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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 サーベイフィードバックで組織変革を加速!経営層と従業員の距離を縮めた成功事例を紹介

2021.08.20
HR(Human Resources)
従業員満足(ES)向上
人材・組織力強化
生産性向上

今回は、関西で釣具・ルアー用品大型専門店を運営する株式会社フィッシングマックス様を取材。同社が取り組んだ、組織変革の事例をお届けします。「経営層と従業員との距離感を感じていて風通しがいまいち」「働き方改革を推進したいが何から手をつけていいか迷っている」という総務人事の皆さまへ、サーベイフィードバックによるエンゲージメント向上と人財育成の手法について紹介します。

 

フィッシングマックス

企業紹介

企業名
株式会社フィッシングマックス
企業サイト
https://fishingmax.co.jp/
所在地
兵庫県芦屋市平田町1-41
従業員数
310名
株式会社フィッシングマックス

釣具・ルアー用品大型専門店「フィッシングマックス」のチェーン展開を行っている。関西に11店舗とWebショップを展開。旬な情報発信、最適な商品の提案、入門者やファミリー層にもわかりやすいお店づくりをさらに進め、経営理念である「常にお客様に最適なフィッシングライフを提案し、豊かで健全な趣味である釣りにかかわる情報・ツール・ベイトを提供することを使命とする」釣具店を目指し続けている。

吉崎 裕久 氏

取材に応じてくださった方

吉崎 裕久 氏

株式会社フィッシングマックス 取締役管理部長

サーベイフィードバックとは

サーベイフィードバックとは、組織開発で用いられる手法の一つで、組織やチームをスムーズに動かすことに組織調査(サーベイ)を用い、そこでわかった現状から次に何をするのかを決めていくというものです。ブラックボックス化しやすい組織の内情を「見える化」する有効な手段がサーベイ(組織調査)であり、サーベイを行うことで組織の現状や課題を洗い出します。続いてサーベイで出てきた課題に対し、フィードバックを通して対話を行い、組織の未来を社員とともに作っていく。このように「サーベイ」+「フィードバック」を行うことで、組織の課題を解決できたり、メンバー間の関係性が良好になったり、生産性や創造性が高まるのがサーベイフィードバックのメリットです。

創立50周年を節目に組織改革の必要性を痛感

株式会社フィッシングマックス 取締役管理部長 吉崎裕久氏に、同社のサーベイフィードバックの取り組みについてお話を伺いました。同社がサーベイフィードバックに取り組もうと思ったきっかけや組織改革支援システムによる社員エンゲージメントの可視化、可視化された課題を改善するための取り組みを紹介します。

組織変革のきっかけとは

― 株式会社フィッシングマックス様が、組織変革に取り組まれたきっかけについて教えてください。

吉崎氏

創業者による強いトップダウンの経営スタイルにより、会社の雰囲気はあまり良好とは言えない状態が長く続いていました。残業が多かったり、お店全員のチームワークで仕事をするのではなく、個人で解決を図っていくという風土に慣れてしまい、社員のモチベーションは低下していたのです。

インナーブランディングの活動不足により自社に対する理解が足りず、自社の企業ブランドが社員に浸透していないという課題も抱えていました。社員にとっていい制度があっても、残念ながら社員たちはほとんど知りません。自社のよさを理解していないため、会社で働く価値を感じていなかったんですね。社員一人ひとりを見ると心から釣りを愛し、お客様目線でサービスを提供できる素晴らしい人財ばかりでした。しかし属人的な仕事のやり方や、閉店後も店内でメリハリなく残業を続けてしてしまう働き方に慣れきってしまっていました。

「経営方針を変えないとダメだ」いう声が社内で高まり、4年ほど前に経営陣も交代。その後、一度引退した現社長に戻ってきていただき、改めて組織変革を行おうと一致団結しました。2017年に社内改革マニュフェストを発表し、2018年には経営理念を策定。改革を掲げて、「さあ、これから当社は変わっていくぞ!」と宣言をしました。

サーベイによるモチベーションの可視化で組織課題の洗い出しを

― 50周年を機に企画したイベントには、どんな背景があったのでしょうか。

吉崎氏

2019年に当社は創立50周年を迎えました。節目として何か社員の思い出に残るようなイベントをしたいと考え国内旅行を企画しましたが、社内アンケートで6割の社員が参加に否定的でした。それでも、何かやりたいと諦めきれずJTBさんに相談したら「有名テーマパークでパーティーをやるプランがあります」と提案をいただいたんです。確かにそこで周年記念パーティーをやったら記憶に残りそうだなと。そこをきっかけにみんなの士気を高められたらいいなと思いました。

さらに、この周年記念パーティーをきっかけに、何か組織変革につながる取り組みをしたいと考えました。そこでJTBさんから提案されたのが組織改革支援システム「WILL CANVAS」でした。それまで、他社のサービスで一部の社員の意識調査を行ったことはありますが、「WILL CANVAS」のように全社員を対象にしたモチベーション診断の取り組みはありませんでした。

私自身は、社員のモチベーションの可視化に興味を持っていたんですが、幹部の中には「よくない診断結果が出るんじゃないか」と否定的な見方をする人もいました。しかし、当社が抱える課題の洗い出しと、社員がどういう想いで働いているのかを知ることが重要だと直訴し、システム導入を決定しました。

創立50周年記念パーティー
50周年を変革のタイミングと捉え、2020年に開催した周年記念パーティーの様子

エンゲージメント向上を目的に取り組んだ施策と成果

― 実際に「WILL CANVAS」を導入してみて、どのような気づきや発見がありましたか?

