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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 2万人収容の音楽アリーナ「Kアリーナ横浜」誕生! ウィズコロナ・アフターコロナ時代のリアル企業イベントの新たな形

2022.12.16
ミーティング・イベント
売上拡大・販売促進
会議・イベント運営

コロナ禍での行動制限の解除、出入国に関する水際対策の緩和など、ようやく人流が戻りつつある今、さまざまな企業が自社イベントのリアル開催を検討し、徐々に復活を見せています。2023年秋に横浜みなとみらい地区にオープン予定の「Kアリーナ横浜」は最大2万人を収容する、音楽アリーナでは世界最大級の規模を誇る施設。コンサート使用がメインではあるものの、企業イベントの開催地としても注目を集めています。

開発を推進するのは、高級賃貸・高級住宅仲介を中心とする総合不動産会社 株式会社ケン・コーポレーション。本記事では、株式会社ケン・コーポレーション Kアリーナ事業準備室の佐藤氏、秋元氏にインタビュー。「Kアリーナ横浜」の開発の経緯や施設の特徴、これからのリアルイベントの新しい形について伺いました。

Kアリーナ横浜
写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

企業情報・プロフィール

企業名
株式会社ケン・コーポレーション
企業サイト
https://www.kencorp.co.jp/
所在地
東京都港区西麻布1-2-7
従業員者数
607名(2022年4月現在)

取材に応じてくださった方

佐藤 希 氏

佐藤 希 氏

株式会社ケン・コーポレーション Kアリーナ事業準備室 部長

2006年に株式会社ケン・コーポレーション入社後、2007年にグループ会社のシブヤテレビジョンに出向。2022年より、株式会社ケン・コーポレーションKアリーナ事業準備室部長に就任。

秋元 良平 氏

秋元 良平 氏

株式会社ケン・コーポレーション Kアリーナ事業準備室 担当課長

2005年に株式会社JTB入社。2018年に株式会社JTBにエンタテイメント事業部が発足し配属される。2021年に株式会社ケン・コーポレーションKアリーナ事業準備室に出向し、担当課長を務める。

「Kアリーナプロジェクト」はグループの集大成

Kアリーナ横浜
国際都市・横浜に誕生する新たなシンボル「Kアリーナ横浜」(写真左) 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

今回お話を伺ったのは、Kアリーナ事業準備室で「Kアリーナプロジェクト」の開発を共に進めてきた佐藤希氏と秋元良平氏。佐藤氏はシブヤテレビジョンでの経験を活かして音楽コンサートのブッキングなどをメインに、秋元氏はJTBからの出向で主に企業MICEの問い合わせを中心に対応しているそうです。ケン・コーポレーションが手掛けてきた3つの事業の集大成とも言える今回のプロジェクトの裏側とともに、これからのリアルイベントの新しい形について伺いました。

― まずは今回の「Kアリーナプロジェクト」がスタートした経緯について教えてください。

佐藤

高級住宅の仲介やホテル事業等で横浜エリアの開発に力を入れていた中で、2017年1月にみなとみらい21地区の開発事業者公募があり、私たちケン・コーポレーションも応札したことがきっかけでスタートしました。

横浜市から提示された事業要件は「観光・エンターテイメントを軸とした街づくりによって街のにぎわいを創出し、企業誘致を促す」というもので、当社の強みと経験を活かし、世界中からゲストを受け入れる世界最大級の音楽アリーナとインターナショナルブランドのホテル、オフィスを併設する計画を提案しました。

秋元

我々は不動産事業を主軸に、ホテル事業やライブハウス運営などのミュージック・エンタテインメント事業などを展開しております。今回、「Kアリーナ横浜」と「ヒルトン横浜」「Kタワー横浜」の3棟を建設するのですが、これまで手掛けてきた3つの事業を複合した施設は、ケン・コーポレーショングループでは初めてのプロジェクトです。グループの集大成的な取り組みに私自身も魅力を感じ、非常にモチベーションが上がりました。

秋元 良平 氏

― 2022年5月には「Kアリーナ横浜」の運営管理を行う新会社「Kアリーナマネジメント」も設立されました。設立の理由について教えてください。

佐藤

不動産会社が片手間でやるのではなく、価値の最大化を目指すために「Kアリーナ横浜」の運営に特化した会社を設立しました。「Kアリーナ横浜」の運営管理以外では、「ヒルトン横浜」「Kタワー横浜」の3棟をつなぐペデストリアンデッキの管理なども行います。今回のプロジェクトはこれまでに前例がないので、スタッフ一同チャレンジする姿勢を持って取り組んでいる状況です。

― 2023年秋にオープン予定ということですが、コロナ禍での影響を感じられている部分はありますか?

