貴社でもさまざまなビジネスイベントが行われていると思いますが、各イベントの報告書を作成していますか?しっかり活かせていますか?イベントを振り返ることで、イベントの成功点や課題点を明確にし、次のイベントをより良くすることができます。 また、イベントの内容や成果を関係者と共有することで、イベントへの理解や関心が高まります。そのためには、しっかりと報告書を作成することが重要です。報告書を充実したものにするためには、事前にしっかりと準備しておくことが必要です。本記事では、イベント報告書が必要な理由、また効果的なイベント報告書の作成方法や作成例について紹介します。
記事の最後では、イベント報告書を充実させるうえでのお役立ち資料「 ビジネスイベントの効果検証に悩む方必見!「イベント効果検証」のベストプラクティスと事例紹介」を紹介しています。こちらも、ご覧ください。
イベント報告書を作成するメリット
貴社でもキックオフミーティングや表彰式、周年記念イベント、株主総会、新商品発表会など、多くのビジネスイベントを開催しているのではないでしょうか?開催したビジネスイベントの結果をしっかり振り返るためには、イベント報告書が有効です。まずは、イベント報告書を作成するメリットについて整理します。
イベントの振り返りと改善ができる
イベントの目的や実施内容、運営体制を振り返るにあたり、イベント報告書という形で言語化することで、関係者で共通認識を持つことができます。ポジティブ面とネガティブ面の両方から結果を記載しておけば、次回イベントに向けて改善点を明確にでき、より良いイベントの企画につなげることができます。
イベント実績が記録として残る・担当者の引継ぎに使える
イベント報告書を作成することで、開催したイベントのノウハウを資産として蓄積できます。担当者が人事異動などで変わるとそのイベントの知見が社内で引き継がれないことがよくあります。しかし、イベント報告書を作成しておいけば、過去の実績とノウハウを継承することができます。また協賛や後援いただいた企業や団体に対する報告書としても使うことができ、継続的な支援につながりやすいというメリットも期待できます。
次回参加を促すことができる
例えば、社内向けイベントの場合、報告書を社内で展開すれば、イベントに参加した・していないに関わらずイベント内容を伝えることができます。これも、報告書を作成するメリットの1つと言えます。報告書から「同じイベントが次回開催されたら参加したい」という参加意欲につながる可能性があり、イベントへの参加を促すことができます。
ブランディングに活用できる
どのようなイベントを開催しているのかを社外へ発信することで、ブランディングにつなげることもできます。イベント報告書を作成しておけば、社外向け発信媒体の素材として利用することができます。社内向けイベントであれば、採用活動を後押しすることにつながり、また社外向けイベントであれば、宣伝・告知の効果が期待でき、新たなファンの獲得や既存顧客のエンゲージメント強化にもつながります。
イベント報告書で必要な5つの構成要素
イベント報告書を作成することにはさまざまなメリットがありますが、メリットを享受するには、必要なポイントを網羅する必要があります。それでは、イベント報告書にはどのような要素が必要なのでしょうか?ここからは、5つの構成要素について紹介していきます。
01イベントの開催概要
まずは、開催されたイベントそのものの情報です。イベントでの実施概要を端的に紹介します。
主な項目は、以下の通りです。
- イベント名
- イベントの目的
- 開催場所
- 開催日時
- 主催者
- 対象者
- 実際の参加者、参加者数など
02イベントの具体的な実施内容
次に、イベントで実際に行ったことを具体的に記載していきます。運営者目線で「上手くいったこと」「上手くいかなかったこと」を書き分けるとわかりやすくなります。またイベントの写真も、報告書には欠かせません。イベント会場の雰囲気や参加者の様子が伝わる写真を撮影しておきます。さらに写真にキャプションをつけると、イベントの様子がより伝わりやすくなります。
03イベントの目的、設定したKPIの達成度合い
イベントの目的が達成できたのか?設定したKPIは達成できたのか?その達成度合いを記載します。特にKPIは、設定した指標に対して、達成度を数値だけではなく、グラフなどを掲載するとわかりやすくなります。
04参加者の感想やアンケート結果
定量的な数値だけではなく、参加者の感想といった定性的な評価を盛り込むと、報告書としての内容が充実します。またSNSでの投稿を調査しその結果を盛り込むのもいいでしょう。参加者のアンケート結果が好意的な場合、参加しなかった方に「次回は参加してみよう」と次回参加を促す効果も期待できます。
05次回イベントにむけてのアクション
