などを活用すると、企画の実現性や効果をより具体的に示すことができます。
イベントによるメリットや期待効果を文章で説明するだけでなく、客観的なデータを用いて裏付けることで、関係者の理解や社内承認を得やすくなるでしょう。
自社らしさを忘れない
イベント企画書を作成する際には、自社らしさやオリジナリティを忘れないようにします。同タイミングで同業他社がイベントを開催するケースもあります。同じようなコンテンツでは思うように集客できないため、自社だからこそのオリジナリティのあるコンテンツを考えましょう。自社ならではの独自性をイベントに取り入れることが重要です。
イベント企画書の承認率を高めるためのポイント

イベント企画書は、内容が優れているだけでなく、「承認する立場の人に伝わること」も重要です。ここでは、企画書の説得力を高めるために意識したいポイントを紹介します。
目的と成果を結びつける
イベントを実施する目的だけでなく、実施後に期待する成果まで整理しておきましょう。目的とKPIが明確に結びついていると、企画の必要性が伝わりやすくなります。
リスク対策を整理する
集客未達や荒天、機材トラブルなど、想定されるリスクと対応策を事前に整理しておくと、企画の実現性を示しやすくなります。
決裁者視点で情報を整理する
決裁者は限られた時間で企画書を確認します。目的・期待効果・予算・スケジュールなどの重要情報を分かりやすく整理することで、内容を理解してもらいやすくなります。
根拠となるデータを示す
過去実績や市場データなどの客観的な情報を示すことで、企画の説得力を高めることができます。
イベント企画のアイデアに役立つ成功事例
イベント企画書を作成する際は、実際の成功事例を参考にすると、企画の方向性やアイデアを具体化しやすくなります。ここでは、JTBが企画・運営をサポートし、参加率向上や社内エンゲージメントの強化、ブランド認知向上などの成果につながったイベント事例をご紹介します。
事例01 20周年イベントで参加率80%を実現!当日最高潮の盛り上がりを叶えるプロセス
設立20周年を迎えた株式会社IHIエスキューブ様では、社員とその家族約500名が参加する周年イベントを開催。JTBはコンセプト設計から会場選定、企画、当日運営、事後施策まで一貫してサポートしました。
社員によるファッションショーや20周年シンボルマークの社内投票、るるぶ風冊子の制作など、社員参加型の企画を取り入れることで、開催前から期待感を醸成。
さらに、オリンピック会場を活用したユニークな演出やキッチンカーの設置なども好評を博し、土曜日開催にもかかわらず社員参加率80%以上を達成しました。イベント後には「来年も開催してほしい」という声が上がるなど、社員の一体感や企業への愛着を高める周年イベントとなりました。
事例02 社員自らが企画・おもてなしを実践!約1,000名が一堂に会した圧巻のリアルイベント!
株式会社ヤクルト本社様は、約5年ぶりにリアルイベントを開催。異動により担当者が変わり、新しいチームで大規模イベントを運営することへの不安がある中、JTBが会場・宿泊施設の選定や各種手配、関係各所との調整を担当しました。
運営面の負担が軽減されたことで、社員の皆様は「ヤクルトレディへの感謝をどう伝えるか」という企画立案や演出の検討に注力。その結果、約1,000名が参加するイベントを成功へと導き、企業理念の浸透や参加者のモチベーション向上、一体感の醸成を実現しました。
事例03 世界遺産や地域の史跡・名所でのプロモーションをサポート!(「お~いお茶」発売30周年記念企画)
株式会社伊藤園様は、「お~いお茶」発売30周年と新元号「令和」の幕開けに合わせ、「日本文化を未来へつなげよう」をテーマとしたプロモーションを実施しました。
JTBは、テーマ設計から開催地の選定、関係各所との調整、当日の運営までをトータルで支援。世界遺産や地域の名所を舞台に、お茶の振る舞いやフォトスポットを設けることで、日本文化と商品の魅力を掛け合わせた体験を創出しました。
企画コンセプトを軸に会場や演出を一貫して設計したことで、ブランド認知向上と地域の魅力発信の両立につながった事例です。
イベント企画書に利用できるツール3選

イベント企画書の作成でよく利用されるツールには、以下の3つがあります。
- パワーポイント(PowerPoint)
- ワード(Word)
- エクセル(Excel)
中でも、イベント企画書の作成にはパワーポイントがおすすめです。イベントの目的やコンセプト、ターゲット、スケジュール、予算などを図や写真を交えて整理できるため、企画の全体像を短時間で分かりやすく伝えられます。
また、テンプレートを活用すれば、レイアウトを一から考える必要がなく、必要な項目を漏れなく整理しながら効率的に企画書を作成できます。初めてイベント企画書を作成する場合でも、見やすく説得力のある資料に仕上げやすいでしょう。
イベント企画書作成に役立つサンプル(無料テンプレート)
イベント企画書のサンプルは以下よりダウンロードいただけます。
まとめ
今回はイベント企画書についてお届けしました。イベント企画書は、実施したいイベントのアイデアや内容などについてまとめたものであり、社内承認を得る、協力企業などを募る際の資料として非常に重要なものです。イベント企画書を作成する際には、現状把握をしてから企画書を作成することが大切です。これにより、開催するイベントの種類や内容などを絞り込みやすくなります。
本記事で紹介した項目やポイントを参考に、自社の目的や課題に沿ったイベント企画書の作成にぜひお役立てください。
また、実際にイベントを成功させるためには、企画書の作成だけでなく、企画立案から会場手配、運営、効果検証までを一貫して進めることが重要です。JTB法人では、企業イベントやプロモーション、セミナーなど、目的に応じたイベントの企画・運営をトータルでサポートしています。イベントの開催をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

