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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 人事担当者必見!「いまどきの大卒新卒者」内定辞退・早期離職の防止の要諦とは? 取り組み施策も紹介

2024.06.28
アウトソーシング・ 業務委託(BPO)
HR(Human Resources)
人材・組織力強化

新卒採用において内定辞退や早期離職はコストや時間の浪費となるため、人事担当者としてなるべく避けたい事態。そのためにもまず、学生や新卒者が何を求めているのか理解し、対策を講じることが必要です。しかし、多くの業務から、なかなか取り組みを強化できない人事担当者もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では有識者へのインタビューとともに、学生対象に実施をした意識調査の結果、そして内定辞退・早期離職の理由と傾向についても実例を踏まえて紹介します。

記事の最後では、サービス資料「人事アウトソーシング」も紹介しています。ぜひ、ご一読ください。

有識者インタビュー ~内定辞退や早期離職の要因とは?~

新卒者が入社後、3年以内に離職する割合は大体20~40%と言われています。この数値は過去30年間で大きく変わっておらず、企業の人事担当者の中には「どんなにサポートしても、やめる者はやめる」と達観しているケースもあります。しかし少子高齢化が進み、若年層の戦力自体が貴重となってきている中、離脱者を1人でも減らすことがより重要になってきています。本記事では、総合情報サービス企業・日本総合研究所で「働き方」を専門とする研究員・小島明子氏にお話を伺いました。

お話を伺った方

プロフィール

株式会社日本総合研究所創発戦略センター
スペシャリスト
小島 明子 氏

日本女子大学文学部卒、早稲田大学大学院商学研究科修了(経営管理修士)。働き方に関する調査研究や商品開発等に従事。著書に『中高年男性の働き方の未来』(金融財政事情研究会、2022年)、『「わたし」のための金融リテラシー』(共著)(金融財政事情研究会、2020年)、『女性発の働き方改革で男性も変わる、企業も変わる』(経営書院、2018年)、『協同労働入門』(共著)(経営書院、2022年)。CFP認定者、ファイナンシャル・プランニング技能士1級、国家資格キャリアコンサルタント保有。

「ワークライフバランス」と「キャリア」の実現を重視

――近年の若者は、仕事に対して、どのような価値観を持っている人が多いですか?

近年の若者は「仕事と家庭を両立できる仕事」を求める傾向にあります。またやりがいを重視し、培ってきた能力を生かしながら自分自身の成長につなげていきたい、興味や好奇心を追求して働きたいという意欲が強くみられます。「給与もそれなりにほしい」と考えてはいますが「出世・昇進のために働きたい」、「プライベートよりも仕事を優先して働きたい」という意欲それほど強くありません。

実際に大学生の現状について、企業の人事関係者などにお話を伺うと、高校時代から「キャリア」を考える教育を受けてきた上で入社されるといいます。そのため就職活動時には、キャリアの方向性がすでに定まっている学生が多いようです。また、昨今の若者は2016年4月から施行された「女性活躍推進法」等など、企業がワークライフバランス支援制度を充実させることを求められていることを知っています。

自身が思い描く「キャリア」と「ワークライフバランス」を実現できる企業かどうか。これは、企業選定の際に多くの学生が重視する点です。

立派なキャリアプランも「ひとりでは実現できない」と知っている

――キャリアに対する意識はどうでしょうか?

ここで私たちが2022年に実施した『2022若者の意識調査』から、キャリア意識に関するデータを見ていきましょう。

【図表1】現在のキャリア意識(単一選択)
出所:株式会社日本総合研究所『2022若者の意識調査』より作成

大学生に現在のキャリア意識を尋ねたところ、「自分の能力やスキルを生かすために働くことが重要」、「自己成長のために働くことが重要」という意見が多い中、「他の人と協力して楽しく働くことが重要」と考える傾向にあることが分かります。