「続けるべきこと」「問題を抱えていること」「改善のために次回行うべきこと」などをまとめていきます。問題点と解決策については、「いつ」「誰が」「どのように」実施するのかまでを記載することが重要です。次回のイベントをより良くするために、必ず記載します。
イベント報告書の準備ポイント
充実したイベント報告書を作るには、事前の準備が必要です。ここからは、イベント報告書作成にむけて事前に準備しておくべきポイントを紹介します。
報告書の作成目的とターゲットを決めておく
まずは、報告書の作成目的と誰に対する報告書なのかを確認します。作成目的とターゲットにより記載すべき事項が変わってくるからです。また、伝えたい情報の優先順位を整理しておくことも重要です。
イベント内容をリサーチしておく
例えば、登壇者の発表内容などは、投影スライドや発表原稿を入手するなど、事前にリサーチしておきます。あらかじめ内容を把握していれば、突然インタビューをすることになってもスムーズに進行できます。
記載して良い内容、撮影について許可をもらう
報告書に記載しても大丈夫な内容なのか、必ず事前に確認しておきましょう。顔を出すことを嫌がる参加者も少なくありません。顔がわからない写真を使う、もしくは撮影が許可された写真を使うといった配慮が必要です。また撮影の際は、事前に許可を取っておくとスムーズです。許可を得ずに報告書に記載・添付してしまった場合、後々トラブルにつながる恐れがあるため注意が必要です。イベント中の撮影では、「撮影班」「広報」などの腕章を付けておくことで、許可されていることを周知することができます。
イベント報告書の作成ポイント
イベント報告書は多くの人の目に触れるものです。また社内だけではなく社外に公開する場合もあるため、わかりやすいものにすることが重要です。ここからは、イベント報告書を作成するうえでのポイントを紹介します。
POINT01コンパクトにまとめる
報告書の内容は、要点を絞って書くべきことをまとめます。必要最低限の内容で作成し、その後、情報を追加していくのがおすすめです。報告書のボリュームは、A4サイズで概要1枚+詳細2~3枚程度が望ましいです。
POINT02イベントは時系列でまとめる
企画・準備段階とイベント本番に分けたうえで、イベントの本番については、時系列でまとめると、わかりやすい報告書になります。よかった点や改善点も把握しやすくなります。なお、展示会などの自由参加型のイベントの場合は、カテゴリやテーマごとにまとめるのもおすすめです。
POINT03数字を使って具体的に報告する
参加者の属性データやアンケートデータなどを活用し、客観的な事実や結果を記載するとわかりやすい報告書に仕上がります。また、運営者としての主観と参加者の声といった客観的な事実をしっかりと区別して報告することも重要です。なお、グラフや表の数値データには、引用元などを必ず記載します。特に、関係者以外が作成した図表類の掲載には、細心の注意が必要です。また、アンケートの回答内容をまとめた場合は、「イベント後に実施したアンケート結果を元に作成」といった注釈を入れます。
イベント報告書の記載例
イベント報告書の章立ての一例を紹介します。
- イベント概要
- タイトル
- 実施目的
- イベント詳細
- 内容
- ターゲット
- 日時
- 場所
- 宣伝方法
- 協力会社
- ターゲット
- 予算(見積・実費)
- 実績(来場者数、売上金額など)
- 会場写真
- 参加者の声(アンケート結果・SNS反響)
- 統括(結果や振り返りなど)
- 問い合わせ先
まとめ
本記事では、ビジネスイベントにおけるイベント報告書の重要性と作成にあたってのポイントをお伝えしました。キックオフミーティングや周年記念イベント、株主総会など多くのビジネスイベントが開催されますが、次回イベントをより良くするためには報告書の作成が重要です。イベントの報告書をしっかりと作り上げることで、社内にノウハウを蓄積でき、次回イベントの改善に役立てることができます。また、報告書は社外への宣伝や告知にも利用可能であり、ブランディングや新規顧客の開拓にもつなげることができます。貴社のイベント報告書作成のヒントになれば幸いです。
最後に、報告書を充実させるうえでのイベントの効果測定に関するお役立ち資料を紹介します。弊社の調査によると、「実施後の効果測定ができていない」「費用対効果が合っていない」など、『効果検証』に関する課題を抱えている企業が多いことが明らかになっています。また、イベント主催者と参加者の間で、価値の認識に大きなズレが生じているケースも見受けられます。本資料では、参加者フィードバックを得て効果検証を行っていくためのヒントや事例をご紹介します。イベント報告書を充実させるヒントにもなります。ぜひ、ご覧ください。