人的資本経営の重要性に注目が集まる昨今、貴社ではどのような取り組みを行っていますか?人材の力を引き出し、業績向上につなげるには「社員のモチベーション向上」が重要です。本記事では、社員のモチベーションにつながった具体的事例と実践方法を徹底解説します。また、記事の最後には、社員のモチベーション向上に役立つ、HR系クラウドサーベイ「WILL CANVAS」の資料をご紹介しています。人的資本経営の推進に向けて、まずは現状把握から始めたい企業様におすすめです。

なぜ社員のモチベーションが重要なのか?
現代のビジネス環境において、社員のモチベーションは企業の成功を左右する重要な要素として注目されています。特に人材不足が深刻化する中、人材を「コスト」ではなく「投資」として捉える人的資本経営の観点からも、モチベーション向上の取り組みが企業価値向上の鍵となっています。
モチベーションとは?その重要性について
モチベーションとは、個人が目標を達成するために行動を起こす際の内的な意欲や動機のことを指します。社員のモチベーションは、業績向上や組織の成長において極めて重要です。なぜなら、高いモチベーションを持つ社員は、自発的に業務に取り組み、創造性や効率性を発揮するため、組織全体の生産性を向上させるからです。例えば、ある企業では、社員の意見を積極的に取り入れ、目標達成のプロセスに参加させることでモチベーションを高めています。これにより、社員は自分の役割をより深く理解し、責任感を持って業務に取り組むようになりました。モチベーションを向上させるためには、個々の社員が自分の価値を実感できる環境を提供することが重要です。
モチベーションが企業業績に与える影響
高いモチベーションを持った社員は、生産性が向上し、創造的なアイデアを生み出す力も強まります。これにより、企業は市場での競争力を維持し、成長を続けることができます。例えば、Googleでは社員のモチベーションを高めるために20%ルールを導入し、社員に自由な時間を与えることで革新的なプロジェクトを生み出しました。また、社員が自分の役割を理解し、会社の目標に貢献していると感じることは、従業員満足度の向上につながります。これらの結果、社員の離職率が低下し、企業の安定性も増します。企業は、定期的なフィードバックやキャリアアップの機会を提供することで、モチベーションを維持し、業績向上を目指すことが重要です。
モチベーション低下が招くリスクとその影響
社員のモチベーションが低下すると、企業にとって様々なリスクが生じます。まず、仕事への意欲が失われ、生産性が低下します。これにより、プロジェクトの遅延や品質の低下が発生し、企業の信頼性に影響を及ぼすことがあります。また、モチベーションの低下は離職率の増加を招く可能性があり、企業は新たな人材の採用や育成に多くの時間とコストを費やさなければなりません。具体的な例として、ある企業では社員のモチベーション低下が原因で重要なプロジェクトが失敗し、顧客を失う事態に陥りました。このようなリスクを避けるためには、企業は社員のモチベーションを継続的に監視し、適切なフィードバックや報酬制度を整えることが重要です。
「社員のモチベーション向上」は人材への投資
昨今では、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる人的資本経営に注目が集まっています。人材不足が多くの企業の課題になる中、人材を「コスト」ではなく「投資」の対象として捉え、人材が持つ資質や能力へ投資することにより、新たな価値が生み出されるという考え方に企業の価値観が変わってきています。その人材への投資の1つが、「社員のモチベーション向上」なのです。
社員のモチベーションを向上させるための基礎理論
社員のモチベーション向上には、科学的な理論に基づいたアプローチが効果的です。ここでは、実践で活用できる主要な動機づけ理論とその具体的な活用方法について詳しく解説します。
内発的動機づけとその効果的な活用法
内発的動機づけとは、社員が自身の興味や達成感から自発的に動機を持って取り組むことを指します。この動機づけは、外部からの報酬や評価による外発的動機づけとは異なり、長期的なモチベーション維持に効果的です。
マズローの欲求階層説では、人間の欲求は生理的欲求から自己実現欲求までの5段階に分かれ、各段階を満たすことで次の欲求へ進むとされています。内発的動機づけは、特に高次の欲求(承認欲求・自己実現欲求)を満たすことで促進されます。
