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企業・団体向け WEBマガジン「#Think Trunk」 組織サーベイとはどのようなもの?効果や手順、成功させるポイントを紹介

2023.02.21
HR(Human Resources)
人材・組織力強化
従業員満足(ES)向上

組織サーベイとは、組織の状態を測定するためのツールであり、従業員の仕事へのモチベーションや会社とのエンゲージメントを測定、可視化するものです。企業や部署の課題を解決するため、定期的に行われることが多く、昨今注目の「EVP(従業員価値提供」という考え方にも関連しています。本記事では、組織サーベイの概要や目的、成功させるポイントなどを紹介します。組織内のエンゲージメント向上に課題を感じている総務・人事などの担当者の方は、ぜひご覧ください。

組織サーベイの概要

組織サーベイについて、概要や調査の種類などについて紹介します。組織サーベイを活用する際に重視したい「EVP」の考え方についても説明します。

組織サーベイとはどんなもの?

組織サーベイとは、組織の状況(従業員のモチベーションやエンゲージメントなど)の調査・診断と、診断結果の分析に基づく改善活動を指します。近年は、クラウドやAIを活用したサーベイツールが登場しています。

組織サーベイを実施する際は、目的をはっきりさせておかなければなりません。組織サーベイの目的ごとに、調査・診断の対象や項目の内容、実施頻度などが変わるためです。

組織サーベイが重要視されている理由

組織サーベイを重視する企業が増えた理由に、「人的資本の情報開示」があります。世界的にも、「人的資本への投資は将来的な企業収益につながる」と言われており、人的資本の情報開示が各企業に求められています。高齢化社会で慢性的に人材不足になっている国内企業にとって、人材一人ひとりのパフォーマンスを発揮させることが、企業収益の増加には欠かせません。

人材一人ひとりのパフォーマンスを発揮させるうえで、重要なのが従業員の価値観です。社会的背景や雇用形態などの多様化により、従業員の価値観は多様化しています。人的資本を活用するためには、従業員への価値観に対する理解が必要です。加えて、部署間の仕事に対する認識の相違・組織のあるべき姿とのギャップを解消するためにも、組織サーベイによる課題の把握と働きやすい環境づくりが望まれます。

また、組織サーベイとともに注目を集めている考え方がEVPです。

「EVP」の考え方

EVP(Employee Value Proposition)とは、日本語で言うと「従業員提供価値」となり、企業から従業員に対して、どのような価値を提供できるのか?という視点に立ち、さまざまな施策を実施するという考え方です。企業には、「この会社にいたい」「あの会社で働きたい」と思えるような魅力が求められます。報酬、福利厚生、職場環境、休暇制度などがEVPに関係します。従業員にとって好ましいEVPを提供できると、企業価値の向上や優秀な人材の確保が可能になります。

組織サーベイの主な種類

組織サーベイは、「パルスサーベイ」と「センサス」とに分けられます。どちらも社員に対して行う調査ですが、2つの組織サーベイは、実施頻度と項目数が異なります。

パルスサーベイは1週間~1か月周期で行い、項目は10問程度と少なめです。パルスとは「脈拍」を意味する言葉で、パルスサーベイは脈拍をチェックするように短く簡単なアンケートを短いスパンで繰り返し実施します。
センサスは、パルスサーベイに対して頻度の低いサーベイで、半年~1年周期で行い、項目数は50~100問程度と多めです。多くの従業員を抱える組織でも、部署や役職などでセグメントをして多角的に従業員のエンゲージメントを図ることができるので、かつては主流でした。しかし、拾い上げた結果を現場に反映するのに時間がかかることから、近年ではパルスサーベイが注目されています。

組織サーベイと社内アンケートの違い

組織サーベイと似た施策に、社内アンケートが挙げられます。そもそも「サーベイ」とは調査するという意味の英語です。組織サーベイの調査方法自体は社内アンケートと同じですが、組織サーベイの方は実施内容が、調査から分析、施策実行までの広範囲に及びます。

組織サーベイの目的

組織サーベイの目的は、調査結果に基づく組織の改善です。ここでは、組織サーベイの目的の一例を紹介します。

組織サーベイの目的とは?

組織サーベイでは以下の内容を把握した上で、組織を改善するための手がかりとします。

  • 従業員満足度やエンゲージメント
  • 従業員のストレス度
  • 企業理念や戦略の浸透度

これらの要素は、いずれも組織の生産性や離職率に影響を及ぼします。従業員満足度やエンゲージメントには、以下の要素が関係します。

  • 企業理念
  • 事業内容
  • 仕事内容
  • 同僚や上司との人間関係や職場風土
  • 待遇や給料

また、組織編成や人材配置の効果検証・組織の課題明確化のためにも、組織サーベイが実施されます。

組織サーベイのメリットとは?

組織サーベイを実施すると、組織の目的達成に向けた現状の可視化が可能です。組織サーベイでは、従業員のニーズを定量的に捉えられ、データをもとにして組織を変革できます。 定量的なデータをもとにすると、説得力のある施策を考えやすくなります。さらに組織全体の改善だけではなく、従業員個々への対応も容易になります。

また組織の生産性を向上や離職率の低下というメリットもあります。組織サーベイでは組織のマネジメント状態が可視化され、課題の特定や施策の効果測定に役立つためです。マネジメントの可視化を測る項目として、以下の内容を盛り込むと効果的です。

  • 業務量は適切か
  • 与えられた仕事に納得しているか
  • 自分のスキルに対して仕事内容がふさわしいと感じるか

組織サーベイにより、従業員のストレス状態がわかれば、課題発見により職場環境を改善でき、離職率の抑制が可能です。離職率が低い企業には求職者が集まりやすく、優秀な人材の獲得や採用コストの節約も見込めます。

組織サーベイのデメリットとは?

