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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 SDGsにはこう取り組む!産官学連携イベントが社内理解促進のきっかけに!

2021.07.14
HR(Human Resources)
人材・組織力強化
従業員満足(ES)向上
サステナブル

企業において、サステナビリティ(SDGs、ESG)への取り組みは経営の根幹になりつつあります。日経リサーチの「SDGs経営調査」(2021年3月18日付)によれば、SDGsへの取り組みが先進的な企業においては「社会課題解決の視点から既存製品・サービス(事業活動)を改良した/新たな製品・サービスを開発した/新たな事業を創造したと回答した企業は半数以上」という結果が公表されています。また、SDGsに取り組む企業の人事・総務などの担当者は、「従業員の育成や従業員満足度の向上につながっている」という実感をお持ちの方も多いようです。

「SDGsへの取り組みは急務であるし、様々な価値の創出ができることもわかる。しかし具体的にどのように導入・推進していけばよいのか……」と、SDGsに取り組む価値=社内理解促進・意識向上の明確化などに課題感をお持ちの企業は多いかもしれません。そこで今回は“環境先進企業”を掲げる株式会社ホンダロック(本社・宮崎市)の、SDGsへの取り組みと、その一環となった高校生・大学生・自治体との産官学連携イベント「MIYAZAKI SDGs ACTION」への参加目的、実施効果などをご紹介します。

SDGsへの取り組み目的と課題

宮崎市に本社を置く、Hondaグループのキーロックメーカー、(株)ホンダロック 管理本部 小野真吾氏(人事・総務部 総務領域担当部長)に、同社のサステナビリティ(SDGs、ESG)に関する取り組みなどについてうかがいました。

小野 真吾 氏

小野 真吾 氏

(株)ホンダロック 管理本部 人事・総務部 総務領域担当部長

「3カ年事業計画」に基づくサステナビリティ(ESG)への注力

当社では「(全社の)3カ年の事業計画」に基づき、ESG(Environment/Social/Governance)の、それぞれの領域において「3カ年の目標」を設定しています。E領域はCO2・水・廃棄物の削減、S領域は従業員の働きがい醸成および地域貢献活動の強化、G領域は重大コンプライアンス違反ゼロです。

数年前までは企業の永続的発展の観点から、リスクマネジメント活動(G領域)を中心に取り組んでいました。しかし現在は、環境目標を定めて取り組んでいたE領域を全社の事業計画に織り込み、S領域として“企業を支える従業員と地域社会にフォーカスした取り組み”も強化しています。もともと当社では、創業以来「地域共生」というフィロソフィーのもと、清掃活動をはじめとする様々な地域貢献活動を積極的に行ってきました。しかし近年は、そうした活動のマンネリ化が懸念され、また「一社単独による活動の限界」を感じていました。それを払拭するには、もう一度地域の声に耳を傾けることや、例えば学校・教育機関や自治体、あるいは他社と連携して地域社会・地域経済活性化に貢献していくことが必要と考えるに至りました。

SDGsへの取り組みの突破口

当社ではサステナビリティ(=ESG)については積極的に取り組んできましたが、SDGsについての理解や社内浸透度はまだまだこれからだと思っています。SDGsの17のゴール169のターゲットのどこに設定するのか、設定の必要性から検討していく段階といったところです。SDGsを推進していくにあたって、より拡張性を持たせた展開とするために学校や自治体、他社との連携を検討してみたいと考えていたところ、JTB宮崎支店から、学校と企業が協働してSDGsについて探究する「MIYAZAKI SDGs ACTION」というイベントが開催されると案内をいただきました。当社の地域貢献活動に新たな活路を見出せるのではという期待で、同イベントへの参加を決めた次第です。

「MIYAZAKI SDGs ACTION」とは? 

企業、高校生、大学生が協働し、SDGsをテーマに、解決したい「地域課題」を設定し、情報収集・整理・分析し、プレゼンテーションするもの。

プロジェクトの概要やプレゼンテーションの動画は、下記よりご覧ください。

取り組みのポイント

「MIYAZAKI SDGs ACTION」には、総務課と人財開発課から合計6名が参加しました。宮崎日本大学高等学校の生徒、宮崎大学の学生とチームを組み、「2030年までにありたい未来(社会・宮崎)」についてチームの目標を決め、それを実現するためのチームの強み(資源)やボトルネック(課題)の洗い出し、具体的なアクションプラン、そのアクションの波及効果などについて、約3カ月間、オンラインミーティングを中心に議論を重ね、イベント当日にチームメンバー全員でプレゼンテーションを行いました。

当社がこれまで行ってきた地域貢献/社会貢献活動には、ボランティアの位置付けの活動もあります。しかしこのイベントに参加するにあたっては、「地域貢献/社会貢献活動は仕事の一環であり、私たちの使命である」という前提で開始。確かに業務が忙しい時期ではありましたが、各メンバー「これは仕事の一環」という気持ちで参加していたので、取り組み姿勢・意欲は従来の活動とは格段に異なり、学生の皆さんと真剣に議論し、時には楽しみながら臨んでいたようです。

このイベントへの参加目的は明確で、“従業員やそのご家族が誇れる会社にすること”です。SDGsに積極的に取り組み、その活動が社内外に広く認知されることで、従業員のエンゲージメント向上につなげていくことが最大の目的。当社の場合、地域共生は創業以来のフィロソフィーですから、経営者の理解はあるものの、リソース投下においては事業活動同様、費用対効果の観点が重要です。実際、活動推進にあたっては最大効果を発揮できるよう、効率性を考慮した活動を展開してきました。この「MIYAZAKI SDGs ACTION」で創出した取り組みは今後も継続していきますが、「最終的に何ができたのか(成果は何か)」ということを経営層に理解してもらいやすいよう、目に見える形(成果物)にしていくことが必要と考えています。