佐藤

計画の決定が2017年だったこともあり、コロナ禍前にすでに資材の調達ができていたため、コロナの影響は受けずに計画が予定通り進んでいます。工事現場のスタッフさん曰く、今は資材も値上がりしていて、調達がとても難しいようです。ブッキングに関しても、コロナの影響で減っているということはありません。

また、公募のあった2017年時点で、音楽業界では会場不足という大きな課題がありました。会場不足を解決するためにも音楽アリーナの建設は、顕在化していたニーズでした。すでに2023年のオープン後は空き日がないほどで、予想以上の反響をいただいています。

佐藤 希 氏
Kアリーナ横浜
工事の様子。計画は順調に進み、外観はほぼ完成している 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

― 改めて「Kアリーナ横浜」の施設の概要、特徴を教えてください。

佐藤
客席2万席を誇る世界最大級の音楽アリーナです。通常のアリーナは機材の持ち込みが一般的ですが、「Kアリーナ横浜」は、理想のライブ、コンサートを叶える場所として、専門機材を会場で保有しています。機材を持ち込む必要がなく、会場のものをそのまま使えるのはイベントを開催する上で大きなメリットではないかと思います。また、大規模な吊り込みへの対応や音響空間にこだわっていますので、お客様のさまざまな需要にも十分応えられる環境を整えました。
Kアリーナ横浜
アリーナの内観。フレキシブルな客席プランや演出が可能 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

― 大規模な会場は公営施設が多く、柔軟な対応が難しいという声もよく聞きます。公共ホールだと難しいことは、例えばどんなことでしょうか?

佐藤
まずは利用時間です。あとはご希望の日程が重なった時に双方の間に立って相互の意見を聞けるかどうか。提案も含めて寄り添う姿勢を重視しています。
秋元
実現できるかはまだわかりませんが、申請書類のデジタル化など、さまざまな角度から我々ができることを探ろうと思っています。私たちの新たな提案がニューノーマルになるような施設になっていきたいですね。施設側が機材を持つことは今まではなかったことだと思います。飲食を楽しめるようなスペースをたくさん用意するということも我々にとってチャレンジングな試みです。
佐藤

良くも悪くも染まっていないというか、アリーナ運営の経験がないことで慣習を気にせずにやれているところがあるかもしれません。

「Kアリーナ横浜」には、ラグジュアリーな環境で音楽鑑賞ができる「VIPエリア」を設けているのですが、最初の段階では無理だと言われましたから(笑)。2万人という収容人数も、「埋められるアーティストは少ないだろう」という厳しい意見もいただきました。

内装なども含めて上手く差別化して、現在では面白がっていただけているようです。「Kアリーナ横浜」に関わってくださるみなさんからたくさんのアドバイスをいただいて、ここまで来られました。

秋元

私はJTBからの出向者なのですが、JTB在籍時から「VIPエリア」でどのような形のサービス提供ができるかディスカッションさせていただいておりました。その流れで出向のお話をいただき、このプロジェクトに正式にジョインさせていただきました。

他の会場に比べるとかなり尖ったしつらえで、内装なども類を見ない挑戦的なものになっています。主催者・来場者双方に喜ばれるようなエリアにしたいですね。

特別な空間でライブ鑑賞ができる「VIPエリア」。こだわり抜いたフードやドリンクが楽しめる(音楽コンサートでのみ利用可能)
写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

一歩踏み出して、共に良いイベントを作りたい

― 企業イベントでの利用の割合はどのように考えていらっしゃいますか?

秋元
音楽イベントは週末に本番があり、1日、2日前くらいが仕込み日なので、週頭の平日にエアポケットが生まれやすいと推測しています。そこに企業様のイベントを入れていけるのが理想です。2万人規模の企業イベントの開催はなかなか難しいので、企業イベントに関してはアリーナ面だけをお貸し出しするプランも追加して対応をしています。
佐藤
MICEに関しても問い合わせが増えてきていて、表彰式や周年案件が多いですね。ファッションショー、eスポーツなどにも合うのではないかなと。広場もあるので、プロモーションの場としての新しい提案ができると思います。
5,000人規模のアリーナ、 13,000人収容のミドル、最大20,000人のフルと、利用モードが選択できる 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

― 音楽コンサートは徐々に規制が緩和されていますが、企業イベントはまだまだ難しい印象です。状況に応じて臨機応変に対応していかれるのでしょうか?

秋元
完全にリアルに振り切るのではなく、オンライン併用のハイブリッド型で実施する形が多いとは思います。ただ、個人的な感想にはなりますが、エンゲージメントを強めるためのイベントは、オンラインでは少し限界があるとも感じています。最近は、すべてリアルでやりたいという声も増えている印象です。コロナ禍で、できていなかった分の反動もあるのではないかと思います。

― 企業イベントをリアル開催したいと悩んでいる担当者の方も多いと思います。ぜひ、メッセージをお願いします。

秋元

コンサートにおいては配信ではなく、リアル開催がコロナ禍前まで戻ってきている状況です。大きな要因としては、顧客がリアルを求めているということだと思います。一方通行の発信だけではなく、声援などによるレスポンスでエンゲージメントが深まることに価値があるとみなさん感じているからではないでしょうか。それはどのジャンルでも同じ気持ちなのではないかなと。企業イベントの担当者様もリアルでやりたいという気持ちはありつつも、まだ一歩踏み出しづらい部分もありますよね。