【図表2】就職したい企業や団体の条件(1位)
出所:株式会社日本総合研究所『2022若者の意識調査』より作成

また「就職したい企業や団体の条件」について尋ねたところ、最多は「人間関係が良い」でした。いくら立派なキャリアプランがあったとしても、仕事は周囲の人たちと一緒にやっていくことですし、良い人間関係が良い仕事を行っていく上では大切であることをしっかりと理解しているのだと思います。「自分さえ良ければ」という個人主義を貫くのではなく、「周囲と楽しくやっていく」ことを望んでいる。つまり昨今の学生は「人間関係」も会社選びの重要な基準のひとつになっているのです。

ステージごとに覚える「違和感」が離脱へとつながる

――新卒者と企業の間には、会社説明会をはじめ、インターンシップ、採用面接、内定者向けイベント、内定式、入社式、新入社員研修とさまざまな接点があります。多くの接点がある中で、それぞれのステージによって、内定辞退や早期離職の要因に違いはあるのでしょうか?

内定式よりも前の段階では、他企業の選考が残っていたり、そもそも就職か進学を迷っていたりと、企業側がコントロールできない(内定辞退につながる)外的要因があります。それについては対策のしようがありません。

しかし内定式後、会社との接触機会が増える中で、その会社の雰囲気であったり、制度であったり、一緒に働くだろう同僚や上司であったり、「自分がこの会社で働いたら」というイメージが徐々に具体的になっていきます。その中で自身が思い描くキャリアとの方向性が異なることがあると内定辞退につながりやすくなるのではないでしょうか。

また入社式前後には多くの企業で所属が決まります。ひと昔前は希望しない部署や赴任先であっても「まずは経験」と受け入れていましたが、近年はそのようにいきません。感情的に拒否するのではなく「自分が思い描いているキャリアプランと異なる」「ワークライフバランスを実現できない」などと判断し離脱するケースも見られます。悪くいえば、少々頭でっかちな傾向にあるといえるかもしれません。

新卒採用に不利であっても「正確に情報を伝える」ことが重要

――新卒採用に不利になったとしても「正確に情報を伝える」とはどういうことでしょうか?

時代によって働くうえでの価値観は変わりますが、「自分が思い描いていたものとは違う」という違和感が内定辞退や早期離職につながることは今も昔も変わりません。

特に昨今は簡単に情報を得られる社会だからこそ、企業はしっかりと情報開示することが重要だと思います。いまは統合報告書やサステナビリティレポートなどで、企業の働き方に関する情報開示を積極的に行う企業もありますが、働き方に関する取組みが十分に進んでいない場合、積極的に情報開示はしづらい企業もあると思います。しかし会社への理解が深まるなかで実態を知り、結局は離脱へとつながるのであれば、しっかりと情報を開示する努力はすべきだと考えます。

情報開示において、学生の志向に合わせる必要はありません。実態とかけ離れた情報開示はいずれ違和感を持つようになります。正確な情報を届けることに尽きるのです。

――情報開示のほかに、重要なことはありますか?

情報開示とは別に、内定や就職後のリアルなコミュニケーションについても真剣に考えておく必要があります。人間関係が煩わしく感じてしまう内定者が一定程度はいると思いますが、定着率の高い企業であれば“同期の絆”が重視される傾向にあり、関係を深める場を企画・提供することはプラスにつながると考えます。

企業風土によって最適なコミュニケーションの形がありますが、共通していえるのはそのコミュニケーションが「意見を言いやすい環境かどうか」ということ。近年の若者が求める「同僚や先輩との協調関係」や「良好な人間関係」は、円満なコミュニケーションによって構築されます。引っ込み思案な若者であっても、少ないながらも自分から言葉を口にする。そんなコミュニケーションの場が企画・提供できれば、離職率低下につながるかもしれません。

実例に見る内定辞退・早期離職防止の要諦とは?

ワークライフバランスや自身のキャリアの実現に対し、明確なビジョンを持ち、また人間関係を重んじる昨今の若者。内定辞退や早期離職を防止するための要諦とは何か、企業は何をすべきか。株式会社JTBで企業の新卒採用サポート事業を推進する担当者から実例を交えて紹介します。

01早期離脱を防止には「企業側の自社分析」が不可欠

――企業担当者からは、どのような相談が多く寄せられていますか?