組織サーベイを運用すると、本業以外の業務が増えます。組織サーベイの実施者は、現状分析から設問設定、回答分析などに時間を取られます。

従業員が項目に回答する時間も必要です。組織サーベイの実施目的が明確でなければ、項目数が膨大となり従業員から不満が出かねません。

組織サーベイの実施方法

組織サーベイの実施方法を紹介します。まずは、現状分析により組織サーベイの目的を決めることが重要です。

STEP01組織の現状分析

組織サーベイの実施にあたって、まずは現状分析が大切です。
例えばメンタル不調者が多い組織の場合、「メンタル不調者が多い理由は、上司のマネジメント力が不足しているのではないか」というように仮説を立てると、組織サーベイの目的は「上司のマネジメント力を調査する」と明確になります。

STEP02経営陣の同意を得る

組織サーベイには費用がかかります。経営陣の理解を得るためには、費用対効果についての説明が大切です。分析した結果を施策に盛り込む際にも、経営陣の協力は欠かせません。さらに、企業のトップが組織サーベイを重視する姿勢を示せば、従業員の協力も得やすいと考えられます。

STEP03対象者や頻度をしっかり決める

組織サーベイを実施する際は、費用を無駄にしないためにも、目的に合わせて対象者や実施頻度を決める必要があります。例えば、早期離職の防止の場合には、対象を若手の従業員に絞ると効果的です。

目的に応じて、組織サーベイの頻度や設問数を調節することが大切です。むやみに従業員に負担をかける組織サーベイでは、回答に協力的な従業員が減ってしまいます。

STEP04調査項目を決める

目的に合わせて、課題解決のための調査項目を決定します。組織サーベイの回答側の負担を減らすためには、質問数をむやみに増やさないことが得策です。課題によっては、調査対象者を絞ったほうがよいケースもあります。調査対象者を絞ると、サーベイの実施や分析にかかる負担が少なくなります。

STEP05自社、目的に合ったサーベイツールを選定する

組織サーベイのツールはそれぞれ強みが異なるため、自社の組織サーベイの目的や調査範囲に沿ったものを選ぶ必要があります。

施策実施まで至らなければ、組織サーベイを活用できたとは言えません。サポートが手厚いツールを選ぶと、組織サーベイを運用しやすいと考えられます。

料金形態も、ツールを選ぶポイントです。従業員1人あたりに費用がかかるツールもあれば、月額料金が設定されているツールもあります。また、予算に見合うツールであるかも確認が必要です。無料お試し期間が設定されていると検討に役立ちます。

STEP06組織サーベイの告知

組織サーベイを実施する際は、従業員への事前告知が必要です。告知の際には組織サーベイの目的やメリットも合わせて伝えることがポイントです。

従業員が組織サーベイに対して否定的に受け止めると、正確に状況を把握できなくなってしまいます。従業員の協力を得るためには、組織サーベイの目的やメリットへの理解が必要です。

STEP07組織サーベイの実施

組織サーベイでは、一般的に、95%以上の回答率であれば、組織状態が反映されたデータを得られるとされています。一方、回答率が低ければ、組織状態を正確に把握できません。組織サーベイの対象者が回答しやすいように、サーベイの実施方法を考える必要があります。

例えば、匿名性にすると従業員は本音を書きやすくなります。また、実施期間を長めに設定することで隙間時間に回答でき、従業員の負担を減らすことができます。

STEP08組織サーベイの分析

組織サーベイの回答を集計し、定量情報と定性情報を基に客観的に結果を分析します。当初の仮説が正しかったか、新しい示唆がないかなどが分析のポイントです。分析結果は組織内で共有すると、回答者にも納得感があり、課題解決や次の組織サーベイでも協力が得られやすくなります。


まとめ

組織サーベイは、人的資本の活用に役立ちます。組織サーベイを活用すると、生産性の向上や離職の防止に効果的です。組織サーベイの成功には、目的に合わせた運用方法やサービスの選定が重要です。

組織サーベイで活用したい「EVP経営」に関するセミナー動画を紹介します。

EVP(Employee Value Proposition)とは、「従業員が実感できる、その企業で働く価値」であり、従業員エンゲージメントを高める取り組みです。従業員エンゲージメントが高まれば、帰属意識や貢献意欲の向上・職場のコミュニケーションの活発化・他の従業員のモチベーションアップ・組織の活性化につながります。セミナー動画については以下からご覧ください。


ホワイトペーパー(お役立ち資料)【セミナー動画】EVP発想による活き活きとした組織の作り方 ~従業員サーベイの効果的な活用法~

日本は諸外国に比べて「ワークモチベーション」が低い国といわれており、様々な調査でそれが明らかになっています。仕事への価値観や顧客、従業員のニーズが多様化する中で、自分たちの組織の理想とする姿(=組織ビジョン)とはなんでしょうか?

2021年11月16-19、25-26日に開催されましたHRの一大イベント「HRカンファレンス2021-秋-」にて、イキイキと人が躍動する組織作りのヒントとなる「EVP(従業員に対して企業が提案できる価値)」の考え方を、事例を交えて解説する講演を開催しました。

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ソリューション紹介 企業の組織変革支援システム「WILLCANVAS」

JTBグループのJTBコミュニケーションデザインが開発した、企業の組織変革支援システム「WILLCANVAS」を紹介します。
WILL CANVASは、従業員意識調査をベースにデータ分析やコンサルティングを⽤いて組織の改善、評価などの業務を⽀援するHRテックサービスで、組織の状態を可視化・数値化することが可能です。

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