持続可能な世界を目指す国際的な目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)。企業にもSDGsへの取り組みが求められています。ここでは企業の取り組み強化や開始のヒントとして、企業として視察や体験ができる北海道のプログラムをご紹介します。北海道では過去環境配慮に関するサミットやシンポジウムが開催され、企業や市民による環境配慮活動等、SDGs達成に向けた先導的な取り組みが活発に実施されています。そんな北海道ならではの各体験プログラムは、「先導的な取り組みを見て、SDGsや環境配慮について考え、学べる機会」を提供します。
企業が持続可能な社会を目指す必要性
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。企業としてSDGsに取り組むことは、社会課題の解決につながるのはもちろんのこと、株主や顧客をはじめとした社会的評価や企業のブランドイメージ向上にもつながります。SDGsの取り組みは、社会貢献であると同時に、企業にとって新たな挑戦であり、成長機会ともなり得るのです。
企業のSDGsの取り組みの中で、注目を集めている1つが、「脱炭素」です。「脱炭素」とは地球温暖化の原因として代表的な温室効果ガスであるCO₂(二酸化炭素)などの排出量をゼロにしようという取り組みのことで、SDGsの17の目標のうち、SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連しています。日本全体として2050年度までのカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を目指す中、企業にも「脱炭素」として、CO₂を排出しないクリーンな再生エネルギーの使用の割合を増やすことが求められています。JTBグループも、カーボンオフセットの仕組みを取り入れた商品「CO₂ゼロ旅行®」や「CO₂ゼロMICE™」、そして企業の出張時のCO₂排出量を可視化して改善する管理サービスとして「ESG-BTM」の提供を開始しています。
先導的な取り組みが進む北海道に注目!
環境省の発表によると、北海道の潜在的な再生エネルギーの資源量(都道府県別)は、風力、太陽光、小水力でいずれも1位、地熱でも3位と、日本全国の中で突出しています。今後は海上風力エネルギーの拡大も見込まれ、蓄電技術の向上も研究されています。
また北海道は、環境配慮に関するサミットやシンポジウムが何度も開催されている地でもあります。2023年2月には層雲峡と洞爺湖で「G7ゼロカーボンミーティング」という「脱炭素」に関するシンポジウムが開催され、2023年4月には札幌で「G7気候・エネルギー・環境大臣会合」が開かれました。札幌市では、2008年に開催されたG8北海道洞爺湖サミットをきっかけとして、市民や企業による環境配慮の活動や会議運営が浸透し、持続可能な社会を目指す国際的な目標であるSDGs達成に向けて先導的に取り組んでいます。
北海道の環境配慮プログラムをご紹介
このように環境配慮について先導的な取り組みが進む北海道。ここからは企業として視察や体験ができる北海道のプログラムをご紹介します。貴社の各種旅行や研修などに組み込み、実際に体験されるのはいかがでしょうか。旅行先での体験は、参加者の五感に響き、強く印象に残るものです。企業としての新たな試みとなると同時に、環境配慮に対する従業員の意識改革も期待できます。
01 鹿追町環境保全センターバイオガスプラントの視察
バイオガスプラントは、家畜ふん尿や生ゴミといった再生可能エネルギーの一つであるバイオマスが、微生物によって分解されることで発生するバイオガスを製造・収集する施設です。バイオガスはメタン60%、二酸化炭素40%と水分、わずかな硫化水素を含んでおり、主に燃料として利用されます。電気や温水、蒸気などの熱エネルギーを施設内で使用する他に、余剰分の電力は売電しています。
「鹿追町環境保全センター」は、国内最大規模となる2基の資源循環型バイオガスプラントを保有しており、視察の受入れを行っております。酪農王国北海道ならではの取り組みを学ぶことができます。
詳しくはこちら
鹿追町環境保全センターバイオガスプラント(鹿追町公式サイト)
所要時間:60~90分/対応可能人数:最大40名
02 弟子屈町「エコツーリズム大賞」受賞 アトサヌプリトレッキングツアー
環境省が実施する、エコツーリズムを実践する地域や事業者の優れた取り組みを表彰する「エコツーリズム大賞」。その「第18回エコツーリズム大賞」にて最優秀賞である「大賞」を受賞したツアーです。