最近、増えているのは「内定を出した人材をいかに取りこぼすことなく入社してもらうか」というご相談です。昨今の学生は複数の内々定を獲得するケースが多く、いかに入社への意識を高め、最終的に選んでもらうか。また入社までに気持ちを盛り上げていくかということが企業の課題です。

――取り組みに成功している企業に共通点はありますか?

ここで重要なのは「内定辞退者を減らすための万能薬はない」ということです。成功している企業は、内定辞退の理由を自社でしっかり分析されています。例えば、自社が“選ばれない”理由が明確であれば、その誤解やマイナスイメージを払拭するための手を打ちます。逆に、自社が“選ばれる”理由が明確であれば、より多くの内定者に、それを伝播する手を打つことが有効に働きます。JTBは、そのような企業の『想い』や『メッセージ』を、内定者にきちんと届けるためのコミュニケーションのあり方を一緒に考えることができます。

――具体的にはどのような施策が行われていますか?

取り組みとしては、まずは内定後です。「チームビルディング」をして内定者同士のつながりや共通点、価値観を共有、次に自社へのエンゲージメントを持たせながら、入社前に「入社後のモチベーション(目標ややる気)」を添える。そうすると内定辞退防止につながるだけでなく、入社後の早期離職防止の効果もあると考えています。また内定式や入社式などの式典は、内定者と会社との関係が深まる絶好の機会です。一生に一度の機会だからこそ、企業側はその1回を大切に執り行う必要があります。

また、昨今の新卒者は明確なキャリアをもって入社する傾向にあります。しかし企業側としては、入社後すぐには希望部署に配属させられないなどの事情があり齟齬が生じてしまう。そこで最近、増えているのが、入社式でキャリアを考える時間を設けるケースです。「将来的にやりたい仕事ができる」というビジョンを明確にすることで、早期離職者が減っていると聞いています。

02人事担当者が本当に取り組むべきこととは?

――取り組むべきことは数多くありますが、人事担当者は何に注力すべきだと考えますか?

人事担当者がするべきこと、それは「企業が入社してほしい新卒者に対して、どんなメッセージを出し、どうコミュニケーションをとるか?」という視点だと思います。企業を認知し、選定をするためにどのタイミングでどんなコミュニケーションを取ったらよいのか?その1つ1つの工程を大切に取扱することです。ただし、1つ1つの工程を設計していくためにも人事担当者の業務が多忙になっているため、外部の力を借りて実践することをお薦めします。

弊社では、採用プロセスに関わる運営業務を(マニュアル作成、書類対応、複数チャネル問い合わせ、イベント運営、式典準備)請け負い、少しでも人事担当者の皆さんが上記業務に時間を注げるような体制を作ることができます。

また入社後の新卒者研修においても、マナー研修など、プログラムの企画・提供も行っています。これまで培ってきた弊社の企画力・運営力を生かして、内定者同士の人間関係を深めたり、入社予定先の職場の雰囲気を知ることができるリアルな場を企画・運営するなど、入社への機運を醸成するサポートを行っています。ぜひ、お気軽にご相談いただきたいと思います。


まとめ

「辞めたら代わりを雇えばよい」という時代でなくなった現代において、内定辞退と早期離職は真剣に取り組まなければならない課題のひとつです。新卒者の離職率が20~40%と言われる中、少子高齢化が進む現状では、離脱者を減らすことがより重要になってきています。そのためには、「学生や新卒者が何を求めているのか」「なぜ、内定を辞退したのか」自社分析が非常に大切です。そのうえで、施策を講じていきます。

しかし、多くの業務から、なかなか取り組みを強化できない人事担当者もいらっしゃると思います。そのような皆様にサービス資料「人事アウトソーシング」を紹介します。アウトソースを活用することで負担を軽減し、本来集中すべき、自社分析やコミュニケーション戦略の立案に集中できる環境をづくりをお手伝いします。またそれだけではなく、立案や施策実施もサポートします。お気軽にお問い合わせください。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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