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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 アフターコロナ時代に取り組むべきオープンイノベーションの有効性

2022.01.14
HR(Human Resources)
売上拡大・販売促進
人材・組織力強化
生産性向上

企業を成長させていくうえで、イノベーションは欠かすことのできない要素です。イノベーションといえば、これまでは基本的に自社内で行われることが多いものでした。しかし最近では、他社と連携し外部からのノウハウを取り入れ、さらなる発展を目指す「オープンイノベーション」が注目されています。そこで本記事では、オープンイノベーションの成功事例やイノベーションの起こりやすい組織づくりについてご紹介します。

オープンイノベーション

INDEX

  1. 組織を成長させるのに欠かせない要素、イノベーションとは?
  2. 業界を越えた組織連携も!オープンイノベーション3.0
  3. イノベーションが生まれやすい企業にするためには?
  4. まとめ

組織を成長させるのに欠かせない要素、イノベーションとは?

発明の奨励、次世代を担う人材の育成を目的とした公益社団法人発明協会では、イノベーションを以下のように定義しています。

「経済的な活動であって、その新たな創造によって、歴史的社会的に大きな変革をもたらし、その展開が国際的、或いはその可能性を有する事業。その対象は発明に限らず、ビジネスモデルやプロジェクトを含み、またその発明が外来のものであっても、日本で大きく発展したものも含む。」

引用:戦後日本のイノベーション100選 本事業について

イノベーションという言葉が使用され始めた頃は「技術革新」と訳されていましたが、今は技術以外についても用いられ、「広く社会に受け入れられる新しいアイデア」や広義における「革新」を指す言葉として浸透しています。

イノベーションはモノづくりだけにとどまらず、既存の枠組みに縛られず挑戦し、あらゆる場面で新たな価値を生み出すことと言われています。現代においては、組織のマンネリ化を打破し、さらなる成長を促す原動力、企業成長の要としても注目されています。

業界を越えた組織連携も!オープンイノベーション3.0

ここからは、「オープンイノベーション」について詳しくみていきます。

クローズドイノベーションとオープンイノベーション

実は「イノベーション」には、従来のような社内のみで完結した「クローズドイノベーション」と、社外の技術・資源等を取り込んで革新を進めていく「オープンイノベーション」の2つがあります。

これまで日本の企業では技術流出などを避けるためにクローズドイノベーションが主流でした。しかし、クローズドイノベーションは莫大な費用と時間がかかるうえに、グローバル化やユーザーの多様化など、市場の急速な変化に対応するのが難しいという側面がありました。

オープンイノベーション3.0とは?

上記のようなクローズドイノベーションの問題点から、近年では「イノベーションのエコシステム」であるオープンイノベーションに注目が集まっています。

現在のオープンイノベーションの形態は「オープンイノベーション3.0」と呼ばれており、オープンイノベーション1.0、2.0を経た、3段階目のオープンイノベーションになります。オープンイノベーション1.0では、企業対大学・研究機関、大企業対ベンチャー企業のような1対1の連携が主でした。オープンイノベーション2.0では連携が「1対多」になったのですが、同じ業界内での連携に留まっていました。

ここからIoTの発展により、製造業と通信業など業界の垣根を越えたオープンイノベーションが増加します。これが「オープンイノベーション3.0」です。オープンイノベーション3.0では、他組織との連携が「技術調達」から「社会をよくする仲間づくり」へと変化しているのが特徴です。

オープンイノベーションの事例

上記のように、今や業界の垣根を超えて行われるようになったオープンイノベーションですが、実際に企業間ではどのようなオープンイノベーションが行われているのでしょうか。ここで3つの事例をご紹介します。

01自動車業界全体を巻き込む大きなイノベーション事例

日本を代表する自動車と通信の大手2社が手を組んで誕生した合併企業A社では、自動車という「モノ」の製造販売だけでなく、「移動というサービス」を提供することを目的とした事業を展開。自動車製造業と通信業の業界の垣根を越えたオープンイノベーションに挑戦しています。

02ドローン事業者と旅行会社の連携による事例

ドローン事業者とさまざまな旅行会社が連携を取って推し進めているドローンの活用促進への取り組みです。具体的には、職場旅行や研修旅行先でのドローンを使った集合写真の撮影や観光地におけるエンターテイメント性のある空撮撮影といった観光振興に寄与するものから、災害時における被害状況の把握のための空撮や建物・施設の老朽化や破損のチェックといった普段の生活に寄与するものまで多岐にわたります。全国の自治体や観光協会、企業に対してドローンを利用した幅広い業務を推進しています。