受賞理由は、従来からの資源保全と安全管理の取り組みと併せて、特定自然観光資源の指定を行い、人数制限とガイド認定制度の連携の仕組みを整備したこと、利用者に特別な体験を提供するための資源の活用と管理の先進事例として、他の模範となる仕組みづくりを行ったことです。
「アトサヌプリ(硫黄山)」はアイヌ語で「裸の山」を意味しています。その名の通り、強い酸性土壌で、硫化水素にさらされていることから山肌では木々は育たず、今なお噴気を上げている活火山です。このような大地の鼓動を感じる場所を、ガイドの解説を聞きながら歩く、貴重な体験です。
エコツーリズムに実際に参加することは、環境配慮と事業の両立や持続可能性について考える機会になることでしょう。
所要時間:180分/対応可能人数:6名(ガイド1名に付き6名迄)
03 富良野空知川ボートで下りながらSDGsを学ぶツアー
ラフティングボートで、北海道の中心に位置する富良野市を流れる空知川を下りながら、環境問題やSDGsについて考えるプログラムです。河原で水の環境教育も行い、北海道らしい自然の中で主体的な体験活動をしながら、SDGsについての気付きを得られます。夏期間は、ご希望の場合は川で泳ぐことも可能です。
詳しくはこちら
2023年度上期「日本の旬」パンフレット(JTB公式サイト)
所要時間:約120分(2時間)~150分(2時間30分)/対応可能人数:40名
04 帯広「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 十勝バスの企業視察 ※JTB限定
帯広市に本社を置く十勝バス(株)は使用済みの天ぷら油を燃料にして、路線バスを運行しています。路線バスの車内に回収ボックスを設置し、てんぷら油などの廃食油をペットボトルまたはプラスチック製の容器に入れて回収し、環境にやさしいバイオディーゼル燃料にリサイクルして、バスの燃料にしています。環境にやさしいバスを利用した、地球温暖化防止、CO2削減につながる取り組みです。
そして十勝バスは、2021年「第11回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で地方創生大臣賞を受賞しました。地方で営業する路線バスの苦戦が続く中、2011年度の利用者が40年ぶりに増加。その背景には高齢化により移動や買い物が困難な方に対して公共交通機関の活用を促すなどの地道な営業活動がありました。JTB限定の企業視察プログラムでは、地域活性化に取り組んだ十勝バスについて知ることができます。地域活性化はSDGsの17の目標のうち、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」等に関連しています。
環境配慮や地域活性化に対する取り組みを実践している企業の視察は、SDGsの取り組みの大きなヒントとなることでしょう。
詳しくはこちら
2023年度上期「日本の旬」パンフレット(JTB公式サイト)
所要時間:約60分/対応可能人数:30名
こんな環境配慮実践の方法も!
JTBでは、個人旅行(募集型企画旅行)にお申し込みいただいたお客様に対し、「旅の過ごし方」としてマグカップを持参すると、道内各地の指定のお店で試飲や試食が無料で楽しめるというサステナブルな取り組みを実施中です。北海道各地の周遊観光を楽しみながら「エコ活動」に貢献することができます。是非とも出張やプライベート旅行で併せてご利用ください。
サステナブルな旅を応援「エコカップでトリップ」
まとめ
今回は、企業のSDGsの取り組みのヒントとして、企業が視察や体験をすることができる北海道のプログラムをご紹介しました。食や遊びなど、魅力的な観光資源が豊富であり、かつ環境配慮について先導的な取り組みがされている北海道。貴社の各種ご旅行や研修の旅程に、これらのプログラムを組み込み、楽しみながらもSDGsについて「見る、学ぶ、考える」機会にしてみてはいかがでしょうか。
関連情報
北海道の魅力を再発見 「日本の旬」北海道
「日本の旬」 は、JTBグループが実施している国内観光地活性化を目的とした取り組みで、2023年上期の方面は北海道です。「日本の旬」は、「日本の魅力の再発見」をテーマに、地域の「旬」の魅力に着目し、「旅行」を通じてより多くの方に現地の魅力を感じていただくことで、国内観光地活性化への貢献を目指しています。
アドベンチャートラベルやわくわくする「見る・食べる・遊ぶ」の体験プランなど、「旬」&お得な情報をお客様にご提供します。是非、旅の検討にご活用ください。
- #ThinkTrunk 2022年10月 東京横浜
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- #ThinkTrunk 2022年6月 四国
- https://www.jtbbwt.com/business/trend/detail/id=2211