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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 東証の市場区分変更はステークホルダーのエンゲージメント向上の絶好の機会!

2021.11.26
ミーティング・イベント
売上拡大・販売促進
人材・組織力強化
会議・イベント運営

東京証券取引所は現在の市場区分を見直し、2022年4月から「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3市場に再編することを発表しました。この市場再編は、日本経済に大きなインパクトを与えるとともに、市場変更によって一部上場ではなかった企業が最上位の市場であるプライム市場へ移行できるチャンスも生まれます。この東証の市場再編は、機関投資家や経済市場、または社内の従業員といった幅広いステークホルダーに自社の魅力を再認識してもらう絶好の機会と言えるでしょう。今回は東証再編に向け、社内外に効果的にアピールするイベントの実施と具体的な方法についてご紹介します。

東京証券取引所

東証の市場区分見直しとは?

東京証券取引所が市場区分を再編する理由としては、東証一部上場企業数が増加し、株式市場の質が低下していることが挙げられます。また、上場企業の価値と上場基準・廃止基準があいまいで、多くの投資家にとって利便性が低いといった課題を抱えていました。これを踏まえ、東証は市場区分の見直しを行うことを決定しました。新市場区分では、時価総額や流動性、コーポレートガバナンスなどの新基準が導入され、新市場上場への審査が行われます。

5つの市場区分を新しい3つの市場に

市場区分は、これまでの5市場から3市場に変更されます。

東証の市場再編で変わる市場区分

3市場の特徴については以下の通りです。

プライム市場

  • 新しい市場区分で最上位
  • 高いガバナンス基準を備える
  • 流通時価総額100億円以上
  • 株主数800人以上
  • 流通株式比率35%以上

スタンダード市場

  • 一定の流動性を持つ
  • 流通時価総額10億円以上
  • 株主数400人以上
  • 流通株式比率25%以上

グロース市場

  • 高い成長可能性を秘める
  • 流通時価総額5億円以上
  • 株主数150人以上
  • 流通株式比率25%以上

2021年12月現在、東証1部の企業は2,183社(※日本取引所グループの上場会社数・上場株式数を参照)となっており、全上場企業に新市場区分の基準を満たすかどうかを通知しました。

プライム市場への昇格は狭き門

プライム市場の新規上場基準は、株主数800人以上、時価総額250億円以上、流通株式比率35%以上など非常に厳しく設定されています。現在の東証一部の企業の中には、プライム市場への移行基準を満たさず降格する企業もあるようです。一方で、現在の東証二部、ジャスダック、マザーズ市場からプライムへの昇格が期待できる企業もあります。プライム市場に移行すれば、株価上昇はもちろん、企業ブランドの向上、人財の離職率低下、採用のしやすさなど、さまざまなメリットが得られます。

株式上場のメリット

「市場上場記念」はステークホルダーのエンゲージメント向上の好機!

今回の市場区分変更による上場は、企業にとってまさに「晴れの舞台」であり、ステークホルダーのエンゲージメント向上に絶好の機会だと言えます。

ステークホルダーのエンゲージメント向上の重要性

エンゲージメントとは、顧客や、株主、取引先、従業員などのステークホルダーが持つ企業への愛着や思い入れを表します。例えば、エンゲージメントが高い顧客は、自社の商品やサービスを継続的に購入してくれるだけでなく、インフルエンサーとして周りの人に商品やサービスを広めてくれます。またエンゲージメントが高い従業員は、社内コミュニケーション活性化の軸になったり、新規事業を創出するなど、会社にいい影響を与えてくれます。新規顧客獲得や人財確保が難しくなる今、エンゲージメント向上の重要性が増しています。

「市場上場記念」が最適な理由

今回の市場区分変更により新規上場する企業は、これをステークホルダーのエンゲージメント向上の好機と捉え、施策を実施することをおすすめします。コロナ禍において、多くのビジネスイベントが中止・延期となり、ステークホルダーとのコミュニケーションが難しい状況に陥りました。このような中での市場区分変更による上場は、コミュニケーション機会として絶好の機会であり、企業のさまざまなステークホルダーに対して「エンゲージメント向上」のトリガーになる可能性があります。

どんな取り組みをすべきか?そしてどんな効果が?