吉崎氏

第1回目の調査では、企業風土スコアが平均値よりも全体的に低く、特に「エンゲージメント」スコアが低いという結果が判明し、当社が抱えている課題が浮き彫りになりました。自由記入欄にも、報酬面や待遇面について辛辣なコメントが寄せられていましたね。また、自社に対してよくない印象を持っていることもわかりました。こうした、社員1人ひとりの言葉を受け止めて、「できることから変えていこう」と思い、行動することにしたんです。

― 具体的にどのような取り組みを行い、社員にどのような変化が起きたのでしょうか?

吉崎氏

まずは認識のズレを修正するため、当社が素晴らしい会社であることを理解してもらい、感謝の気持ちを持って働いてほしいと思いました。当社の経営状態がいかによく、小売り業界全体と比べても、待遇や報酬は見劣りしないということを当社の業績に関する数字をオープンにしながら説明していきました。

また、各店舗が抱える課題を店長と徹底的に話し合うため、経営トップ自ら各店舗をまわり、密にコミュニケーションを取ることを心がけました。店舗ごとに縦割りとなってしまった仕組みを見直し、店長から意識を変えてもらおうと働きかけを行ったんです。ある店舗では、無駄な残業をしなくて済むよう店長と話し合い、店舗スタッフ全員で工夫してもらうことで、「みんなで働き方改革を行えば、理想の働き方は実現できる」ということを実感してもらいました。逐一現場に出向き、店長と調査結果であるエンゲージメントスコアを一緒に見ながら、「こんなふうに変えていこう」と共通認識を持ちました。エンゲージメントスコアはお店ごとに特徴が出ていました。課題もお店によってまったく違うということの表れですね。こうした取り組みを1年かけて行い、少しずつ現場の働き方に変化が生まれました。その結果、社員の自社への見方も変化し「フィッシングマックスって働きがいのある素晴らしい会社」という意識が芽生えてきたように思います。

改革実行後にスコアが劇的にアップ!

吉崎氏

各店舗での取り組みの結果、課題が少しずつ改善されてきたと変化を感じたのが2回目の「WILL CANVAS」の調査結果です。あれだけ低かったエンゲージメントスコアが、劇的にアップしていて驚きました。アンケートの自由記入欄には、「この会社を100年続けていきたい」「従業員の声を聴こうとする会社の姿勢が感じられた」「周年イベントをやってくれたことが嬉しかった」という声が寄せられ、社員の意識が確実に変わってきていることを実感しましたね。

 

エンゲージメントスコアの比較

さらにエンゲージメント向上を目指し、オンリーワンの企業に

― SDGsや健康経営の推進にも、より関心が高まっているようですね。

吉崎氏

従業員の健康管理が経営課題であることも「WILL CANVAS」の調査結果でわかっていました。改善にむけて取り組んだ結果、釣具小売店では日本初となる健康経営優良法人を取得し、2021年度の認定企業に選ばれました。当社は「リーディングカンパニー」を行動指針に掲げていますが、高い収益と顧客満足度の向上、そして全社員が自社を愛してもらえるような100年続いていく企業を目指しています。

― 組織改革支援システムの活用で組織が目指す方向が見えてきたように思えますが、今後の展望について教えてください。

吉崎氏

社員のモチベーションなどを数値化できる「WILL CANVAS」を導入したことで、分析結果に基づく改善プランを検討し、現場ごとにPDCAを回すことができるという武器を手に入れました。当社にとって「WILL CANVAS」の結果は、今まで届かなかった社員の心の奥にあった声です。この声を知ることができたから、真摯に現場と対話を繰り返すことができました。今では、これが組織改革の一番の近道なのだと思います。今後は、社員エンゲージメントをさらに高めていくことはもちろん、労働環境をさらに改善し、働き方改革を推し進めていきたいです。そういう取り組みをスピーディーにチャレンジできる社内風土を目指したいですね。


まとめ

今回は、フィッシングマックス様のサーベイフィードバックによる組織改革の事例をご紹介しました。サーベイによって社員の声を可視化、会社が改善すべきところをピンポイントで把握できたことは、社員の定着率向上や人財育成、健康経営やSDGsの推進と、さまざまな面でメリットがあったようです。しかし、大事なのは、可視化できたデータではありません。それを基にした社員との対話=フィードバックです。可視化された課題に社員全員が目を背けず、解決にむけて真摯に対話を繰り返し、PDCAを回し続けたからこそ、組織変革を実現できたのではないでしょうか。

テレワークが進んだ結果、社員は企業への帰属意識を感じにくくなっていると言われています。企業と従業員の関係性は、コロナ禍によって大きな変化を迎えています。これからの時代、「この会社で働き続けたい」という想い=社員のエンゲージメントは、企業にとって無視できないものです。持続的な成長のために、人財を確保し、強い組織を形成するためには、社員のエンゲージメントを高める取り組みが不可欠です。貴社でも検討してみてはいかがでしょうか。


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ニューノーマル時代、多くの企業において、社内外のコミュニケーションの形は確実に変化しています。そのような中で企業を取り巻く関係者とのエンゲージメント強化のために、新しい取り組みを実施した5つの事例を動画と資料でご紹介します。ぜひ、ご覧いただき、貴社の取組みのヒントになさってください。

  • 事例01:会社と社員のエンゲージメント
  • 事例02:組織エンゲージメント
  • 事例03:アニバーサリーエンゲージメント
  • 事例04:主催者と参加者のエンゲージメント
  • 事例05:社会と会社のエンゲージメント

2021年4月7日配信WEBセミナー「JTB エンゲージメント Lounge 」にてご紹介した事例となります。

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