もっとリアル開催されるイベントが増えていくと、企業様もリアル開催に舵を切りやすくなるのではないでしょうか。配信だけでは来場者様とのコミュニケーションに限界があるので、今後はリアルイベントが開催できる環境がさらに整っていけばいいなと思っています。

佐藤

精神的な話になってしまうのですが、「Kアリーナ横浜」は、これまでの施設やエンターテイメント、MICEを作ってきた方々からしっかりと学び、さらにチャレンジしていこうと考えています。企業様が新しい取り組みをしてみたいと考えたときに、我々は全力でサポートし、共に良いものを作っていきたい。売上と利益だけじゃなく、双方のメリットが得られるような取り組みをしないと意味がないと思うんです。そこは一歩踏み出していただいて、一緒に作っていけたらと思っています。

普通のアリーナじゃありえないような壁紙だったり、トイレだったり。バックヤードも含め、かなりこだわり抜いた作りになっています。来ていただければ、必ずワクワクをお届けできる空間なので、ぜひ一度ご相談ください。

7階にある、横浜の美しい夜景が広がるバーラウンジ。Kアリーナ横浜へ訪れる方だけでなく、横浜を訪れるあらゆる方が利用できる。MICEに伴うパーティーでも利用可能。 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション
世界最大級のアリーナだからこそ素晴らしいライブ空間を実現できる 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

― 最近では、企業イベントには「SDGs(持続可能な開発目標)」の視点が求められつつあると聞きます。SDGsへの取り組みに関しても教えてください。

秋元
専門機材を保有することで持込みが減るので、運搬時に発生するトラック約10台分のCO2が削減できるのが貢献できるポイントの一つです。また、RE100基準の電力を導入し、イベントで使用する電力を再生可能エネルギーで調達することも予定されていますので、そこも注目いただけるポイントかなと思います。
佐藤
みなとみらいエリアは地域冷暖房を導入しているので、熱源設備の集中化による省エネルギー化も実現できます。また、雨水の活用もする予定です。
秋元
アーティストの中には、電力はクリーンエネルギーじゃないとやりたくないという方もいらっしゃいます。ステージ衣装もSDGsを意識した再生素材で作ったものを着る方も。個人の意識の差はありますが、少しずつ広がってきている印象はありますね。

横浜みなとみらい地域全体を巻き込んだ都市開発

街区名は「ミュージックテラス」。「Kアリーナ横浜」に訪れるゲストや地域の人々が集う新たな新名所に 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

― Kアリーナプロジェクトで新たな街ができあがりますが、この地域で実現したいことはありますか?

秋元
横浜みなとみらい21地区への観光来街者数は多いのですが、首都圏からの日帰り観光が中心で宿泊される割合が少ないというデータがあります。インターナショナルブランドのヒルトンを併設しているので、宿泊を伴うような企業イベントや国際会議などにもぜひ活用してもらいたいです。とにかく横浜地区に泊まっていただくことが大事なミッションの一つだと思っています。
佐藤
公演だけのために来場されるだけではなく、ミュージックテラスはもちろん、みなとみらいエリアをもっと楽しんでもらいたいですね。公演前後に飲食や観光を楽しんでいただく流れにできたらなと。
秋元
例えば、屋外広場で食フェスなどの催事を企画して、コンサート以外にも楽しんでいただける空間も作りたいですね。横浜市には赤レンガ倉庫や中華街といった観光名所も多いのですが、当施設から歩いて移動するにはちょっと距離があります。市内の移動手段についても地域・企業と連携して新たなモビリティサービスを生み出せるとうれしいです。
佐藤

これほどに音楽を中心とした会場が集積した街は世界的に見ても稀だと思いますので、横浜が「MUSIC CITY」として注目されていくことに期待しています。ベニュー同士も横浜市と連携して、「Music Port YOKOHAMA」という名称をつけてホームページも立ち上がっています。行政や周辺の施設と連携して、さまざまなイベントを仕掛けていけたらと。理想はサウス・バイ・サウスウエストのように、モビリティが連動した街を挙げたイベントの実現です。みなとみらいエリアを舞台にした世界的なイベントが開催されるような街になればと。

Kアリーナ横浜を通じて、これまでの興行やMICEのあり方が見直されて、新たな機会や価値をどんどん生み出していただけるようなお手伝いをしていきたいです。

「Kアリーナ横浜」の外観。現在も夜はロゴが点灯し、存在をアピールしている 写真提供:株式会社ケン・コーポレーション

まとめ

多くのコンサートや企業イベントが中止や無観客での開催となり、特に企業イベントは、開催すること自体のハードルが上がっている印象です。ただ、リアル開催でしか味わえない人と人とのつながりや、同じ空間で共有できることなど、メリットも多くあります。頻繁に開催できないからこそ、会場の利便性や演出なども重要です。ウィズコロナ、アフターコロナは、「リアル」「オンライン」「ハイブリッド」を戦略的に選択する時代です。またSDGsも企業イベントを実施するうえで外せない観点です。企業イベントを実施する施設選びも新たな時代に入ったと言えます。企業イベントをご検討の際は、横浜みなとみらいに誕生する「Kアリーナ横浜」を候補の一つに入れてみてはいかがでしょうか。


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