内発的動機づけを促すためには、まず社員が自分の仕事に意義を見出せる環境を整えることが重要です。例えば、業務の中で社員が自己成長を実感できるようなプロジェクトを任せたり、意見を自由に述べる場を提供することが有効です。また、リーダーシップを発揮したい社員には、チームリーダーとしての役割を与えることで、責任感と達成感を高めることができます。これらの施策により、社員は自分の力で成長しようとする意欲を持ち続け、結果として企業全体の生産性向上にも寄与します。
外発的動機づけとその効果的な活用方法
外発的動機づけとは、報酬や評価といった外部からの刺激によって個人の行動を促す方法です。これは、社員のモチベーションを一時的に高めるために効果的です。
ハーズバーグの動機づけ・衛生理論では、満足をもたらす要因(動機づけ要因)と不満を防ぐ要因(衛生要因)を分けて考えます。外発的動機づけは主に衛生要因(給与、職場環境など)に関連し、不満の防止には効果的ですが、積極的な満足感の創出には限界があります。
たとえば、プロジェクトの成功に対するボーナス制度や、達成度に応じた賞賛が典型的な外発的動機づけです。これにより、社員は目標達成に向けて集中力を高めたり、競争意識を持ったりすることができます。ただし、外発的動機づけに頼りすぎると、内発的動機づけ、すなわち自発的な意欲の低下を招く可能性があります。そのため、外発的動機づけを活用する際は、適切なバランスを保ち、社員が自身の成長や達成感を感じられるようにすることが重要です。これにより、社員一人ひとりのモチベーションを持続的に高め、組織全体の活力を維持できます。
自律性、関与、目的意識の向上がもたらす効果
社員の自律性、関与、目的意識を向上させることは、組織の独自性を強化し、競争力を高めるために重要です。これらの要素は、前述の理論を実践に移す際の重要な指標となります。
企業はマズローやハーズバーグの理論を念頭に置き、社員一人ひとりのニーズを把握し適切に応えることで、これらの要素を高めることができます。まず、自律性を高めることで社員は自分のペースで仕事を進めることができ、創造的な解決策を見つけ出す余裕が生まれます。例えば、ある企業ではプロジェクトチームが自己管理を行うことで、責任感が芽生え、チーム全体のパフォーマンスが向上しました。
また、社員の業務への関与度が高まると、仕事への満足度が向上し、結果として離職率の低下が期待できます。さらに、会社のビジョンやミッションに基づいた目的意識を持つことで、社員は自分の仕事がどのように組織全体に貢献しているかを理解しやすくなります。これらの要素を組み合わせることで、社員一人ひとりが自発的に行動し、組織における独自性が自然に強化されるのです。
上司が部下のモチベーションを向上させる具体的方法
部下のモチベーションを向上させるには、それぞれの独自性を認め、活かすことが重要です。以下では、具体的な手法について詳しく解説します。
部下に合わせた目標設定の方法
部下に合わせた目標設定は、社員のモチベーションを高めるために非常に効果的です。基本的な考え方として、個々のスキルやキャリア目標を理解し、それに応じた目標を設定することが重要です。
まず、部下それぞれの強みや個性を理解し、それに応じた役割やプロジェクトを与えることで、彼らの潜在能力を引き出すことができます。例えば、ある社員がリーダーシップを強化したいと考えている場合、その社員にはプロジェクトのサブリーダーとしての役割を与え、実際にリーダーシップを発揮する機会を提供することが効果的です。クリエイティブなアイデアを持つ社員には、新しいプロジェクトの企画を任せると良いでしょう。
このように、個々の成長意欲に合致した目標を設定することで、社員は自分の成長を実感し、モチベーションが向上します。実践的なポイントとしては、定期的に目標の進捗を確認し、フィードバックを行うことが挙げられます。これにより、社員は自分の進捗を意識し、目標達成に向けたモチベーションを持続させることができます。
信頼される上司になるためのコミュニケーション戦略
信頼される上司になるためには、効果的なコミュニケーション戦略が不可欠です。まず、上司としての基本的な説明として、オープンなコミュニケーションを心掛けることが重要です。社員が意見を述べる場を設け、日常的に対話を促すことで、彼らの声が反映される環境を作りましょう。
