組織活性化は社内コミュニケーションの活性化や、従業員の離職率低下につながる重要なものです。従業員が満足して働ければ、顧客満足度向上にもつながるため、積極的に取り組むことをおすすめします。この記事では、Web会議やフリーアドレス制の導入、ITシステムの活用などの組織活性化のための方法や導入事例について紹介します。

INDEX
組織活性化の概要
組織活性化とはどのようなものなのか、まずはその概要について解説します。
組織活性化とは
組織活性化とは、従業員がそれぞれ目的を持ち積極的に行動することにより、業務の生産性を上げようとする試みです。組織活性化においては、従業員同士のつながりを強くすることが大切です。信頼できる上司や同僚とともに働けると、従業員は業務に対してやる気が出て、積極的に仕事ができるようになります。
組織活性化している状態とは
組織活性化している状態とは以下のような状態をいいます。
- 従業員に企業理念やビジョンが浸透している
- 従業員のコミュニケーションが活発にできている
- 従業員の業務に対するモチベーションが高い
- 従業員がそれぞれ自発的に動いている
ただし、従業員が忙しく働きまわっていて一見すると活発に見えるような状況や、ただ従業員同士の仲が良いだけの状態は組織が活性化しているとは言えません。
組織活性化の必要性
なぜ企業には組織活性化が必要なのか解説します。
コミュニケーション低下の防止
コロナ禍により、テレワークを導入する企業が増えました。在宅勤務などにより、仕事の効率が上がる一方、従業員同士が関わる機会が減少し、チームで仕事を進める力は弱くなる恐れがあります。コミュニケーション不足や帰属意識の低下につながるため、組織を活性化しコミュニケーション低下を防止することが必要です。
従業員の離職防止
従業員が企業の理念を理解できていないと、仕事に対してやりがいを感じられず、業務に対してストレスを感じるようになります。特に若手社員は、仕事へのやりがい、社会への貢献度合いといった観点で仕事を選ぶ傾向があると言われています。そのままの状態で放置すると、よりやりがいを求めて転職をしてしまう人が増える可能性もあります。
優秀な人材を自社に留めておくためには、企業理念の理解を促し、仕事に対して充実感を得られるようにする必要があります。
組織活性化のメリット
組織が活性化すると、企業は以下のようなメリットを得られます。
優秀な人材の確保
組織活性化ができている企業では、従業員は働きがいを感じるため、自ずと従業員満足度が向上します。この企業で長く働きたいと考える従業員が増え、優秀な人材の離職を防止することができます。また、組織活性化ができている企業は求職者にとっても魅力的に映るため、優秀な人材が集まりやすくなります。
顧客満足度の向上
従業員満足度が上がり従業員が働きやすくなると、業務に対するやる気が出ます。そのため、従業員はよりよい商品を作りだそうとしたり、顧客に丁寧に接するようになります。従業員が自社の魅力をしっかりと理解し顧客へ商品やサービスを提供するようになるため、顧客満足度の向上につながります。
業績の向上
従業員がやる気を感じ、従業員満足度が上がると、より良い商品・サービスを顧客に提供するようになります。その結果、顧客満足度が向上し、業績の向上が見込めます。いくら能力が高い従業員でも仕事に対するモチベーションが低ければ、業績向上は望めないということです。組織活性化を行い従業員がモチベーションを向上できる環境にすれば、従業員一人ひとりが仕事に積極的に取り組み、結果、業績の向上に繋がっていくのです。
組織活性化の具体策
組織活性化をするためには、以下のような施策が有効です。
個別面談を実施
上司と部下で個別に面談を行い、悩みや不安、将来の目標などをヒアリングします。個別にコミュニケーションを取ると普段は話しにくいことも話せるようになり、コミュニケーションが充実、心理的安全性が高まります。部署内だけではなく、他部署の上司との個別面談も、新たな発見や社内コミュニケーションの活性化につながるためおすすめです。
職場懇親会を開催