03産官学連携イベントが社内理解促進のきっかけになる事例

宮崎市に本社を構えるHondaグループのキーロックメーカー株式会社ホンダロックは、ESG領域における3ヶ年の目標を設定し取り組みを推進していました。創業以来「地域共生」というフィロソフィーのもと、清掃活動をはじめとする様々な地域貢献活動を積極的に行ってきました。しかし近年は、そうした活動のマンネリ化が懸念され、また「一社単独による活動の限界」を感じていました。そこで、高校生・大学生・自治体との産官学連携イベント「MIYAZAKI SDGs ACTION」に参画。従業員の地域貢献への意識を高めるだけでなく自社へのエンゲージメント向上にもつながりました。

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このように、オープンイノベーションは業界や立場、自治体の垣根を越えたものとなっています。

イノベーションが生まれやすい企業にするためには?

イノベーションが生まれやすい企業にするためには、どういった部分に注意をしていけば良いのでしょうか。ここからは、イノベーションの生まれやすい企業と生まれにくい企業との差、そしてイノベーションが起きやすい組織づくりのポイントをご紹介します。

イノベーションが生まれやすい企業と生まれにくい企業の差とは?

イノベーションが生まれやすい企業と生まれにくい企業との差としては、大きく2つが考えられます。

一つは、クリエイティブな人材がいるかどうかという個人的要因です。企業内にクリエイティブな人材がいることで、イノベーションのきっかけを作ることができ、企業の成長を見込むことができます。しかし、いくらクリエイティブな人材がいても、それを活かせるような環境がなければイノベーションを起こすことはできません。これが、もう一つの差である組織的要因です。

日本でイノベーションが生まれにくい理由としては、特にこの組織的要因が大きく、チャレンジを起こしやすい組織風土づくりが課題となっています。

イノベーションが起きやすい組織づくりのポイント

イノベーションが起きやすい組織づくりにはさまざまなポイントがあります。まずは経営トップの理解が不可欠です。経営トップが新しいことに否定的であったり、失敗を許さない組織風土ではイノベーションは生まれません。

経営トップやチームリーダーは、“イノベーションは、多くの失敗の先に生まれるもの”という共通認識を組織内へ浸透させ、新しいことに挑戦する人を評価する仕組みを整備しなければなりません。失敗を恐れず、知識やアイデアを共有する「心理的安全性」が高い組織は、イノベーションが起こりやすい組織へと生まれ変わっていきます。

イノベーションが起きやすい組織づくりに不可欠な条件

リーダーシップ 経営者、役員が率先して新規事業にチャレンジする姿勢を見せる
心理的安全性 メンバーがリスクや失敗を恐れず、知識やアイデアを共有できる
評価制度の整備 挑戦したことをきちんと評価する仕組みを整える
組織風土 新しい発想や挑戦を否定せず、革新的な事業を興す組織
組織のトップ層が率先して旗を振る、失敗も共有して学びに変える
挑戦した人を讃える評価制度、確信的な風土・文化

また、イノベーションの重要性はわかっていても、社内組織がしっかり機能していなくては他社や異業種との連携も難しくなってしまいます。場合によっては人材戦略、組織戦略の見直しを検討する必要もあるため、組織変革をサポートするシステムの導入もおすすめです。


まとめ

本コラムでは、オープンイノベーションの事例とともにイノベーションの起こしやすい組織づくりについてご紹介しました。日本は少子高齢化によってマーケットが縮小し、労働人口も減少しています。市場が多様化し変化の加速度が増していく近年、企業として生き残るためにはイノベーションが不可欠です。しかし、これまでのクローズドイノベーションではリソースの負担も大きく、新しいサービスや商品を生み出すまでには時間がかかります。またそもそもクローズドイノベーションで生まれたものでは、マーケットのニーズに追いつけないという可能性もあります。

こうした理由から、他業種をも巻き込んでイノベーションを加速させることができるオープンイノベーションに舵を切る企業が増えています。イノベーションを起こしやすい組織にするためには、組織のトップが旗振り役になること、そして何より組織風土づくりが大切です。失敗を学びに変えようとするマインドの醸成や挑戦した人を称える制度が革新的な組織風土や企業文化につながりイノベーションが起きやすい環境を整えます。この機会に、貴社でもイノベーションを起こしやすい組織風土かどうか検証してみてはいかがでしょうか。


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