フィードバックの際には肯定的な側面を強調し、改善点を明確に伝えることが求められます。定期的なフィードバックを通じて、個々の成果を適切に評価し、感謝の意を伝えることも大切です。これにより、部下は自身の価値を実感し、さらなる貢献意欲が高まります。
定期的な1対1のミーティングを設定し、進捗を確認しながら個別のニーズに対応する方法も効果的です。形式的な評価ではなく、日常的なコミュニケーションを通じて、リアルタイムでのフィードバックを心がけることがポイントです。これにより、社員は自身の役割を理解し、職務に対する責任感が強まります。
部下の成長を促すフィードバックの技術
部下の成長を促すフィードバックは、単に評価を伝えるだけでなく、具体的な改善策を示し、次のステップへの動機付けを与えることが重要です。まず、フィードバックは建設的であることが求められます。肯定的な面を強調しつつ、改善が必要な点については具体的な指摘を行いましょう。
例えば、プロジェクトの進行が遅れている場合、「時間管理の改善が必要です」ではなく、「次回のプロジェクトでは、毎週の進捗を確認することで、期限を守れるようにしましょう」といった具体的なアドバイスを提供します。また、フィードバックはその場で行うのが効果的で、問題が発生したタイミングで適切に行うことで、部下がすぐに改善できる環境を整えます。
最後に、フィードバックの過程で部下の意見を聞くことも忘れずに。これにより、信頼関係が築かれ、部下のモチベーションは持続的に高まり、組織全体のパフォーマンス向上につながります。フィードバックは成長の機会であることを常に心がけましょう。
会社全体で社員のモチベーションを向上させる戦略

社員のモチベーションを向上させるためには、会社全体での戦略的な取り組みが必要です。企業文化の改善、目標の共有、成果の認識と報酬など、多角的なアプローチを通じて組織全体の成長を促進することが可能となります。
社員満足度向上のための調査と分析
社員満足度向上のためには、まず現状を正確に把握することが不可欠です。これには定期的なアンケート調査が有効です。アンケートでは、仕事の満足度、職場環境、上司との関係など、さまざまな視点から質問を設けることで、社員の心理やニーズを多角的に分析できます。
例えば、ある企業では、従業員の意識調査を通じて、コミュニケーション不足がモチベーション低下の原因であることを突き止め、社内交流イベントを増やす施策を実施しました。このように、調査結果をもとに具体的な対策を講じることで、社員の満足度を着実に向上させることが可能です。
調査を行う際には、回答の匿名性を保証し、率直な意見を集める工夫が重要です。これにより、信頼性の高いデータを収集し、戦略的な改善策を導き出すことができます。オープンなコミュニケーションを促進し、社員が意見を自由に交換できる環境を整えることで、彼らの意欲を高めることができます。
会社のビジョンとミッションの再確認と共有
会社のビジョンとミッションの再確認と共有は、社員のモチベーション向上において重要な要素です。これらは企業の存在意義や目指すべき方向性を示すものであり、社員が日々の業務において自分の役割を理解し、会社の成功に貢献していると感じられるようにするためには必要不可欠です。
具体的には、定期的な全社員ミーティングやワークショップを開催し、会社のビジョンとミッションを社員と共有する機会を設けましょう。また、これを実現するための具体的なアクションプランを策定し、各部署や個人の業績評価に反映させることも有効です。
このプロセスを通じて、社員は自分たちの仕事が企業の大きな目標にどう繋がっているかを理解し、より高いモチベーションを持って業務に取り組むことができます。定期的なチームミーティングやワークショップを開催し、社員の意見を取り入れる機会を設けることで、彼らの仕事に対する意味を深め、業務に対するコミットメントを強化します。
効果的なインセンティブ施策の導入法
社員のモチベーションを向上させるためには、効果的なインセンティブ施策の導入が重要です。基本的な説明として、インセンティブ施策は、金銭的な報酬だけでなく、休暇や研修の機会、特別な表彰など多岐にわたります。特に独自性を強化するためには、社員の個別のニーズに合わせたカスタマイズが求められます。