部署や役職に関係なく、さまざまな社員の関係性を深めるためには、職場懇親会もおすすめです。ただ仲良くなることだけを目標にするのではなく、勉強会や情報共有の場にすると、組織活性化対策として有効です。懇親会以外にも、レクリエーションなどの社内イベントを行う企業も多くあります。またコロナ禍により、オンライン懇親会という新たな形も出てきました。
マルチ担当制を導入
マルチ担当制とは、一人の従業員が複数の部門を担当することです。マルチ担当制を導入すると、従業員が企業全体を俯瞰しやすくなり、企業理解が進みます。また業務の属人化も防止可能です。属人化を防げれば、従業員は休暇を取りやすくなり、より働きやすい環境にすることができます。
フリーアドレス制を採用
専用のデスクを用意せず、その時々で好きな座席を使用するフリーアドレス制は、毎回隣に座る人が変わるため、さまざまな社員とコミュニケーションを取れるようになります。ただし、フリーアドレス制を導入するためには、ノートパソコンやタブレットだけで働ける環境が必要になるため、ペーパーレス化の同時進行も必要です。
ITシステムを活用
テレワークになっても従業員同士がコミュニケーションを取れるように、チャットやWEB会議システムを活用するのもおすすめです。こういったITシステムを活用すると、業務の無駄を省けるため業務効率化も期待できます。コロナ禍により、テレワークなど自由に働きたいという人が増えているため、優秀な人材確保にもつながります。
個別面談を導入した組織活性化への取り組み事例
個別面談により組織を活性化した事例を紹介します。
事例01従業員に無理のない個別面談
この企業では、チームプレーが苦手な従業員が多いという課題を持っていました。そこで、週に1回15分の1on1ミーティングを導入し、コミュニケーション促進を図りました。ミーティングの形式も散歩やランチなど状況に応じて変更しています。短時間で従業員の負担が少ない形式で行ったため、無理のないコミュニケーション促進に成功しました。
事例02アドバイスはしない傾聴面談
この企業は、完全に部下の目線に立った個別面談を開催しています。上司が部下に説教やアドバイスをするのではなく、30分間個室でしっかりと話を聞くような形態です。その結果、部下が企業に対する不満を解消しやすくなり、マネジメント強化にもつながっています。
社内懇親会を導入した組織活性化への取り組み事例
社内懇親会をどのように組織活性化に生かしたのか、実際の事例を紹介します。
事例03他の部署の人とも繋がれる
従業員満足度が他社よりも低いこと、満足度が低いほど従業員が精神的な不調を訴えていたことから、懇親会を定例化し、社内のコミュニケーション活性化につなげました。特徴的な点は、直接の上司ではなく管理職やほかの部署の人と懇親会をするという点です。直接繋がりがある人には言えないような相談ができるため、従業員満足度向上につながりました。
事例04毎年、全社員が一同に集う
この企業は、全社員が一同に集うような懇親会を毎年開催し、コミュニケーション活性化を図っています。しかし、フルリモートを導入後は、従業員同士が顔をあわせる機会がほぼなくなりました。そこで、オンラインで社員全員を集め、5人グループごとにゲームを行うなど、コミュニケーションの維持・向上に取り組んでいます。
マルチ担当制を導入した組織活性化への取り組み事例
1人で複数部署を担当するマルチ担当制を導入した企業の事例を紹介します。
事例0510年で最低3つの部署を担当
この企業では、10年で最低3つの部署を担当するように、人材配置を行っています。これにより、従業員が何を得意としているのか、見つけやすくなり、従業員のゼネラリスト育成につながっています。結果、適材適所に人材を配置できるようになり、生産性の向上に成功しました。
フリーアドレス制を導入した組織活性化への取り組み事例
固定席を用意しないフリーアドレス制を導入した企業の実例を紹介します。

事例06毎日、ダーツで座席を決定
この企業は、「フリーアドレス制を導入しても、結局同じ場所にばかり座ってしまう」という課題を解決するために、毎日ダーツで座席を決定しています。これにより、仲のよい社員のそばだけに座ることが無くなり、さまざまな人とコミュニケーションを取るようになりました。
