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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 顧客エンゲージメントとは?お客様との関係性向上と売上最大化を狙うこれからのカギ

2021.06.17
ミーティング・イベント
HR(Human Resources)
人材・組織力強化
売上拡大・販売促進

新型コロナウイルスの影響で、営業推進に課題をお持ちの企業様も多いのではないでしょうか?コロナ禍において、「既存顧客をどのようにフォローすべきか」「新規顧客の開拓をどのように進めるべきか」など、さまざまな課題があるのではないでしょうか?これからの時代、企業がお客様と信頼関係を上手に築いていくためには、「顧客エンゲージメント」という考え方が重要です。本記事では顧客エンゲージメントの重要性や、営業スタイル最適化のためのポイントについてお伝えします。

そもそも「顧客エンゲージメント」とは?

顧客エンゲージメントとは企業と顧客との信頼関係を表した概念です。いわば「顧客との親密度」と言えます。

顧客との親密度が高まることで得られるメリットには以下のようなものがあります。

  • 商品やサービスのよい口コミが広まる
  • 顧客が商品やサービスを継続的に利用してくれるようになる
  • 顧客が自社についてさまざまな意見を言ってくれるようになる

3つとも自社の成長・売り上げには欠かせないものです。

また、顧客エンゲージメントと似ている言葉に、「ロイヤリティ」があります。ロイヤリティとは、アンケート調査を通して顧客が企業に対してどれくらい愛着心を持っているかを示す指標です。

顧客エンゲージメントとロイヤリティの違いは、調査プロセスにあります。ロイヤリティは、アンケートの声をもとに顧客の企業に対する親密度を計測するのに対し、顧客エンゲージメントは顧客が実際に起こしたアクションにもとづき分析・測定をします。

つまり、ロイヤリティは「顧客の感情」に焦点を当てて計測する指標で、顧客エンゲージメントは「顧客の行動」に焦点を当てて分析する指標と言えます。

なぜ、顧客エンゲージメントが重要なのか

顧客エンゲージメントが重要視される理由は主に2つあります。

  1. 商品やサービスのコモディティ化が進行している
  2. 顧客側もインターネットにより情報収集が容易になった

現在、さまざまなマーケットで競合商品の登場やサービスのコモディティ化が進行しています。コモディティ化とは、さまざまな企業の商品やサービスが似たものになってしまい、差別化する要素がなくなってしまう状態のことを言います。結果として価格競争が激しくなります。

また、インターネットの普及により、さまざまな情報を自身で入手したり、商品やサービスを比較検討することが容易になりました。顧客は、営業担当者に会う前に6~7割の情報収集と検討を済ませているとも言われています。つまり、初期段階で営業担当者に相談が入るケースが徐々に少なくなってきており、お客様の課題に対して解決策を提案することが、徐々に難しくなってきていると言えます。

このような中、これからの時代の営業スタイルとして注目されているのが、「顧客エンゲージメント」という考え方です。

営業組織は、「獲得型」から「顧客エンゲージメント型」へ

従来の営業組織は、新規顧客の獲得による売上達成に重点を置いた獲得型が主でした。この獲得型の場合、商品やサービス、サポートなどを通じた深い関係性の構築や信頼の獲得までには至らないケースが多いとされています。これからの営業組織は、お客様の悩みや課題を熟知し解決案を提示することで、継続的に関係性を構築できる「顧客エンゲージメント型」のスタイルにシフトすることが求められるでしょう。一度だけの売上達成ではなく、将来的な売り上げを最大化させることが目的となります。

お客様の悩みや課題を熟知し解決することで、継続的な関係性を構築できる「顧客エンゲージメント型」の営業スタイルがメインに

顧客エンゲージメント型の営業組織にシフトするための指標と改善のポイント

現状のビジネスを維持しながら、新しい営業スタイルにシフトすることはなかなか難しいと言えます。まず取り組むべきこととしては、営業のオペレーションやKPI、管理ツールの活用状況などを見直すこと、そしてお客様との関係性構築を重視するという考え方を営業チーム全体に浸透させることがあげられます。少し詳しく検討すべき指標と改善のポイントについて見ていきましょう。

01解約率に注目

これまでの獲得型の営業スタイルでは、新規の顧客を獲得しても、すぐに解約されやすいリスクがありました。解約する顧客はサービスに満足していないと言えるため、顧客エンゲージメントの指標に解約率を設定することは適切だと言えるでしょう。解約率は低ければ低いほどよく、利益は拡大していきます。逆に解約率が高いサービスは、いくら新規獲得数を上げても収益拡大は見込めません。解約率を低くするには、顧客のニーズに応じてすばやくフォローすることが大切です。

02KPIの見直し

KPIは、顧客エンゲージメントが現段階でどれだけ高いかを測るための指標にします。今までの1回の契約による受注金額を指標とするKPIから、顧客との関係性維持に欠かせない顧客生涯価値(LTV)に注目するKPIにシフトする必要があります。顧客生涯価値とは、自社から他の企業に離脱してしまうまでの期間に得られる利益を示す指標です。取引先企業が長期的な関係性によって、より高額な商品・サービスを購入すること、そして対象商品とはまた別のジャンルのサービスを購入してもらうことを目標とします。