例えば、ある企業では、プロジェクトの成功に貢献した社員に対し、選択可能な報酬パッケージを提供しています。これにより、社員は自分にとって最も価値のある報酬を選ぶことができ、満足度が向上しました。
実践的なポイントとしては、社員の声を積極的に聞く仕組みを作ることが重要です。定期的なアンケートや面談を通じて、どのようなインセンティブが有効かを把握し、柔軟に対応することで、社員のモチベーションを持続的に高めることができます。成果を認識し報酬を与えることで、努力が報われることを実感させ、さらなるモチベーションアップを図ることができます。
外部サービスとパートナーシップの活用事例
外部サービスやパートナーシップを活用することで、社員のモチベーション向上に貢献することができます。例えば、健康管理アプリの提供や、オンライン学習プラットフォームとの提携は、社員の健康維持やスキルアップをサポートします。
具体的な事例として、ある企業ではフィットネスアプリと契約し、社員に対して運動プログラムを提供しました。これにより、社員の健康意識が高まり、生産性の向上にもつながったと報告されています。また、外部の専門家によるワークショップを定期的に開催することで、新しい視点からの刺激を受け、社員の意欲を高めることができます。
こうした施策は、社内のリソースだけでは実現が難しい場合に非常に有効です。外部との連携を通じて、常に新しい価値を提供し続けることが、社員のモチベーション維持に重要です。
社員モチベーション向上の取り組み事例
貴社の取り組みを検討するうえで、参考にしていただきたい社員モチベーション向上の取り組み事例を紹介します。
01社員満足度を調査した事例
こちらは、株式会社ワークマン様の事例になります。
同社は、社員の本音がわからない、アンケートは実施できるが分析まで手が回らないといった課題から組織改革支援システム「WILL CANVAS」を導入しました。これにより、年に1回実施していたアンケートを、3か月に1回に変更しています。
この取り組みにより、社員のモチベーションを含む心の状態がより正確に把握できるようになりました。以前は面談においても本音を引き出すことが難しい状況でしたが、表面上の面談ではなく、社員がしっかりと相談できる場へと変わっています。
■詳細はこちら
このような定期的な意識調査による課題把握と改善サイクルは、WILL CANVASが得意とする領域です。
組織開発支援クラウドサーベイ 「WILL CANVAS」~WILLで組織は進化する~
02会社のビジョンや理念を浸透した事例
広告会社博報堂のクリエイティブエージェンシーである博報堂ケトル様は、創業時から一貫して大切にしているコンセプトがあります。この経営陣が次の世代に引き継がれても変わらない会社の根幹をなすフィロソフィーを学ぶため、体験の場が必要だと考え、合宿を開催しました。
一般的な会社研修や合宿とは全く異なり、合宿中は仕事の話をまったくせず、普段、職場では考えないこと、触れない情報、やったことのないことを体験することで良質なインプットを一気に得ることが最大の目的です。
■詳細はこちら
03職場環境を整備した事例
ITシステム関連企業であるアクアリング様は、コロナ禍をきっかけに注目されるようになったワーケーションを導入しました。
仕事柄クリエイティブな社員が多い事から、非日常が感じられる場所でのワーケーションで、参加者は職場を離れてリフレッシュしながらメリハリをつけて業務に励むことができました。社員からは、「いつも以上に集中できた」「時間の使い方や仲間とのコミュニケーションのあり方について考えられた」などの声が寄せられています。
■詳しくはこちら
まとめ
今回は、社員のモチベーション向上の重要性と具体的な手法について解説してきました。実際の企業の取り組みも紹介しましたので、ぜひ参考にしていただければと思います。 施策を考える前には現状を正確に把握し、そして効果を測定できなければ、真の成果にはつながりません。そこで最後に改めて、事例でも登場した「WILL CANVAS」の資料をご紹介します。現状把握と効果測定を科学的にサポートする、HR系クラウドサーベイです。
この資料では、以下の内容をご確認いただけます
人的資本経営における課題把握の重要性/WILL CANVASの機能と活用方法/導入企業の成功事例/具体的な導入ステップ