事例07社内のどこでも仕事ができる環境を
従業員がのびのびと仕事をする環境を提供するために、フリーアドレス制を導入し、従業員のストレス軽減に成功しました。社内をすべて無線LANにし、どこでも仕事ができるようにしたうえ、固定電話を廃止して、社内スマートフォンを導入しています。結果としてコミュニケーションやスケジュール管理がしやすい環境づくりに成功しました。
ITシステムを導入した組織活性化への取り組み事例
ITシステム導入による組織活性化の事例を紹介します。
事例08毎月20本以上の記事を社内報で配信
この企業では、社内の企業理念浸透のために毎月20本以上の社内報をWEBで配信しています。WEBで配信することにより、紙や印刷にかかるコストを削減できたうえ、従業員が閲覧しやすくなりました。社内報はプレゼント企画など従業員が楽しめるように工夫されているため、従業員は自発的に自社のことを知るようになっています。
事例09チャットツールで気軽にコミュニケーション
この企業では、いままでメールで社内のやり取りをしていたのですが、返信までの時間のかかり具合や操作性から、チャットツールを導入しました。これにより、気軽にコミュニケーションが取れるようになり、組織活性化につながっています。チャットツールは操作性がよく時短につながり、グループ会社全体で25,000時間の削減に成功しました。
JTBの組織活性化サポート
株式会社JTBでは、企業の組織活性化をサポートしています。組織活性化にお悩みの企業は、ぜひお問い合わせください。
チームビルディング研修の提案
チームビルディングはチーム力を構築することで、社員同士のつながりや交流を促すものです。チームビルディングでは、スポーツを行うことも有効な手段の1つです。JTBでは、こういったチームビルディング研修のサポートも行っています。コロナ禍により、オンラインチームビルディングプログラムも多数開発しました。感染症対策をしつつ、目標達成できるような研修を提案します。
ワーケーションをサポート
ワーケーションとは、働く(work)と休暇(vacation)の2つの言葉をあわせた言葉で、リゾート地や観光地などの日常とは違った環境で働く、という意味です。「働きながら」という性質から、通常よりも長期間休暇を取れ、福利厚生としてもおすすめです。JTBでは、ワーケーションを取り入れる企業をさまざまな面からサポートします。
■サービスの紹介 ワーケーション
組織活性化に役立つホワイトペーパーを紹介
組織活性化の施策として、オフィスではない場所で会議を行うのはいかがでしょうか。JTBでは、アウトドアで会議を行う「CAMPING OFFICE」を提案しています。通常とは違った環境で会議することにより、従業員同士の関係性もよくなります。組織活性化への取り組みとしておすすめのプログラムです。他にも組織活性化に役立つ情報をいくつか紹介します。ぜひ、ご覧ください。
「CAMPING OFFICE」 のすゝめ ~オフィスでは手に入らない!?アウトドアでの五感への刺激が「ビジョンシェアリング」に最適!~
温泉のチカラでアタマもココロもカラダも活性化!「湯河原 ONSEN‐MICE」で貴社の会議を変えませんか
組織変革支援システム「WILL CANVAS」~意志は組織を進化させる~
社員研修INNOVATIONS ~最新トピックスやマネジメント層から新人研修まで使える13のプログラムも紹介~
まとめ
今回は、組織活性化についてお届けしました。コロナ禍により、従業員同士や企業と従業員の間に距離が生まれてしまった企業が多いのではないでしょうか。今後はこれまで以上に組織活性化への取り組みが重要になります。組織活性化のためには、従業員同士のコミュニケーションを活性化するが大切です。普段テレワークでコミュニケーションが取れなくなってしまっている企業は、社内イベントやコミュニケーションツールの導入などを行い、社内コミュニケーション活性化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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