03営業チームの組織風土醸成

エンゲージメント型への移行の意義や目指す姿を営業チーム全体に伝え続け、浸透させることが重要です。新たな営業スタイルの導入を阻むものは、これまでの組織風土だとも言われています。仕組みを構築しても、それを動かすのは人です。関わる社員の意識が変わらなければ、エンゲージメント型への移行は上手くいきません。ある企業では、マーケティング部門が、組織風土改革を担当しています。

04インセンティブ制度の設計基準の見直し

インセンティブ制度とは、社員の仕事に対する意欲を向上させるため、成果に対する報奨金などを社員に与えたり、表彰したりする制度です。多くの営業部門で取り入れられています。インセンティブ制度は、社員に対して「こういう行動が会社に貢献している」とあるべき姿を示すものと言えます。よって、インセンティブを売上達成を重視した基準から、顧客とのエンゲージメント重視の基準に変更することで、エンゲージメント型への風土醸成と、営業担当者のモチベーション向上につなげることができます。

05人財育成の方向転換

人財育成に関しても、商品知識や交渉術といった契約獲得スキルを重視した育成方針から、エンゲージメントスキルを重視した育成方針への転換が必要です。営業担当者のマインドやさまざまな知識、提案力などのスキルは顧客エンゲージメントに大きな影響を及ぼします。例えば、顧客の業界に関する知識や顧客の課題、組織風土、取り扱っている商品・サービス、競合会社の情報などです。顧客との関係性を高めるためには、これまで以上に顧客のことを知る必要があり、そのような力を持った人財が必要になってきます。

06顧客データベースの再設計

契約や売り上げなどを中心に管理していた顧客データベースを、獲得以降のコミュニケーションや顧客の行動といった見込み客の育成を重視したデータベース設計にシフトすることが必要です。例えばメールやセミナー、Webコンテンツなどを通して有益な情報を中長期的かつ適切なタイミングで提供することで、顧客とのコミュニケーションを図り、行動データを収集していきます。

07部門を越えた情報連携体制の構築

獲得型の営業では、営業部門内での情報共有に留まってしまいがちですが、顧客エンゲージメント型では、部門を越えた情報連携が重要になります。例えば、営業担当者が商談でお客様にヒアリングした内容を、カスタマーサクセス担当者が再びヒアリングするのは、優れた顧客体験ではありません。しかし、情報が連携されれば、このような課題は解決されます。いち早く顧客の課題に気づくために、顧客情報の連携はとても大切です。情報連携のツールを導入するのも一つの方法ですが、日ごろから、営業担当者とカスタマーサクセス担当者のコミュニケーション機会を作ることも有効です。

まとめ

今回は、「顧客エンゲージメント」についてお届けしました。コロナ禍により、リアルでの商談機会は減りました。その分、顧客との接点も減ってしまったのが実情だと思います。減ってしまった顧客との機会を取り戻すため、今後「顧客エンゲージメント」の重要性は増していくと思われます。

顧客との信頼関係の指標となる「顧客エンゲージメント」を向上させれば、競合他社との差別化を図ることができ、熾烈な価格競争からの脱却にもつながります。従来の顧客獲得型の営業では、顧客との長期的なつながりや継続的な関係性構築は難しいと言えます。売上の最大化と顧客との良好な関係を継続していくためには「顧客エンゲージメント型」への変換が必要です。顧客エンゲージメントを取り入れた新しい営業手法によって顧客を中長期的にサポートし、新たな価値提供を続けていくことが大切です。

「顧客エンゲージメント」を重視するエンゲージメント型の営業組織に変えるためには、風土醸成やKPIの変更、インセンティブ制度の再設計、サポート部門との連携、人財育成などさまざまな施策が必要です。ぜひ、貴社でも今の営業スタイルを見直し、顧客エンゲージメント型の営業組織へむけて、動き出してみてはいかがでしょうか?

最後に、顧客エンゲージメント型へのポイントの一つとお伝えしたインセンティブ制度の再設計に関する資料をご紹介します。こちらもぜひご覧ください。


ホワイトペーパー(お役立ち資料) 企業のインセンティブ担当者に聞きました!セミナー参加者アンケートから読み解く 今後のインセンティブ施策検討のポイントとは?

最後に、エンゲージメント型の営業組織を目指すうえでの改善ポイントとしてお伝えしたインセンティブ制度に関する資料をご紹介します。2020年7月、JTBでは「インセンティブを科学する」と題して、企業のインセンティブ担当者を対象にオンラインセミナーを開催しました。本資料は、セミナー参加者のアンケート回答をまとめたものです。コロナ禍におけるセミナーの開催であることから、現状の各社の状況としてご参考いただける内容です。各社のインセンティブ実施状況と実施内容、インセンティブに求めるものや課題感についてご紹介させていただきます。

本記事に関するお問い合わせ、ご相談、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

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