(株)ホンダロックと高校生・大学生チームによる「ゴミ拾い活動のバトンをつなぐ(そして、つながる)」

取り組み後の気づき

 

「MIYAZAKI SDGs ACTION」で、宮崎日大高校の生徒、宮崎大学の学生とチームを組んだ(株)ホンダロックの従業員、および他参加企業15社の取り組み後の気づきを抜粋してご紹介します。

  • 学生との協働は、従業員にとってエンゲージメントを高める機会となった。
  • 私たちの事業活動が素晴らしいものであることを、地域にも認知してほしいと強く感じるようになった。
  • 学生と一緒に学ぶ機会は学生のためだけでなく、社会人である自分たち自身が成長できる機会だった。人材育成や人材開発の観点から、こうした協働の機会が必要だと感じた。
  • 高校生の率直な疑問から、私たちは「何を目的に何を行っていくべきか」という企業の社会的責任について再認識する機会となった。
  • 私たちは何のために働いているのか―人のため、地域のため、社会のために働くのだ―ということにたどりつけた。
  • 高校生や大学生のSDGsへの理解が社会人よりも断然高く、地域の現在・未来を一生懸命考えている。「大人も頑張っていかねば!」と励まされた。
  • 宮崎の地域経済活性化に貢献できる企業でありたいと感じた。
  • 企業見学など一方通行になりがちな活動ではなく、学生と双方向の対話ができた価値は大きい。

(株)ホンダロックのSDGs-今後の展開

最後に、同社が今後、SDGsにどのように取り組んでいくのか、小野氏にうかがいました。

「MIYAZAKI SDGs ACTION」に参加した従業員は、関連するニュース記事を注視したり、プラスチックゴミの再利用を積極的に心がけるなど、普段の生活の中でSDGsを意識する場面が多くなったようです。今後、この意識をいかに広げていくかが重要であり、そのためには座学にとどまらず、“実際の経験”を積んでいく必要があるでしょう。そのためにも、地域貢献/社会貢献活動への参加機会を、これまで以上に増やしていきたいと思っています。

企業は積極的に、「サステナビリティ」、「ESG」、「SDGs」に取り組んでいかなければなりませんが、それらが従業員にとって“やらされ感”とならない仕掛けが必要と思います。また、その活動を持続させていくには、企業として何らかのメリットがあるWin-Winの活動であることも大事。今後はそうした観点をもって、活動方法を検討していきたいと考えています。実は先ごろ、「MIYAZAKI SDGs ACTION」のプレゼンテーションを見てくださったJT様(日本たばこ産業(株))の担当の方から、「何か一緒にできませんか」というご連絡をいただきました。具体的な目標(ゴール)は決まっていないものの、『まずは何か一緒にできることをやりましょう』と。美化活動への取り組みや、JT様のバレーボールチーム+当社サッカー部というスポーツ繋がりで、何か協働できることはないかと検討を始めたところです。宮崎県内の高校・大学とのチームビルディングはもちろん、このイベントをきっかけに他社とのつながりも生まれつつあることは、喜ばしい成果です。

SDGsの取り組みについては、『いいことを最初からやろう』と思うのではなく、『まずはやってみる』。そして、やってみたことを発信する。そこから、新たなつながりが生まれ、新たな取り組みもできるようになる。このような活動を続けていくことがSDGsへの貢献であり、世の中を変えるきっかけになるのではないかと、私は考えます。(小野氏)


まとめ

SDGsへの取り組みは、自社の企業価値向上や競争力強化(新規ビジネス、商品アイデア創発、地域貢献、採用PR、社員教育など)につながっていきます。その取り組みを推進する方法として、社内研修や自社での地域貢献活動も有効ですが、さらなる“拡がり”、“社内理解の促進”には、「MIYAZAKI SDGs ACTION」のような、地域一丸となれる産官学連携イベントの活用も有効です。地域の多様なステークホルダーと共にSDGsを推進することが、企業自体のCSV(共有価値の創造)にもつながっていくのではないでしょうか。


【動画】MIYAZAKI SDGs ACTION 2020 

~行動の10年 私たちにできること~

準備段階から当日のプレゼンテーションまで、各チームの取り組みの様子を動画でご覧いただけます。宮崎の高校生・大学生・社会人が協働して、どのように地域課題を探究したのか?ぜひこちらもご覧ください。


ホワイトペーパー(お役立ち資料) 「産官学連携イベントは、いかにして実現したのか?」

産官学連携プロジェクト「MIYAZAKI SDGs ACTION」の第1回イベントに至るまでの経緯と、このイベントが宮崎県内の企業、高校、大学、自治体それぞれにどんなメリットをもたらしたかを、各参加体のキーパーソンに聞きました。SDGsへの取り組み方のヒントが詰まった資料は下記よりダウンロードいただけます。


ホワイトペーパー(お役立ち資料) SDGsでつながる ~持続的な企業成長のために~

企業と世界をつなぐ未来志向の「共通言語」、それが「SDGs」です。SDGs実現のためには、企業の参加が必要不可欠です。ここ数年で日本でも注目されつつあるESG投資の流れからも、持続的な企業価値の向上、企業成長には、SDGsの視点は必須です。貴社ではどのような取り組みをされていますか?SDGsの取り組みを検討されている皆さまへ、ヒントをお届けします。

INDEX

  1. SDGsとは?
  2. JTBの取組紹介
  3. JTBのSDGsソリューション

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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