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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 アフターコロナの最適な情報提供活動とは ~リアル&デジタル ベストマッチの追求 ~

2023.07.14
メディカル(製薬・医療関係)
売上拡大・販売促進
会議・イベント運営

コロナ後の製薬業界は“量より質”の情報提供活動がますます加速していきそうです。2022年にMR認定センターが公表した「21年版MR白書」によると、MR総数は8年連続で減少し、5万1848人となりました。ピーク時となる2013年の6万5752人から約1万4000人減少したことになり、このまま減少傾向に歯止めがかからなければMR総数が今年にも5万人割れする可能性も出てきました。

アフターコロナで求められる質の高い情報

5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられ、社会・経済が正常に動き出しています。製薬各社は既に年明けから病院・診療所医師と面会する機会を増やしており、対面とデジタルを組み合わせたコミュニケーションを通じて、質の高い情報を届けようと懸命になっています。

リアルかデジタルか?情報提供活動における実情

コロナ拡大から3年半が経過しようとする中、現場にいるMRはどう受け止めているのでしょうか。入社2年目の内資系製薬企業の若手MRに本音を聞いてみました。製薬企業はMRの働き方や情報提供の目的に応じて対面とリモート面談を使い分けたいと考えるのに対し、医師側のニーズで決定されることが多いようです。若手MRに医師への訪問頻度や回数を聞いたところ、ほぼ全員が「毎日面会できており、医療機関への訪問回数は週25~30件程度」と回答しました。

ただ、面会してくれるのはクリニックの医師で、訪問規制のある病院は「面談方法を事前に医師に確認する」「医師のニーズで決定する」「若い医師はデジタルを要望する傾向が強い」などデジタルが好まれる状況にあるようです。

デジタルによる情報提供の利点

リモート面談による情報提供の良さについてはMRも一定程度認識できており、「時間の短縮ができるのが利点」という声を複数から得ることができました。様々な手段で医薬品に関する情報を届けられるようになり、これまで当たり前だった医師を待つ時間を浪費と捉える若手MRは、「医師との面会が多いクリニックでは、混雑により数時間単位で待たされることもある」とこぼしました。

また、「デジタルでしかできないことは、正しく確実にデータを残すこと」といった意見や、「本社学術や関係の深い過去の担当MRなどにも気軽に同行を頼める」と時間や距離の制約がなく多人数が面談に参加できる利便性も挙げられました。中には「デジタルは医師が身構えて対応してくれる分、深い情報提供がしやすい」と生産性の面でも対面を超える価値を感じ取っている若手MRもいました。

リアルによる情報提供の効果

一方で対面による情報提供については、「ニーズを引き出せる」「空気感を感じ取ることができる」「印象を残すことができる」「結局は会って処方を決めてくれる」など効果的と評価。顔を突き合わせて意見を交わすことで共感が生まれ、そこでできた信頼関係を土台とすることでMRにとって重要な意思決定を下してくれる。入り口はデジタルでも対面による情報提供は必須であると考えているようです。

医師に面談の時間を取ってもらうことの重要性

リモートであれ、対面であれ、医師がMRとの面談に時間を使ってくれるかが重要といえます。まさに、MRが直面している課題は「(デジタル・対面の方法を問わず)自分に会うメリットを感じてもらいにくい」「MRとしての自分を見てくれない」というもの。「『その面会目的ならメールや書類送付でいいのでは』と言われてしまうことに悩んでいる」と話しています。医師からの指摘についてはMR自身も「わざわざ時間を取ってもらって情報提供するほどではない」と理解している一方で、「先生と関係を構築しないといけない、、、」といった焦りから、アポイントを取り付けようと努力しますが、なかなか期待通りに事を運ぶことができていないようです。

また、デジタルを用いるとエリア担当の枠を超えた情報提供活動が可能になり、製薬企業にとってはメリットになりますが、そのエリアを担当するMRにとっては企業から期待に応える仕事をしないと、デジタルに置き換えられてしまうというような不安も見えてきました。

コンプライアンス遵守と質の高い情報提供とのバランスにも苦悩している姿もうかがえました。ある若手MRは、「コンプライアンスも年々厳しくなり提供できる情報が限られている背景があるため、デジタルでわざわざアポイントを取って時間を設けてもらったにも関わらず、医師の望む情報が提供できないと次の約束が取れなくなる」と述べました。


まとめ

若手MRはデジタルを用いた非対面の情報提供に抵抗感を持っておらず、むしろうまく活用しようとしています。ただ、医師と顔が見える関係作りには苦労しており、特に病院の医師とは対面に辿り着けないのが現状です。医師のニーズを知り、面会しても良いと思わせる付加価値の高い情報をいかに探し当てるか。そして、コンプライアンスを守りながら、医師が求める情報を届けられるか。きっかけ作りを考える必要がありそうです。


ホワイトペーパー(お役立ち資料)(2023年5月)企業の「セミナー・展示会イベント・研修」担当者に聞いたビジネスイベントの現在とこれから~社外ステークホルダー向けイベント版~

新型コロナウイルスに関する規制が大幅に緩和され、企業開催のビジネスイベントは、コロナ禍以前のようにリアル開催する動きが増えはじめています。JTBでは2020年度以降、複数回にわたり企業のビジネスイベント担当者へのインターネット調査を実施。企業側の開催意向や参加者のニーズ変化等を把握してきました。

今回は、社外ステークホルダー(消費者・取引先・地域・出資者など)向けのイベントを対象に実施し、コロナ禍を経て変化した世間のビジネスイベント開催意向やニーズの変化から考察しています。

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