「市場上場記念」として考えられる社内外に向けた取り組みについてご紹介します。社外のステークホルダーに対しては、上場を機に自社の今後のビジョンや戦略を広く知ってもらいアウターブランディングにつなげます。アウターブランディングとは、顧客や取引先から自社がどういうイメージを持たれるかを想定し、効果的にPRしていく活動です。

社内のステークホルダー、つまり従業員に対しては、上場のタイミングでビジョンや経営方針、行動指針、自社の目指す未来像を共有してみてはいかがでしょうか。これを機にビジョンや経営方針、行動指針を変更するのも効果的です。経営者自らの言葉で上場への想いと感謝の気持ちを伝えることで、企業としての一体感醸成と従業員のモチベーションを高める効果が期待できます。

この機会をより効果的にするには?

自社にとって一大イベントである「市場上場記念」を多いに盛り上げることはもちろんですが、その目的は何なのか、誰に対してどういったことを伝えたいのかを明確にすることが重要です。ここでは、ステークホルダーのエンゲージメント向上策を考える際に注意すべきポイントと具体例を紹介します。

上場記念を通じて、誰に何を伝えるかを明確にすることが重要

「市場上場記念」のイベントを企画する際は、イベントのゴール設定を明確にすることを心掛けます。「市場上場記念」をただの社内行事と捉えず、ステークホルダーのエンゲージメントを向上させるトリガーとして考えたとき、「何のために上場記念を行うのか」という点を見失ってはいけません。市場の評価を受けて、従業員に会社理解を深めてほしいのか、自己実現と成長を促したいのか、社員間コミュニケーションを促進させたいのか、組織力を強化させたいのか...。さまざまな目的が考えられます。自社の置かれた状況に合わせて、ゴールを設定するのがポイントです。

具体的な展開例

次に、ステークホルダーごとの展開例を見ていきます。新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、リアル開催やハイブリッド型も検討してみてはいかがでしょうか。

社外のステークホルダーを対象にしたイベント例

一例として、取引先企業や代理店など、日頃からお世話になっている方たちを招待する記念式典が考えられます。式典では、これまでの取引先企業や仕事で携わったパートナーへの感謝を伝えたうえで、今後の経営方針や事業内容を説明します。こうすることで、上場に見合う企業ブランドであることを再認識してもらい、さらなる認知度向上とブランド価値の醸成が期待できます。

社内のステークホルダーを対象にしたイベント例

「晴れの舞台」である市場上場を盛大に祝う場として、オンラインとオフラインのハイブリッド形式で全従業員が参加するイベントを開催。経営層のプレゼンテーションだけでなく、永年勤続者や成績優秀者など、企業成長の功労者に対して表彰プログラムを組み込むことも効果的です。自社の今後あるべき姿を参加者全員で考えるワークショップを企画するのもよいでしょう。また、愛社精神を向上させるイベントとして、従業員のご家族を招待した記念イベントも効果的です。

イベント企画以外では、例えばオリジナルマンガ社史を制作し、配布する方法もあります。会社の歴史や事業を共有することはエンゲージメント向上につながります。


まとめ

2022年4月、東京証券取引所が市場区分を再編し、これまでの5市場から3市場へと変わります。自社が上場した場合には、市場の評価を高めるだけでなく、顧客や取引先、従業員などのステークホルダーのエンゲージメント向上も期待できます。テレワークの急速な普及により「遠心力」が増したことで、企業と従業員の間に物理的、心理的距離ができています。こうしたタイミングだからこそ、人財の力を一つにする「求心力」が必要になります。上場記念を祝うイベントは組織の一体感を高める絶好の機会であり、ステークホルダーにとって忘れられない瞬間になるでしょう。自社の企業成長を促し、社内外のステークホルダーのエンゲージメント向上につながる取り組みを企画してみてはいかがでしょうか。

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